日本国で市販されているミネラルウォーターが,コンプロマイズド・ホストにとって微生物学的に安全か否かを検討した.日本国原産のミネラルウォーターは,調べた10製品中9製品(90%)では細菌および真菌がいずれも検出されなかったが,残りの1製品(10%)では1.8×10
3 cfu/mLの細菌が検出された.EU原産のミネラルウォーターは,12製品中1製品(8.3%)では細菌および真菌のいずれも検出されなかったが,残りの11製品(91.7%)では23~3.5×10
4 cfu/mLの細菌が検出された.一方,北米が原産のミネラルウォーターは,5製品中3製品(60%)では細菌および真菌のいずれも検出されなかったが,残りの2製品(40%)では2.3×10
2~2.5×10
3 cfu/mLの細菌が検出された.調べたミネラルウォーターの検出菌は
Brevundimonas vesicularis,
Moraxella spp.および
Burkholderia cepacia などのブドウ糖非発酵グラム陰性桿菌であった.
Pseudomonas aeruginosa の検出は見られなかった.以上から,無菌病室に入室しているコンプロマイズド・ホストにとっては,1社の製品を除く日本国原産のミネラルウォーターが微生物学的な観点から見ると飲用に適していた.
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