小児耳鼻咽喉科
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33 巻 , 3 号
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第7回 日本小児耳鼻咽喉科学会総会・学術講演会
シンポジウム I - 小児難治症状への対応
  • 上出 洋介
    原稿種別: シンポジウム
    33 巻 (2012) 3 号 p. 209-214
    公開日: 2013/04/01
    ジャーナル フリー
      耳漏は特殊な状況を除いて主に外耳,中耳の感染性疾患で見られる症状であり,性状は漿液性,膿性,血性など多種である。外耳,中耳は共に感染を防御したり排除したりする機構が備わっている。薬剤耐性菌を原因とする耳漏ばかりでなく中耳粘膜の反応,耳管機能不全(線毛機能障害,筋性防御の脆弱性)などによる耳漏の長期化症例を挙げて検討した。
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  • 吉村 剛
    原稿種別: シンポジウム
    33 巻 (2012) 3 号 p. 215-218
    公開日: 2013/04/01
    ジャーナル フリー
      小児で鼻閉をきたす代表的な上気道疾患として,アレルギー性鼻炎,副鼻腔炎(特に鼻茸),アデノイド肥大等があり,これらが同一症例で混在していることも少なくない。
      中等症以上の鼻閉型アレルギー性鼻炎に対しては,抗ロイコトリエン薬やステロイド点鼻薬が第一選択だが,保存療法無効例や重症例では,手術療法も検討する。近年は上皮を温存する下鼻甲介粘膜下凝固術,あるいは粘膜下切除術を施行することもあり,これらの場合は粘膜下のみ処置を行うことで出血を最小限に抑えることが可能であり,ガーゼパッキングも最小限で済む。小児の副鼻腔炎では,後鼻孔鼻茸を伴わず保存療法でも無効の場合,10歳未満では鼻茸のみの切除にとどめ,12歳以下の症例では各副鼻腔を開放するが必要最小限に留める。一方,後鼻孔鼻茸の症例では,年齢を問わず全例手術適応となる。
      手術方法は病変の程度と患児の年齢を考慮して決定し,手術中,及び術後に出来るだけ侵襲を与えないよう,様々な工夫が必要である。
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  • 相澤 直孝, 髙橋 姿
    原稿種別: シンポジウム
    33 巻 (2012) 3 号 p. 219-223
    公開日: 2013/04/01
    ジャーナル フリー
      小児の睡眠呼吸障害(SDB)は多彩な症状を呈し,局所所見のみでは診断が困難な疾患である。SDB について睡眠ポリグラフ検査(PSG)を用いて評価することは重要であるが,小児に対応可能な施設は限られていることや,PSG のみでは診断が困難な症例もあることから,様々な方法を駆使して診断を行う必要がある。治療に関しては手術以外にも内服・点鼻治療も有用であり,重症度に応じて治療法を選択すべきである。手術による改善率は80%以上であるが,アデノイド再増殖による再発を生じることもあり経過観察は必須である。小児 SDB では顎顔面奇形や肥満などを合併する難治例も少なくない。難治例では SDB の原因を究明し,症例ごとに治療方針を検討する必要がある。
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  • 森 正博
    原稿種別: シンポジウム
    33 巻 (2012) 3 号 p. 224-229
    公開日: 2013/04/01
    ジャーナル フリー
      子どもの難治性の摂食・嚥下障害に対する対応について,我々が経験した症例を呈示する。哺乳障害では,嚥下造影検査(VF)と喉頭ファイバー検査にて喉頭防御機能に障害あるが嚥下機能は正常と判断し,哺乳を中止して離乳食による摂食訓練によりストロー飲みが可能になった。キアリII型奇形の 3 症例では,VF により嚥下障害の病態の違いを示した。痙攣発作が増え嚥下機能が悪化した症例では,抗痙攣剤の変更により嚥下機能が改善し経口摂取可能となった。著明な不随運動による摂食・嚥下障害症例では,VF で食物の口腔内保持機能が良好と確認され,不随運動を減らす環境作りにより,経口摂取可能と判断した。進行性疾患の嚥下障害症例でも,摂食条件を具体的に示すことにより摂食の可能性を示した。重要なことは,事前の詳細な情報収集より的確な VF 評価を行い適切な医学的介入をすることである。
