小児耳鼻咽喉科
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46 巻, 2 号
選択された号の論文の9件中1~9を表示しています
第20回 日本小児耳鼻咽喉科学会総会・学術講演会
特別講演
  • 永光 信一郎
    原稿種別: 特別講演
    2025 年46 巻2 号 p. 49-52
    発行日: 2025年
    公開日: 2025/12/26
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    5歳児健診は,発達障害(自閉スペクトラム症,注意欠如・多動症,知的発達症等)を早期にスクリーニングする目的で,令和6年から,こども家庭庁の母子保健医療対策総合支援事業のひとつとして始まりました.医療提供体制が,身体的健康課題のみならず心理的・社会的健康課題の克服に関心が集まる中,こども達の不登校やメンタルヘルス疾患の一因となっている発達障害への支援は重要な医療政策となっています.5歳児健診の問診票の中には,発音不明瞭や,軽度の難聴をスクリーニングする目的の項目も含まれています.知的発達症のお子さんでも,発音不明瞭や聞き返しが多いようです.5歳児健診が誕生するまでの背景と,5歳児健診の意義と概要について解説をおこないます.5歳児健診の社会実装化は,こども達の未来を拓くものと期待されています.

パネルディスカッション2
  • 宇野 里砂
    原稿種別: パネルディスカッション2
    2025 年46 巻2 号 p. 53-58
    発行日: 2025年
    公開日: 2025/12/26
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    近年増加し続ける医療的ケアを必要とする子どもの多くが学校に通っていて,学校における医療的ケアのうち,気管切開に関するケアの割合が高まっている.学校看護師の確保や定着など課題はまだ多く,個々の教育的ニーズに応じた教育を受けられるよう工夫されるためには,医療の専門家が,医療的ケア児の医療面だけでなく教育面についても理解し,学校教育体制構築など学校を支援することが期待されている.学校や教育委員会の困り感や不安に対し,医療的ケアの主治医やかかりつけ医,学校医等が,学校や教育委員会のしくみを尊重しつつ直接対話することで具体的で効率的,円滑な支援や連携を行うことが可能となり,日頃の学校生活や校外学習,宿泊学習,災害時,自己管理支援・自立支援など,医療的ケア児の学校教育体制のより良い構築を進める一助となりうる.地域の医療資源や学校等の地理的状況など,地域の実情に応じた連携方法を模索する必要がある.

ランチョンセミナー2
  • 川島 佳代子
    原稿種別: ランチョンセミナー2
    2025 年46 巻2 号 p. 59-63
    発行日: 2025年
    公開日: 2025/12/26
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    移行期医療(transitional care)は,小児期から成人期への医療移行を円滑に行い,患者が継続的に適切な医療を受けられるよう支援する枠組みである.近年の医学の進歩により小児期発症の慢性疾患患者の生存率が向上し,成人医療への移行が重要な課題となっている.アレルギー疾患においても,喘息・食物アレルギー・アトピー性皮膚炎・アレルギー性鼻炎は小児発症が多く,思春期・青年期を経て成人まで持ち越す例が少なくない.移行期には生活環境の変化や保護者依存からの自立過程に伴い,治療の中断やアドヒアランス低下が問題となる.特に喘息では小児期の重症度が成人期の転帰を規定し,食物アレルギーでは成人診療体制の不備が課題である.アレルギー性鼻炎では舌下免疫療法など長期治療継続に本人の主体的関与が不可欠である.今後は,小児科と成人診療科,耳鼻咽喉科の連携を強化し,患者のヘルスリテラシー育成と自立支援を重視した体制整備が求められる.

ランチョンセミナー3
  • 津田 潤子, 山本 陽平, 菅原 一真
    原稿種別: ランチョンセミナー3
    2025 年46 巻2 号 p. 64-68
    発行日: 2025年
    公開日: 2025/12/26
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    口蓋扁桃摘出術は歴史のある術式だが,術後出血は依然として大きな課題である.本邦では口蓋扁桃の被膜外全摘出術が主流であるが,近年は欧米を中心に世界の多くの地域で,特に小児閉塞性睡眠時無呼吸症に対しては被膜内摘出術へのシフトが進んでいる.被膜を温存することで,神経や血管が多く走行する筋層の露出を回避でき,術後疼痛を顕著に軽減するとともに,術後出血のリスクも極めて低い.これにより手術の安全性は向上し,患児や家族のQOLを改善させ,また術者を含む医療者側の負担軽減にも寄与する.当科では硬性内視鏡下にコブレーターを用いて施行しており,術中出血は極めて少なく視認性も良好であるため,経験の浅い術者への教育にも安全に活用できる.一方で,再増殖の可能性など新たな課題も存在し,十分な事前説明や術後の保存的加療の継続など,適切な対応が求められる.本邦においても,安全かつ有効な被膜内摘出術の普及が望まれる.

スイーツセミナー2
  • 中野 貴司
    原稿種別: スイーツセミナー2
    2025 年46 巻2 号 p. 69-76
    発行日: 2025年
    公開日: 2025/12/26
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    ワクチンは,病原体特異的な免疫を付与でき,感染症対策における有用な予防手段である.最近わが国で導入された,いくつかの新しいワクチンについて概説する.具体的には,経鼻弱毒生インフルエンザワクチン,精製Vi多糖体腸チフスワクチン,組織培養不活化ダニ媒介性脳炎ワクチンの3製剤について紹介する.わが国のインフルエンザワクチンは,不活化HAワクチンが半世紀以上にわたって使われているが,2024年秋から異なるモダリティの経鼻弱毒生ワクチンが加わった.2歳から18歳が接種対象で,年齢にかかわらず,流行シーズン前に1回の接種を行う.海外渡航者など,罹患のリスクが高い者に接種されるワクチンとして腸チフスワクチンとダニ媒介性脳炎ワクチンも登場した.前者は2歳から,後者は1歳から接種が可能である.

