食品衛生学雑誌
Online ISSN : 1882-1006
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45 巻, 6 号
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  • 佐藤 恭子, 植松 洋子, 伊佐川 聡, 立場 秀樹, 富澤 政仁, 大崎 和彦, 長谷部 昭雄, 渋谷 三郎, 仁井 晧迪, 東仲 隆治, ...
    2004 年 45 巻 6 号 p. 302-306
    発行日: 2004/12/25
    公開日: 2009/01/21
    ジャーナル フリー
    標準添加法を用いたヘッドスペース-GCによる天然香料中の残留溶媒分析法を確立し,その妥当性を検討した.10分析機関で溶媒添加同一試料(ジンジャーオレオレジン)を用い,第7版食品添加物公定書の製造基準で残存限度値の規定された溶媒(メタノール,イソプロパノール,アセトン,ジクロロメタン,1,1,2-トリクロロエテン,ヘキサン)を分析した.8機関が自動注入,2機関が手動注入で分析した.自動注入による各溶媒の分析結果の併行再現性および室間再現性については,いずれもHORRAT値が2以下であり,自動注入での分析法の精度は許容できる範囲と考えられた.
  • 須賀 啓子, 望月 直樹, 原山 耕一, 山下 博
    2004 年 45 巻 6 号 p. 307-312
    発行日: 2004/12/25
    公開日: 2009/01/21
    ジャーナル フリー
    液体クロマトグラフ/タンデム質量分析計(LC/MS/MS)によるトリコテセン系カビ毒9化合物(HT-2トキシン,T-2トキシン,ジアセトキシルペノール,ネオソラニオール,デオキシニバレノール,ニバレノール,フザレノンX,3-アセチルデオキシニバレノールおよび15-アセチルデオキシニバレノール)の麦茶およびビール中からの分析法について検討した.抽出は酢酸エチル-メタノール(95 : 5)を用いた.LC/MS/MS条件はカラムにODSを用い,検出はエレクトロスプレーイオン化マルチプルリアクションモニタリング法(ESI-MRM)を用いた.本法の回収率は麦茶で52.5~115.2%,ビールで68.1~127.5%であった.
  • 穐山 浩, 中村 健人, 張替 直輝, 渡邊 裕子, 飯島 賢, 山川 宏人, 水口 岳人, 吉川 礼次, 山本 美保, 佐藤 秀隆, 渡井 ...
    2004 年 45 巻 6 号 p. 313-318
    発行日: 2004/12/25
    公開日: 2009/01/21
    ジャーナル フリー
    特定原材料であるそばの通知試験法ELISA法の評価のために10機関による検証評価試験を行った.そばタンパク質を測定する2種ELISA法とも併行再現性はおおむねCV値10%以下と良好であった.10機関でそば標準溶液を添加した3食品の各食品抽出液を分析した際の平均回収率は,2種ELISA法とも40%以上であり,併行再現性の相対標準偏差は,それぞれ6.8~78.5%,5.0~33.9%であり,室間再現性の相対標準偏差はそれぞれ11.9~69.5%,16.5~34.1%であり,ELISA測定としては実用上支障がないと考えられた.2種ELISA法の検出限界は,測定溶液の濃度で1 ng/mLであった.
  • 立石 恭也, 高野 伊知郎, 小林 麻紀, 田村 康宏, 富澤 早苗, 酒井 奈穂子, 上條 恭子, 永山 敏廣, 鎌田 国広
    2004 年 45 巻 6 号 p. 319-324
    発行日: 2004/12/25
    公開日: 2009/01/21
    ジャーナル フリー
    GC-AEDを用いてネギ類,キノコ類中の塩素含有32農薬を測定する方法について検討した.試料をアセトン-n-ヘキサン混液で抽出し,減圧濃縮後,酢酸エチル-n-ヘキサン混液および5%塩化ナトリウム溶液を加えて振とうし,酢酸エチル-n-ヘキサン層を分取,減圧濃縮を行い,残留物に-n-ヘキサンを加え抽出溶液とした.その後Florisil®ミニカラムに負荷し,アセトン-n-ヘキサン(1 : 9)混液で溶出してGC-AED用試験溶液とした.AEDはECDと比較して感度では劣るものの,クロマトグラム上にきょう雑ピークは見られず,より的確に農薬検出の判断が可能であった.また,タマネギ,長ネギ,シイタケにおける添加回収率は64~114%であり28種類の農薬(長ネギのみ25種類)について精度よく分析できた.
  • 穐山 浩, 中村 健人, 張替 直輝, 渡邊 裕子, 飯島 賢, 山川 宏人, 水口 岳人, 吉川 礼次, 山本 美保, 佐藤 秀隆, 渡井 ...
    2004 年 45 巻 6 号 p. 325-331
    発行日: 2004/12/25
    公開日: 2009/01/21
    ジャーナル フリー
    特定原材料である落花生の通知試験法ELISA法の評価のために10機関による検証評価試験を行った.落花生タンパク質を測定する2種ELISA法とも同時再現性はおおむねCV値10%以下と良好であった.10機関で落花生標準溶液を添加した4食品の各食品抽出液を分析した際の平均回収率は,2種ELISA法とも50%以上であり,併行再現性の相対標準偏差は,それぞれ15.2~49.7%,3.0~28.3%であり,室間再現性の相対標準偏差はそれぞれ23.5~44.4%,9.6~28.4%であり,ELISA測定としては実用上支障がないと考えられた.2種ELISA法の検出限界は,測定溶液の濃度で2~2.5 ng/mLであった.
  • 下井 俊子, 井部 明広, 田端 節子, 鈴木 仁, 貞升 友紀, 安井 明子, 斉藤 和夫
    2004 年 45 巻 6 号 p. 332-338
    発行日: 2004/12/25
    公開日: 2009/01/21
    ジャーナル フリー
    通気蒸留-比色法は亜硫酸の測定法として信頼性が高い方法である.しかし,硫黄化合物を含む食品を分析する際,亜硫酸を使用していない試料でも陽性となる事例を認めた.この原因について,比色法やイオンクロマトグラフィーなどの方法で分析した結果を比較検討した.その結果,比色法ではアジ化ナトリウムの添加により蒸留中に試料から亜硫酸が生成されていることが分かった.そこでアジ化ナトリウムを添加せずに蒸留する方法を検討した結果,硫黄化合物を含む食品に有効であった.
調査・資料
  • 樋口 雅之, 宮田 大典, 川村 誠二, 植田 英一, 今中 雅章, 外海 泰秀
    2004 年 45 巻 6 号 p. 339-343
    発行日: 2004/12/25
    公開日: 2009/01/21
    ジャーナル フリー
    4-ノニルフェノール(4-NP (Mix))およびビスフェノールA (BPA)をはじめとする内分泌かく乱作用を有すると推定される12種類のフェノール類について,病院給食を試料とし,2年間にわたる実態調査を行った. その結果,4-NP(Mix)が5.0~19.4 ng/g, BPAが0.2~1.1 ng/gの濃度範囲で,高頻度で検出された. また,4-tert-ブチルフェノール,4-n-ペンチルフェノール,4-tert-ペンチルフェノール,4-n-ヘキシルフェノール,4-n-ヘプチルフェノール,4-tert-オクチルフェノールが0.1~2.4 ng/gの濃度範囲で検出された. 推定一日摂取量は4-NP(Mix)が5.8 μg/日,BPAが0.42 μg/日で,その他のフェノール類は1 μg/日以下であった.
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