食品衛生学雑誌
Online ISSN : 1882-1006
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66 巻, 1 号
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報文
  • 五十嵐 友希, 佐々木 隆宏, 森川 麻里, 牛山 慶子, 小林 千種, 山嶋 裕季子, 貞升 友紀, 大塚 健治
    2025 年66 巻1 号 p. 1-11
    発行日: 2025/02/25
    公開日: 2025/02/27
    ジャーナル フリー

    検査の効率化を目的として,幅広い加工食品に対応した19種食品添加物(甘味料,保存料および酸化防止剤)の一斉抽出法を開発した.試料にリン酸,硫酸マグネシウムおよび塩化ナトリウムを加え0.05 w/v%アスコルビン酸パルミチン酸エステル含有アセトニトリルおよび水で2~4回抽出後,抽出液を希釈してそれぞれの化合物に適した機器で測定した.高たんぱく質食品,高脂質食品,粉末食品等を含む22種類の試料を対象に添加回収試験(n=5または>n=3)を行った結果,回収率は76.6~111.6%(RSD: 0.1~6.6%)と良好であった.また,「食品中の食品添加物分析法の妥当性確認ガイドライン」に準じ,定量下限値および使用基準値相当の2濃度で,各添加物につき2または3種類の試料に添加し,分析者1名,2併行,5日間で本法の妥当性を確認した.その結果,定量下限値で真度81.7~102.4%,併行精度0.3~6.3%,室内精度1.0~9.7%,使用基準値で真度80.6~105.5%,併行精度0.4~2.8%,室内精度0.6~4.3%とすべての項目でガイドラインの目標値を満たした.本法は食品添加物分析の効率化に寄与できる有用な分析法であると考えられた.

  • 黒原 崇, 建部 千絵, 藤原 由美子, 日置 冬子, 高田 翔平, 多田 敦子, 杉本 直樹
    2025 年66 巻1 号 p. 12-18
    発行日: 2025/02/25
    公開日: 2025/02/27
    ジャーナル フリー
    電子付録

    食品添加物として使用されるアミノ酸は,食品添加物公定書(JSFA)において,ニンヒドリン反応による確認試験が規定されている.ニンヒドリン試験は,ルーヘマン紫(RP)の生成に基づく紫色を目視で判定するもので,特別な装置を必要としないことから,広く社会に普及している.このような背景から,RPをモニタリングするための客観的かつ分子選択的な観察法はこれまで十分に検討されていなかった.本研究では,RPを特異的にモニタリングするためのUHPLC/MS/MS法を開発し,目視による判断を補足できる方法を確立した.その結果,多重反応モニタリング(MRM)モードで検出可能なRP由来のフラグメントイオンとして,m/z 170および133を見出した.この2つのフラグメントイオンは,紫色の呈色強度とMS検出強度に相関があることが示され,さらに計算化学によって暫定的な分子構造が推定された.これは,ニンヒドリンテストの客観性を補完する新しい分析法である.

妥当性評価
  • 岩部 雄大, 鳥海 栄輔, 吉田 幹彦, 水越 一史, 五十嵐 友二
    2025 年66 巻1 号 p. 19-24
    発行日: 2025/02/25
    公開日: 2025/02/27
    ジャーナル フリー

    クロロプロパノール類およびその関連物質は世界で関心が高い.乳児用調製乳においてはEUですでに基準値が設定されている.これらの分析法は,AOAC公定法など妥当性確認されたものがいくつか存在している.しかし,国内において乳児用調製乳を対象とした分析法は確立がなされていない.本研究では多くの試験所で実施可能な方法を確立することを目的とし,AOAC公定法をより汎用性の高いスプリットレス注入へ改良を行った.改良法について妥当性確認試験を行った結果,定量下限は10 μg/kg,添加回収率は81.6~114.5%,中間精度は1.6~7.6%であり,AOACおよびEUの基準を満たす結果となった.以上の結果より,汎用性を高めた本改良法の良好な妥当性が確認できた.

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