食品衛生学雑誌
Online ISSN : 1882-1006
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57 巻, 6 号
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総説
報文
  • 塚原 啓太, 高畠 令王奈, 増渕 友子, 布藤 聡, 峯岸 恭孝, 野口 秋雄, 近藤 一成, 最上(西巻) 友子, 倉嶋 たけ代, 真野 ...
    2016 年57 巻6 号 p. 187-192
    発行日: 2016/12/25
    公開日: 2016/12/27
    ジャーナル フリー

    本研究では,新規遺伝子組換え(GM)ダイズMON87701について,リアルタイムPCRに基づく系統特異的定量分析法を開発した.当該GMダイズの混入率を算出するために必要な内標比を実験的に決定し,試験室間共同試験によりブラインド試験を実施し分析法の性能を評価した.その結果,供試試料の全濃度において,バイアスおよび室間再現精度の相対標準偏差(RSDr)はそれぞれ30%未満および13%未満であり,本分析法の定量下限(LOQ)が0.5%であることが示された.以上の結果から,本分析法がGMダイズMON87701の実用的な定量分析法として適用可能であることが示された.

  • 西﨑 雄三, 石附 京子, 穐山 浩, 多田 敦子, 杉本 直樹, 佐藤 恭子
    2016 年57 巻6 号 p. 193-200
    発行日: 2016/12/25
    公開日: 2016/12/27
    ジャーナル フリー
    電子付録

    ラック色素の主成分ラッカイン酸類とコチニール色素の主成分カルミン酸は,アントラキノン骨格を持った水溶性の色素化合物で,その色調は酸性溶液では橙色,中性溶液で赤色,アルカリ性溶液で紫色を示す.カルミン酸をアンモニア処理して得られる4-アミノカルミン酸は酸性条件下でも赤紫色を示し,耐酸性カルミンとして食品に添加される事例が報告されている.本研究はこの報告をもとに,ラック色素をアンモニア処理し,酸性条件下での色調の確認とその主色素成分の構造解析を行った.主色素成分として,4-アミノラッカイン酸Cを同定するとともに,LC/MS分析の結果,アンモニア処理ラック色素は4位のヒドロキシ基にアミノ基が置換した4-アミノラッカイン酸類を主色素成分とすることが確認された.

ノート
  • 青栁 光敏, 千葉 真弘, 柿本 洋一郎, 根本 了
    2016 年57 巻6 号 p. 201-206
    発行日: 2016/12/25
    公開日: 2016/12/27
    ジャーナル フリー

    農産物中のジフェニルアミン分析法として,ジフェニルアミンを試料から酸性条件下アセトニトリルで抽出し,C18ミニカラムで精製した後,n-ヘキサンに転溶,PSAミニカラムで精製した後,HPLC-FLで定量し,LC-MS/MSで確認する方法を開発した.開発した分析法を用いて,玄米,とうもろこし,大豆,ばれいしょ,キャベツ,なす,ほうれんそう,オレンジ,りんごおよび茶の10農産物に対し,残留基準値濃度での添加回収試験を行った結果,真度76.7~94.9%,併行精度0.6~5.8%の良好な結果が得られた.また,本試験法は一律基準値レベルの検出感度を有していたため,ジフェニルアミンの分析法として有用と思われた.

  • 大須賀 愛幸, 植松 洋子, 山嶋 裕季子, 藤原 卓士, 田原 正一, 宮川 弘之, 水町 敏子, 門間 公夫
    2016 年57 巻6 号 p. 207-212
    発行日: 2016/12/25
    公開日: 2016/12/27
    ジャーナル フリー
    電子付録

    高タンパク食品中の11種類の許可酸性タール色素分析における精製時のpHについて,手詰めのポリアミド(PA)カラムとOasisHLBカラムを用いて検討した.色素を添加したかまぼこ試料の抽出液のpHをpH 3.0~7.0の範囲で0.5刻みに調整してPAカラムに負荷したところ,pH 3.0~5.5では生じた沈殿がカラムに詰まる傾向があった.また,R3, R104,R105のキサンテン系3色素(3色素)の回収率が26~68%と低かった.pH 6.0~7.0では沈殿が生じず,3色素の回収率も38~79%と比較的高かった.3色素以外は,PAカラムでpHにかかわらず80%以上の回収率であった.一方,HLBカラムを用いて,抽出液をpH 11.0にして負荷したところ,3色素の回収率が70~83%と向上した.以上のように, PAカラムとHLBカラムを併用することにより,酸性タール色素を効率的,かつ良好な回収率で検出できた.

調査・資料
  • 原田 利栄, 本郷 猛, 橋本 博之
    2016 年57 巻6 号 p. 213-221
    発行日: 2016/12/25
    公開日: 2016/12/27
    ジャーナル フリー
    電子付録

    平成16年度から26年度にかけ,千葉県内で製造または流通している食品を対象に,特定原材料(卵,乳,小麦,そば,落花生,えびおよびかに)の検査を実施した.検査対象とする特定原材料が原材料表示に記載されていない695検体についてELISA法によるスクリーニング検査を行った結果,3.0%(21/695検体)が陽性であり,陽性率が最も高かったのは小麦の9.7%(10/103検体)であった.注意喚起表記は109検体に実施されており,このうち検査対象とする特定原材料が不検出(1.0 μg/g未満)であったものは77.1%(84/109検体)であった.また,スクリーニング検査陽性であった21検体中,注意喚起表記が実施されていないものは16検体であった.

  • 渡辺 一成, 六鹿 元雄, 阿部 孝, 阿部 智之, 阿部 裕, 大坂 郁恵, 大野 春香, 大野 浩之, 大野 雄一郎, 尾崎 麻子, 柿 ...
    2016 年57 巻6 号 p. 222-229
    発行日: 2016/12/25
    公開日: 2016/12/27
    ジャーナル フリー

    食品衛生法ではナイロン製器具・容器包装からのカプロラクタムの溶出量が規制されている.そこで,公定法であるGC-FID法とその代替法であるGC-MS法の性能を評価するため,20機関で試験室間共同試験を行った.各試験機関は,濃度非明示の20%エタノール溶液(3検体,各2測定)中のカプロラクタムをGC-FIDまたはGC-MSにより定量した.公定法(GC-FIDを用いた絶対検量線による定量)における真度は96~97%,併行精度(RSDr)は3.3~5.4%,室間再現精度(RSDr)は4.0~6.7%であり,これらの値は目標値(真度:80~110%,RSDr: 10%,RSDr: 25%)を満たしていた.さらに,ヘプタラクタムを用いて内標準補正を行うといずれの性能パラメーターも向上した.GC-MS法では,絶対検量線法において一部のRSDrが目標値の10%を超えた.しかし,内標準補正を行うと真度は94~96%,RSDrは2.0~4.4%,RSDrは7.0~9.4%であり,規格試験法の代替法として適用可能であった.

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