小児耳鼻咽喉科
Online ISSN : 2186-5957
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35 巻 , 3 号
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巻頭言
第 9 回日本小児耳鼻咽喉科学会総会・学術講演会
基調講演
  • 緒方 勤
    原稿種別: 基調講演
    35 巻 (2014) 3 号 p. 173-178
    公開日: 2015/03/13
    ジャーナル フリー
      遺伝疾患発症機序の解明は,単一遺伝子におけるタンパクコード領域の変異解析を主に進展しその後,プロモーターやエンハンサーなどの遺伝子発現制御機構の破綻による遺伝疾患の発症が明らかとされてきている。さらに,解析技術の進歩と相まって,当該遺伝子周辺のゲノム構造異常に起因する疾患が存在することが明らかとなってきている。本稿では,このような新しいゲノム疾患について,アロマターゼ過剰症をモデルとして記載する。重要な点として,アロマターゼ遺伝子のコード領域から遠く離れたゲノム領域の異常(重複,欠失,逆位)により,アロマターゼ遺伝子の過剰発現が生じ,さらに過剰発現を招くプロモーターの性質が重症度を決定することが判明した。これは,ゲノムレベルの構造異常が単一遺伝子疾患を発症させるという点で画期的なものである。
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特別講演
  • 杉山 登志郎
    原稿種別: 特別講演
    35 巻 (2014) 3 号 p. 179-184
    公開日: 2015/03/13
    ジャーナル フリー
      近年の罹病率研究では,発達障害は子どもの 1 割を越えるという驚くべき頻度が示される。これだけ一般的な問題は,多因子モデルが適合することが知られている。多因子モデルによって示される,より広範な素因を有するグループを筆者は発達凸凹と呼んできた。2013年に発表された新しい診断基準 DSM–5 では,多元診断がうたわれており,これは多因子モデルを前提としており,発達凸凹というとらえ方にも合致する。
      発達障害の広がりに,支援の側が追いつかない現状がある。特に自閉症スペクトラム障害は,その特異な認知特性を考慮しないと,教育そのものが成立しない。さらに最近,発達障害と心的トラウマとが掛け算になった症例に出会うことが多くなった。これらの難治性症例の臨床的な特徴を紹介し,その治療について述べた。
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シンポジウム 1—小児胃食道逆流症をめぐって
  • 渡邊 雄介
    原稿種別: シンポジウム
    35 巻 (2014) 3 号 p. 185-188
    公開日: 2015/03/13
    ジャーナル フリー
      胃酸逆流によって引き起こされる疾患群は GERD (gastroesophageal reflux disease)という疾患概念の中で診断され治療される。欧米では古くより胃酸逆流と下咽頭,喉頭疾患との関連は指摘されており,その関係を記した報告も数多くなされている。本邦では,1995年咽喉頭酸逆流症に関する報告は著者1)の報告が最初である。最近では GERD の中でも特に耳鼻咽喉科領域の症状を訴えるものを LPRD (laryngopharyngeal reflux disease),日本語で「咽喉頭酸逆流症」(第 4 回 GERD と咽喉頭疾患研究会 新美成二会長 当時)と呼んでいる。平成16年度日本耳鼻咽喉科学会認定専門医試験問題で GERD に関する出題もあった事は特筆すべき事である。実際の胃酸逆流に関連した耳鼻咽喉科領域の主な症状,疾患として,1. 咽喉頭異常感(globus sensation) 2. 嗄声 3. 慢性の咳嗽 4. 耳痛 5. 喉頭肉芽腫 などが挙げられている。耳鼻咽喉科領域において胃酸逆流の存在は見過ごされがちであったが,GERD の治療をすることにより症状が軽快する症例が存在することは明らかであり,耳鼻咽喉科医であっても胃酸逆流を念頭におきながら診療にあたることが重要であり,さらに患者の QOL 向上につながると考える。
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  • 三枝 英人
    原稿種別: シンポジウム
    35 巻 (2014) 3 号 p. 189-195
    公開日: 2015/03/13
    ジャーナル フリー
      近年,成人において胃食道逆流症の発症率増加が問題となっている一方,過去に既往の無い,今迄健康と思われていた小児への胃食道逆流症の発症が指摘されている。小児における胃食道逆流症は,喉頭痙攣や喉頭狭窄などの重篤なものから,執拗な咳払いや姿勢異常など心理的反応と誤診され得るものまであり,注意が必要である。一方,その対策は,単純に胃酸分泌を抑制すれば良いというものではなく,小児の成長,その後に続く人生への影響まで視野に入れて行う必要性がある。生活指導,食事指導が極めて重要となる一方,成長期,思春期を迎える小児に対し如何に指導を徹底し,遂行させるかは極めて難しい問題でもある。「子供は社会の鏡」であり,何らかの現代社会の問題点が,その発症の根底にあると考えられ,今後社会全体で取り組むべき問題となり得るものと危惧する。
