食品衛生学雑誌
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45 巻 , 5 号
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報文
  • 黄 登福, 黄 玉茹, 林 国平, 陳 泰源, 林 欣榮, 陳 陸宏, 謝 宏昇
    2004 年 45 巻 5 号 p. 225-230
    発行日: 2004/10/25
    公開日: 2009/01/21
    ジャーナル フリー
    台湾北部の生鮮な魚貝類の衛生状態と鮮度調査を目的に,市販の生鮮水産品533検体の品質と鮮度調査を行った.試料は魚市場,伝統市場およびスーパー(大型量販店も含む)から夏と冬に収集し,一般生菌数,糞便系大腸菌群および大腸菌とVBN値,K値を調査した.その結果,夏季に魚貝類の品質と鮮度が悪化し,特に軟体類で顕著であった.また,魚市場のものは伝統市場やスーパーのものと比べ,品質と鮮度がともに良好であった.生鮮魚貝類には糞便系大腸菌群と大腸菌が検出され,細菌による2次汚染が示唆された.
  • 福渡 努, 鈴浦 千絵, 佐々木 隆造, 柴田 克己
    2004 年 45 巻 5 号 p. 231-238
    発行日: 2004/10/25
    公開日: 2009/01/21
    ジャーナル フリー
    ビスフェノールA含有食の摂取によるトリプトファン-ニコチンアミド代謝系に及ぼす影響からビスフェノールAが3-ヒドロキシキヌレニンの産生に関与する kynurenine 3-hydroxylase活性を阻害していることが示唆された.そこで,ビスフェノールAの kynurenine 3-hydroxylase への阻害効果を in vitro で調べた.その結果,活性はビスフェノールAによって阻害された.すなわち,ビスフェノールAは kynurenine 3-hydroxylase 活性を阻害することにより,トリプトファン-ニコチンアミド転換率を低下させることが明らかとなった.
  • 畑野 和広
    2004 年 45 巻 5 号 p. 239-244
    発行日: 2004/10/25
    公開日: 2009/01/21
    ジャーナル フリー
    LC/MS/MSによる食品中のキノロン剤(エノキサシン,オフロキサシン,シプロフロキサシン,ダノフロキサシン,ロメフロキサシン,エンロフロキサシンおよびサラフロキサシン)の同時定量法について検討した.LC条件はODSカラムを用いて移動相にIPCC-MS3を添加しアセトニトリル-水系でグラジエント分析した.イオン化はエレクトロスプレーイオン化法によりポジティブモードで行った.試料の前処理は 0.2% ギ酸アセトニトリルで抽出しC18カートリッジを用いて精製した.各薬剤を10 ng/g添加した場合の回収率はおおむね 60% 以上で,検出限界はエノキサシンおよびシプロフロキサシンが2 ng/g,その他の薬剤が1 ng/gであった.本法を用いて牛筋肉20検体,豚筋肉7検体,鶏筋肉9検体,牛乳16検体,エビ19検体およびウナギ蒲焼き20検体について分析した結果,ウナギ蒲焼き9検体からエンロフロキサシンおよびその代謝物であるシプロフロキサシンがともにそれぞれ痕跡量~34 ng/g,痕跡量~10 ng/g検出された.
ノート
  • 田端 節子, 飯田 憲司, 鈴木 仁, 木村 圭介, 井部 明広, 斉藤 和夫
    2004 年 45 巻 5 号 p. 245-249
    発行日: 2004/10/25
    公開日: 2009/01/21
    ジャーナル フリー
    GC/MSを用いてリンゴ果汁中のパツリンを1および5 μg/kg(日本の基準値の1/10)まで正確にそれぞれ測定,確認できる分析法を確立した.試料中のパツリンを酢酸エチルで抽出し,濃縮後の抽出液にヘキサンを加えて混合し,生成した不溶物をろ過で除去後,固相抽出によりさらに精製した.この低極性状態でのろ過は,妨害物質の除去に非常に有効であった.カラムからの溶出液を減圧乾固,BSTFAによりトリメチルシリル化後,GC/MSで測定した.定量はSIMモード(m/z: 226),確認はSCANモードでマススペクトルを比較することにより行った.リンゴ果汁からの回収率は,10~500 μg/kg添加で 93.4~100% であり,検出,定量および確認限界は,それぞれ0.1, 1および5 μg/kgであった.
