広島湾産麻痺性貝毒(PSP)産生渦鞭毛藻
Alexandrium tamarense の培養藻体(61.4±24.5 fmol/cell)を2, 4, 6, 8および10日間カキに投与し,毒の蓄積過程を調べた.カキのPSPの蓄積率は2, 4, 8, 10日間で3.2~18.7%であった.また,給餌した
A. tamarense とカキに蓄積されたPSP組成には,顕著な相違が認められた.すなわち,
A. tamarense では,GTX4や低毒性成分C2(PX2)などのβエピマーを66.3 mol%,αエピマーを29.2 mol%含んでいたが,カキ体内では毒の蓄積過程でβエピマーからαエピマーへの緩やかな組成変化が起こることが認められ,8日間の投与でαエピマーは最高値(57.7 mol%)に達した.
抄録全体を表示