食品衛生学雑誌
Online ISSN : 1882-1006
Print ISSN : 0015-6426
ISSN-L : 0015-6426
47 巻 , 5 号
選択された号の論文の6件中1~6を表示しています
報文
  • 石井 里枝, 高橋 邦彦, 堀江 正一
    2006 年 47 巻 5 号 p. 201-212
    発行日: 2006/10/25
    公開日: 2008/08/04
    ジャーナル フリー
    高速液体クロマトグラフィー—エレクトロスプレーイオン化/質量分析計(LC-ESI-MS/MS)を用いた農作物中の残留農薬一斉分析法を検討した.LC/MS/MS条件はポジティブモード,MRMで,LC条件はカラムにAtlantis dC18を,移動相に酢酸-酢酸アンモニウム-アセトニトリル系を用いて分析した.前処理法はアセトン抽出した後,飽和食塩水とヘキサンの液-液分配,さらにENVI-Carbカートリッジカラムで精製した.本法による各農薬の定量下限値は5 ng/g以下であった.また,50 ng/g濃度での添加回収試験で60~130%の回収率が得られたのは80成分でRSD (%)も15%未満であった.本法を適用して50農作物について実態調査を行ったところ,9作物から7農薬が検出された.
  • 平原 嘉親, 木村 実加, 井上 智子, 内川 誠司, 大谷 昇二, 廣瀬 英昭, 鈴木 荘介, 内田 幸憲
    2006 年 47 巻 5 号 p. 213-221
    発行日: 2006/10/25
    公開日: 2008/08/04
    ジャーナル フリー
    外部イオン化方式イオントラップ型GC/MSを用いたMS/MS法による農作物中の200種農薬のスクリーニング分析を検討した.ジメチピンを除く199農薬は,4グループに分類することによって一斉分析が可能となった.定量下限値は,アリドクロール,ジメトエート,ヘキシチアゾックスおよびトリアジメノールは0.2 μg/mL(試料中0.05 ppm),メタミドホスは0.5 μg/mL(試料中0.125 ppm),その他の194農薬は0.04 μg/mL(試料中0.01 ppm)であった.検量線は,0.04~5.0 μg/mLの範囲内で直線性が認められた(r>0.990).GC/MS (SIM)法で測定が困難なメビンホス,ターバシルおよびチアゾピルの3農薬はMS/MS法を用いることによってマトリックスの影響を受けることなく測定できた.GC/MS/MS条件が設定できた199農薬を7農作物の抽出液に添加し,添加回収試験を行った結果,194農薬がいずれの農作物においても50~150%の回収率が得られ,スクリーニング分析が可能であることが確認された.
ノート
  • 野村 哲也, 草間 豊子, 門脇 光一
    2006 年 47 巻 5 号 p. 222-224
    発行日: 2006/10/25
    公開日: 2008/08/04
    ジャーナル フリー
    わが国において,魚介類由来タンパク質を牛用飼料に使用することが禁止されたため,著者らは通知法「PCRによる飼料中の動物由来DNAの検出法」と同様なPCR法を用いる公定試験法を開発検討した.魚粉にはさまざまな種類の魚が使われるため,魚のミトコンドリアDNAから共通な領域を探し,魚以外の動植物が混在する飼料から魚由来DNAだけを特異的に検出できるプライマーを設計した.著者らが既報で示したプライマーではウシ用配合飼料に微量混入した魚粉を検出することができなかったが,本分析法では配合飼料に0.01~0.001%含まれる魚粉を検出することができた.
  • 平原 嘉親, 木村 実加, 井上 智子, 内川 誠司, 大谷 昇二, 廣瀬 英昭, 鈴木 荘介, 内田 幸憲
    2006 年 47 巻 5 号 p. 225-231
    発行日: 2006/10/25
    公開日: 2008/08/04
    ジャーナル フリー
    GC, GC/MSおよびLC/MS/MSを用いたスクリーニング法に対する農作物中140農薬の適用性について検討した.GC, GC/MS法で12農作物を対象として88農薬の0.1 μg/gにおける添加回収試験を行った結果,63農薬が50~150%の範囲にあった.74農薬をLC/MS/MSで測定した結果,67農薬の分析条件が設定できた.この農薬を対象として7農作物の0.1 μg/gにおける添加回収試験を行った結果,44農薬が50~150%の回収率を示した.LC/MS/MS測定時,イオン化阻害が4農薬,イオン化促進が1農薬(MCPA)で認められた.各農薬の検量線の相関係数はGC, GC/MSが0.990以上,LC/MS/MSが0.995以上得られ,良好な直線性が示された.140農薬中,107農薬がスクリーニングを目的とした一斉分析法への適用が可能となった.
  • 北村 陽二, 岩崎 利信, 斎藤 まど香, 御舩 正樹, 斎藤 寛, 佐藤 恭子, 四方田 千佳子, 棚元 憲一
    2006 年 47 巻 5 号 p. 232-236
    発行日: 2006/10/25
    公開日: 2008/08/04
    ジャーナル フリー
    赤外線吸収(IR)スペクトルは,しばしば食品添加物の確認試験にその標準参照スペクトルとともに用いられる.ベタインについては,多くの異なるIRスペクトルが報告され,そのため,再現性のある標準IRスペクトルの確立が望まれている.そこで,標準IRスペクトルを得るための測定条件,例えば前処理,測定法や測定技術について検討した.その結果,ベタインの測定に通常用いられるKBr法は,測定室の湿度の影響を受け,しかもベタインとKBrとの間には相互作用があることを明らかにした.最終的には,五酸化リンを用いて,105℃,3時間乾燥したベタインを,流動パラフィン(Nujol)を用いるペースト法でIRスペクトルを測定すれば,再現性のある標準スペクトルが得られることが分かった.
調査・資料
  • 小田 隆弘, 古田 宗宜, 稲益 建夫
    2006 年 47 巻 5 号 p. 237-241
    発行日: 2006/10/25
    公開日: 2008/08/04
    ジャーナル フリー
    飲み残して密栓し室温放置したペットボトル飲料が破裂し,けがをする事故が増加しているため,飲み残しペットボトルの膨張・破裂の危険性について検討した。女子大学生145名を使ってオレンジ果汁ペットボトル飲料の飲み残しを調製させ密栓して25℃で10日間保管した結果,何も食べずに飲んだ飲み残しでは145本中9本(6.2%)にボトルの膨張が認められたが,キムチを食べながら飲んだ場合は144本中99本(68.8%)にボトルの膨張が認められた。膨張したボトル58本に衝撃付加試験を行ったところ4本が激しく破裂した。また,ペットボトルの膨張が起こりやすい飲料は,酸乳飲料や果汁飲料などの酸性飲料であり,それらの飲料の飲み残しペットボトルの膨張を引き起こす微生物は主にCandida 属酵母であることが分かった。
feedback
Top