乳幼児期は自律神経調節の発達期であり,発達段階に則して考える必要がある。1歳未満では乳幼児突然死症候群(SIDS)が重要な課題である。SIDSは,生後2~4月が好発時期のため,1歳未満に焦点を絞って睡眠時呼吸調節の発達とその異常に関して概観する。
中枢神経の発達は受精卵形成からの時間経過に依存しており,何らかの異常がない限り個体差は生じない。神経病理学的検討では生後2か月頃には,延髄背側神経核群は成人のレベルまで発達する。
生後6か月までの乳幼児の睡眠時呼吸様式は,動睡眠期の呼吸様式は複雑になり,無呼吸や多呼吸が出現する。静睡眠期には呼吸数は減少しリズムも安定し,無呼吸の出現はほとんど見られない。生後6か月までは生理的に中枢性無呼吸が認めるが,閉塞性無呼吸は認めない。
より未熟な新生児期から生後1か月ではなく,自律神経調節へと移行する時期に,無呼吸が契機となり突然死が惹起されている。
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