食品衛生学雑誌
Online ISSN : 1882-1006
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50 巻, 1 号
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報文
  • 渡邉 敬浩, 米谷 民雄, 松田 りえ子
    2009 年50 巻1 号 p. 1-5
    発行日: 2009/02/25
    公開日: 2009/03/26
    ジャーナル フリー
    リアルタイムPCR法により作成される検量線の信頼区間を,Ct値の変動から推定した.得られた結果は実際の検量線の変動範囲とよく一致した.検量線の 95% 信頼区間で認められた変動幅は最大で±1%程度であったが,個別の検量線から推定されるコピー数の変動は大きく,20コピーでは±40%の範囲に推定値が分布した.各検量点におけるCt値の標準偏差は,20コピーの場合に特に大きく,これが原因となり検量線の変動が大きくなっていると考えられた.しかし,20コピーでのCt値のばらつきは測定系に入るコピーの確率分布に起因すると考えられ,分析法の改良により低減することは不可能である.20コピーの検量点を除いて作成した検量線では,両端の変動幅は小さくなり測定精度が向上した.
ノート
  • 河崎 裕美, 古庄 紀子, 建部 千絵, 久保田 浩樹, 柳 徳枝, 安河内 義和, 森 曜子, 山下 靖子, 飯塚 太由, 高畑 薫, 高 ...
    2009 年50 巻1 号 p. 6-9
    発行日: 2009/02/25
    公開日: 2009/03/26
    ジャーナル フリー
    指定添加物として使用が認められている食用赤色104号(R104)および105号(R105)中のヘキサクロロベンゼン(HCB)の電子捕獲型検出器付きガスクロマトグラフ(GC-ECD)による分析法の検討を行った.色素を水に溶解後,ヘキサンで抽出し,無水硫酸ナトリウムで脱水したものを,試験溶液とした.GC-ECDにおける分離は,カラム InertCap 5MS/NP (30 m×0.25 mm i.d., 膜厚0.25 μm),カラム温度60℃ (1 min)→20/min→150℃ (10 min)→20℃/min→280℃ (5 min),注入口温度260℃,検出器温度300℃,キャリヤーガス窒素,注入方法スプリットレスを用いて行った.R104, R105にHCBを2および5 μg/gとなるように添加し,5分析機関で添加回収試験を実施したところ,平均回収率は,98.2~103.7, RSDrは,2.9~6.0%, RSDRは,4.2~9.3% であった.また,HORRAT値は1未満と室間再現性は良好であったことから,本分析法の妥当性が確認された.
  • 岡本 葉, 高取 聡, 北川 陽子, 起橋 雅浩, 福井 直樹, 村田 弘, 住本 建夫, 田中 之雄, 尾花 裕孝
    2009 年50 巻1 号 p. 10-15
    発行日: 2009/02/25
    公開日: 2009/03/26
    ジャーナル フリー
    LC-MS/MSを用いた餃子中の農薬の分析法を検討した.均一化した餃子を酢酸エチルで抽出し,遠心分離後酢酸エチルを留去した.残留物をヘキサンに再溶解し,アセトニトリル/ヘキサン分配法により脂質を除き,アセトニトリル層をグラファイトカーボン/PSA積層カラムにより精製し,LC-MS/MSで測定した.99種類の農薬について,20および100 ng/gになるよう餃子に添加し,回収率を求めたところ,72種類の農薬について両濃度で良好な結果(回収率,70~120%; RSD, 20% 未満)となった.本分析法を用いて,12検体を処理するのに要した時間は6時間であった.したがって,本分析法は餃子中残留農薬分析法として有用な方法であると考えられる.
  • 多田 敦子, 杉本 直樹, 佐藤 恭子, 秋山 卓美, 麻野間 正晴, 尹 永淑, 山崎 壮, 棚元 憲一
    2009 年50 巻1 号 p. 16-21
    発行日: 2009/02/25
    公開日: 2009/03/26
    ジャーナル フリー
    ジャマイカカッシア抽出物の主成分がquassinおよびneoquassinであることは,1製品の分析結果を報告している.本研究では,まず製品間の成分組成の差異や副成分について検討した.4製品のLC/MS分析を行った結果,主成分に加え副成分の組成もよく一致した.4製品に共通の副成分4種を単離して11-dihydro-12-norneoquassin,canthin-6-one,4-methoxy-1-vinyl-β-carbolineおよび4,9-dimethoxy-1-vinyl-β-carbolineと同定した.次に,アメリカニガキおよびニガキの枝から熱水抽出物を調製し,LC/MSにより本製品と成分組成を比較した.その結果,本製品はアメリカニガキ抽出物に類似していた.既存添加物名簿収載品目リストには,ジャマイカカッシア抽出物の基原としてジャマイカカッシアが当てられているが,これは国際自然保護連合により絶滅危惧種に指定されており,入手困難である.本研究から,わが国に流通する製品の基原はアメリカニガキであることが示唆された.
