近年,地域の小中学校で学ぶ聴覚障害児が増えているものの,それらの約75%は専門的支援を受けていない可能性がある.とある調査では聞こえにくさを訴えたことのない聴覚障害児の割合が50–60%を示し,困難への自覚が乏しいことが指摘されている.特に注意すべきは,表面的には「聞こえている」と判断される児童生徒が抱える隠された困難であり,教員の専門性不足もこうした問題の発見を一層困難にしている.
特別支援学校(聴覚障害)はセンター的機能として通級指導や巡回相談を実施し,自立活動を通じて障害理解等を支援している.しかし,関連機関同士の情報共有の壁,物理的・心理的障壁などの制限により,それらの機能を十分に発揮できていない場面もある.
今後も切れ目のない連携支援体制の構築が期待されると同時に,特別支援学校(聴覚障害)を一次窓口として明確化し,ICT等の技術活用による支援環境の整備を進めることで,すべての聴覚障害児のwell-being実現を目指すべきである.
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