市乳の製造工程における, 各種細菌の動態を把握する目的で, M.P.N. 値を算出する増菌計数法について検討した.
採取した市乳試料には, 最終濃度として, 0.25%量の酵母エキスと0.5%量のブドウ糖を添加し, リトマス液少量で着色, 各希釈段階の試験管を調製する.
この後, 増菌培養を行ない, 陽性試験管を判定して, M.P.N. 値を算出するが, 各種細菌の増菌培養条件と陽性試験管の判定方法について検討した.
高温菌は, 60°, 2日間の増菌培養において, 外観的変化が認められたものを陽性試験管と判定する.
一般細菌は, 37°で3日間増菌処理を行ない, 増菌培地の1白金耳量を乳標培地平板に塗抹して, 37°に2日間培養したのち, 平板上に細菌生育を認めた試験管を陽性とする.
低温菌は, 分注後の試験を8°で10日間増菌処理を行なうが, この後, Standard Methodsの規定する低温菌については, 増菌培地の1白金耳量を乳標平板に塗抹し, 8°に5日間培養して平板上に生育集落を認めたものを陽性と判定し, 一方, Huckerの定義する低温菌については, 増菌培地の1白金耳量をC.V.T. 培地平板に塗抹し, 21°に3日間培養して, 培地上に赤色集落を形成したものを陽性試験管と判定すればよいことがわかった.
この方法を用いて, U.H.T. 工程のライン検査を行なった結果では, 平板法で検出計数困難と考えられる微少細菌数を計数でき, 本計数法は市乳の処理工程における各種細菌の増減と, 細菌汚染の実態を把握するために有力な手段として利用可能と考えられる.
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