食品衛生学雑誌
Online ISSN : 1882-1006
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53 巻 , 6 号
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報文
  • 齊藤 静夏, 根本 了, 松田 りえ子
    原稿種別: 報文
    2012 年 53 巻 6 号 p. 255-263
    発行日: 2012/12/25
    公開日: 2013/03/08
    ジャーナル フリー
    農産物中の残留農薬一斉分析への液体クロマトグラフ-飛行時間型質量分析計(LC-TOF-MS)の適用について検討した.残留農薬一斉分析に適した TOF-MS 条件(キャピラリー電圧,コーン電圧およびアパーチャー1電圧)を詳細に検討した.また,フラグメントイオンを用いた確認方法についても検討を行った.抽出質量幅は20 mDaに設定して定量を行った.最適化した条件で,154化合物について大豆およびほうれんそうのマトリックス標準溶液を用いて各農薬の試料マトリックスの測定への影響や定量限界などについて評価した.その結果,試料中濃度0.01 mg/kgでS/N≥10のピークが得られた農薬は145化合物であり,大部分の農薬は一律基準レベルにおいても試料マトリックスによる大きな影響を受けずに測定可能であった.また,検討したすべての化合物において選択性に問題はなかった.
ノート
  • 伊藤 志保美, 梶原 知恵, 小木曾 基樹, 木船 信行, 渡井 正俊
    原稿種別: ノート
    2012 年 53 巻 6 号 p. 264-272
    発行日: 2012/12/25
    公開日: 2013/03/08
    ジャーナル フリー
    10種のヘテロサイクリックアミン類(HCAs)について,加熱調理食品に適用可能な分析法を検討した.分析法はHCAsを酸性下でメタノール抽出し,多孔性ケイソウ土カラム,弱陰イオンおよび強陽イオン交換カラムによる精製後,LC-MS/MSにより測定するものである.分析法の妥当性確認は,マーケットバスケット方式で調製したトータルダイエットスタディ(TDS)試料のうち,第4群(油脂類),第10群(肉・卵類)および第11群(魚介類)を用いて実施した.10 ng/g相当添加したときの回収率,および試行数2回で5日間分析した場合の精度(併行精度および室内再現精度)は,一部のHCAsには課題があるもののほぼ良好な結果であった.検出下限(LOD)および定量下限(LOQ)は,定量下限付近の測定値の変動から算出した.さらに,本分析法を用いて,TDS試料の1~13群,市販調理済食品27品目および試験室内で調理した食品中の含有濃度を測定して,方法の実用性の確認を行うとともに実態調査を行った.
調査・資料
  • 中山 素一, 宮下 隆, 細谷 幸一, 人見 潤, 佐藤 美紀, 須永 幸恵, 重松 康彦, 小笠原 準, 竹中 重幸, 濱崎 光宏, 堀川 ...
    原稿種別: 調査・資料
    2012 年 53 巻 6 号 p. 273-277
    発行日: 2012/12/25
    公開日: 2013/03/08
    ジャーナル フリー
    セレウス嘔吐毒マーカータンパク質の検出システム(シングルパス・エメティックトキシンマーカー)の妥当性を検証した.わが国で発生した食中毒事例由来セレウス菌(84株),および市販食品分離株(21株),合計105株を1%ブドウ糖添加Casein–Glucose–Yeast Extract(CGY)培地で培養後,その培養液をキットのサンプル注入部に滴下し,検出ラインの有無を判定した.各菌株の嘔吐毒合成酵素遺伝子をPCR法を用いて検出し,陽性を示した株を嘔吐毒遺伝子保有株とした.食中毒検査で分離された嘔吐毒遺伝子保有菌58株は,本検出キットですべて陽性と判定された.一方,嘔吐毒遺伝子非保有株は,食中毒由来株では26株中2株,食品由来株21株中1株が陽性を示した.これら3菌株の毒素産生性を,HEp-2細胞を用いて検討したところ,毒素は検出されなかった.メーカーの報告によれば本イムノクロマトキットは,CGY培地による食品の培養液からも嘔吐毒産生セレウス菌が検出可能であるとのことから,食中毒検査時だけでなく,食材や調理食品中の嘔吐毒産生性セレウス菌のスクリーニングにも使用できると考えられた.
妥当性評価
  • 浦西 克維, 山下 浩一, 岡山 明子, 山本 圭吾
    原稿種別: 妥当性評価
    2012 年 53 巻 6 号 p. 278-290
    発行日: 2012/12/25
    公開日: 2013/03/08
    ジャーナル フリー
    超臨界流体抽出による穀類・豆類中の残留農薬分析法を検討した.ペースト状に細切均一化した試料を吸水性ポリマーおよびケイソウ土と混和させた後,抽出容器に充填し,超臨界状態の二酸化炭素で抽出操作を実施した.抽出成分をアセトニトリルに溶解させ,ミニカラム(ENVI-Carb II/ PSA+PSA)で精製した.測定はGC-MS/MSを用い,試験溶液のマトリックス効果の影響を加味し,マトリックス検量線で定量した.5種の農産物について334農薬,添加濃度0.01および0.1 µg/gにおける妥当性評価(2試行×5日)を実施した結果,137農薬が真度,精度の目標値を満たした.また,101農薬は真度が50~70%である一方,精度は目標値を満たした.本法は精度,迅速性に優れ,さらに簡易である点において,穀類・豆類中の残留農薬分析法として利用可能と考えられる.
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