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  • 久保 俊英
    原稿種別: シンポジウム
    33 巻 (2012) 3 号 p. 230-236
    公開日: 2013/04/01
    ジャーナル フリー
      小児の咳嗽は急性のものがほとんどで,4 週以内に改善するものが多い。したがって,小児において慢性咳嗽とは 4 週以上続く咳とする場合が多い。難治症状としての慢性咳嗽への診断的アプローチとしては,大きく分けて 2 つある。患児の年齢からのアプローチと問診からのアプローチである。すなわち,小児では①新生児・乳児期,②幼児期,③学童・思春期と年齢により考慮すべき疾患が異なる点に注意を払う必要がある。また,問診が最重要であることは論を俟たない。病歴を詳細に聴取することで疾患の大体の見当がつくといっても過言ではない。そこに,詳細な理学所見を加え,さらに血液検査,レントゲン検査,酸素飽和度などの補助診断を組み合わせることによって最終診断に迫る。場合によっては診断的治療を行って診断に至ることもある。また,咳の治療においては,病態と薬の薬理作用をよく理解した上での効率的な処方が重要である。
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シンポジウム II - 言語発達評価から読み解く難聴児の現状
  • 高橋 真理子
    原稿種別: シンポジウム
    33 巻 (2012) 3 号 p. 237-242
    公開日: 2013/04/01
    ジャーナル フリー
      語音聴取は裸耳聴力とよく相関するとされていたが,近年人工内耳装用例が増加するに従って,従来の相関と異なる印象が感じられるようになった。この現状を検討するため,121名を対象に語音明瞭度に影響を与える因子と語音明瞭度から影響を受ける因子について検討した。裸耳聴力との相関係数は r=0.13(p=0.15)と相関がみられなかったが,装用閾値では r=−0.58となり語音明瞭度との相関が認められた。語音明瞭度良好となる因子は,裸耳聴力90 dB 未満,装用閾値40 dB 未満,人工内耳装用であった。また人工内耳手術は42カ月未満の手術である場合に語音明瞭度が良好となる因子であることがわかった。さらに,語音明瞭度良好(60%以上)である場合,語彙,統語,発話明瞭度,言語発達も良好となる結果が得られた。言語の理解やコミュニケーションに関わる因子は多様であるが,その因子の一つとして,語音明瞭度の改善を目標にすることは,言語発達とコミュニケーション向上に大切であると考えられた。
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  • 新谷 朋子, 吉野 真代, 川端 文, 北川 可恵, 氷見 徹夫, 笠井 紀夫, 福島 邦博
    原稿種別: シンポジウム
    33 巻 (2012) 3 号 p. 243-246
    公開日: 2013/04/01
    ジャーナル フリー
      感覚器障害戦略研究(聴覚分野)・症例対照研究の結果から,高度難聴児の発話明瞭度に関係する因子について検討した。発話明瞭度の指標である SIR(Speech Intelligibility Rating)は簡易であるが信頼性が高いと考えられた。
      高度難聴児の約 8 割は SIR の評価が 3~5 の発話良好群に属していた。良好な発話明瞭度には,補聴閾値および語音明瞭度を良好に保つことが重要であり,そのために人工内耳は有益なツールであることが示唆された。
      言語評価の視点からは,全ての言語評価項目,すなわち基本的語彙の理解力(PVT–R),抽象的語彙の理解力(SCTAW),語彙の産生力(WFT),構文の理解力および産生力(STA),総合的コミュニケーション力(TQAID)のいずれも発話明瞭度良好群が有意に高いスコアを示し,同良好群は約 4 倍のオッズ比をもって言語力が高いことが明らかとなった。
      発話の明瞭性と言語力とは音韻処理能力を介して相互に強固なつながりを有し,聴覚障害児の発達を評価する際には各々の側面からの検討が必要である。
