本研究は,ソルビン酸の使用が認められた異臭苦情食品において,トランス-1,3-ペンタジエンが異臭物質として検出されたことから,その生成要因を解明することを目的とする.異臭苦情食品からペニシリウム属真菌が分離され,ITS領域およびD1/D2領域のDNA塩基配列解析の結果,
Penicillium chrysogenumと同定した.分離した
P. chrysogenumをソルビン酸カリウム存在下で培養したところ,トランス-1,3-ペンタジエンの生成が認められた.
P. chrysogenumのトランス-1,3-ペンタジエン生成能は,培養液中のpHに影響された.本異臭苦情は,ソルビン酸が使用された苦情食品中で
P. chrysogenumが混在し,ソルビン酸の分解生成物であるトランス-1,3-ペンタジエンが発生したことが要因であると示唆される.
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