同一周波数の正弦波交流2信号の位相差を比較測定する一方法として一方の信号の位相を推移せしめて他方と同位相として検出,調整した量-一般にこの場合機械的変化量で表わされる-によって電気的位相の推移量を間接的に測定する方法がある.このような場合に用いられるPhase Shifterとしてはすでに種々のものが報告されているが,比較的高い確度で,かつ360°におよぶ広範囲の推移を得るものは少ない.
シンクロ・レゾルバ(Synchro Resolver)を移相素子として用いたPhase Shifterはこの目的に応え得るのであるが,その動作状態,すなわち2個の固定子巻線に加える信号の電圧,および位相関係に適正を欠くと回転子の機械的回転角と出力信号の電気的移相角の関係は直線性を失う.これらは,電圧の差および位相の差,それぞれによって異なるがいずれも位相差の測定などの場合,大きな誤差の原因となる.
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