食品衛生学雑誌
Online ISSN : 1882-1006
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51 巻, 2 号
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報文
  • 立石 恭也, 橋本 常生, 牛山 慶子, 酒井 奈穂子, 馬場 糸子, 永山 敏廣
    2010 年 51 巻 2 号 p. 53-57
    発行日: 2010/04/25
    公開日: 2010/04/29
    ジャーナル フリー
    波長分散型蛍光X線分析装置を用いて,生鮮果実,冷凍果実,乾燥果実および穀類加工品中臭素の簡易分析法について検討した.試料 5 g を正確に量り採り,蒸留水で2回抽出した後,25 mL に定容した.その抽出液 0.5 mL を点滴用ろ紙に滴下し乾燥させた後,波長分散型蛍光X線分析装置を用いて測定した.検量線は 0~10 μg/mL の範囲で良好な直線性を示した.試料中の臭素量が 5 μg/g となるように臭化カリウム標準溶液を添加し,回収実験を行ったところ,76~104% の回収率が得られた.検出下限は 0.5 μg/g,定量下限は 1.5 μg/g であった.また,従来法であるGC-ECD法と分析値を比較した場合,生鮮,冷凍果実および穀類加工品については,同等な測定結果が得られ,また,本法が若干高い値を示した一部の乾燥果実においても,誘導体化前のGC-ECD用の試験溶液についてはほぼ同じ定量値が得られたことから,本法はGC-ECD法の代替法として利用できると考えられた.
  • 塚本 友康, 清水 愛, 山本 敦, 小玉 修嗣, 上茶谷 若, 井上 嘉則
    2010 年 51 巻 2 号 p. 58-64
    発行日: 2010/04/25
    公開日: 2010/04/29
    ジャーナル フリー
    夾雑成分の多い試料から親水性農薬を簡便かつ迅速に測定するために,陰イオン交換基と長鎖疎水基を併せ持つ新規逆相陰イオン交換型(RP-SAX) 固相抽出剤を合成した.RP-SAX固相抽出剤は,グリシジルメタクリレート,グリセリンジメタクリレート,ステアリルメタクリレートを懸濁重合によって合成し,陰イオン交換基としてジメチルエチルアミンを導入した.合成したRP-SAXをシリンジ型カートリッジに充填し,野菜抽出液中からのアセフェートの固相抽出により,その機能を評価した.野菜抽出液中のアセフェートは定量的にRP-SAXに吸着し,50% (v/v) メタノールで調製した 30 mmol/L リン酸三ナトリウム溶液 3 mL で溶出された.その溶出液をHPLC分析した.アセフェートの検出は紫外可視光検出器で行った.アセフェートは 5 mg/L となるように野菜抽出液に添加した.測定の結果,野菜抽出液中からのアセフェート回収率は77~100% であった.
調査・資料
  • 穐山 浩, 坂田 こずえ, Frank SPIEGELHALTER, 古井 聡, 中島 安基江, 橘田 和美, 手島 玲子
    2010 年 51 巻 2 号 p. 65-70
    発行日: 2010/04/25
    公開日: 2010/04/29
    ジャーナル フリー
    リアルタイムPCRを用いた未承認遺伝子組換えトウモロコシDAS59132系統(E32)の検知法を8機関によるバリデーション試験により評価した.試験試料は0%,0.05%,0.1%の3濃度粉末試料と0.01% の抽出DNA溶液試料で,各濃度試料を2点並行により併行再現性や室間再現性などを評価した.トウモロコシ内在性遺伝子の検出試験ではすべての試料において良好な増幅曲線が得られ,陽性と判定された.E32検出用試験では,すべての 0% 試験試料と1機関において 0.01% 試験試料2点の内1試料で2反応並行の1反応が陰性であった以外は,良好な増幅曲線が得られ陽性と判定された.検出限界は約0.01%と判断された.本研究により,E32の検知法の妥当性が確認された.
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