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  • 中澤 操, 菅谷 明子, 笠井 紀夫, 福島 邦博
    原稿種別: シンポジウム
    33 巻 (2012) 3 号 p. 247-251
    公開日: 2013/04/01
    ジャーナル フリー
      平成19年度から23年度までの 5 年間行われた,感覚障害戦略研究(聴覚障害児の療育等により言語能力等の発達を確保する手法の研究)の症例対照研究対象者のうち,その難聴児が所属していた,あるいは所属している療育・教育施設の指導方針を聴取しえたのが268名であった。これをコミュニケーション手段として音声言語のみを用いている聴覚群と,音声言語に手話などの視覚的手段も用いている併用群に分け,言語評価結果を比較した。その結果,基本語彙・統語・コミュニケーション言語では両群に差が無かったにも関わらず,抽象語彙と学力すなわち学習により身につける言語では聴覚群が良好であった。これは,併用群では要素的な言語力の多くは聴覚群と同じように獲得されるが,その後の教育や学習によって習得されるものに聴覚群との差がみられたことを示している。聴覚に視覚的手段を併用して日本語の発達を促す教育法に,さらなる方略の必要性が示唆されたと言える。
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  • 片岡 祐子, 福島 邦博
    原稿種別: シンポジウム
    33 巻 (2012) 3 号 p. 252-255
    公開日: 2013/04/01
    ジャーナル フリー
      近年,新生児聴覚スクリーニング検査の普及に伴い,新生児期から高度難聴だけでなく,軽度および中等度難聴(以下軽度・中等度難聴)を有する児が早期に発見されるようになり,その問題点が改めてクローズアップされることが増えてきた。一般的に軽度・中等度難聴児に対しても,早期からの聴覚の補償は有効な手段であると考えられるが,こうした児では音に対する反応がある程度みられるため,補聴器装用についてのモチベーションが上がりにくく,保護者を説得して補聴器装用へと至る場面で難渋するケースは比較的多い。また身体障害者に該当しない児では,一部の助成制度のある自治体を除いては補聴器購入に際し公的支援を受けられず全額自費で購入する必要があり,その結果補聴器の装用が見送られたまま学童期を迎える児もまれではない。しかしながら,軽度・中等度難聴があるにもかかわらず補聴器装用や適切な介入を行わずに難聴を放置することにより,言語発達の遅れが出現し,学童期以降になると学力や社会生活にまでも支障をきたす可能性がある。一見,補聴が必要とないように感じられる児に対しても,聴力検査に加え言語発達や学力を評価,考慮した上で補聴器や教育的介入の必要性を検討することが重要である。
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  • 藤吉 昭江, 笠井 紀夫, 福島 邦博
    原稿種別: シンポジウム
    33 巻 (2012) 3 号 p. 256-260
    公開日: 2013/04/01
    ジャーナル フリー
      我々は「感覚器障害戦略研究」において,言語ドメイン(領域)別の言語発達評価(ALADJIN)の有用性とそれを用いて得られた知見について報告してきた。この結果に基づく具体的な指導方法について,症例を通して報告する。
      言語発達期にある小児,特に聴覚障害児の日本語言語発達の全体を把握するためには,言語ドメイン別に発達を評価し,適切な難易度を設定した上でドメイン別に指導を行うことが重要である。その一方で,コミュニケーションおよび学習においては,ドメインが連携して機能することを理解しつつ支援する視点が必要であり,汎化についてもコミュニケーションや学習にどのように反映されたかを確認することが重要である。
      症例では,語彙および統語において年齢に比して遅れが認められ,談話も苦手であった。各ドメインの発達状態に即した言語指導を行うことにより,指導のターゲットとしたドメインはもちろんのこと,コミュニケーションレベルにおいても改善が認められた。
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モーニングセミナー
  • 仲野 敦子
    原稿種別: モーニングセミナー