  • 谷山 茂人, 諫見 悠太, 松本 拓也, 長島 裕二, 高谷 智裕, 荒川 修
    2009 年50 巻1 号 p. 22-28
    発行日: 2009/02/25
    公開日: 2009/03/26
    ジャーナル フリー
    2007年9月~2008年1月に長崎県橘湾で採集した小型巻貝7種計66個体につき,マウス試験で毒性を調べたところ,キンシバイは供試した22個体すべてが有毒であった.毒力は極めて強く,特に2007年9月に採集したものでは,10個体中8個体の筋肉または内臓が1,000 MU/gを上回った.興味深いことに,22個体中13個体で筋肉の総毒力(725~9,860 MU/個体)が内臓よりも5.9~110倍高い値を示した.LC/MS分析により,毒の主成分は tetrodotoxin (TTX) であることが明らかとなり,加えて11-oxoTTXを含むことが示唆された.一方,同時期同海域で採取したその他の巻貝については,毒性は全く認められなかった(5 MU/g未満).
調査・資料
  • 松田 りえ子, 渡邉 敬浩, 五十嵐 敦子, 白政 優子, 米谷 民雄
    2009 年50 巻1 号 p. 29-33
    発行日: 2009/02/25
    公開日: 2009/03/26
    ジャーナル フリー
    マーケットバスケット方式によって国内11か所で調製したトータルダイエット試料を分析し,硝酸塩の摂取量を推定した.推定された摂取量は4.0 mg/kg/dayであり,JECFAの定めたADIを 8% 超過していた.硝酸塩の主要な摂取源は,7群(有色野菜)および8群(その他の野菜,漬け物,海草)であり,この2群からの摂取量が総摂取量の 80% 以上を占めていた.個別食品について報告された硝酸塩濃度と,食品の一日摂取量を勘案すると,ホウレンソウからADIの38%,白菜から10%,大根から 20% を摂取していると推定された.
  • 工藤 由起子, 高鳥 浩介
    2009 年50 巻1 号 p. 34-40
    発行日: 2009/02/25
    公開日: 2009/03/26
    ジャーナル フリー
    1992年から2002年にかけて1,327検体を用いて日本での液卵中の生菌数とサルモネラ汚染について検討した.サルモネラは,全検体の 8.1% から分離され,殺菌液卵検体でも 1.7% がサルモネラに汚染されていることが判明した.液卵から分離された主要なサルモネラ血清型はEnteritidisであった.また,サルモネラ陽性液卵中の生菌数は,サルモネラ陰性液卵よりも有意に高かった.しかし,生菌数が102から106 cfu/gの液卵でもサルモネラは検出された.さらに,液卵に関連するサルモネラ食中毒事例についても解析された.これらの結果から,サルモネラ汚染の可能性を考え注意して液卵を取り扱うべきであり,殺菌液卵の使用と殺菌液卵の二次汚染防止が重要であると考えられた.
  • 小口 太一, 大西 真理, 近川 幸恵, 児玉 貴志, 鈴木 えみり, 笠原 正輝, 穐山 浩, 手島 玲子, 布藤 聡, 日野 明寛, 古 ...
    2009 年50 巻1 号 p. 41-46
    発行日: 2009/02/25
    公開日: 2009/03/26
    ジャーナル フリー
    食品・飼料としての利用を目的とした遺伝子組換えテンサイ品種が開発されている.本研究では,テンサイを原料とした加工食品を遺伝子組換え食品の検査の対象にすべきか評価するため,テンサイ糖製品におけるDNA残存の有無を調査した.複数のテンサイ内在性遺伝子配列を標的としたPCR分析の結果,テンサイに含まれるDNAは製糖過程の早い段階で分解され,テンサイ糖製品中から分析可能な質および量のDNAは回収できなかった.
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