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  • 吉田 之範
    原稿種別: シンポジウム
    35 巻 (2014) 3 号 p. 196-201
    公開日: 2015/03/13
    ジャーナル フリー
      胃食道逆流症(gastroesophageal reflux disease : GERD)は反復性喘鳴をきたす疾患として重要である。しかし,どのような喘鳴児で GERD の関与を疑うか明確ではない。また,治療では H2 受容体拮抗薬(H2RAs)とプロトンポンプ阻害薬(PPIs)の使用について議論の余地がある。従って,反復性喘鳴児での GERD 診療においては,①どのような反復性喘鳴児で GERD の関与を疑えばよいか,②喘鳴をきたす GERD の薬物治療は? という 2 つの課題があげられる。
      そこで我々は,通常の治療を行っても喘鳴を反復する児に24時間 pH モニタリングを行った。その結果,胃酸の逆流は臥位よりも立位で多く,そのような児は日中に呼吸器症状が多いことが分かった。また,そのような児へファモチジンを投与したところ,症状は改善した。
      これらのことから,夜間よりも日中に呼吸器症状をきたしやすい児で GERD の関与を疑い,また PPIs の小児の至適容量が検討されていないことも併せて考えると,呼吸器症状をきたす GERD 治療は H2RAs から開始することでよいと考えられる。
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  • 上出 洋介
    原稿種別: シンポジウム
    35 巻 (2014) 3 号 p. 202-206
    公開日: 2015/03/13
    ジャーナル フリー
      小児の反復・遷延する中耳炎症例に胃食道逆流症が隠れていることは知られていない。今回自験例を中心に胃酸逆流と中耳炎の関連について報告した。症例は生後 6 週間で受診した男児で,治療に反応せず生後11カ月で噴門機能不全を主たる病因とする逆流症と中耳炎であることが分かった。3 歳を過ぎて肺炎を発症することから噴門形成手術を行ない,治癒した。小児中耳炎39例に対して,鼓膜切開後の貯留液 pH と液中のペプシノゲン 1 (PG1)定量を ELISA を用いて行った。PG1 濃度が100 μg/L<PG1≦500 μg/L の群では pH 中央値が7.7であり,これは他の群に比べて有意な差をもって低い pH であった。
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  • 漆原 直人, 矢野 正幸
    原稿種別: シンポジウム
    35 巻 (2014) 3 号 p. 207-211
    公開日: 2015/03/13
    ジャーナル フリー
      小児の胃食道逆流症の当科での診断手順,治療方針と外科的治療経験などについて報告した。当科では外科治療として腹腔鏡下の Toupet 法による噴門形成術を標準術式としており2000–2013年までに Toupet 噴門形成術が151例(腹腔鏡122例,開腹29例)に施行された。脳性麻痺など神経筋疾患に伴うものが121例と最も多く,食道閉鎖や横隔膜ヘルニアなどの術後10例,食道裂孔ヘルニア10例で,合併疾患のない正常児は 5 例であった。合併疾患のない 5 例は,高度食道炎と食道狭窄 4 例と反復性中耳炎・咽喉頭炎 1 例であった。最近,胃食道逆流症が難治性中耳炎,咽喉頭炎などの原因になるとの報告がみられるようになった。しかし中耳炎,咽喉頭炎など耳鼻科領域の疾患と GER の関係については,症例も少なく,また小児外科医への認知度も低いことから,今後の検討が必要と思われる。
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シンポジウム 2—小児アレルギー性疾患の up-to-date
  • 福家 辰樹
    原稿種別: シンポジウム
    35 巻 (2014) 3 号 p. 212-216
    公開日: 2015/03/13
    ジャーナル フリー
      小児期のアトピー性皮膚炎に関する近年のコホート研究では,乳児期早期のデイケア,エンドトキシン暴露,犬との接触などに予防的な効果が示され,一方,小児期の抗菌薬使用がリスクを高める可能性が報告された。また,皮膚表皮バリア機能において重要な分子の 1 つであるフィラグリンについて関連調査が2006年以降次々と報告され,AD の最も強力な発症リスクとして注目される。さらに経皮感作の概念が登場し,皮膚炎を通して新たなアレルゲン感作を生み出す可能性が報告され,早期介入の重要性が指摘されている。治療に関しては,寛解維持療法としてのプロアクティブ療法のエビデンスが強い勢いで生まれた。本療法は低レベルの炎症を少ない抗炎症薬で治療することで急性悪化を減少させ QOL を改善させるばかりでなく,特に中等症以上の患者において医療経済的に利益があるなど有効性を示すエビデンスが登場している。
