【目的】食に関する指導における栄養教諭と担任教諭の良好な連携への方策の検討を目的とした。
【方法】2021年12月、大阪府内4市の栄養教諭・担任教諭を対象に調査を行った(有効回答率32.9%)。連携良好群、連携非良好群の2群に分け、食に関する指導のP(計画)、D(実施)、C(評価)、A(改善)を比較した。連携状況を従属変数に、要因を共変量としてロジスティック回帰分析で比較した。
【結果】連携良好群の割合は栄養教諭54.7%、担任教諭65.6%と、職種で有意な差は見られなかった。栄養教諭では「食に関する指導への自信(連携して行う場合)」〔OR(95%CI):4.02(1.05−15.45)〕と「食に関する指導への理解があるか」〔OR(95%CI):4.02(1.34−12.08)〕が、担任教諭では、「Cの実施有無」〔OR(95%CI):3.45(1.23−9.72)〕「食に関する指導で参考にするもの」〔OR(95%CI):2.69(1.02−7.07)〕「学習指導要領への理解があるか」〔OR(95%CI):2.57(1.10−6.00)〕「食に関する指導への自信(連携して行う場合)」〔OR(95%CI):2.61(1.10−6.00)〕が有意に関連していた。
【結論】連携した食に関する指導への自信、相互理解が両教諭に共通して連携状況と関連していた。栄養教諭が主体的に評価や資料提供を行い、連携を主導することで良好な連携体制につながる可能性が示唆された。
【目的】管理栄養士養成大学の教職課程において、栄養教諭の課程修了に必要な資質能力と職業意識に着目し、学内外の学習活動や志望進路との関連を明らかにすることを目的にした。
【方法】研究デザインは、Web上でのフォーム配信による質問票調査を使った横断研究である。
栄養教諭教職課程に在籍する大学生2-4年生53人を解析対象とした。
学内外活動の経験および教職科目に対する意識による課程修了レベルの資質能力、職業意識の得点の差をMann-WhitneyのU検定にて検討した。
志望進路と課程修了レベルの資質能力、職業意識との関連は、強制投入法によるロジスティック回帰分析にて検討した。
【結果】学内外の活動として、子ども食堂、先輩の授業実践を見る等の経験がある群はない群に比べ、職業意識の得点が有意に高かった。栄養に係る教育に関する科目に意義を感じる群の職業意識の得点はそうでない群に比べて有意に高かった。
志望進路が栄養教諭であることと課程修了レベルの資質能力には正の関連がみられた(AOR=18.76 p<0.001)。同様に志望進路が栄養教諭であることと職業意識には正の関連がみられた(調整オッズ比AOR=32.45 p<0.001)。
【結論】教職に関する基礎的理解や技術を高める経験や学習を重視する者の資質能力および職業意識は高い傾向がみられた。また、課程修了レベルの資質能力および職業意識と栄養教諭志望との関連を確認した。