食品衛生学雑誌
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55 巻 , 2 号
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報文
  • 岡崎 史子, 平川 由紀, 山口(村上) 友貴絵, 原田 亜矢子, 渡辺 栄喜, 岩佐 精二, 成田 宏史, 三宅 司郎
    原稿種別: 報文
    2014 年 55 巻 2 号 p. 65-72
    発行日: 2014/04/25
    公開日: 2014/07/02
    ジャーナル フリー
    野菜中に残留するクロロタロニルを迅速・簡便に測定する直接競合ELISAの開発を試みた.まず,ペンタクロロフェノールのカルボン酸誘導体を用いて,モノクローナル抗体(MoAb)を作製した.その中でもMoAb TPN9Aは,クロロタロニルの測定に適していた.野菜中のクロロタロニルは,磨砕均一化後に作物由来の酵素によって速やかに分解することが知られている.その防止には,一般的にリン酸が添加(野菜–10%リン酸(2 : 1,w/v))される.直接競合ELISAでは,このリン酸の添加が測定に影響を与えるが,競合反応に用いるリン酸緩衝液のイオン強度を100 mmol/Lにすることでその影響を解消できた.至適化した直接競合ELISAの測定範囲は0.10~6.0 ng/mL,キュウリとナスへ添加したクロロタロニルは97.1~125%と100%を超える傾向を認めつつ良好に回収できた.また,HPLCとも高い相関性を認めた.開発したELISAは,メタノール抽出とその希釈のみで,迅速・簡便にクロロタロニルを測定できた.
  • 横谷 馨倫, 千葉 剛, 佐藤 陽子, 梅垣 敬三
    原稿種別: 報文
    2014 年 55 巻 2 号 p. 73-78
    発行日: 2014/04/25
    公開日: 2014/07/02
    ジャーナル フリー
    コレウス・フォルスコリエキス(CFE)と血糖降下薬トルブタミドとの相互作用をラットのin vivo実験で検討した.CFEは1%(w/w)までその投与量に依存して肝総シトクロムP450(CYP)の含量とサブタイプ活性を上昇させ,特にCYP2B,2C,3A活性ではタンパク質発現も増加した.血中トルブタミド濃度はCFEの投与量依存的に低下し,同時にトルブタミドの血糖降下作用も減弱した.また,トルブタミドの代謝酵素CYP2Cの活性と血中トルブタミド濃度,血糖降下作用には負の相関関係が認められた.以上より,CFEはラット肝CYP2Cを誘導し,それを介した機序によりトルブタミドの血糖降下作用を減弱させることが明らかになった.
  • 大塚 佳代子, 小林 直樹, 森田 幸雄, 宮坂 次郎, 和栗 敦, 楠原 一, 工藤 由起子
    原稿種別: 報文
    2014 年 55 巻 2 号 p. 79-87
    発行日: 2014/04/25
    公開日: 2014/07/02
    ジャーナル フリー
    日本における焼肉調理過程を想定し,牛内臓肉を含む牛肉での腸管出血性大腸菌の挙動を明らかにすることを目的に,各過程での本菌の生残性を検討した.その結果,牛肉の低温保存および焼肉調味料への漬け込みにおいて,菌数の増減はほとんど認められなかった.また,ホットプレートおよび直火ガスコンロでの焼肉調理において十分に加熱した場合,菌数の著しい減少(1/1,100から1/37,000)が認められた.しかし,牛肉の種類による菌数の減少程度の違いや,加熱むらがあることに注意が必要であると考えられた.また,同一の調理器具を焼成前の汚染牛肉および焼成後の牛肉に共通して使用することによって,1/500から1/300,000の菌数の二次汚染が起こることが示された.
  • 柴原 裕亮, 猪井 俊敬, 汪 俊, 山田 彰一, 塩見 一雄
    原稿種別: 報文
    2014 年 55 巻 2 号 p. 88-93
    発行日: 2014/04/25
    公開日: 2014/07/02
    ジャーナル フリー
    魚類の主要アレルゲンは筋形質タンパク質のパルブアルブミンである.食品中の魚類タンパク質を検知するために,マサバパルブアルブミンを免疫原として作製したポリクローナル抗体を用いたイムノクロマト法を開発した.本法は,各種魚類のパルブアルブミンと高い交差性を示したが,ウシガエルパルブアルブミンとの交差性は非常に低かった.検出限界は魚類タンパク質濃度で2.0 μg/gであったことから,日本のアレルギー食品表示に求められる性能を十分満たしていた.さらに,測定結果へ食品由来成分が影響しないこと,加熱により変性を受けたパルブアルブミンも測定可能なことを確認した.したがって,本法は魚類由来パルブアルブミンに対して特異的であり,加工食品における魚類タンパク質の簡便かつ迅速な検知法として有用であると考えられた.
