食品衛生学雑誌
Online ISSN : 1882-1006
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47 巻, 4 号
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報文
  • 畠山 えり子, 梶田 弘子, 菅原 隆志, 佐々木 陽, 高橋 悟, 小向 隆志
    2006 年47 巻4 号 p. 137-145
    発行日: 2006/08/25
    公開日: 2008/08/04
    ジャーナル フリー
    高感度・高選択性を有するLC/MS/MSを用い,農作物中の残留農薬一斉分析について検討した結果,限外ろ過膜を用いた精製法により,濃縮操作を省略した迅速かつ簡易な分析方法を確立することができた.すなわち,6作物を対象に添加回収試験を実施した結果,回収率が 50~150% の農薬は83成分中63成分であり,各農薬の検出下限値は0.0005~0.05 μg/gであった.本法は農産物中の残留農薬スクリーニング分析として有用であると考える.本法を用い,市販の農作物50検体を対象に検査を実施したところ,30作物から14成分の農薬を検出した.
  • 山口 昭弘, 清水 香織, 三嶋 隆, 青木 信太郎, 服部 秀樹, 佐藤 秀隆, 上田 信男, 渡邉 敬浩, 日野 明寛, 穐山 浩, 米 ...
    2006 年47 巻4 号 p. 146-150
    発行日: 2006/08/25
    公開日: 2008/08/04
    ジャーナル フリー
    遺伝子組換え(GM)パパイヤの同定においてわが国の公定法のPCR法を改良し,簡便かつ迅速な検知法を開発した.凍結乾燥処理を省略し,生果肉から直接シリカゲル膜タイプの市販キットを用いてDNAを抽出した.GMパパイヤ特異的遺伝子およびパパイヤ内在性のpapain遺伝子を同時に増幅するduplex PCR法を開発するために,papain遺伝子に対する公定法のPCR増幅産物(211 bp)の内側に,新たなプライマーペア papain 2-5'/3' を設計した.GMパパイヤ検出用のプライマーペアには公定法と同一のものを用いた.これらのプライマーペアを同一チューブ内に共存させて増幅させる duplex PCR 法を行った後,増幅産物をアガロースゲル電気泳動またはマイクロチップ電気泳動により同時検出した.本法により簡便,迅速なGMパパイヤの同定が可能であった.
  • 藤川 浩, 下島 優香子, 矢野 一好
    2006 年47 巻4 号 p. 151-156
    発行日: 2006/08/25
    公開日: 2008/08/04
    ジャーナル フリー
    5'ヌクレアーゼリアルタイムPCRを使った新たなSalmonella 生菌数推定方法を開発した.この方法は試料培養中の本菌増殖による標的DNA領域(inv A)の増加挙動に基づいている.すなわち,Salmonella Enteritidis を緩衝ペプトン水で培養すると,増殖に伴って Threshold cycle (CT)は時間とともにS字状に減少した.ある培養時間におけるCT値と接種菌数の直線関係から,未知試料のCT値を用いてその初期菌数が推定できた.この方法では標的細菌の死菌と生菌を区別でき,また選択培地を用いることによって混在する他の細菌の影響を抑制することができた.この推定方法は他の培養可能な微生物の生菌数推定にも適用できると考えられる.
  • 笹本 剛生, 建部 晴美, 八巻 ゆみこ, 橋本 常生, 牛尾 房雄, 井部 明広
    2006 年47 巻4 号 p. 157-163
    発行日: 2006/08/25
    公開日: 2008/08/04
    ジャーナル フリー
    離乳期における乳幼児を対象としてダイオキシン類の摂取量の推計を試みた.「手作り離乳食」と「市販ベビーフードを主体にした離乳食」のいずれも,体重1 kgあたりのダイオキシン類の一日摂取量は,離乳期が進むにつれて増加したが,最大でも 1.66 pg TEQ/kg B.W./day で成人と同程度であり,耐容一日摂取量(4 pg TEQ/kg B.W./day) を下回った.各離乳期におけるダイオキシン類各異性体の濃度は,離乳初期~中期では育児用ドライミルクに由来すると思われる Octachlorinated dibenzo-p-dioxin (OCDD) の比率が高く,離乳後期~完了期では魚介類に由来すると思われるCo-PCBs異性体(#118, #105, #156, #167)の比率が高かった.