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  • 岡野 光博
    原稿種別: シンポジウム
    35 巻 (2014) 3 号 p. 217-221
    公開日: 2015/03/13
    ジャーナル フリー
      小児アレルギー性鼻炎では有病率の増加に加え,低年齢化が問題となっている。低年齢化に従い喘鳴や喘息に先行して鼻炎を発症する例が少なからずみられ,小児においてもアレルギー性鼻炎は下気道アレルギー発症のリスクファクターとなる。その診断や治療の基本は成人と同様であるが,小児特有のポイントがある。診断においては,鼻炎の診断のみならず他の耳鼻咽喉科疾患やアレルギー疾患の合併を見逃さない。治療のエンドポイントとしては,発育や学習への影響を最小にすることが重要である。薬物療法に抵抗する例や長期寛解・治癒を希望する患者にはアレルゲン免疫療法を考慮する。また重症例に対しては手術も考慮されるが,国内外を通じて小児アレルギー性鼻炎に対する下鼻甲介手術の長期的な有効性と安全性に関するエビデンスは十分ではない。
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  • 足立 雄一
    原稿種別: シンポジウム
    35 巻 (2014) 3 号 p. 222-225
    公開日: 2015/03/13
    ジャーナル フリー
      鼻炎と喘息の病態には共通する部分が多く,両者の間に密接な関係があることが知られている。我が国の小児を対象とした全国調査で,鼻炎を有していると鼻炎の無い児に比して約 3 倍の確率で喘息を合併し,鼻炎を合併する喘息児では鼻炎が重症であるほど喘息が重症である比率が高かった。鼻炎を合併する喘息では,ロイコトリエン受容体拮抗薬や点鼻ステロイド薬が鼻炎の症状ばかりでなく,喘息のコントロール状態の改善にもつながることが知られている。その際,小児においては吸入と点鼻のステロイド薬の併用による副作用が懸念されるが,最近の点鼻ステロイド薬の bioavailability は低い。さらに,鼻炎単独例に対する免疫療法による喘息発症予防効果も示されている。小児の喘息診療において,合併する鼻炎を考慮した対応が必要である。
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  • 伊藤 浩明
    原稿種別: シンポジウム
    35 巻 (2014) 3 号 p. 226-231
    公開日: 2015/03/13
    ジャーナル フリー
      食物アレルギーの診療は,最近数年間の間に大きな進歩を遂げてきた。本稿ではその中から,アレルゲンコンポーネント特異的 IgE を利用した診断の進歩,除去食解除をめざす食事指導の方法,アナフィラキシーに対する社会的対応の現状について最近のトピックスを紹介する。
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臨床セミナー 1
  • 菊池 良和
    原稿種別: 臨床セミナー
    35 巻 (2014) 3 号 p. 232-236
    公開日: 2015/03/13
    ジャーナル フリー
      小児の吃音の相談のポイントは,過去の誤解された知識と,最新の知識を区別して理解し,それを伝えることにある。「吃音を意識させない」「吃音は親や環境が悪い」「ほっとけば治る」という吃音と向き合わない姿勢から,180度変わって,吃音と向き合う・うまく付き合っていくことが主流となっている。なぜならば,吃音は発症 3, 4 年以内に約 8 割治る言語障害だが,成人になっても人口の 1%存在しているからである。そして,成人の吃音者の約40%は社交不安障害に陥り,不登校・引きこもり・うつ病を併発する疾患である。吃音のある子どもの味方となれる医師やセラピストが必要であり,それには幼少時からの周囲に丁寧な正しい吃音の知識の普及が必須である。
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特別講演 1
  • 吉田 友子
    原稿種別: 特別講演
    35 巻 (2014) 3 号 p. 237-242
    公開日: 2015/03/13
    ジャーナル フリー