  • 吹譯 友秀, 長谷川 貴志, 高橋 和長, 西條 雅明, 浜名 正徳
    原稿種別: 報文
    2014 年 55 巻 2 号 p. 94-102
    発行日: 2014/04/25
    公開日: 2014/07/02
    ジャーナル フリー
    超高速液体クロマトグラフィー(UPLC)による健康食品中のスタチン12成分の一斉分析法を構築した.抽出は抽出溶媒として50%(v/v)メタノールを用い,超音波抽出法で行った.精製はOasis MAXミニカラムを使用し,溶出溶媒としてメタノールおよび0.2%(v/v)リン酸含有メタノールを用いた.UPLC分析のカラムはACQUITY UPLC BEH C18 を用い,0.2%(v/v)リン酸水溶液 – アセトニトリルのグラジエントで分析を行った.添加回収試験の結果,回収率は89.2~100.9%,併行精度と室内再現性は7%以下であり良好な結果を示した.本法を市販の健康食品24製品に適用した結果,ロバスタチンが最大4.85 mg/ 包,ロバスタチン酸が最大1.28 mg/ カプセル検出された.他の成分は検出されなかった.1製品について,製品表示どおりに摂取するとロバスタチンの1日摂取量が6.74 mgとなった.当該製品はロバスタチンの1日最小薬用量10 mgの1/2を超えて摂取することになることから,当該製品を摂取することによる健康への影響が懸念される.
ノート
  • 大坪 祥人, 黒岡 裕之, 多田 久恵, 眞鍋 昇
    原稿種別: ノート
    2014 年 55 巻 2 号 p. 103-109
    発行日: 2014/04/25
    公開日: 2014/07/02
    ジャーナル フリー
    わが国においては食品に含まれるヒスタミンの基準値は示されておらず,残留農薬のような公定分析法は現在まで示されていない.われわれは,食品衛生検査指針に示された方法(ダンシル化体を蛍光検出器付液体クロマトグラフ(LC-FL)で測定)を参考に検査を行うなか,ヒスタミン検出時の確認分析法としてダンシル化体を液体クロマトグラフタンデム質量分析計(LC-MS/MS)で測定してきた.今回,定量限界を5 ppmに設定して,試料として鮮魚を用いてLC-FL法およびLC-MS/MS法で添加回収試験を実施し,選択性,真度(回収率)および精度を評価した.また,実試料にて両分析法で分析した結果を比較検討した.その結果,ダンシル化ヒスタミンをLC-MS/MSで測定する本LC-MS/MS法は,特に夾雑成分が多い魚類の加工食品の分析においても選択性に優れ,誤検出のリスクを回避できる有用な試験法であることが示された.
  • 柿木 康宏, 吉岡 俊暁, 永富 康司, 宇山 敦生, 望月 直樹
    原稿種別: ノート
    2014 年 55 巻 2 号 p. 110-116
    発行日: 2014/04/25
    公開日: 2014/07/02
    ジャーナル フリー
    われわれはアルコール飲料中のプリン体含量を高感度かつ高い選択性で定量するため,試料を酸加水分解後,強陽イオン交換固相抽出カラムを用いて目的成分を精製し,親水性相互作用クロマトグラフ-質量分析計を用いて分離・検出する手法を開発した.各種分離条件を検討した結果,移動相にギ酸アンモニウム水溶液(pH 2.0)/ アセトニトリル混液,LCカラムにTSKgel Amide-80を用いたときに,最も良好なピーク分離,マトリックス効果の抑制,保持時間の安定化が実現した.また,抽出イオンクロマトグラム上に夾雑ピークは認められず,4種のプリン塩基(ヒポキサンチン,アデニン,キサンチン,グアニン)を高い選択性で検出することが可能であった.本法における標準添加検量線の相関係数は0.996以上,併行精度はRSD 8.4%以下,添加回収率は60~105%であった.また,検出限界は0.005 mg/100 mL以下であり,アルコール飲料中の微量プリン体の高感度分析が可能となった.
調査・資料
  • 六鹿 元雄, 阿部 智之, 阿部 裕, 石井 里枝, 伊藤 裕子, 大野 浩之, 大野 雄一郎, 尾崎 麻子, 柿原 芳輝, 河村 葉子, ...
    原稿種別: 調査・資料
    2014 年 55 巻 2 号 p. 117-134
    発行日: 2014/04/25
    公開日: 2014/07/02
    ジャーナル フリー
    ガラス製,陶磁器製またはホウロウ引きの器具・容器包装,ならびに金属缶のカドミウム(Cd)および鉛(Pb)溶出試験における各測定法の性能を評価するため,試験室間共同試験を行った.当試験には17機関が参加し,濃度非明示の8濃度16検体についてフレーム方式原子吸光光度法(AAS),電気加熱方式原子吸光光度法(GF-AAS),誘導結合プラズマ発光強度測定法(ICP-OES)および誘導結合プラズマ質量分析法(ICP-MS)によりCdおよびPbの定量を行った.その結果,AAS,ICP-OESおよびICP-MS(内標法)では真度が93~105%,併行精度(RSDr)が0.7~8.4%,室間再現精度(RSDr)が2.6~19.3%であり,規格試験法として十分な性能を有していることが判明した.一方,GF-AASではいくつかの結果でRSDrが10%を超えており,適切な精度管理が必要であった.
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