ノート
  • 奥村 正直, 都築 秀明, 富田 伴一
    2006 年47 巻4 号 p. 164-166
    発行日: 2006/08/25
    公開日: 2008/08/04
    ジャーナル フリー
    愛知県内で採取した天然キノコと市販の栽培キノコに含まれる発熱性物質の量を比較するために,市販の野菜を対照として,日本薬局方に定めるエンドトキシン試験と発熱性物質試験を行った.その結果,エンドトキシン試験では,今回用いた天然キノコには,栽培キノコや市販の野菜に比べて明らかに多量のエンドトキシンが含まれていた.また,栽培キノコよりも対照の野菜のほうがエンドトキシン量はやや多い結果となった.同時に,発熱性物質試験でもエンドトキシン試験にほぼ対応した結果が得られた.
  • 金 哲龍, 多田 敦子, 杉本 直樹, 佐藤 恭子, 増田 愛乃, 山形 一雄, 山崎 壮, 棚元 憲一
    2006 年47 巻4 号 p. 167-172
    発行日: 2006/08/25
    公開日: 2008/08/04
    ジャーナル フリー
    既存添加物ウルシロウの成分組成についてはいまだ明らかにされていない.そこで,安全性試験試料のウルシロウ製品を用い成分分析を行った.ウルシロウの構成脂肪酸は,パルミチン酸,オレイン酸,ステアリン酸であった.主成分はトリグリセリドであり,glyceryl tripalmitate (30.7%),glyceryl dipalmitate monooleate (21.2%),glyceryl dioleate monopalmitate (2.1%),glyceryl monooleate monopalmitate monostearate(2.6%),glyceryl dipalmitate monostearate (5.6%), glyceryl distearate monopalmitate(1.4%)を含んでいた.また,glyceryl dipalmitate monooleateの脂肪酸結合位置が異なる異性体をLC/MS/MS分析により分別定量した.
  • 斎藤 勲, 上野 英二, 大島 晴美, 松本 浩, 佐々木 久美子, 米谷 民雄
    2006 年47 巻4 号 p. 173-177
    発行日: 2006/08/25
    公開日: 2008/08/04
    ジャーナル フリー
    GC-FIDを用いるメトプレン試験法を見直すための検討を行った.試料からアセトニトリル抽出し,塩析により水層分離後,アセトニトリル層を少量のヘキサンで洗浄,次いでフロリジルカラムで精製してHPLC-UVで測定した.小麦など7種類の試料からの平均回収率は 74.6~82.8% と良好であった.さらに本法を6機関で評価したところ,5種類の試料からの平均回収率は79.4~84.6%,併行再現性および室間再現性の相対標準偏差はそれぞれ 2.3~8.8%,8.8~23.6% であった.1機関でらっかせいからの回収率が高かったために室間再現性が高くなったのを除いて良好な結果が得られた.検出限界は0.001~0.02 μg/gであった.
  • 天倉 吉章, 近藤 一成, 穐山 浩, 伊東 秀之, 波多野 力, 吉田 隆志, 米谷 民雄
    2006 年47 巻4 号 p. 178-181
    発行日: 2006/08/25
    公開日: 2008/08/04
    ジャーナル フリー
    キシメジ科スギヒラタケの化学成分に関する研究の一環として,本キノコ中のUV検出成分についてHPLC分析を行った.UV検出による主要ピークの1つを単離したところ,各種分光法の結果に基づき,共役トリエン構造を有するα-エレオステアリン酸であると同定した.α-エレオステアリン酸は,試験した他の8種の食用キノコからは検出されなかったため,スギヒラタケ特有の脂肪酸であることが示唆された.またスギヒラタケおよび他の食用キノコ中の遊離長鎖脂肪酸について,2-ニトロフェニルヒドラジドへ変換後,HPLC分析した.スギヒラタケの主要脂肪酸としてオレイン酸が検出され,α-エレオステアリン酸のほか,リノール酸,パルミチン酸,ステアリン酸などの飽和長鎖脂肪酸が検出された.