      耳鼻咽喉科医は,自閉症スペクトラムの子どもたちの耳鼻咽喉科診療を担当するだけでなく,耳鼻咽喉科検診(学校健診)や,「聞こえ」を心配されて受診する自閉症スペクトラムの子ども(親)への対応など,自閉症臨床において大きな役割を担っている。耳鼻咽喉科医が安心して自閉症スペクトラムの子どもたちの診療を行い,自閉症スペクトラムの子どもと親が安心して受診できるためには,耳鼻咽喉科・児童精神科・発達小児科の恊働による受療支援技術の開発や,親・教師・医師の恊働による受療準備の実践が重要である。加えて,発達特性に合わせた受療支援行為が正当に評価されること(保険点数化)や対応困難事例を紹介できる機関の整備など自閉症スペクトラムに対応する耳鼻咽喉科診療システムの構築も必要であろう。本稿では自閉症スペクトラムと自閉症スペクトラム障害(ASD)という用語について概説するとともに,受療支援の具体例についても提示した。
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総説
  • 日高 浩史, 小林 俊光
    原稿種別: 総説
    35 巻 (2014) 3 号 p. 243-251
    公開日: 2015/03/13
    ジャーナル フリー
      先天性真珠腫の占拠部位から Stage 分類が試みられている。しかし,この分類は欧米で多いとされている前上象限(ASQ)から発生した病変が,後方に向かって進展する病態を反映した分類になっている。本総説では,アジアと欧米で先天性真珠腫の占拠部位に関する差があるかを検討するため,最近10年間に当科で手術を行った先天性真珠腫31例について Potsic による Stage 分類を適用してその臨床像を検討した。次に病変の局在に関するシステマティックレビュー/メタ分析を行った。
      当科の症例を検討すると,真珠腫の局在に関しては,Stage I,IIの86%(6/7)が鼓室前方に位置する病変であった。これに対し,Stage III,IVにおいて鼓室前方に位置する症例は 2 例のみで,50% (12/24)が鼓室後方の病変であった。末武らが報告した当科の1990年前後の40例と比較検討すると,Stage IIIが依然として60%以上で最多を占めた。PSQ に発生して Stage IIIに分類される例が多く,欧米の ASQ 型で Stage Iに分類されるケースが過半を占める状況とは異なることは,先天性真珠腫の発生母地の多様性を支持すると考えられた。
      先天性真珠腫の局在に関するシステマティックレビュー/メタ分析では,アジアからの報告例のメタ分析での ASQ,PSQ に病変のある率は各々,0.54と0.69であった。従ってアジアでは ASQ よりも PSQ に病変がある例が多い傾向であった。一方,欧米の報告例の分析から得られた発生率は,ASQ が0.76と高値であるに対し,PSQ は0.59であった。従って,病変の存在部位は ASQ の方が PSQ より多いという,アジアと逆の傾向を認めた。これは ASQ に発生した病変が後方の PSQ に進展する例が多いという Potsic らの進展経路を反映した結果と考えられた。Attic,及び mastoid の存在部位に関しては,アジアと欧米で明らかな違いは見られなかった。
      先天性真珠腫の病態には諸説あり,未解決な点も多いが,病変の発生母地にアジアと欧米で,何らかの相違がある可能性が示唆された。Potsic ら1)の進展度分類方法は国内外から予後と相関することが報告されており,これに ASQ に病変を有するか否かを追記することで,よりグローバルに適応できると考えられた。
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原著
  • 冨山 道夫
    原稿種別: 原著論文
    35 巻 (2014) 3 号 p. 252-256
    公開日: 2015/03/13
    ジャーナル フリー
      小児急性中耳炎の第一選択剤としてはペニシリン系抗菌薬(PCs)が推奨されている。一方伝染性単核球症において PCs は高率に皮疹を生じるため禁忌である。今回重症急性中耳炎と伝染性単核球症が合併した 1 例を経験した。症例は 1 歳 2 ヶ月女児で発熱,鼻汁,不機嫌を主訴に受診した。局所所見で小児急性中耳炎ガイドライン2013年版で重症と判定される右急性中耳炎および急性咽頭・扁桃炎を認めた。血液検査でリンパ球優位の白血球上昇がみられたため,肝機能検査,Epstein-Barr(EB)ウイルス抗体検査を行うとともに,cefditoren pivoxil を投与した。細菌検査では中耳貯留液より Streptcoccus pneumoniae が検出された。血液検査では肝機能低下,異型リンパ球,EB ウイルス感染を認め伝染性単核球症と診断された。急性中耳炎症例において,急性咽頭・扁桃炎の所見がみられた場合は,伝染性単核球症を疑い十分な除外診断を行う必要があると思われた。
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  • 山﨑 憲子, 能登谷 晶子, 鈴鹿 有子, 三輪 高喜
    原稿種別: 原著論文
    35 巻 (2014) 3 号 p. 257-262
    公開日: 2015/03/13
    ジャーナル フリー
      仮名単語が読めず,逐字読みとなった 6 歳の男児例を経験し,音声言語評価に加えて,認知心理学的発達評価を行ったので,訓練経過も含めて報告する。
