食品衛生学雑誌
Online ISSN : 1882-1006
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52 巻 , 2 号
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総説
報文
  • 高畠 令王奈, 穐山 浩, 坂田 こずえ, 大西 真理, 小岩 智宏, 布籐 聡, 峯岸 恭孝, 手島 玲子, 真野 潤一, 古井 聡, 橘 ...
    2011 年 52 巻 2 号 p. 100-107
    発行日: 2011/04/25
    公開日: 2011/04/25
    ジャーナル フリー
    GMダイズ系統A2704-12の系統特異的定量分析法を開発した.A2704-12は,ゲノム中に複数のpUC19由来のDNA断片が存在し,特異的PCR増幅領域としてこれらの配列を用いた.しかしながら,pUC19を鋳型にPCRを行ったところ非特異的な増幅が観察されたため,定量用標準プラスミドの構築にはpUC19ではなくpBR322を用いた.また,本研究によって,A2704-12混入率算出の際に必要な係数である内標比を決定した.さらに,さまざまな濃度のA2704-12を含む疑似混入試料を調製し,複数の試験室において性能指標を評価したところ,本分析法の定量下限値は0.1%と見積もられ,偏差,室間再現性ともに20%を下回る結果が得られた.
  • 富成 啓太, 田中 朝土, 篠田 祐馬, 二瀬 克規, 根井 大介, 一色 賢司
    2011 年 52 巻 2 号 p. 108-111
    発行日: 2011/04/25
    公開日: 2011/04/25
    ジャーナル フリー
    液体食品用容器PID (Pouch in Dispenser) の通常使用時,および人為的汚染時における内容物保護特性の検討を行った.開封後,静置あるいは風を当てた場合,ならびに内容物を注ぎ出した場合も,PIDへの菌の侵入は確認されなかった.人為的に菌液を注ぎ口に塗布した場合,供試菌が内部に侵入した.乾燥させた布を用いて供試菌を塗布した場合,内部への侵入が確認されなかったことから,清潔な乾燥した布で注ぎ口をふいた場合は微生物が侵入する可能性は低いと考えられた.注ぎ口に触れない注意喚起表示や,内容物によっては水分活性,pH等の調整,保存料の使用が必要であると考えられた.
ノート
  • 林 英一, 今井 利男, 新美 宏二
    2011 年 52 巻 2 号 p. 112-116
    発行日: 2011/04/25
    公開日: 2011/04/25
    ジャーナル フリー
    PETボトルおよびガラス瓶のリユースに際し,汚染物質に対するリユースシステムの安全性を検証するため,代理汚染物質5種類を用いて検証試験を行った.代理汚染物質として1,1,1-トリクロロエタン,クロロベンゼン,トルエン,ベンゾフェノンおよびフェニルシクロヘキサンを用い,これらをPETボトルに充てんし50℃で7日間保存後,水洗浄またはさらにアルカリ洗浄したものについて材質試験および溶出試験を行った.その結果,各物質はPETボトル材質中に水洗浄後430~1,400 μg/g,3.5%アルカリ洗浄後も225~925 μg/gが残留した.また,それらのボトルに85℃の純水を充てんし水冷後40℃で7日間保存したところ,内溶液に0.095~7.35 μg/mLが溶出した.清涼飲料水の含有成分であるリモネンもアルカリ洗浄後48 μg/gが残留し,0.16 μg/mLが溶出した.一方,アルカリ洗浄後のガラス瓶からはいずれの物質も全く溶出しなかった.したがって,PETボトルはガラス瓶に比べて,内容物の品質保持や衛生安全性の観点からリユースには適さないと結論された.
  • 福田 弘美, 植田 勤, 大仲 輝男, 佐藤 伸哉, 神藤 正則, 田中 智之
    2011 年 52 巻 2 号 p. 117-120
    発行日: 2011/04/25
    公開日: 2011/04/25
    ジャーナル フリー
    苦情検体の味付け海苔からチアベンダゾール(TBZ)が検出された事例を経験した.原因調査の結果,味付け工程で調味液を塗布する機械に使用されるスポンジロールに,抗菌目的で使用されていたTBZが海苔に移行したことが判明した.今回,LC-MS/MSを用いて味付け海苔中のTBZの定量法を検討した.味付け海苔の製造工程でこのスポンジロールが広く普及していたことから,改良した定量方法を用いて同時期と翌年の市販品についてTBZの調査を実施した.苦情事例のあった平成20年3月では6検体中5検体で0.014~1.736 μg/g,翌年の平成21年7月では6検体中1検体で微量のTBZが検出された.以上のことから味付け海苔の製造工程が見直され,現在では改善していると考えられた.
調査・資料
  • 小林 麻紀, 大塚 健治, 田村 康宏, 富澤 早苗, 上條 恭子, 岩越 景子, 影山 百合子, 永山 敏廣, 高野 伊知郎
    2011 年 52 巻 2 号 p. 121-129
    発行日: 2011/04/25
    公開日: 2011/04/25
    ジャーナル フリー
    1989年4月から2008年3月にかけて東京都内で市販されていた輸入冷凍野菜・果実595検体について農薬の残留調査を行った.その結果,162検体から43種類の有機リン系農薬,有機塩素系農薬,ピレスロイド系農薬,カルバメート系農薬およびその他の農薬が痕跡値(0.01 ppm未満)~4.6 ppmの範囲で検出された.葉菜類(こまつなおよびほうれんそう)では,クロルピリホス,シペルメトリンおよびオメトエートが,豆科野菜(えだまめおよび未成熟いんげん)では,シペルメトリンおよびメタミドホスが,ばれいしょでは,クロルプロファム(CIPC)が,ベリー類(ブルーベリー,ラズベリーおよびいちご)では,キャプタンおよびカルバリル(NAC)の検出率が高かった.また,ライチでは,果肉から水溶性の高いメタミドホスが検出された.農薬が検出された冷凍野菜および果実を喫食した場合の農薬の推定摂取量を算出し,一日摂取許容量(ADI)と比較したところ,各農薬のADI値の0.5%未満から30%の範囲であり,通常の喫食による健康影響はないものと考えられた.
  • 大槻 崇, 川崎 洋子, 久保田 浩樹, 並木 達也, 飯塚 太由, 塩谷 典子, 吉井 信彦, 小原 礼子, 田中 麻紀子, 小林 尚, ...
    2011 年 52 巻 2 号 p. 130-134
    発行日: 2011/04/25
    公開日: 2011/04/25
    ジャーナル フリー
    通知で規定されている鮮魚中の一酸化炭素(CO)分析法のうちA法(通知A法)は,試料を多量に必要とし,また試料気相調製時に鮮魚中のCOの一部が散逸するなどの問題が指摘されている.そこで本研究では,これらの問題点の解消ならびに現在の通知法の改正を目指して,宮崎らの方法を一部変更した分析法(改良法)の適用性を検討した.また,改良法を用いて通知で規制されているマグロ,ブリ,ハマチおよびティラピア中のCO濃度のバックグラウンド値を調査した.その結果,改良法は,試料気相調製時のCOの散逸抑制,試料量の低減,操作の簡便性の点で通知A法より優れており,鮮魚中のCO分析に適用可能であることが確認された.また4機関共同で実施した各鮮魚中のCO濃度のバックグラウンド値については,改良法が通知A法と比較してCOの回収率が向上することから,特にCO未処理のティラピア中のCO濃度が現在の規制値を上回ることが判明した.したがって,改良法を今後新たな鮮魚中のCO分析法として適用する場合には,ティラピアの規制値の変更が必要であると考えられた.
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