過去15年間に小児心因性難聴と診断された6~12歳までの53例を自ら難聴を訴え受診した受診群26例と難聴の訴えがなく学校健診で発見された健診群27例に区別し,比較検討した。性別は,受診群,健診群共に男女比は1:3であった。年齢は,受診群で平均年齢9.4歳,学年別では小学校2年生,健診群で8.9歳,小学校3年生に多かった。患側は,受診群で両側と一側の比が1:1,健診群で全例両側例であった。自記オージオメトリーV型は,受診群67%,健診群63%であった。誘因は,受診群で学校関係8例,家族関係2例,健診群では,学校関係3例,家族関係1例に見られた。診断後6ヵ月の時点での聴力は,回復例が受診群で71%,健診群で67%であった。尚,受診群で,1年後の再発例が3例に見られ,回復例,不変例,悪化例各1例で,全て片側例であった。
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