食品衛生学雑誌
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48 巻, 4 号
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報文
  • 吉田 泉, 伊佐川 聡, 木船 信行, 長岡(浜野) 恵, 米谷 民雄
    2007 年48 巻4 号 p. 83-89
    発行日: 2007/08/25
    公開日: 2008/04/28
    ジャーナル フリー
    フランは揮発性のある5員環化合物である.FDAは,最近,加熱処理した多くの食品にフランが存在することを報告した.FDAにより発表された方法は標準添加法を用いた分析方法で,効率的なルーチン操作には適さない.そこで,我々は迅速かつ簡便なヘッドスペースGC/MS法による食品中のフランの定量方法を開発した.内部標準としてフラン-d4を用い,フラン標準溶液で検量線を作成してフランの定量を行った.分析中のフランの生成を避けるため,平衡化する浸漬温度を60°Cに設定した.この方法でベビーフードおよび粉ミルク中のフランの定量を行った.バリデーションデータは良好な精度と正確さを示した.種々の食品マトリックスでのLODは0.2∼0.5 ng/g,LOQは0.5∼2 ng/gであった.ベビーフード中のフラン量は1.4から90 ng/g,粉ミルクでは未検出から90 ng/gであった.
  • 見城 智子, 石手 有佳, 青山 幸二, 一戸 正勝
    2007 年48 巻4 号 p. 90-96
    発行日: 2007/08/25
    公開日: 2008/04/28
    ジャーナル フリー
    市販品としてのアーモンド粉末30点を対象に,カビ類とそこに含まれるアフラトキシン産生菌の分布状況につき調査した.希釈培養法でカビ汚染が認められる試料の菌数は1.0×10 CFU/g以下から8.5×103 CFU/gまで見られた.主な出現菌はAspergillus niger, A. flavus とその近縁菌,Penicillium, Cladosporium, Rhizopus であった.
    分離菌株のアフラトキシン産生性をYES-TLC法で検索した結果,B1, B2を産生するA. flavus, A. parvisclerotigenus, B1, B2, G1, G2を産生するA. parasiticusおよびA. nomius の4菌種の多様なアフラトキシン産生菌を検出した.なお,これらの菌の同定には,形態的性状のほか,代謝産物の産生性を考慮して決定した.
  • 日高 利夫, 石井 敬子, 桐ヶ谷 忠司, 神田 宏
    2007 年48 巻4 号 p. 97-105
    発行日: 2007/08/25
    公開日: 2008/04/28
    ジャーナル フリー
    L-チロシン(L-Tyrosine)を次亜塩素酸ナトリウム(NaClO)処理して生成するクロロホルム(CHCl3)の中間生成物と考えられる物質についてLC/MSを用いて調べた.その結果,4-ヒドロキシベンジルシアニド(4-HBC)をNaClO処理して生成する物質とマススペクトルが一致した.この物質の合成方法を検討した結果,4-HBCにNaClOを反応させ溶媒抽出後,HPLCカラムスイッチング法により,分取が可能であった.この物質のNMR構造解析を行った結果,3-クロロ-4-ヒドロキシベンジルシアニド(3-C-4-HBC)と確認された.L-Tyrosineおよび4-HBCにNaClOを反応させた結果,3-C-4-HBCおよびCHCl3が生成し,3-C-4-HBCにNaClOを反応させた結果,CHCl3が生成した.したがって,3-C-4-HBCはL-Tyrosineから生成するCHCl3の中間生成物質であることが確認された.以上,L-TyrosineのNaClO処理により,4-HBCから3-C-4-HBCを経てCHCl3に至る反応機構を推定できた.
ノート
  • 杉本 直樹, 多田 敦子, 山崎 壮, 棚元 憲一
    2007 年48 巻4 号 p. 106-111
    発行日: 2007/08/25
    公開日: 2008/04/28
    ジャーナル フリー
    天然保存料であるカワラヨモギ抽出物の成分組成を明らかとする目的で,本抽出物製品についてGC/MS分析を行い,さらに,主要な5成分については,単離精製し,NMRで化学構造を確認した結果,capillin, capillene, caryophyllene oxide, α-curcumene, methyleugenolであることを明らかとした.次に,ハロー試験法により,E. coli, S. cerevisiae およびA. niger に対する抗菌活性について検討した結果,本抽出物製品の活性本体がcapillinであることが確認された.HPLCにより,本抽出物製品中のcapillinおよびcapilleneの定量を行った結果,今回分析した製品中にはそれぞれ17.9 mg/mL, 36.1 mg/mL含有されることを明らかとした.
調査・資料
  • 飯田 憲司, 植松 洋子, 鈴木 公美, 安野 哲子, 平田 恵子, 伊藤 弘一
    2007 年48 巻4 号 p. 112-117
    発行日: 2007/08/25
    公開日: 2008/04/28
    ジャーナル フリー
    市販カンゾウ抽出物(既存添加物,甘味料)8製品の品質上の特性について調査した.pHは4.1∼6.8,強熱残分は0.3∼12.4%,主成分であるグリチルリチン酸含有量は10.9∼77.4%, Naは0.1∼1.2%, Kは0.3∼5.0%, アンモニア性窒素は0.03∼2.5%と広範な分布を示し,カンゾウ抽出物としてさまざまな品質上の特性を有する製品が流通していることが判明した.製造法が品質上の特性に影響を与えていると推測された.
  • 藤本 佳道, 打田 憲一, 小柳津 周, 濱野 米一
    2007 年48 巻4 号 p. 118-123
    発行日: 2007/08/25
    公開日: 2008/04/28
    ジャーナル フリー
    フグ6種類の小棘を観察し,種間の相違を明らかにした.フグの小棘は表皮から突き出た棘と真皮中に左右および前後に延びた出根より構成された基底部からなる.その基底部の形態的特徴から,サンサイフグとメフグをタイプIに,サバフグ属4種をタイプIIのグループに分類した.
    さらに,グループ内の種間の形態的特徴を先端部の分岐数を含めた前出根数と後出根数の組み合わせのパターンおよび各パターンの出現率ならびに各出根の長さおよび幅を計測することにより,比較した.その結果,サンサイフグとメフグの両種間およびドクサバフグを含むサバフグ属4種間の違いを明確にすることができた.小棘の基底部の形態的所見がフグの種鑑別に有効な指標の1つになると考えられた.
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