食品衛生学雑誌
Online ISSN : 1882-1006
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47 巻, 2 号
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報文
  • 橋本 諭, 鈴木 敏之, 城田 由里, 本間 基久, 板橋 豊, 長南 隆夫, 神山 孝史
    2006 年47 巻2 号 p. 33-40
    発行日: 2006/04/25
    公開日: 2008/08/04
    ジャーナル フリー
    北海道産ホタテガイPatinopecten yessoensis の下痢性貝毒の組成を生産海域ごとにLC/MSにより調べた.また同一試料におけるマウス毒性試験とLC/MS法の結果を比較検討した.LC/MS法の測定値をもとに計算した毒力はマウス毒性試験の結果よりも高い値を示す傾向にあり,低毒力の試料ほどこの傾向が顕著であった.この結果の違いは前処理におけるYTXの回収率の差が原因であると推察された.北海道産ホタテガイのようにYTXを多く含有し,かつ低毒量の試料を検査する方法としてLC/MS法はマウス毒性試験より優れていることが明らかとなったが,マウスユニット換算ではYTXによる毒性を過大評価する危険があった.
  • 三輪 憲永, 柏木 美智子, 川森 文彦, 増田 高志, 佐野 世乃, 廣井 みどり, 倉重 英明
    2006 年47 巻2 号 p. 41-45
    発行日: 2006/04/25
    公開日: 2008/08/04
    ジャーナル フリー
    種特異性の易熱性溶血素遺伝子(tlh)および耐熱性溶血毒遺伝子(tdh)を目標とするPCR法を用いたMPN-PCR3本法により,市販魚介類中の腸炎ビブリオおよびtdh 陽性菌数を測定した.生食用魚介類では,魚類4/30 (13.3%), 甲殻類11/20 (55.0%), 貝類29/30 (96.7%)が腸炎ビブリオ陽性であった.菌数は魚類および甲殻類ではすべて104 MPN/100 g未満であったが,貝類は11検体(36.7%)が104 MPN/100 g 以上であった.また,tdh 陽性菌は検出限界未満(<30 MPN/100 g)であった.加工用魚介類では,魚類15/20 (75.0%), 甲殻類9/20 (45.0%), 貝類20/20 (100%)が腸炎ビブリオ陽性であった.菌数は魚類3/20 (15.0%), 甲殻類1/20 (5.0%), 貝類18/20 (90.0%)が104MPN/100 g以上であった.tdh 陽性菌は,貝類7/20 (35.0%)が陽性で,菌数は3.6×10から1.1×103 MPN/100 gの範囲であった.また,tdh 陽性の7検体のうち4検体からtdh 陽性腸炎ビブリオが分離された.
  • 赤木 浩一, 畑野 和広
    2006 年47 巻2 号 p. 46-50
    発行日: 2006/04/25
    公開日: 2008/08/04
    ジャーナル フリー
    LC/MS/MSを用いて,フグ組織およびヒト血清・尿中のテトロドトキシン(TTX)の迅速分析法を開発した.試料を2%酢酸で抽出し,フグ組織については水で希釈し,ヒト血清および尿については分子量分画5,000の遠心フィルターでろ過後,メタクリレート-スチレンジビニルベンゼンカートリッジを用いて精製した.フグ組織にTTXを0.1 mg/gと1 mg/g添加した場合の回収率は79∼90%,ヒト血清および尿に0.5 ng/mLと5 ng/mL添加した場合の回収率は93∼101%であった.検出限界は,フグ組織では0.01 mg/g,ヒト血清および尿では0.1 ng/mLであった.本法を用いて市販のフグの筋肉・皮・肝臓計30検体,フグ中毒による患者の血清7検体,尿5検体について分析した結果,すべての検体からそれぞれ0.04∼140 g/g,0.9∼1.8 ng/mLおよび15∼150 ng/mLの範囲でテトロドトキシンが検出された.
  • 河村 葉子, 川崎 智恵, 峰 幸加, 六鹿 元雄, 棚元 憲一
    2006 年47 巻2 号 p. 51-57
    発行日: 2006/04/25
    公開日: 2008/08/04
    ジャーナル フリー
    ISO規格8124-3で溶出量を規制をしているアンチモン,ヒ素,バリウム,カドミウム,クロム,鉛,水銀およびセレンの8元素について,ICPにより乳幼児用玩具中の含有量およびその溶出を調べた.玩具45検体と塗装部分10検体のうち,全検体でバリウム0.3∼3,700 g/kg,一部の検体でカドミウム0.2∼26 g/kg,クロム0.5∼280 g/kg,鉛1.5∼1,300 g/kgおよびアンチモン5.3 g/kgの含有が見られた.玩具本体,塗装部分ともに同じ傾向であり,いずれも着色料としての金属顔料の使用が示唆された.そこで,ISO規格に準じ,試料を粉末にして0.07 mol/L塩酸を加えて溶出試験を行ったところ,バリウムは全検体,カドミウム,クロム,鉛は含有試料の一部から溶出が認められたが,いずれもISO規格値よりはるかに低かった.また,我が国の食品衛生法の玩具溶出試験と比較したところ,溶出力はISO法のほうが強かったが,規格値,試験方法などに大きな相違があり,両者についてさらに検討が必要と考えられた.
