食品衛生学雑誌
Online ISSN : 1882-1006
Print ISSN : 0015-6426
ISSN-L : 0015-6426
55 巻 , 6 号
選択された号の論文の7件中1~7を表示しています
総説
報文
  • 北川 麻美子, 中村 公亮, 近藤 一成, 生形 省次, 穐山 浩
    原稿種別: 報文
    2014 年 55 巻 6 号 p. 247-253
    発行日: 2014/12/25
    公開日: 2015/01/13
    ジャーナル フリー
    野菜加工食品中の遺伝子組換え(GM)トマトの混入を確認するため,定性PCR法を用いてトマト形質転換に汎用されるカリフラワーモザイクウイルス35SRNAプロモーター(P35S)およびGM選抜用マーカーであるカナマイシン耐性遺伝子(NPTII)の検出を試みた.野菜ジュース製品の抽出DNAからP35SとNPTII陽性の結果が得られたが,原材料のアブラナ科野菜に感染したカリフラワーモザイクウイルスおよび土壌細菌由来のゲノムの混入が原因であると考えられた.そこでトマトの形質転換に汎用されるP35SとNPTIIの境界領域およびノパリン合成遺伝子プロモーター領域とNPTIIの境界領域をおのおの検出するプライマー対を設計してPCRを実施した.その結果,いずれの原材料の抽出DNAにおいても増幅は確認されなかった.以上のことから,本法は偽陽性判定を防ぎ,かつ幅広く未審査GMトマトを含むGM食品を検出する方法として有効であると考えられた.
ノート
  • 岩越 景子, 田村 康宏, 大塚 健治, 富澤 早苗, 八巻 ゆみこ, 増渕 珠子, 中川 由紀子, 増田 諒子, 佐藤 千鶴子, 笹本 剛 ...
    原稿種別: ノート
    2014 年 55 巻 6 号 p. 254-260
    発行日: 2014/12/25
    公開日: 2015/01/13
    ジャーナル フリー
    LC-MS/MSを用いた農産物中残留農薬の迅速試験法について検討した.試料10 gに,アセトニトリル30 mLを加えホモジナイズ後,無水硫酸マグネシウム4 g,塩化ナトリウム1 gおよびクエン酸緩衝剤を加えて農薬を抽出した.また,夾雑成分を除去するため,独自の3層固相カラム(C18/GC/PSA; 60/30/60 mg)を使用した.また試験液の測定は,2台のLC-MS/MSを組み合わせ,スケジュールドMRMモードで実施した.厚生労働省通知の妥当性評価ガイドラインに従って,5種の農産物(玄米,キウィー,キャベツ,かんしょ,ほうれんそう)における,本法の妥当性評価を行った.結果,60農薬中,ガイドラインによる評価基準を満たしたものは,玄米で58,キウィーで59,キャベツで55,さつまいもで55,ほうれんそうで56農薬であった.本法は,農産物中残留農薬の日常検査に有用であることを確認した.
  • 宮本 靖久, 鷲田 和人, 宇山 敦生, 望月 直樹
    原稿種別: ノート
    2014 年 55 巻 6 号 p. 261-268
    発行日: 2014/12/25
    公開日: 2015/01/13
    ジャーナル フリー
    消費者より異味の指摘のあった飲料製品(指摘品)について,高速液体クロマトグラフ—四重極飛行時間型質量分析計(LC-QTOF-MS)による混入物の解析結果を報告する.LC-QTOF-MSを用いて正常品との差異解析を行った結果,指摘品のみに特徴的な6つの物質を検出した.これらについて,マススペクトル,プロダクトイオンスペクトルを詳細に解析した結果,いずれも界面活性剤であることが明らかとなった.また,これらはシャンプーなど家庭用洗剤の原料に用いられていることが分かった.さらに,これら6種類の界面活性剤を指標に市場で入手可能な洗剤製品の成分解析を行った結果,ボディシャンプー2製品のみHPLCの溶出パターンが一致した.これらの結果から,指摘品には当該ボディシャンプーが開栓後何らかの原因で混入した可能性が強く示唆された.