    33 巻 (2012) 3 号 p. 261-265
    公開日: 2013/04/01
    ジャーナル フリー
      小児滲出性中耳炎に対する治療の一つとして風船を用いた自己通気療法の有用性に関して,自検例の検討と文献的報告を行った。難治性の滲出性中耳炎11名12耳を対象に,自己通気の実際の使用状況と効果を検討した。耳痛による継続不能例や急性中耳炎の合併は見られなかった。自己申告による成功は必ずしも有効な通気が行えていない例もあり注意が必要ではあるが,4 耳では治癒に至っていた。文献的には,1 日数回 1 カ月の自己通気により64~87%で効果が認められている。しかし,1 カ月程度での継続でも効果が認められない例では,鼓膜換気チューブ留置などの外科的治療が必要である。風船を用いた自己通気療法は,鼓膜委縮や陥凹が強い例では積極的に試みる治療であると考えているが,その他軽症例も含めた滲出性中耳炎全般に対しても治療の一手段として検討に値する方法であると考える。
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ランチョンセミナーIV
  • 工藤 典代
    原稿種別: ランチョンセミナー
    33 巻 (2012) 3 号 p. 266-271
    公開日: 2013/04/01
    ジャーナル フリー
      小児耳鼻咽喉科領域で特に小児耳鼻咽喉科医を悩ませるのが気道の問題である。緊急を要する重篤な病態から,経過観察で事なきを得るものまで緊急度や重症度はさまざまである。気道関係に問題を抱えた児のなかで,喘鳴は最も多い主訴のひとつである。小児専門病院では,喘鳴を主訴に受診する児の48%が生後半年以内の受診であり,呼吸障害や体重増加不良を来している例も多数含まれる。喘鳴を生じる疾患には先天性疾患と後天性疾患がある。前者では喉頭軟弱症(喉頭脆弱症)が最も多く,舌根部囊胞などの局所疾患を伴っていることもある。喘鳴は成長に伴い改善することが多いが,一次的に気管切開が必要な例もある。後天性では腫瘍,炎症・感染,異物などが喘鳴の原因疾患となる。生来健康であった児に,急激に喘鳴が生じた場合にはそれらを念頭に置いた診療アプローチが重要である。具体例として歯ブラシのヘッドが折れて咽頭後壁に 2 カ月にわたり介在した例を挙げた。
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手術手技セミナー II
  • 阪本 浩一
    原稿種別: 手術手技セミナー
    33 巻 (2012) 3 号 p. 272-280
    公開日: 2013/04/01
    ジャーナル フリー
      小児の閉塞性睡眠時無呼吸症候群は,アデノイド増殖,口蓋扁桃肥大が原因であることが多く,手術治療が奏功する。しかしアデノイド切除,口蓋扁桃摘出術は,3 歳未満の低年齢では,合併症の頻度が増加することが知られている。また,低年齢の乳幼児の呼吸障害では,喉頭軟化症,気管軟化症など様々な重複奇形の存在により修飾されることがある。本稿では,乳児期によく見られ,喘鳴を伴い,閉塞性睡眠時無呼吸と合併することのある喉頭軟弱症について当院の症例を用いて概説する。ついで当科で扁桃,アデノイド手術を行った 3 歳以下の症例について,手術とその手技,術後合併症について検討した。39例の分析で9.3%に術後合併症を認めた。低年齢児の睡眠時無呼吸症候群を取り扱う場合,病態の的確な理解と慎重な診断,手術に当たっては術後管理体制の構築が重要である。特に,麻酔科,小児外科との連携の重要性は強調しておきたい。
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原著
  • 井上 真規, 小河原 昇, 田辺 輝彦
    原稿種別: 原著論文
    33 巻 (2012) 3 号 p. 281-287
    公開日: 2013/04/01
    ジャーナル フリー
      PFAPA 症候群とは,1989年に提唱された症候群で,周期性発熱,アフタ性口内炎,咽頭炎,頸部リンパ節炎を主症状とし,乳幼児期に発症する疾患である。特異的な治療法はなく,ステロイド薬,シメチジン,扁桃摘出術が有効と考えられている。今回,平成20年以降に当科を受診した 5 例で臨床的検討を行った。性別は男児が 4 例,女児が 1 例,発症年齢は 6 ヶ月が 1 例,2 歳が 1 例,3 歳が 3 例であった。1 例にステロイド薬とシメチジン投与を行ったが改善せず,全例に扁桃摘出術を施行した。術後,全例で周期性発熱は改善した。PFAPA 症候群は,一般に予後は良好で自然治癒することが多いが,QOL の改善のためにも保存的治療で改善のみられなかった PFAPA 症候群症例において,扁桃摘出術は常に考慮されるべきと考えられた。
