本論文では,電磁界共振結合を用いたセンシングとその応用に関して論ずる.ここでは,電磁界共振結合を電磁結合および双共振の複合現象と定義し,送信機における進行電力と反射電力の比に相当する反射係数を測定することで電磁結合および双共振の大きさを推定する,結合度センシングおよび双共振度センシングの二種類のセンシング手法を提案した.送信機において測定を行う理由は,受信機に対する機器装着が不要となり,応用上の利点が大きいためである.結合度センシングの応用例としては,電池交換が不要の位置センサを提案した.これは,結合度がアンテナ間の相対位置と関係を有するためである.また,双共振度センシングの応用例として,機器装着を必要としない人体検出センサを提案した.ここでは,人体の共振周波数と一致したアンテナを利用することで,双共振度から人体の有無を検出している.