食品衛生学雑誌
Online ISSN : 1882-1006
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51 巻 , 4 号
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総説
報文
  • 塩見 一雄, 吉田 沙織, 澤口 貴仁, 石崎 松一郎
    2010 年 51 巻 4 号 p. 153-159
    発行日: 2010/08/25
    公開日: 2010/09/04
    ジャーナル フリー
    魚類アレルゲンの1つとして同定されているコラーゲンのIgEエピトープを,ニジマスコラーゲンα2鎖をモデルとして検討した.ニジマスコラーゲンα2鎖の全長をカバーするオーバーラップタンパク質5種類(R1-5)を大腸菌で発現し,コラーゲンを認識する魚類アレルギー患者の血清を用いたイムノブロッティングによりIgE反応性を調べた.最も強いIgE反応性を示したR5タンパク質の全長をカバーするオーバーラップペプチド26種類(1-26)を合成し,患者血清を用いた蛍光ELISAを行ったところ,主要なIgEエピトープはペプチド16(領域941-960)に含まれると判断した.アミノ酸配列の比較および合成ペプチドのIgE反応性評価により,ペプチド16の領域は魚類コラーゲンα2鎖の共通のIgEエピトープであると考えられた.
  • 阿部 裕, 山口 未来, 六鹿 元雄, 平原 嘉親, 河村 麻衣子, 花尻(木倉) 瑠理, 合田 幸広, 河村 葉子
    2010 年 51 巻 4 号 p. 160-169
    発行日: 2010/08/25
    公開日: 2010/09/04
    ジャーナル フリー
    Direct analysis in real time (DART) イオン化装置に time of flight/mass spectrometry (TOF/MS)を組み合わせたDART-TOF/MSを用いて,ポリ塩化ビニル(PVC)中の可塑剤の検索とフタル酸エステルのスクリーニング法を検討した.可塑剤40種をDART-TOF/MSで測定したところ,ほとんどの可塑剤でプロトン付加体の擬分子イオン[M+H]+が得られ,分子量が容易に推定された.また,PVC製シートおよび玩具中の可塑剤を測定したところ,それぞれの可塑剤に相当するマススペクトルが得られ,容易に可塑剤の検索ができた.さらに,DART-TOF/MSにおけるフタル酸エステルのイオン強度を検出限界または最適な目安値で選抜することにより,フタル酸エステル含有量が 0.1% を超える試料を見逃すことなくスクリーニングできることを示した.DART-TOF/MS測定は操作が簡便で,瞬時に結果が得られるためPVC中の可塑剤の検索やフタル酸エステルのスクリーニングに有用である.
  • 相良 剛史, 谷山 茂人, 吉松 定昭, 高谷 智裕, 橋本 多美子, 西堀 尚良, 西尾 幸郎, 荒川 修
    2010 年 51 巻 4 号 p. 170-177
    発行日: 2010/08/25
    公開日: 2010/09/04
    ジャーナル フリー
    2004年10~11月に,瀬戸内海播磨灘で最高4,960 cells/Lの密度で Alexandrium tamiyavanichii が観察された.同海域から分離した本種の天然藻体,ならびにそこから得た培養藻体の毒力は,それぞれ6.25~15.4×10-4および2.7~3.5×10-4 MU/cellと,共に既報のものよりはるかに強かった.天然藻体の毒は,GTX5を主成分,GTX4を主要な副成分としており,既報や培養藻体(主成分GTX3)とは異なる珍しい組成を示した.同時期同海域で採取したムラサキイガイの毒力が13~28 MU/gと比較的高かったことから,A. tamiyavanichii は5,000 cells/L程度の低出現密度であっても二枚貝を高毒化させる危険性のあることが示唆された.
ノート
  • 西村 勉, 長岡(浜野) 恵, 榊原 直樹, 阿部 孝, 前川 吉明, 米谷 民雄
    2010 年 51 巻 4 号 p. 178-181
    発行日: 2010/08/25
    公開日: 2010/09/04
    ジャーナル フリー
    前報で報告したうるち米中の総ヒ素定量法および無機ヒ素分別定量法について,多種類の米に応用できるように実験条件の検討を行い,作成した条件を用いて定量を行った.総ヒ素の定量では誘導結合プラズマ質量分析法において感度を向上させるために酢酸を添加し,ゲルマニウムを用いた内標準法により定量した.もち米ならびに有色米について,無機ヒ素分別定量のための硝酸部分分解法の抽出温度を検討した結果,100℃ において 90% を超える抽出率が得られた.うるち米,もち米,有色米の玄米ならびに精白米について,総ヒ素ならびに無機ヒ素の含有量を調査したところ,総ヒ素は0.04~0.54 mg/kg,無機ヒ素は0.02~0.41 mg/kgの範囲であった.米の色と総ヒ素ならびに無機ヒ素量には関係は見られなかった.分析結果から,市販米中の無機ヒ素濃度に対して注目する必要があると考えられた.
  • 眞壁 祐樹, 宮本 文夫, 橋本 博之, 中西 希代子, 長谷川 康行
    2010 年 51 巻 4 号 p. 182-195
    発行日: 2010/08/25
    公開日: 2010/09/04
    ジャーナル フリー
    畜水産物を主原料とする加工食品中の残留農薬について一斉分析法を検討した.均一化した試料に酢酸エチル-シクロヘキサン(1 : 1)および硫酸ナトリウムを加えて抽出,濃縮後,アセトニトリル/ヘキサン分配およびC18ミニカラムで脱脂し,グラファイトカーボン/PSAミニカラムで精製した.分析にはイオントラップ型GC/MSを使用し,スキャン法で測定した.スキャン法での測定が困難な農薬についてはMS/MS法でスキャン法と同時に測定した.試料4種(冷凍餃子,ウナギ蒲焼,コンビーフ,レトルトカレー)について292成分の添加回収試験 (0.1 μg/g添加) を行った結果,210 (レトルトカレー) ~262 (冷凍餃子) 成分が回収率 70~120% の範囲であった.本法は畜水産物を主原料とする加工食品中の残留農薬検査に有用な分析法であると考えられる.
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