小児耳鼻咽喉科
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第20回 日本小児耳鼻咽喉科学会総会・学術講演会
シンポジウム1『小児OSA診療におけるクリニカル・クエスチョン:ガイドライン作成に向けて』
  • 今井 丈英
    原稿種別: シンポジウム1『小児OSA診療におけるクリニカル・クエスチョン:ガイドライン作成に向けて』
    2026 年47 巻1 号 p. 1-6
    発行日: 2026年
    公開日: 2026/06/30
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    小児のOSAはアデノイド口蓋扁桃肥大による上気道閉塞が最も影響する要素となり,診断はポリグラフ検査がゴールドスタンダードとされているが,施行できない場合には簡易睡眠検査,夜間オキシメトリで代用されている.夜間オキシメトリはSpO2 90%未満への低下回数やSpO2低下クラスター回数を診断根拠とすることが多いが,検査陰性であってもOSAの否定ができない.他に基礎疾患がないアデノイド口蓋扁桃肥大がある小児のOSAの診療では,臨床症状評価やアデノイド口蓋扁桃肥大の程度を睡眠検査とともに考慮し診断している現状である.

  • 有本 友季子
    原稿種別: シンポジウム1『小児OSA診療におけるクリニカル・クエスチョン:ガイドライン作成に向けて』
    2026 年47 巻1 号 p. 7-12
    発行日: 2026年
    公開日: 2026/06/30
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    小児期にアデノイド及び口蓋扁桃は生理的肥大がピークとなることから,小児の睡眠時閉塞性無呼吸(OSA; obstructive sleep apnea)の主な要因はアデノイド肥大・口蓋扁桃肥大に伴う上気道狭窄であり,小児OSAではアデノイド切除術・口蓋扁桃摘出術(AT)が治療法として選択されることが多い.しかし,先天性の頭蓋顔面奇形や鼻腔狭窄や巨舌等の口腔形態の関与やアレルギー性鼻炎による鼻粘膜肥厚例,肥満症例,咽頭軟化症例等では,術後も症状が残存することがあり注意を要す.手術適応の検討が重要だが国内にガイドラインはまだ無く,いびきや無呼吸を呈す小児でAHIが5以上かつアデノイド肥大・口蓋扁桃肥大による上気道狭窄を認める場合は,動画や問診票の確認等も加え総合的判断で手術適応とする報告が多い.様々な手術器具による方法の多様化,低年齢児やハイリスク症例で注意すべき周術期管理についても述べる.

  • 杉山 剛
    原稿種別: シンポジウム1『小児OSA診療におけるクリニカル・クエスチョン:ガイドライン作成に向けて』
    2026 年47 巻1 号 p. 13-15
    発行日: 2026年
    公開日: 2026/06/30
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    小児OSA治療の第一選択はadenotonsillectomy(AT)であるとされているが,AT実施困難例や術後OSA遺残例など,ATだけでは解決できない症例も存在する.このような症例に対し,海外のガイドラインではCPAPも治療選択肢として挙げられているが,本邦では小児OSAに対するCPAPの普及率は低い.その理由として,健康保険診療上の障壁が考えられる.小児OSAの重症度分類(AHI≧10/hが重症)は成人OSA(AHI≧30/hが重症)と異なるにもかかわらず,健康保険上のCPAPの適応は,小児も成人も同様であり,脳波測定も含むフルポリソムノグラフィ(フルPSG)でAHI≧20/h,在宅睡眠時無呼吸検査(HSAT)におけるREI≧40/hである.成人よりもAHIにおける重症度基準が低い小児では,重症例でも適応とならない.また,本邦の実情として小児にフルPSGを実施可能な医療機関が少ないことも,小児OSAに対するCPAPの普及率が低い原因の一つと考えられる.