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  • 橘 智靖, 高橋 和也, 清水 洋治, 小河原 悠哉, 松山 祐子, 阿部 郁, 深澤 元晴, 西﨑 和則
    原稿種別: 原著論文
    33 巻 (2012) 3 号 p. 288-293
    公開日: 2013/04/01
    ジャーナル フリー
      抗菌薬が開発されて以降耳性頭蓋内合併症は激減したが,抗菌薬乱用による耐性菌の出現のため近年報告がみられるようになってきた。今回我々は硬膜外膿瘍を合併したムコーズス中耳炎を経験した。症例は 5 歳,男児。左急性中耳炎にて近医で CDTR-PI を処方されたが,その後左耳後部に膿瘍形成が疑われ当科を紹介受診となった。左鼓膜に白濁,膨隆を認めた。また左耳後部皮下に腫脹を触知した。頭部造影 CT にて左後頭蓋窩に膿瘍像を認めた。PAPM/BP の投与を開始し,硬膜外ドレナージ術,左乳突削開術,左鼓膜換気チューブ留置術を施行した。細菌培養検査にてムコイド型肺炎球菌が検出された。術後の経過は良好で,中耳炎の再燃を認めていない。本邦では特にセフェム系抗菌薬の多用によってムコーズス中耳炎が再興してきた。ムコーズス中耳炎においては適切な抗菌薬の選択,排膿処置が重要と考えた。
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  • 小河原 悠哉, 橘 智靖, 松山 祐子, 阿部 郁
    原稿種別: 原著論文
    33 巻 (2012) 3 号 p. 294-298
    公開日: 2013/04/01
    ジャーナル フリー
      小児の咽後膿瘍は 3 歳以下に見られることが多く,急激な増悪をきたし,重篤な病態に至ることがある。今回我々は一過性骨髄異型増殖症にて当院小児科で加療されていた生後 2 ヶ月の女児に発症した咽後膿瘍の 1 例を経験した。哺乳障害を主訴に当院小児科で点滴加療を受けるも軽快せず,喘鳴を伴う呼吸困難が出現してきたため当科を受診した。左咽頭後壁は腫脹し,頸部造影 CT で咽後間隙に膿瘍形成を認めた。咽後膿瘍と診断し全身麻酔下に経口法で咽後膿瘍切開術を施行し,膿汁からは MRSA が検出された。膿瘍の再燃のため開窓術を施行した。その後経過は良好で再発は認めなかった。尚,一過性骨髄異型増殖症は自然軽快することが多く,咽後膿瘍との因果関係は不明であった。
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  • 成尾 一彦, 森本 千裕, 山下 哲範, 太田 一郎, 細井 裕司
    原稿種別: 原著論文
    33 巻 (2012) 3 号 p. 299-305
    公開日: 2013/04/01
    ジャーナル フリー
      当科で施行した重症心身障害児に対する誤嚥防止手術につき検討した。術式として,喉頭気管分離術(Lindeman 変法)が 8 例,喉頭全摘術が 3 例,喉頭気管分離術・気管食道吻合術(Lindeman 原法)が 1 例,喉頭閉鎖術(声門閉鎖術)が 1 例であった。手術時間は Lindeman 変法ならびに Lindeman 原法では平均124分,喉頭全摘術が平均148分,術中出血量は Lindeman 変法ならびに Lindeman 原法が全例少量,喉頭全摘術が平均 50 ml であった。術後合併症では,縫合不全による気管皮膚瘻(保存的治療により瘻孔閉鎖),気管孔狭窄(後ほど気管孔開大術を施行),気管腕頭動脈瘻(死亡),をそれぞれ 1 例に認めた。術前後で誤嚥性肺炎の発生頻度は減少していた。誤嚥防止手術は,誤嚥性肺炎を反復する重症心身障害児の呼吸器症状の改善に有効であるが,基礎疾患や筋緊張なども鑑みて,適切な時期に適切な術式で施行されるべきである。
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学会参加記
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