食品衛生学雑誌
Online ISSN : 1882-1006
Print ISSN : 0015-6426
ISSN-L : 0015-6426
44 巻, 5 号
選択された号の論文の7件中1~7を表示しています
報文
  • 穐山 浩, 五十鈴川 和人, 張替 直輝, 渡邊 裕子, 飯島 賢, 山川 宏人, 水口 岳人, 吉川 礼次, 山本 美保, 佐藤 秀隆, ...
    2003 年 44 巻 5 号 p. 213-219
    発行日: 2003/10/25
    公開日: 2009/01/21
    ジャーナル フリー
    特定原材料である卵の通知試験法ELISA法の評価のために10機関による検証評価試験を行った.卵白アルブミン,オボムコイドおよび卵タンパク質を測定する3種ELISA法とも同時再現性はおおむねCV値10% 以下と良好であった.10機関で卵標準溶液を添加した5食品の各食品抽出液を分析した際の平均回収率は,3種ELISA法とも40% 以上であり,併行再現性の相対標準偏差は,それぞれ 18.7~25.5%, 18.6~41.8%, 21.3~43.3% であり,室間再現性の相対標準偏差はそれぞれ16.8~35.1%,19.6~35.8%, 24.7~51.1% であり,ELISA 測定としては実用上支障がないと考えられた.3種ELISA法の検出限界は,測定溶液の濃度で4~5 ng/mLであった.
  • 井部 明広, 田端 節子, 貞升 友紀, 安井 明子, 下井 俊子, 遠藤 美代子, 斉藤 和夫
    2003 年 44 巻 5 号 p. 220-226
    発行日: 2003/10/25
    公開日: 2009/01/21
    ジャーナル フリー
    醤油中に存在する7種の不揮発性腐敗アミンの含有原因を知る目的で,醤油もろみ熟成中におけるそれらアミン生成の有無を調査するとともに,その生成原因を検討した.醤油のもろみを仕込み503日間熟成,その間経時的にもろみを採取し分析したところ,チラミンおよびフェネチルアミンが生成されることを確認した.そこでもろみからアミン産生菌を検索したところ,チラミンを産生する乳産菌を単離し,Enterococcus faecium と同定した.本菌の性状を検討した結果,醤油中のチラミンは,熟成中塩分が完全にもろみ内部に浸透する前の初期段階において,これらチラミン産生菌によって生成,蓄積されることが一因であると推察された.
  • 大田 實, 大島 昭三, 岩佐 寿夫, 伊藤 尚史, 森井 仁, 森野 眞嘉, 中村 忠, 永井 賢司
    2003 年 44 巻 5 号 p. 227-233
    発行日: 2003/10/25
    公開日: 2009/01/21
    ジャーナル フリー
    ポリ塩化ビニリデン(PVDC)製食品包装材料に使われている添加剤(エポキシ化アマニ油(ELO), エポキシ化大豆油(ESO), クエン酸アセチルトリブチル(ATBC), アセチルモノラウリン酸グリセリド(DALG), セバシン酸-n-ブチルエステル(DBS))および市販PVDCラップフィルム抽出物の性ホルモン様活性を知るために性ホルモン受容体結合試験(ER, AR結合試験)およびラット子宮肥大試験を実施した.これらの試験結果からは,いずれの試料も性ホルモン様活性を示さなかった.
  • 津村 ゆかり, 石光 進, 大滝 佳代, 内海 宏之, 松本 延之, 駄場 正樹, 土屋 鍛, 右京 政補, 外海 泰秀
    2003 年 44 巻 5 号 p. 234-245
    発行日: 2003/10/25
    公開日: 2009/01/21
    ジャーナル フリー
    国内の8機関の参加を得て,農作物中の104種農薬の残留スクリーニング分析に関わる試験技能評価を試みた.評価項目は,検出下限値・内部精度評価(添加回収試験)・外部精度評価(ブラインドスパイク試験)とした.104項目の農薬に関して,GCの検出下限値および添加回収率から,農作物中における一斉残留スクリーニングが全く不可能であると考えられるものはなかった.ブラインドスパイク試験(添加量は残留基準値程度)の結果,農薬の検出効率の推定値は,機関によって65~100%と開きがあった.また,含有されていない農薬を検出と判定した頻度は,5回の試験で15農薬の誤検出をした機関がある一方で,全く誤検出のない機関もあった.参加各機関の多成分農薬スクリーニング技能水準にはかなり開きがあることがうかがえた.
  • 竹葉 和江, 藤沼 賢司, 坂本 美穂, 神保 勝彦, 岡 尚男, 伊藤 裕子, 中澤 裕之
    2003 年 44 巻 5 号 p. 246-252
    発行日: 2003/10/25
    公開日: 2009/01/21
    ジャーナル フリー
    PDA-HPLCによる畜産食品中のベンズイミダゾール系寄生虫駆除剤12種類の分析法を開発した.食肉類,生乳および鶏卵の各試料にアセトニトリルおよび n-ヘキサンを加えて均質化した後,アセトニトリル相を分取して濃縮し,C18カートリッジで精製した.移動相には,アセトニトリル-0.05 mol/L酢酸アンモニウム混液を,検出には295 nmおよび313 nmの2波長を用いた.本法による12薬剤の添加回収率は 72.6~97.2%, 変動係数は 0.3~8.5%, 検出限界は0.01~0.05 μg/gであった.
ノート
feedback
Top