パネルディスカッション1『47都道府県展開企画 難聴児の未来に向けた全国統一型支援』
  • 安達 のどか
    原稿種別: パネルディスカッション1『47都道府県展開企画 難聴児の未来に向けた全国統一型支援』
    2026 年47 巻1 号 p. 16-22
    発行日: 2026年
    公開日: 2026/06/30
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    新生児聴覚スクリーニング(newborn hearing screening(NHS))導入から約25年が経過し,早期発見・療育の重要性は広く認識されているが,地域格差や支援体制なども含め,医療格差が依然課題である.埼玉県では人口に対し専門施設が不足しており,特に人工内耳手術後の難聴児の通園先の選択肢が不十分である.埼玉県立小児医療センター耳鼻咽喉科では,1999年より「難聴ベビー外来」を設置し,初診時にauditory brainstem response(ABR)を施行・結果説明を同日に行うほか,多職種連携による聴力フォロー,発達評価,親向け講義,音楽療法などを実施している.1歳未満児については聴力変化の可能性も考慮し特に慎重な経過観察が必要である.またauditory neuropathy spectrum disorder(ANSD)を含む多様な聴力像の経過は,特に個人差が大きいため重要となる.今後も療育環境や家族背景を踏まえた支援体制の整備が求められる.

  • 田原 敬
    原稿種別: パネルディスカッション1『47都道府県展開企画 難聴児の未来に向けた全国統一型支援』
    2026 年47 巻1 号 p. 23-27
    発行日: 2026年
    公開日: 2026/06/30
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    近年,地域の小中学校で学ぶ聴覚障害児が増えているものの,それらの約75%は専門的支援を受けていない可能性がある.とある調査では聞こえにくさを訴えたことのない聴覚障害児の割合が50–60%を示し,困難への自覚が乏しいことが指摘されている.特に注意すべきは,表面的には「聞こえている」と判断される児童生徒が抱える隠された困難であり,教員の専門性不足もこうした問題の発見を一層困難にしている.

    特別支援学校(聴覚障害)はセンター的機能として通級指導や巡回相談を実施し,自立活動を通じて障害理解等を支援している.しかし,関連機関同士の情報共有の壁,物理的・心理的障壁などの制限により,それらの機能を十分に発揮できていない場面もある.

    今後も切れ目のない連携支援体制の構築が期待されると同時に,特別支援学校(聴覚障害)を一次窓口として明確化し,ICT等の技術活用による支援環境の整備を進めることで,すべての聴覚障害児のwell-being実現を目指すべきである.

パネルディスカッション3(ダイバーシティ推進委員会企画セミナー)『参加型ディスカッション 皆で創ろう小児耳鼻咽喉科学会の未来』
  • 野田 哲平, 中川 尚志
    原稿種別: パネルディスカッション3(ダイバーシティ推進委員会企画セミナー)『参加型ディスカッション 皆で創ろう小児耳鼻咽喉科学会の未来』
    2026 年47 巻1 号 p. 28-32
    発行日: 2026年
    公開日: 2026/06/30
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    日本小児耳鼻咽喉科学会の会員数はここ5年間横ばいであり,入会数と退会数が均衡している.若手医師および会員179名を対象にアンケート調査を実施した.若手医師は本学会の専門性の高さをハードルと感じる一方,小児に特化したディスカッションを評価していた.会員の46%が学会に満足し,33%が学術講演会に毎年参加していた.会員の勤務業態の内訳では開業医の比率が高いが,学術講演会への参加率は低かった.入会動機は知識更新,発表機会,ネットワーキングであった.学会発展のための提言として,教育機会の充実,ネットワーキングの促進,参加しやすい環境作り,多職種・診療科間連携の活用などが挙げられた.本調査により,会員のニーズを把握し,学会運営改善のための貴重な示唆が得られた.