  • 藤川 浩, 甲斐 明美, 諸角 聖
    2004 年 45 巻 5 号 p. 250-254
    発行日: 2004/10/25
    公開日: 2009/01/21
    ジャーナル フリー
    最近,藤川らは細菌の増殖予測モデルとして,ロジスティックモデルを基にして新たなモデルを発表した.今回,そのモデル中の調節因子の位置を変更し,モデルの改良を試みた.この改良モデルは,液体中で培養した細菌(大腸菌およびサルモネラ)の増殖挙動をさらに高い精度で表すことができた.特に,対数増殖初期における直線的な増加挙動をバラニーモデルと同様,より実測値に近く表すことができた.また,対数増殖期の傾きおよびラグタイムをバラニーモデルよりも高い精度で予測することができた.以上の結果,今回改良したモデルは実測値にさらに近い予測ができ,実用化に適していることが示された.
  • 須賀 啓子, 望月 直樹, 山下 博
    2004 年 45 巻 5 号 p. 255-258
    発行日: 2004/10/25
    公開日: 2009/01/21
    ジャーナル フリー
    液体クロマトグラフ/タンデム質量分析計(LC/MS/MS)によるビール,ビール原料(麦芽,コーンスターチ,コーングリッツ)およびコーンスターチの原料とうもろこし中のフモニシンB1およびB2の分析法について検討を行った.ビール試料は脱気後,陰イオン交換樹脂(SAX)で精製した.ビール以外の固体試料はメタノール-水(3 : 1)混液で抽出した後,陰イオン交換樹脂で精製した.LC/MS/MS条件はODS系カラムを用い,エレクトロスプレーイオン化マルチプルリアクションモニタリング法(ESI-MRM)を用いた.その結果,ビールで52.1~64.2%,麦芽で86.4~87.9%,コーンスターチで87.9~89.5%,コーングリッツで81.1~86.6%,とうもろこしで88.4~89.3% の回収率が得られた.
  • 富澤 早苗, 高野 伊知郎, 小林 麻紀, 田村 康宏, 立石 恭也, 酒井 奈穂子, 北山 恭子, 永山 敏廣, 鎌田 国広, 斉藤 和夫
    2004 年 45 巻 5 号 p. 259-263
    発行日: 2004/10/25
    公開日: 2009/01/21
    ジャーナル フリー
    食品中の有機リン系農薬分析時に GC-FPD, GC-FTD で検出された4種類の未知ピークについて同定を試みた.これらはGC保持時間およびマススペクトルから,triethyl phosphate (TEP), tributyl phosphate (TBP), diphenyl 2-ethylhexyl phosphate (DPEHP), N-ethyltoluenesulfoneamide (NETSA) とそれぞれ同定された.これらは29検体から検出され,その濃度は痕跡(0.01 μg/g未満)~11 μg/gであった.未知ピークが検出された食品の包装容器を分析した結果,当該4種の化学物質がそれぞれ検出され,流通・保存中に包装容器から食品へ移行したことが推測された.4種の化学物質は,油脂成分が多く,長期保存する穀類加工品に移行しやすい傾向が見られた.
  • 柿本 幸子, 池辺 克彦, 堀 伸二郎
    2004 年 45 巻 5 号 p. 264-269
    発行日: 2004/10/25
    公開日: 2009/01/21
    ジャーナル フリー
    PET容器のアンチモン(Sb),ゲルマニウム(Ge)溶出試験法として,4% 酢酸溶液を直接試験溶液とし,ICP-MSで測定する方法を検討した.PET容器に Sb, Ge の 4% 酢酸標準溶液を添加し測定した結果,回収率,相対標準偏差も良好であった.4% 酢酸溶出液を直接試験溶液としてICP-MSに供しても,共存元素によって干渉作用を受けないことと,10回連続測定しても精度よく測定できることを確認した.本試験法では,長時間を要する灰化処理と煩雑な抽出操作を必要としないので,前処理時間を大幅に短縮することができた.公定法および本試験法で市販の10試料のPET容器の溶出試験を行った結果,同等の分析結果を得ることができた.したがって,本法は,簡便,迅速でかつ有害な有機溶媒である四塩化炭素を用いない安全な試験法で,PET容器から溶出される Sb, Ge を測定できる有用性が高い分析法であると考える.
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