小児耳鼻咽喉科
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28 巻 , 1 号
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  • 田中 美郷, 針谷 しげ子, 芦野 聡子
    2007 年 28 巻 1 号 p. 5-17
    発行日: 2007年
    公開日: 2012/09/24
    ジャーナル フリー
    The present study was undertaken to investigate the actual conditions of communication in school children and students with various degrees of hearing loss in their daily life.
    The participants of this study were 43 boys and 43 girls aged six to twenty years who visited our clinic during July and August,2006. They were receiving education at regular primary, middle and high schools as well as schools for the deaf or other educational institutions, including colleges and universities.
    Their actual conditions of communication were analyzed in terms of communication modes and difficulty in communication with hearing people. The results obtained were as follows:
    1) The average hearing losses of their better ear ranged from 23 dB to over 100 dB.
    2) Nineteen of the 86 children were attending schools for the deaf where manual communication was permitted in addition to oral communication, while the remaining 67 were receiving education at ordinary schools, colleges or universities with normal-hearing peers.
    3) Twenty-two of the 86 participants were unaware of difficulty in oral communication with or without hearing aids in their school life, but the remaining 64 complained of difficulty in oral communication to a greater or lesser degree. Some of the latter cases were suffering from isolation or emotional distress caused by difficulty in communication among normal-hearing peers. Eventually they shifted to schools for the deaf, where they were no longer isolated nor experienced a sense of alienation.
    These findings suggest that for hearing-impaired children, generally speaking, communication disorders due to hearing loss may be inevitable when among normal-hearing peers. Therefore, more attention should be paid to introducing manual communication modes into communication with hearing-impaired children.
  • 宇野 芳史
    2007 年 28 巻 1 号 p. 18-23
    発行日: 2007年
    公開日: 2012/09/24
    ジャーナル フリー
    小児難治性反復性中耳炎に対する外来静注抗菌薬療法の有効性について検討の結果,以下の結論を得た.
    1.鼓膜換気チューブ留置術と内服抗菌薬治療を組み合わせた治療が無効であった小児難治性反復性中耳炎に対し,3日間連続のceftriaxone(CTRX)60mg/kg/dayの外来点滴静注抗菌薬療法を施行したところ,全例で抗菌薬投与期間である3日以内に耳漏の停止を図ることができた.従って,この外来点滴静注抗菌薬療法は小児難治性反復性中耳炎に対し有効な治療方法であると考えられた.
    2.しかし,CTRXの小児に対する1日1回投与という使用方法は適応外であり,今後,有効性の検討を広く行うとともに用法用量の適応拡大が必要である.
    3.また,外来での連続した点滴静注抗菌薬療法は,特に難治性反復性の中耳炎を生じる乳幼児では,耳鼻咽喉科医単独では困難であることが多く,小児科医との密接な連携が重要であると考えられた.
  • 増田 佐和子, 藤澤 隆夫, 臼井 智子, 長尾 みづほ
    2007 年 28 巻 1 号 p. 24-30
    発行日: 2007年
    公開日: 2012/09/24
    ジャーナル フリー
    4週間以上遷延する咳嗽を主訴とする1~15歳の小児32名に対し小児科と耳鼻咽喉科が共同して診断と治療を行い,その効果を評価した.
    咳の性状は湿性59.4%,乾性28.1%,混合性12.5%で,1~2歳児は全て湿性咳嗽であった. 鼻汁や咽頭雑音の合併は湿性咳嗽に多く,喘鳴の合併は乾性咳嗽に多かった. 小児科では喘息または咳喘息が40.6%,気管支炎が15.6%,心因性が6.3%,百日咳が3.1%と多様な疾患が認められた. 耳鼻科では78.1%に何らかの鼻疾患を認め,副鼻腔炎が全体の50.0%で全例湿性または混合性咳嗽,鼻アレルギーは43.8%であった. 双方の科の疾患合併例は43.8%,耳鼻科疾患単独例は34.4%であった.
    原因疾患に対する治療により1カ月後には80%以上の症例で咳嗽は消失あるいは著明改善した. 小児の遷延する咳嗽には関連する診療科が連携して対応することが重要であると考えられた.
  • 姜 洪仁, 角谷 徳芳, 林 泰広, 袴田 桂, 細川 久美子, 鈴木 克佳, 大田 隆之
    2007 年 28 巻 1 号 p. 31-35
    発行日: 2007年
    公開日: 2012/09/24
    ジャーナル フリー
    難で致命的になる事がある. しかしながら近年の新生児治療の発展により早急に気道確保されれば一命をとりとめる事ができる症例も少なくない. 今回の症例は頭蓋内に進展する顔面巨大腫瘍で,当初リンパ管腫を疑い硬化療法を施行するも無効のため手術を施行した. 腫瘍は頭蓋内に進展しており,頭蓋内合併症が懸念されたが,肉眼上は腫瘍を全摘でき,中頭蓋窩に骨欠損を認めるも髄液漏出はなく,術後も重篤な合併症を併発することなく退院となった. しかしながら顔面および頭部の骨の欠損変形が著明のため術後も気管切開孔は閉鎖できず,顔面形態の変形も残った. また病理診断結果は未熟奇形腫で臨床的には悪性腫瘍に分類され,今後再発の可能性もある. 知能発達障害も考えられ,今後の治療方針に関しても集学的な治療を検討する必要がある.