  • 小森 学
    原稿種別: パネルディスカッション3(ダイバーシティ推進委員会企画セミナー)『参加型ディスカッション 皆で創ろう小児耳鼻咽喉科学会の未来』
    2026 年47 巻1 号 p. 33-35
    発行日: 2026年
    公開日: 2026/06/30
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    小児耳鼻咽喉科は,成長過程にある子どもを対象とし,発達段階に応じた診療,長期的なフォローアップ,多職種連携との特徴を特徴とするサブスペシャルティである.本領域は耳・鼻・咽頭・喉頭・気道など複数の臓器を横断的に診療し,成人とは異なる独自の診療哲学を有する.本稿では,国内外の発展の歴史を概観するとともに,筆者の診療経験を交えて現状の課題を整理した.専門性の位置づけや体系的研修機会の不足,担い手の減少,女性医師への支援不足,保護者対応や手技の複雑さによる負担感などが,構造的課題として挙げられる.長期的視野に立った診療の重要性を示す症例を紹介し,多職種連携と保護者との信頼構築の意義を強調した.今後は,学会主導による特化型研修プログラムの創設,全国的ネットワークによる症例共有,ロールモデルの提示などを通じ,専門性の確立と人材育成を推進することが求められる.

  • 近藤 康人, 滝沢 琢己, 吉原 重美
    原稿種別: パネルディスカッション3(ダイバーシティ推進委員会企画セミナー)『参加型ディスカッション 皆で創ろう小児耳鼻咽喉科学会の未来』
    2026 年47 巻1 号 p. 36-40
    発行日: 2026年
    公開日: 2026/06/30
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    小児耳鼻咽喉科学会の発展には小児科医の参画が重要であるが,入会率は低く,その要因は十分に明らかではない.本研究は小児科医の入会促進に向けた課題を明らかにするため,勤務医および開業医を対象に無記名アンケートを実施した.回答は78名(勤務医60名,開業医18名)であった.学会の認知度は「知っている」21.8%にとどまり,発表経験・現会員はいずれも16.7%であった.入会時に重視される点は「専門知識・最新情報の習得」80%,「同分野医師とのネットワーク形成」56.9%であった.躊躇理由は「学会の存在や活動内容をよく知らない」「会費の負担」「専門との関連が薄い」が約半数を占めた.期待される活動としては小児科医向けセッション,耳鼻科医との連携企画,教育講演が多く挙げられた.以上より,小児科医の入会促進には認知度向上,参加しやすい環境整備,実臨床に即した教育プログラム充実が重要であることが示唆された.

小児科・耳鼻咽喉科合同感染症セミナー
  • 上出 洋介
    原稿種別: 小児科・耳鼻咽喉科合同感染症セミナー
    2026 年47 巻1 号 p. 41-44
    発行日: 2026年
    公開日: 2026/06/30
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    小児急性中耳炎の診断・治療には鼓膜所見の把握が重要である.本稿では①鼓膜所見の撮影と判定,②集団保育や薬剤耐性菌など外的因子,③免疫応答の低下や胃食道逆流症gastroesophageal reflux disease(GERD),耳管機能不全など内的因子を整理し,難治化要因を示した.さらに,これら疾患が疑われる場合は小児科,鼓膜切開やチューブ留置を要する例は耳鼻科が担うべきなど,両科の連携の重要性を強調した.

  • 宇田 和宏
    原稿種別: 小児科・耳鼻咽喉科合同感染症セミナー
    2026 年47 巻1 号 p. 45-49
    発行日: 2026年
    公開日: 2026/06/30
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    急性中耳炎は小児科医と耳鼻咽喉科医が診療対象を共有する代表的疾患である.自然軽快しうるため,軽症例では経過観察が妥当である一方,2歳未満の両側性や耳漏合併例等では抗菌薬の有効性が高い.起炎菌は肺炎球菌やインフルエンザ菌が中心であり,肺炎球菌結合型ワクチンの導入後は難治例や再発例は減少したが,βラクタマーゼ非産生アンピシリン耐性インフルエンザ菌への抗菌薬選択など,依然として課題はある.近年の疫学研究により,乳幼児期の抗菌薬曝露がアレルギー疾患の発症リスク増加と関連することが報告され,抗菌薬適正使用の重要性は一層高まっている.一方で乳様突起炎などの合併症を来たす例もあり,適切なタイミングでの治療介入も同様に重要である.中耳炎診療においては,小児科医と耳鼻咽喉科医の相互理解と連携強化が不可欠である.