調査・資料
  • 大谷 卓, 清家 伸康, 三輪 哲久
    2006 年47 巻4 号 p. 182-188
    発行日: 2006/08/25
    公開日: 2008/08/04
    ジャーナル フリー
    1999~2002年にコメ311点,コムギ10点,ダイズ44点およびアズキ4点,計369点の試料を採取し,ダイオキシン類を分析した.採取地点から約1 km以内に稼働中の廃棄物焼却場があった「発生源周辺」とそれ以外の「一般地」に分けてTEQ値を比較した結果,ダイズの「発生源周辺」と「一般地」との間で,また,「一般地」で採取したコメの採取年次間で,それぞれ有意差(p<0.05)が認められた.しかし,各作物中のTEQ値(中央値)は0.00001~0.00016 pg-TEQ/g wet wt. と極めて低濃度だった.調査した作物に由来するダイオキシン類の一日摂取量は0.0056 pg-TEQ/kg B.W./day (ND=0) および 0.18 pg-TEQ/kg B.W./day (ND=1/2 LOD: 検出下限値の1/2)と見積もられ,国産コメ,コムギ,ダイズおよびアズキの汚染は問題とすべきレベルにないものと判断された.
  • 下井 俊子, 牛山 博文, 観 公子, 斉藤 和夫, 鎌田 国広
    2006 年47 巻4 号 p. 189-195
    発行日: 2006/08/25
    公開日: 2008/08/04
    ジャーナル フリー
    特定原材料(卵,乳)を含む種々の食品について,通知法記載のELISAキットを用いて検査を行った.また,いくつかの試料は通知法記載のウエスタンブロットキットによる確認検査も行った.卵の検査法では交差反応による偽陽性の有無を魚卵類および鶏肉について検討した.その結果,特定原材料検出ELISAキット卵白アルブミンですじこが偽陽性を示す場合があること,非加熱の鶏肉でELISA法,ウエスタンブロット法ともに結果の判定が困難なことが分かった.卵含有表示のある食品では,加熱した食品で検出が難しい事例があった.乳の検査法では,FASTKITTM・ELISA乳で交差反応を示すとされていた増粘多糖類を含む試料について検討したが,改良後のキットではいずれも妨害は認められなかった.また,乳含有表示のある食品について検査を実施したが,判定が困難な事例は見られなかった.
  • 菅野 慎二, 河村 葉子, 六鹿 元雄, 棚元 憲一
    2006 年47 巻4 号 p. 196-199
    発行日: 2006/08/25
    公開日: 2008/08/04
    ジャーナル フリー
    わが国の市販瓶詰の金属キャップに塗布されたシーリング103検体について,形状,材質,エポキシ化大豆油(ESBO)含有量,共存可塑剤などを調査した.シーリングの材質は 97% がポリ塩化ビニルであり,ごく一部がポリエチレンおよびアクリル樹脂であった.ESBOは全検体から 0.006~42.4% の含有量で検出され,ベビーフード,ジャムなどでは高く,飲料などでは低かった.また,ラグキャップやプレスオンツイストキャップでは高く,ピルファープルーフキャップでは低く,スクリューキャップではばらつきが大きかった.スクリューキャップおよびラグキャップの一部からフタル酸ジ(2-エチルヘキシル)(DEHP),フタル酸ジイソデシル(DIDP)などの可塑剤が検出され,これらのシーリングのESBO含有量はESBOのみの1/10以下と低かった.今回の調査により,わが国で流通するほぼすべてのキャップシーリングがESBOを含有し,80% が主可塑剤として使用していることが判明した.
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