食品衛生学雑誌
Online ISSN : 1882-1006
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46 巻, 2 号
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報文
  • 石原 克之, 松永 篤史, 三好 隆行, 中村 和哉, 中山 孝志, 伊藤 秀二, 古賀 秀徳
    2005 年46 巻2 号 p. 33-39
    発行日: 2005/04/25
    公開日: 2009/01/21
    ジャーナル フリー
    炭水化物を多く含む食品を高温で調理することによりアスパラギン(Asn)と還元糖からアクリルアミド(AAm)が生成する.本研究では,ガラス繊維ろ紙を用いたモデル系におけるAAmの生成および抑制条件の検討を行った.フライ時のAAm生成率は,オーブンで加熱した場合の約10倍高くなった.加熱により試料水分の残存率が 5% 以下に減少した場合のフライ温度とフライ時間がAAm生成に大きく関与していることが示唆された.AAm生成率はグルコースの添加量がAsnに対して1 : 1程度までは増加したがその後は逆に減少した.しかしフルクトースでは添加量の増加に伴いAAmが増加した.Asnとグルコースにバリンが共存することでAAm生成率は増加し,システイン,リジンなどの共存により抑制されることが分かった.これらの結果よりAAmの生成経路について推測した.
  • 田中 康夫, 高橋 京子, 石井 敬子, 細井 志郎, 桐ケ谷 忠司, 日高 利夫, 長岡 登, 河村 太郎, 中澤 裕之
    2005 年46 巻2 号 p. 40-44
    発行日: 2005/04/25
    公開日: 2009/01/21
    ジャーナル フリー
    残留有機リン系農薬の分析時にしゅんぎく試験溶液のGCクロマトグラム上に未知ピークが検出され,GC/MSによりクレゾールリン酸エステル(TCP)と確認された.TCPは一般的にポリ塩化ビニルの可塑剤として使用されている化学物質であり,食品から検出した報告はなかった.そこで,TCPが検出された原因の検討を行った.その結果,しゅんぎくの包装袋や栽培されているビニルハウスのビニルへのしゅんぎく接触の影響はなかった.しかし,ビニルハウス内にある温度調節用のビニル筒に接触して生育したしゅんぎく20検体を分析したところ,16検体からTCPが平均0.03 μg/g検出された.これらのことから,TCPは温風によって加熱されたためビニル筒からしゅんぎくへ移行したと考えられた.
  • 黄 登福, 蔡 玉霞, 周 薫修, 劉 秀美, 呉 俊宗, 林 欣栄, 杜 偉君
    2005 年46 巻2 号 p. 45-48
    発行日: 2005/04/25
    公開日: 2009/01/21
    ジャーナル フリー
    2001年5月9日に台湾において4名が調味のりを食ベ,顏面の発赤,はれ,疼痛などを訴えた.調味のりからのエタノール抽出液を使って5名の志願者の手背に過敏反応を試験したところ,光線に当てると,3名が光過敏症を示した.次に中毒したのりと一般市販ののりをアセトンで抽出後,HPLCによるクロロフィルa およびその関連物質の分析を検討した.中毒したのりには光過敏物質であるピロフェオホルバイド a (5,460~5,624 μg/g) とフェオホルバイド a (851~906 μg/g) が検出されたが,一般市販ののりには検出されかった(<50 μg/g).したがって,この食中毒の原因物質は光過敏物質と結論された.
  • 丸山 卓郎, 川原 信夫, 吹春 俊光, 横山 和正, 牧野 由紀子, 合田 幸広
    2005 年46 巻2 号 p. 49-54
    発行日: 2005/04/25
    公開日: 2009/01/21
    ジャーナル フリー
    2002年6月よりサイロシン類含有キノコが麻薬原料植物に指定されたことから,これに代わり,ベニテングタケ (Amanita muscaria) が,さまざまな形態で販売されている.本研究では,DNA分析および成分分析により,これらベニテングタケ関連商品の実態調査を行った.DNA分析の結果,上記商品の基原種は,A. muscaria あるいはその変種であると推定された.また,これらは,3つの遺伝子型に分類され,その多くが海外産であると思われた.一方,LC/MS分析により添加物質としてハルミン類およびトリプタミン類がそれぞれ2種,検出された.このうち,ハルミン類含有商品からは,ハルマラ (Peganum harmala)のmatK遺伝子が検出され,これらの商品中のハルミン類が,ハルマラ組織に由来することが明らかとなった.
  • 高橋 邦彦, 堀江 正一
    2005 年46 巻2 号 p. 55-57
    発行日: 2005/04/25
    公開日: 2009/01/21
    ジャーナル フリー
    日本で安全性審査未終了である遺伝子組換えパパイヤ55-1の組織化学的定性検査法(GUS試験法)のためのポジティブコントロールの検討を行った.6種の材質のペーパーにβ-glucuronidaseを浸漬させた試験紙を作製し実験したところ,ナイロンおよびガラス繊維において試験紙は青色を呈し,良好な試験結果が得られた.これらの試験紙は −20℃ 保存で15か月間は安定であり,GUS試験法における遺伝子組換えパパイヤ55-1検査のためのポジティブコントロールとして有用であった.
調査・資料
  • 大槻 理美子, 菊川 清見
    2005 年46 巻2 号 p. 58-61
    発行日: 2005/04/25
    公開日: 2009/01/21
    ジャーナル フリー
    多くの国内産野菜は,口腔を経由する胃内の条件下で発がん性ニトロソアミンを生成する可能性のある硝酸塩を多量に含んでいる.一方,これら野菜にはアスコルビン酸塩をはじめニトロソアミン生成に影響を与える成分も含まれている.本研究では,高含量の硝酸塩を含む野菜,チンゲンサイ,コマツナ,イトミツバについて,口腔内を想定した nitrate reductase による還元,引き続いて胃内を想定した弱酸性におけるmorpholineからのニトロソアミン生成効率を検討した.3種の野菜のニトロソアミン生成効率と,亜硝酸塩からのニトロソアミン生成効率には差異はなく,また.3種の野菜いずれもニトロソアミン生成量を半分に減じるには,多量のアスコルビン酸塩の添加が必要であった.これら野菜中の成分は含まれる硝酸塩から生じる亜硝酸塩によるニトロソアミン生成にほとんど影響を与えないことが分かった.
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