ニッケルキレート生成を利用したグリカルピラミド(GB)分析法を確立した.種々条件検討した結果,キレート生成には0.08 mmol/L硝酸ニッケル,0.2 mol/L炭酸塩緩衝液(pH 9.0)を用い,測定は検出波長290 nmで行うこととした.GBの検量線は0.13~2.6 μg/mLの範囲で直線性(
r=0.9999)が得られ,このときGB-ニッケルキレートの見かけのモル吸光係数εは8.5×10
3であった.この方法をポストカラム反応に用いるHPLC法に応用したところ,GBと鶏肝臓抽出物との分離検出が可能となり,添加回収率は79.4% (
RSD=2.6%,
n=3),定量下限は30 ng/gであった.本法はGB残留分析法に応用できると考えられた.また,キレート生成のモル比は GB : ニッケルイオン=2 : 1であった.
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