  • 片田 彰博, 荻野 武, 長峯 正泰, 野中 聡, 原渕 保明
    2007 年 28 巻 1 号 p. 36-39
    発行日: 2007年
    公開日: 2012/09/24
    ジャーナル フリー
    Vocal cord dysfunction(VCD)は吸気時に声帯が内転し喉頭で吸気性の喘鳴をきたす疾患である. したがって,VCDの診断には喘鳴発作時の声帯運動の観察が必須であり,本疾患の診断に耳鼻咽喉科医が果たす役割は大きい. しかし本邦では,耳鼻咽喉科からのVCDに関する報告が非常に少ない. 今回我々は,非器質性のVCDと診断した2歳女児の症例を経験した. 初診時,吸気時に声帯が内転する奇異性声帯運動が観察された. 酸素飽和度の低下を伴った喘鳴が持続していたため,気道確保のために気管切開術を施行した. 気管切開から10日後に声帯運動は正常化し,気管孔を閉鎖した. 非器質性VCDは心因性の要因が大きいため,心理的・精神神経科的アプローチや音声治療が有効であると考えられる. しかし,本症例は2歳児でありそれらの施行は困難であった. 本疾患は喘息と誤診されている場合もあり,耳鼻咽喉科医にはVCDを念頭においた診療が望まれると考えられた.
  • 池田 佐恵子, 木村 宙倫, 金沢 英哲, 市村 恵一
    2007 年 28 巻 1 号 p. 40-45
    発行日: 2007年
    公開日: 2012/09/24
    ジャーナル フリー
    症例はCTで明らかな膿瘍形成がなかったため,保存的治療を選択したところ,良好な経過をたどった. 1症例においてはCTで膿瘍形成を判断しかねる症例であったがMRIでは明瞭に膿瘍腔が描出され,緊急で内視鏡下副鼻腔手術を行い良好な経過をたどった.
    膿瘍形成に対しては,外科的ドレナージが基本であるが,眼窩骨膜下膿瘍症例に対する症例選択的な保存的加療の有用性を検討した報告もあり,鼻性眼窩内合併症の治療選択,特に外科的治療の適応,時期,方法については依然として議論の余地があると考える.
  • 新谷 朋子, 小笠原 徳子, 金泉 悦子, 氷見 徹夫
    2007 年 28 巻 1 号 p. 46-51
    発行日: 2007年
    公開日: 2012/09/24
    ジャーナル フリー
    SASの検査においてPSGと換気努力の評価としての食道内圧検査は有用であるが,侵襲的で施行する施設が限られ小児に標準的に行えないため,より簡便な検査法がのぞまれる. PTT(pulse transit time)は動脈血が左心室から送り出される拍動が指先の脈に到達するまでにかかる脈波伝達時間で心電図とオキシセンサーのみで検出可能であり,換気努力の評価と自律神経刺激による覚醒反応の検出について期待されている. 小児SASの24名にPTT検出をPSGと同時におこなったところ,閉塞型,中枢型無呼吸の判別など換気努力の評価が可能であった. PTT検査と鼻フローセンサーを備えた簡易検査機器であるヒプノPTTTMとPSGで4名の覚醒反応を比較したが,ヒプノPTTTMの覚醒反応検出の鋭敏さはみられなかった. ヒプノPTTTMは,手術前後で比較した11名の重症度,換気努力の評価に有用であった.
  • 工藤 典代, 有本 友季子, 仲野 敦子
    2007 年 28 巻 1 号 p. 52-57
    発行日: 2007年
    公開日: 2012/09/24
    ジャーナル フリー
    小児の急性乳様突起炎について検出菌,治療,入院期間など臨床的検討を行った. 対象は1991年から2005年に入院治療を行った19例である. 4歳以下が18例,11歳が1例であった. なかでも0歳代は6例と最も多く,乳幼児に限れば0歳と1歳で61%を占めた. 中耳貯留液あるいは骨膜下膿瘍穿刺液からの検出菌は肺炎球菌が最も多く15例,GASが1例,菌陰性が2例,MRSAは11歳の1例であった. 肺炎球菌はPRSP,PISPそれぞれ7例ずつであった. 治療はABPC(ampicillin)を基本としているが,PRSPには当初PAPM/BP(Panipenem/Betamipron)の静脈内投与を第一選択として投与していた. しかし,PAPM/BPの肺炎球菌に対する感受性の低下を懸念し,最近ではABPCに変更しているがそれでも保存療法と排膿で治癒した. 入院期間は骨膜下膿瘍の1例と社会的事情のため退院を延期した1例は13日間であったが,他の17症例の平均日数は7.2日であった. また全員が乳突洞削開術を要せずに治癒した.
  • 有本 友季子, 工藤 典代, 仲野 敦子
    2007 年 28 巻 1 号 p. 58-63
    発行日: 2007年
    公開日: 2012/09/24
    ジャーナル フリー
    コルネリア・デ・ランゲ症候群は特異顔貌や重度精神遅滞などがみられる稀な先天性疾患であるが,高度難聴の合併もあり耳鼻咽喉科でも遭遇する疾患である。今回当科で経験した10症例の同症候群中,3例に鼻茸の合併を認めた。初診時年齢は8歳から11歳であり,高度の鼻閉,摂食障害,睡眠時呼吸障害などの鼻呼吸障害を呈していた。鼻茸は両側に存在し,うち一例は上顎洞性後鼻孔ポリープで,両側後鼻孔を閉塞する程増大していた。3例とも鼻用内視鏡を用いて鼻内手術(鼻茸切除)を行っても術後3カ月から4カ月という短期間で再発を繰り返し急速に増大している。他の小児鼻茸例とは術後経過が異なっており,本症候群は鼻茸の易発生性,易再発性,易増殖性を示す何らかの因子を内在している可能性があると考え報告した。
  • 2007 年 28 巻 1 号 p. 64-70
    発行日: 2007年
    公開日: 2012/09/24
    ジャーナル フリー
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