日本シルク学会誌
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3 巻
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論文
  • 髙林 千幸, 伊坪 友子, 宮﨑 栄子
    1994 年 3 巻 p. 1-6
    発行日: 1994/12/02
    公開日: 2013/02/16
    ジャーナル フリー
     ナイロン仮撚加工糸 (PTY、10d/5f) を芯糸として繭糸をその周りに交絡させた20dのハイブリッドシルクを繰製する際に、エアージェットを用いずに、ナイロンPTYの解撚トルク方向、ケンネルより方向、回転接緒器の回転方向の3者の組合わせによってハイブリッドシルクの品質を向上させる方法を検討した。その結果、ナイロンPTYの解撚トルクがS方向の時はケンネルよりをZ方向、回転接緒器の回転方向をS方向とすることにより交絡度は向上し、また繊度偏差は小さく、セリプレーン検査による糸むらは少なくなり、節点は向上する傾向を示した。逆にナイロンPTYの解撚トクル方向がZ方向の時は、ケンネルよりをS方向、回転接緒器の回転方向をZ方向とすることにより品質は安定した。
  • 但馬 文昭, 石黒 善夫, 木下 晴夫
    1994 年 3 巻 p. 7-11
    発行日: 1994/12/02
    公開日: 2013/02/16
    ジャーナル フリー
     節検査装置を開発するための基礎的研究として、生糸糸条の2方向計測システムにより計測した連続糸条波形を分析し、節に対応する波形部分の抽出方法を検討した。その結果、2方向計測波形f(i)を使用することの有効性と変動係数を基準とした節検出レベル設定方法に関して知見を得た。
  • ―浸漬処理と繭層の浸潤性―
    木下 晴夫, 但馬 文昭
    1994 年 3 巻 p. 12-16
    発行日: 1994/12/02
    公開日: 2013/02/16
    ジャーナル フリー
     煮熟前処理による繭層への水分付与は煮熟度や煮熱斑に影響を及ぼし、生糸収率や節成績と密接な関係がある。ここでは煮熟前処理の浸漬処理において、浸漬温度、浸漬時間及び界面活性剤濃度による繭層浸潤度への効果を検討し、各要因の効果を明らかにした。その大要は以下のとおりである。 (1) 処理要因の中で浸漬温度による効果が大きく、特に70℃以上のとき繭層の外層及び最内層の浸潤度が著しく増大する。 (2) 浸漬時間の延長は外層や内層の浸潤には効果はあるが、中層への効果は小さい。 (3) 界面活性剤の使用は浸漬温度の低温の場合に繭層浸潤に効果が認められたが、濃度差の影響は認められなかった。 (4) 浸漬処理だけでは繭層の中内層への浸潤不足を生ずる。
  • 瀬木 秀保
    1994 年 3 巻 p. 17-24
    発行日: 1994/12/02
    公開日: 2013/02/16
    ジャーナル フリー
     自動繰糸系における糸故障について、これを繰糸系の故障としてとらえ、これらの糸故障発生間隔TBF (Time between failures) およびそれらの修理に要する糸故障修理時間TTR (Time to repair) の分布特性について考察した。
     その結果、上記TBFおよびTTRの分布特性は、いずれもワイブル分布で近似でき、そのパラメータ値によって、それぞれの分布特性値が規定できることが知られた。
     また、ワイブル確率紙による図式解析法が簡易で実用的であることを提案した。
  • (2) 計測データの収集処理方法
    清水 重人, 大浦 正伸
    1994 年 3 巻 p. 25-29
    発行日: 1994/12/02
    公開日: 2013/02/16
    ジャーナル フリー
     繰糸工程中に発生する飛び繊度の発生防止を図るため、細むらや太むらなどに影響を及ぼす異常粒付の早期発見が重要である。画像処理手法を用いて繰糸中の繭粒付状態の画像を2値化し、粒付繭の画素数をパソコンに取り入れ、繭粒付数を計測するシステムを構築し、繭の大きさや繭層の厚さ別の繭粒付数の計測など、基本的な計測方法について検討を行い、その可能性を見いだしてきた。
     本研究では、画像処理機能の向上を図るため、画像処理装置であるビデオコントローラを、(株)キーエンス社製のVX-4100からVX-4210に変更し、計測処理機能の検討を行った。次に計測画素数と繭糸繊度の関係を求めるため、データの収集処理方法について検討を行った。その結果、1粒繰糸において、計測データ300個の平均値を代表値とする画素数と100回繊度糸の繭糸繊度との関係が、相関係数の平均値で0.945と高い相関関係があることを明らかにした。
  • 柳 悦州, 安田 克也, 平林 潔
    1994 年 3 巻 p. 30-33
    発行日: 1994/12/02
    公開日: 2013/02/16
    ジャーナル フリー
     絹の強度はタンニン酸処理により増加する。これは絹の非晶領域に吸着したタンニン酸が分子間結合を促進するためである。しかし、鉄媒染を施した絹の強度は処理液による分子鎖切断のため低下する。
  • 陳 慶官
    1994 年 3 巻 p. 34-39
    発行日: 1994/12/02
    公開日: 2013/02/16
    ジャーナル フリー
     糸むら検査格付方法として、昔の糸条斑評価方法と現行の糸むら評価方法があるが、変動係数評価方法も議論されている。これらの評価方法には利点と欠点があるので、その一つ一つを具体的に比較検討することにより、新しい方法―区間CV係数法を提案した。区間CV係数法を利用し、著者の開発した糸むら検査機(陳慶官、1987)でさらに検査したデータを処理した結果、低質の生糸の糸むらを検出することへの可能性が確認できた。
第42回製糸絹研究発表要旨
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