ランチョンセミナー1『あなたの小児難聴診療をブラッシュアップ!―こどもの聴こえと未来を守るために―』
  • 菅谷 明子
    原稿種別: ランチョンセミナー1『あなたの小児難聴診療をブラッシュアップ!―こどもの聴こえと未来を守るために―』
    2026 年47 巻1 号 p. 50-54
    発行日: 2026年
    公開日: 2026/06/30
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    小児の先天性高度難聴は出生約1,000人に1–2人の割合で存在することが知られ,放置すると言語発達だけではなく,その後の学習や就労に影響を及ぼす可能性がある.新生児聴覚スクリーニングは,難聴の早期発見・早期療育に繋げるための重要な制度であり,リファーとなった児の精密検査は新生児尿の先天性サイトメガロウイルス核酸検査とあわせて実施の徹底が求められる.さらに軽度・中等度難聴や進行性・遅発性難聴に関する知識や対策も耳鼻咽喉・頭頸部外科医にとっては必須となっている.本稿は,日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会の小児難聴教育体制ワーキンググループを中心に作成した「小児難聴診療の手引き」の概要を紹介するものである.この手引きは,全国の小児難聴診療の均てん化,若手医師の育成,多職種連携の強化を目的とし,小児難聴における検査や診断・療育体制・教育支援・社会資源活用までを網羅しているため,是非現場で活用してほしい.

ランチョンセミナー4『軟骨無形成症の病態と治療戦略』
  • 窪田 拓生
    原稿種別: ランチョンセミナー4『軟骨無形成症の病態と治療戦略』
    2026 年47 巻1 号 p. 55-58
    発行日: 2026年
    公開日: 2026/06/30
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    軟骨無形成症は四肢短縮型低身長と特徴的顔貌を呈する骨系統疾患で,大後頭孔狭窄や睡眠時無呼吸,中耳炎など多彩な合併症を伴う.睡眠時無呼吸,中耳炎は乳幼児期からの注意深い管理が必要で,外科的処置が必要であることは少なくない.国際コンセンサスでは,全ての軟骨無形成症乳児に対する早期の睡眠検査と聴力評価が推奨されている.低身長に対しては,本邦では成長ホルモン治療とC型ナトリウム利尿ペプチド類縁体のボソリチド治療が可能である.成長ホルモン治療は短期間の成長促進効果を示すが,長期効果は限定的である.一方,ボソリチドは国際第3相試験および長期延長試験により持続的な成長促進と身体プロポーション改善,QOL向上が確認されており,2022年に保険収載された.内科的治療においては,合併症に対する効果と成長促進の長期的有効性と安全性の検証が今後の課題である.

  • 江﨑 友子
    原稿種別: ランチョンセミナー4『軟骨無形成症の病態と治療戦略』
    2026 年47 巻1 号 p. 59-62
    発行日: 2026年
    公開日: 2026/06/30
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    軟骨無形成症は,四肢短縮型低身長をきたす代表的な疾患で四肢短縮,大頭症,中顔面低形成,および正常な認知機能が特徴的である.この疾患は軟骨内骨化の成長に影響を与えるFGFR3遺伝子の変異によって引き起こされる.耳鼻咽喉科領域では,閉塞性睡眠時無呼吸(Obstructive sleep apnea: OSA)の他,滲出性中耳炎(Otitis media with effusion: OME)の合併が多い.軽度から中等度以内の難聴に留まることが多く,保護者や医療者が難聴に気付きにくい.症状が明らかでない場合も1歳を目処に聴力検査を含めた耳鼻咽喉科を受診するよう,乳児期から関わる小児科,脳神経外科,小児整形外科へ周知する必要がある.また中耳炎以外の難聴例も認めるため,左右別の自覚的聴力検査ができるまで経過をみる必要性がある.