  • 石井 里枝, 堀江 正一, 村山 三徳, 米谷 民雄
    2006 年47 巻2 号 p. 58-65
    発行日: 2006/04/25
    公開日: 2008/08/04
    ジャーナル フリー
    高速液体クロマトグラフィー-エレクトロスプレーイオン化/質量分析計(LC-ESI-MS/MS)を用いたハチミツおよびローヤルゼリー中のクロラムフェニコール(CAP)の高感度,選択的な分析法を検討した.LC/MS/MS条件はネガティブモード,MRMで,LC条件はカラムにMightysil RP-18GPを,移動相に10 mmol/L酢酸アンモニウム-アセトニトリルを用いた.前処理法はハチミツについては精製水で希釈後,ローヤルゼリーについては1%メタリン酸-メタノール混液(4 : 6)で除タンパク後,それぞれOasis HLBで精製した.本法による定量下限値はハチミツで0.3 ng/g,ローヤルゼリーで1.5 ng/gであった.また,定量下限値での添加回収率は両者ともに92%以上であった.本法を適用してハチミツ20検体,ローヤルゼリー7検体について実態調査を行ったところ,ハチミツ1検体から0.6 ng/g,ローヤルゼリー6検体から1.5∼17.8 ng/gのCAPが検出された.
  • 森下 直樹, 秋山 恵利, 有川 奈津実, 飯田 知美, 多勢 加奈子, 浜路 麻衣, 平岡 里海, 白柳 利江子, 上條 茂徳, 松本 貴 ...
    2006 年47 巻2 号 p. 66-75
    発行日: 2006/04/25
    公開日: 2008/08/04
    ジャーナル フリー
    特定原材料検査において,ELISA法による検査が通知法で指定されているが,ELISA法は操作が煩雑であり測定に数時間を要するため,我々は日常検査に使用できるアレルゲン検査用イムノクロマトキットを開発した.今回我々は,食品製造現場における日常的なアレルゲン検査への本キットの有用性を確認するために,異なる調理加工で作製した11種のモデル食品を用いて本キットの評価を行った.モデル食品抽出液に標準溶液を添加し,本キットの検出感度,結果の再現性,交差反応性を確認した.また一定量の標準溶液を添加したモデル食品を作製し,加熱前後における本キットの反応性を添加回収試験にて確認し,ELISAキットの試験結果と比較した.本キットの検出感度は,食品成分の存在下においても,保証検出感度である5 μg/gを示し,交差反応も認められず,良好な再現性を示した.また添加回収試験の結果より,本キットは加熱前の試料であれば十分な性能を発揮し,ELISAキットの測定結果とも高い一致を示すことが明らかとなった.
ノート
  • 杉本 直樹, 黒柳 正典, 加藤 貴史, 佐藤 恭子, 多田 敦子, 山崎 壮, 棚元 憲一
    2006 年47 巻2 号 p. 76-79
    発行日: 2006/04/25
    公開日: 2008/08/04
    ジャーナル フリー
    天然ガムベースとして使用されるサンダラック樹脂は,既存添加物名簿収載品目リストに「ヒノキ科サンダラック(Tetraclinis articulata (VAHL.) MAST.)の分泌液からエタノール抽出により得られたもので,主成分はサンダラコピマール酸である.」と記載されているが,成分組成について十分に検討されていない.そこで,サンダラック樹脂中の主要成分について検討し化合物1, 2, 3を単離し,スペクトルデータよりそれぞれサンダラコピマール酸,サンダラコピマリノール,4-エピデヒドロアビエチン酸と同定した.また,サンダラック樹脂製品中のサンダラコピマール酸をHPLCにより定量した結果,含有量は11.6%であった.
  • 大野 弘美, 田村 英之, 山下 康弘, 田村 幸一, 岩倉 啓子
    2006 年47 巻2 号 p. 80-84
    発行日: 2006/04/25
    公開日: 2008/08/04
    ジャーナル フリー
    (-)-hydroxycitric acidを約65%含むCaタイプのガルシニアエキスについて,新生チャイニーズハムスター肺由来細胞(CHL/IU)を用いる染色体異常試験によりin vitro における染色体異常誘発性を,マウス骨髄細胞を用いる小核試験によりin vivo における染色体異常誘発性を検討した.染色体異常試験では,短時間処理法の-S9処理および+S9処理ならびに連続処理法の24時間処理において,染色体の構造異常および倍数性異常を有する細胞の割合を増加させなかった.小核試験においては,小核を有する幼若赤血球の比率を上昇させず,小核誘発性を示さなかった.したがって,Caタイプのガルシニアエキスは染色体異常誘発性を有しないと考えられた.
調査・資料
  • 坂牧 成恵, 中里 光男, 松本 ひろ子, 萩野 賀世, 安田 和男, 永山 敏廣
    2006 年47 巻2 号 p. 85-88
    発行日: 2006/04/25
    公開日: 2008/08/04
    ジャーナル フリー
    市販青汁41製品について,ビタミンKの分析を行い,製品中の含有量と一日摂取量を調査した.青汁製品中のビタミンKはn-ヘキサンを用いて直接抽出し,HPLC試験溶液とした.ビタミンKはODSカラムで分離した後,白金黒カラムで還元して得られる蛍光(励起波長240 nm,蛍光波長430 nm)により測定した.その結果,製品中のビタミンK1含有量は冷凍製品90∼190 μg/100 g,粉末製品410∼3,300 μg/100 g,粒状製品640∼3,100 μg/100 gであり,各種青汁製品を喫食した場合,一日あたり20∼380 μgのビタミンK1を摂取すると推定された.ワーファリン服用者の場合,青汁製品の喫食がワーファリンの投薬効果に影響を与える可能性があることが明らかとなった.
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