原著
  • 坂井田 麻祐子
    原稿種別: 原著
    2025 年46 巻2 号 p. 77-82
    発行日: 2025年
    公開日: 2025/12/26
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    小児の食べ物による窒息死亡事故は後を絶たず,特に保育施設では予防対策が望まれる.三重県津市内全公立保育園・こども園職員を対象に,保育現場で窒息事故予防に必要な業務内容,現場の問題点,求める研修内容について調査し113名から回答を得た.

    窒息事故発生時,自信を持って実施出来る手技は背部叩打法58.4%,ハイムリック法16.8%,心肺蘇生法24.8%であった.8割以上が手技習得機会を必要と考え,40.7%が全職員個別の指導を,53.1%が年1回の頻度で希望した.

    給食時の事故予防対策は複数職員での見守り(83.2%),個々の食べ方に合った介助(85.8%),個々に合った食事提供(78.8%)等きめ細く実施していた.一方で業務過多や保育士数不足,アレルギー児への対応等の理由で5割以上が事故予防の実施が困難であった.

    保育施設における窒息事故予防には,保育士の業務環境改善と十分な実技研修が肝要と考える.

  • 江﨑 友子
    原稿種別: 原著
    2025 年46 巻2 号 p. 83-88
    発行日: 2025年
    公開日: 2025/12/26
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    軟骨無形成症は,四肢短縮型低身長をきたす代表的な疾患で四肢短縮,大頭症,中顔面低形成,および正常な認知機能が特徴的である.この疾患は軟骨内骨化の成長に影響を与えるFGFR3遺伝子の変異によって引き起こされる.耳鼻咽喉科領域では,閉塞性睡眠時無呼吸(Obstructive sleep apnea: OSA)の他,滲出性中耳炎(Otitis media with effusion: OME)の合併が多い.聴力に影響している場合も軽度から中等度以内の難聴の場合,保護者や医療者が難聴に気付きにくい.症状が明らかでない場合も1歳を目処に聴力検査を含めた耳鼻科受診ができるよう,乳児期から関わる小児科,脳神経外科,小児整形外科へ周知する必要がある.また中耳炎以外の難聴例も認めるため,左右別の自覚的聴力検査ができるまで経過を追う必要がある.

  • 阪井 耕一, 大薗 芳之, 太田 有美, 佐藤 崇, 大崎 康宏, 岡崎 鈴代, 今井 貴夫, 猪原 秀典
    原稿種別: 原著
    2025 年46 巻2 号 p. 89-95
    発行日: 2025年
    公開日: 2025/12/26
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    近年内視鏡が普及したことにより,先天性真珠腫が早期に発見,手術されるようになった.当院で手術を行った先天性真珠腫症例51例について,真珠腫進展度別に手術方法,遺残性再発および聴力成績を検討した.手術時年齢は6歳以下が35例(69%)を占めた.進展度別では鼓室内に限局するStage Iが35症例と多くを占め,低年齢で早期に発見,手術されている傾向が見られた.Stage Iの大半ではTEESが施行されていた.鼓室後半部分に真珠腫が存在するIb,Ic,IIの場合,IV型再建になる率が高かった.一期的手術は22例,段階的手術は29例であった.段階手術のうち8例(29%)で遺残性再発を認めた.純音聴力検査が可能であった31例中28例(90%)で聴力改善成功であった.先天性真珠腫はTEESのよい適応であるが,遺残性再発はあるため,鼓室洞や鼓膜張筋腱など遺残しやすい部分に真珠腫が及んでいる場合注意が必要である.

症例報告
  • 藤本 知佐, 田村 公一, 前田 秀作, 野口 理衣, 安部 将大, 冨髙 遼河, 楠 誌乃, 松本 菜那, 千田 いづみ, 宇高 二良, ...
    原稿種別: 症例報告
    2025 年46 巻2 号 p. 96-101
    発行日: 2025年
    公開日: 2025/12/26
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    言語発達は聴覚障害,知的発達症,神経発達症や言語発達症などにより遅れることが知られている.これらとは異なり,近年では早期英語保育の風潮や在留外国人の増加などの社会変化に伴い,多言語環境下で乳幼児期を過ごして母語の習得が不十分となり言語発達が遅れた症例が散見されるようになった.社会構造の変化から,今後このような症例が増加すると考えられる.耳鼻咽喉科医師は健診などを通して言語異常を検出する機会を有している.言語異常の一つとして環境性の言語発達遅滞を疑う症例への生育歴の問診と適切な評価や療育の必要性への注意喚起を目的とし,症例を提示する.症例1は日本人の両親と共に1歳より4年間米国で滞在し,帰国.就学前に日本語の単語の意味理解が不十分で,統語困難を伴う言語発達遅滞を認めた5歳児の症例.症例2は共働きの日本人父親とフィリピン出身の母親と暮らす,母語習得が遅れ初発語のない2歳10か月の幼児の症例.

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