症例報告
  • 増田 佐和子, 臼井 智子, 杉田 和也, 安田 泰明
    原稿種別: 症例報告
    2026 年47 巻1 号 p. 63-68
    発行日: 2026年
    公開日: 2026/06/30
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    MPS(ムコ多糖症)は早期に耳鼻咽喉科医が遭遇する可能性があるまれな先天性代謝異常症である.われわれは耳鼻咽喉科の手術入院を機にMPS II型と診断された一例を経験した.症例は3歳男児.1歳から発達遅滞があり,2歳から睡眠時のいびきと無呼吸が出現した.両側滲出性中耳炎,アデノイド増殖症,口蓋扁桃肥大を認め,手術治療のため3歳7か月で入院した際に頭囲拡大や特徴的な全身所見を認めた.開口制限のため口蓋扁桃摘出術は断念し鼓膜換気チューブ挿入術とアデノイド切除術を行いいびきは軽減した.精査により尿中ウロン酸排泄量増加とデルマタン硫酸・ヘパラン硫酸分画高値,白血球イズロン酸-2-スルファターゼの活性低下,IDS遺伝子の病的バリアントが判明し,3歳9か月でMPS II型(重症型)と診断され酵素補充療法が開始された.本症は早期診断・介入が重要であり小児に関わる耳鼻咽喉科医が知っておくべき疾患である.

  • 森本 千裕, 西村 忠己, 大塚 進太郎, 北原 糺
    原稿種別: 症例報告
    2026 年47 巻1 号 p. 69-73
    発行日: 2026年
    公開日: 2026/06/30
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    2023年にこども家庭庁が改訂した「新生児聴覚検査の実施について」の通知では,新生児聴覚スクリーニング(Newborn Hearing Screening: NHS)でReferとなった児に対し,生後3週間以内の先天性サイトメガロウイルス感染症(Congenital Cytomegalovirus: cCMV)検査が強く推奨されている.本検討では,この体制導入以前に当科で人工内耳植込術を施行したcCMV症例3例を対象に,診断時期と臨床経過を後方視的に検討した.1例は生後5日に診断され,2例は1歳以降にMRIで認めた大脳白質病変を契機として臍帯のCMV-DNA検査で確定された.診断遅延は人工内耳手術時期に影響しなかったが,生後3週間を過ぎるとcCMV診断は容易でなく,指針に基づく早期検査体制の重要性が示唆された.また,MRIは診断補助として有用であった.

  • 髙橋 希, 佐々木 彩花, 伊藤 史恵
    原稿種別: 症例報告
    2026 年47 巻1 号 p. 74-79
    発行日: 2026年
    公開日: 2026/06/30
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    喉頭蓋型喉頭軟弱症(軟化症)に対する手術としてEpiglottopexyが知られるが,近年では従来の経口的アプローチに代わり,経頸部的に行うTranscervical Epiglottopexyの報告が散見される.我々も経口法による縫合糸早期脱落の経験から,経頸部的操作を加えて手術を行った.症例は0歳4ヵ月,多発形態異常を伴う体重4 kgの男児であった.喉頭蓋型喉頭軟弱症(軟化症)に対する手術として,舌骨直上の皮膚に小切開を置き,そこから注射針を喉頭蓋まで貫通させることで舌根部と喉頭蓋に糸をかけ,皮下で結紮を行った.結紮は1 cm角のプレートの上で行い,術後12日目にプレートと糸を抜去した.Transcervical Epiglottopexyは,確実に喉頭蓋と舌根部を縫合することができ,特殊な器械も必要とせず簡易な手技で完結するという利点がある.本邦での詳しい報告は未だないが,手術材料の工夫と,懸念点に対し十分な対策を講じることで,良好な術後成績を得ることができた.

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