      文字言語において,仮名 1 文字の音読は 1 字を除いて可能であったが,単語では逐次読みになり,全体読みができず流暢に読めない状態で読解も困難であった。
      本例の動作性知能は正常範囲内であり,言語性知能は境界域で語彙理解年齢は年齢に比して低下を認めたことから特異的言語発達遅滞を呈していると考えた。
      認知心理学的発達検査から視覚情報処理に比し音韻情報処理の遅れ,とくに音韻分解能力,言語性短期記憶の障害,さらに語彙不足による音読障害が示唆された。
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  • 富澤 晃文, 遠藤 まゆみ, 坂田 英明
    原稿種別: 原著論文
    35 巻 (2014) 3 号 p. 263-269
    公開日: 2015/03/13
    ジャーナル フリー
      聴覚障害乳幼児を対象に VRA (visual reinforcement audiometry)による骨導聴力測定を行った。6 症例(0~2 歳)の気導/骨導 VRA による気骨導差の推定について,他検査との整合性の観点から検討した。トリーチャー・コリンズ症候群,中耳炎併発例の 2 例においては,VRA により気骨導差が示された。70 dB 以下の感音難聴であった 2 例では,VRA による気骨導差はみられなかった。高度・重度感音難聴であった 2 例の骨導 VRA はスケールアウトを示した。骨導聴力が一定レベルまで残存していれば,気導/骨導 VRA の組み合わせにより気骨導差の有無とその程度の推定が可能であった。得られた検査結果は誘発反応・画像などの他覚的検査の所見と概ね整合しており,行動観察的手法によって良側の骨導オージオグラムを得る意義が示された。本手法と他検査とのクロスチェックは,乳幼児における伝音/感音障害の鑑別に有用と思われた。
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  • 樋口 仁美, 中川 尚志
    原稿種別: 原著論文
    35 巻 (2014) 3 号 p. 270-273
    公開日: 2015/03/13
    ジャーナル フリー
      2006年 4 月から2013年 3 月の間に当科で鼓室形成術を施行した手術時年齢 4 歳から15歳までの後天性真珠腫31耳(男児18耳,女児13耳)を対象とした。当科手術の基本は外耳道後壁保存型鼓室形成術であり,アブミ骨病変などによって段階的鼓室形成術を行っている。耳小骨連鎖再建術の内訳は WO ossiculplasty 型15耳(48%),I型 9 耳(29%),III型 5 耳(16%),IV型 2 耳(7%)であった。遺残性再発は31耳中 8 耳(26%)に認め,8 耳のうち 6 耳が初回手術で伝音再建をおこなわず段階手術を行った症例であった。段階的鼓室形成術を行うことで遺残による再発の進展を制御できるものと考えられた。再形成性再発は31耳中 5 耳(16%)に認められ,いずれも 9 歳以下の症例であり,耳管機能不全が起因していると考えられた。再形成性再発を予防するためには,手術時の配慮と小児であり術後長期間にわたる観察と適切な処置が大切であると思われた。
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  • 水田 邦博, 大和谷 崇, 遠藤 志織, 中西 啓, 瀧澤 義徳, 峯田 周幸
    原稿種別: 原著論文
    35 巻 (2014) 3 号 p. 274-280
    公開日: 2015/03/13
    ジャーナル フリー
      小児後天性弛緩部型真珠腫11名13耳(3 歳~12歳,平均8.5歳)の検討を行った。ダウン症の 1 耳は canal wall down で 1 期的に手術され,他12耳は計画的段階的に鼓室形成術 canal wall reconstruction を施行した。外耳道の皮膚は破らないように扱い,intact canal skin 法とし,外耳道後壁再建材料は自家皮質骨を用いた。この12耳中 3~7 歳は 5 耳で,再陥凹率は 4/5 耳で80%,遺残が 1 耳認められた。8~12歳は 7 耳で,再陥凹率は 2/7 耳で28.6%,遺残が 2 耳認められた。12耳中聴力再建まで到達した例は 9 耳であった。9 耳の耳管機能を術前と最終術後の中鼓室の視診から判定した。術前,鼓膜緊張部陥凹なし 2 耳,陥凹 2 耳,浸出液貯留 4 耳,真珠腫充満 1 耳であったものが,術後 9 耳すべて含気化し陥凹なしとなった。小児の真珠腫では経過中に耳管機能の改善が期待できる。耳管機能が未熟な時期の鼓膜換気チューブ留置や注意深い観察で,最終手術をできるだけ年長で施行することが重要と考えられた。
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学会報告
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