調査・資料
  • 六鹿 元雄, 阿部 智之, 阿部 裕, 石井 里枝, 伊藤 裕子, 大野 浩之, 大野 雄一郎, 尾崎 麻子, 柿原 芳輝, 金子 令子, ...
    原稿種別: 調査・資料
    2014 年 55 巻 6 号 p. 269-278
    発行日: 2014/12/25
    公開日: 2015/01/13
    ジャーナル フリー
    食品衛生法における合成樹脂製器具・容器包装のカドミウム(Cd)および鉛(Pb)材質試験について,公定法と各種代替法の性能を比較した.19機関が試験室間共同試験に参加し,3種のポリ塩化ビニル製ペレット中のCdおよびPbを定量した.公定法は,試料を灰化後,塩酸に溶解した溶液を水浴上で蒸発乾固し,原子吸光光度法(AAS)または誘導結合プラズマ発光強度測定法(ICP-OES)で測定する.その真度は86~95%,併行精度(RSDr)は3.1~9.4%,室間再現精度(RSDr)は8.6~22.1%であり,その性能は規格試験法として十分であった.ホットプレート上で蒸発乾固しAASおよびICP-OESで測定する方法は,公定法よりも真度とRSDrが劣っていたが,代替法として適用可能である.マイクロウェーブ分解法(MW法)による試験溶液の調製は公定法よりも性能がよく,代替法として十分に適用可能である.また,誘導結合プラズマ質量分析(ICP-MS)法は測定法の代替法として適用可能であるが,試料を完全に灰化する必要がある.
妥当性評価
  • 並河 幹夫, 柴田 さよ, 塩見 哲生, 中川 智之, 伴 創一郎, 冨田 陽子, 瀬村 俊亮, 中尾 好絵, 伴埜 行則, 川上 雅弘
    原稿種別: 妥当性評価
    2014 年 55 巻 6 号 p. 279-289
    発行日: 2014/12/25
    公開日: 2015/01/13
    ジャーナル フリー
    残留農薬一斉分析の前処理法としてQuEChERS法を適用し,その後C18ミニカラムおよびEnviCarbⅡ/PSAミニカラム等を用いて精製を行う方法で,「食品中に残留する農薬等に関する試験法の妥当性評価ガイドライン」に従い妥当性評価を行った.測定に液体クロマトグラフ・タンデム型質量分析計(株)島津製作所製LCMS-8030を用いることで,高感度の多成分一斉分析が可能になり,分析時間の大幅な短縮を実現した.8種類の青果物と玄米については302成分(269農薬),ウーロン茶については233成分(204農薬)の妥当性を評価した.その結果,青果物,玄米については234~259成分,ウーロン茶については151成分,ガイドラインの目標値を満たすことができた.
  • 上野 英二, 渡邉 美奈恵, 梅村 優子, 井上 知美, 猪飼 誉友
    原稿種別: 妥当性評価
    2014 年 55 巻 6 号 p. 290-296
    発行日: 2014/12/25
    公開日: 2015/01/13
    ジャーナル フリー
    LC-MS/MSによる農産物中の残留農薬一斉分析法について,「食品中に残留する農薬等に関する試験法の妥当性評価ガイドライン」に従って評価を行った.試料からアセトニトリルで抽出したのち,GPC-グラファイトカーボンSPEで精製し,さらに,シリカゲル/PSA連結SPEにより精製してScheduled MRMおよびESIポジティブ/ネガティブスイッチングモードを組み合わせたLC-MS/MSにより測定した.5種類の農産物,122種類の農薬成分を対象にして添加濃度0.01 μg/gおよび0.1 μg/gで,分析者1名が1日2併行で5日間の枝分かれ試験を行って,真度(回収率),併行精度および室内精度を求めた.その結果,両濃度でガイドラインに示される目標値を満たした農薬成分は農産物5種類ともにジスルホトンを除く121種類であった.
feedback
Top