食品衛生学雑誌
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54 巻, 5 号
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報文
  • 小木曾 基樹, 森田 剛史, 原田 千里, 伊佐川 聡, 宮崎 裕史, 鹿田 憲子, 木村 彩子, 木船 信行, 渡井 正俊
    原稿種別: 報文
    2013 年54 巻5 号 p. 351-357
    発行日: 2013/10/25
    公開日: 2013/11/02
    ジャーナル フリー
    デオキシニバレノール(DON)定量用のキットをとうもろこし加工副産物へ適用するため,前処理法を検討した.市販されているイムノクロマトキット2種類,エライザキット3種類を用いて,3種類のとうもろこし加工副産物および配合飼料について測定を行った.得られた定量値をLC-MSによる測定値と比較したところ,一部のキットにおいて有意な差が認められた.この要因として,キット測定における抽出不足が考えられたため,本研究では振とう時間の違いによるDONの抽出量の変化を調べ,抽出時間を20分とした.さらに,とうもろこし加工副産物の抽出液は酸性を示すことから,抗原–抗体反応の阻害を考慮し,抽出液について中和および遠心分離操作を加えることとした.これらの改良により,コーングルテンミールにおいては,すべてのキットで回収率が80~120%に収まり,良好な真度を示した.さらに,とうもろこし加工副産物および配合飼料について,各キットの繰返し試験から算出した相対標準偏差(RSD)は,最大で11.3%と良好な精度を示した.したがって,前処理法を改善することにより,各免疫化学分析キットはとうもろこし加工副産物および配合飼料のDONのモニタリングに適用可能であることが検証された.
  • 新藤 哲也, 貞升 友紀, 鈴木 敬子, 田中 康一, 外川 明子, 植松 洋子
    原稿種別: 報文
    2013 年54 巻5 号 p. 358-363
    発行日: 2013/10/25
    公開日: 2013/11/02
    ジャーナル フリー
    食品中の糖アルコール(D-マンニトール,キシリトールおよびD-ソルビトール)を分析する精度の高いHPLC定量法およびLC-MSを用いた確認法を開発した.HPLCでは,カラムにスルホン酸型ポリスチレン系カチオン交換樹脂,移動相に水を用い,カラム温度を50℃,流速を0.85 mL/minとして,3種の糖アルコールを完全に分離定量できた.オレンジジュース,ヨーグルト,チューインガムおよび牛乳に添加した3種の糖アルコールの回収率はいずれも91%以上,CV値3.1%以下であった.アミノ基結合型カラムを用い,アセトニトリル–水(9 : 1),0.2 mL/minでLC-MS分析した結果,ESI(-)では,いずれの糖アルコールも[M-H]-,[M+Cl]-に由来するイオン,ESI(+)では[M+Na],[M+Na+CH3CN]に由来するイオンが観測され,食品中の糖アルコールを容易に確認することが可能であった.
  • 笠原 義正, 伊藤 健, 沼澤 聡明, 和田 章伸
    原稿種別: 報文
    2013 年54 巻5 号 p. 364-369
    発行日: 2013/10/25
    公開日: 2013/11/02
    ジャーナル フリー
    野生のトリカブトの葉や根などに含まれている4種のアコニチン類(AC類)をLC-MS/MSを用いて一斉定量した.また,マウスに対する毒性とAC類の定量値との関係を検討した.野生のトリカブトの葉,根,花弁,蜜腺に含まれるAC類を定量した結果,おのおの5.9,928.1,46.1,69.8 μg/gで,根の次に蜜腺の含有率が高かった.また,市販のはちみつを検査したが,AC類が検出されたものはなかった.トリカブトの根エキスのマウス毒性とAC類の定量結果は良い一致を示した.また,AC類が検出されなかったウゼントリカブトにマウス毒性は観察されなかった.4種のAC類の加熱による変化では,0.5分間ゆでた葉のAC類含有量は31.6%に減少し,そのゆで汁に54.5%移行した.また,メサコニチンを加熱してベンゾイルメサコニンに変化することが確認されたので,これが検出されてもトリカブト属植物による中毒が示唆できることが分かった.
  • 長谷川 真由美, 山崎 薫, 馬場 修
    原稿種別: 報文
    2013 年54 巻5 号 p. 370-373
    発行日: 2013/10/25
    公開日: 2013/11/02
    ジャーナル フリー
    ヒトデ粉末摂取の影響を観察するために,ヒトデ粉末入り飼料をラットに摂取させ,67日間観察した.体重増加,脂質代謝にかかわる生化学値ならびに肝機能に関する酵素の活性を測定し,安全性について検討した.1.ヒトデ粉末摂取による体重変化には有意な差は認められなかった.2.臓器重量にヒトデ粉末摂取による影響は観察されなかった.3.ヒトデ粉末摂取は,今回の実験では脂質代謝,肝機能,タンパク質栄養に影響を認められなかった.
ノート
  • 三宅 大輔, 早川 賢治, 野村 孝一
    原稿種別: ノート
    2013 年54 巻5 号 p. 374-378
    発行日: 2013/10/25
    公開日: 2013/11/02
    ジャーナル フリー
    テトラヒドロフラン(THF)およびジメチルホルムアミドに不溶のスチレン系ポリマー中のスチレンなどの揮発性物質8成分の定量分析法を開発した.細切した試料0.1 gをヘッドスペース(HS)バイアルに採り,内標準物質50 μg/mLを含むo-ジクロロベンゼン(DCB)2 mLを加えて密栓した.オートサンプラーを用い,140℃で1時間加熱後,HSガス1 mLをGCに注入した.シンジオタクチック・ポリスチレン,スチレンブロックコポリマーおよび変性ポリフェニレンエーテルの試料はDCBに溶解または分散した.各測定対象物質に対する分離,定量性はいずれも良好であった.添加回収率は300 μg/gの添加で95~113%であった.また,本法はTHFに溶解する一般のスチレン系ポリマーにも適用可能であった.一般用ポリスチレン,耐衝撃性ポリスチレン,アクリロニトリル/スチレン樹脂,アクリロニトリル/ブタジエン/スチレン樹脂のいずれの試料においても,食品,添加物等の規格基準の試験法と同等の定量値が得られた.
  • 長谷川 貴志, 高橋 和長, 吹譯 友秀, 西條 雅明, 元木 裕二
    原稿種別: ノート
    2013 年54 巻5 号 p. 379-383
    発行日: 2013/10/25
    公開日: 2013/11/02
    ジャーナル フリー
    液体クロマトグラフィー質量分析によるムクナ含有健康食品中のDOPAの迅速な光学異性体分析法を開発した.DOPAの抽出は,抽出液として1%ギ酸溶液を用いた超音波抽出法で行った.カラムは光学活性クラウンエーテルカラムを用い,移動相はギ酸溶液(pH 2.0)を用い,カラム温度は30℃に設定した.内標準物質としてL-DOPA-ring-d3を用い,イオン化はESIポジティブモードで行った.添加回収試験(50および500 μg/g添加)を行ったところ,回収率は97.5~101.3%,併行精度と室内再現精度は7%以下であり良好な結果が得られた.本試験法を市販健康食品14製品に適用したところ,L-DOPAは1カプセルまたは錠当たり0.88~12.8 mg検出されたが,D-DOPAはいずれの製品からも検出されなかった.
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