1) Nitrofurazone (NF) 0.1%添加飼料その他によるラット飼育実験を行ない, 睾丸障害作用につき病理組織学的に検索しつぎの成績を得た.
2) NF投与により, 精細胞系のうち精子, 精子細胞および第二次精母細胞にまず変性壊死を起こすが, 精祖細胞は次第に侵されて数を減らしながらも長期間残存し分裂能を保持する. セルトリ細胞は変性しない. 間質では間細胞の増殖が, 精細管基底膜には軽度の肥厚が3か月飼育例で認められたが, この変化は続発的なものである.
3) ラット睾丸に組織学的に障害を与えるNF最低添加濃度は0.06%であり, これは1日当り約50mg/kgの摂取に相当する.
4) NF 0.1%添加飼料投与で3日間飼育により睾丸精細胞に変性が起こる.
5) 睾丸の精子形成機能の障害は, 実験の範囲では可逆性で, 0.1%で1か月投与の場合約60日でほぼ尋常に回復した. なお, 回復に要する時間は, 投与期間の長短に著しく左右されることがない.
6) 実験成績を総括して, 現在の法定添加量では, ほぼ安全性に危険はないものと考えられる.
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