日本女性科学者の会学術誌
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1 巻, 1 号
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巻頭言
国際会議ICWES11論文特集「環境保全のための科学と技術」
  • 佐々木 政子
    2000 年 1 巻 1 号 p. 1-4
    発行日: 2001/03/31
    公開日: 2023/03/25
    ジャーナル フリー

    太陽紫外線の人体作用は一般にUV-B(290-320n)とUV-A(320-400nm)に分けて論じられる。成層圏オゾンの破壊に伴って地上到達量が増加傾向にあるのは生物活性の高いUV-Bで,ここではそのDNA損傷,日焼け(紅斑)反応および眠への有害作用について論じた。太陽紫外線の日変動と季節変動を示し,また,散乱性の大きい紫外線の屋外での防御法を実測データを基に検討した。

  • 清水 由紀子
    2000 年 1 巻 1 号 p. 5-6
    発行日: 2001/03/31
    公開日: 2023/03/25
    ジャーナル フリー

    原爆被爆者の健康調査が50年以上にわたって,日米の共同研究機関である放射線影響研究所で行われている。原爆被爆者調査の最も重要な結果は,被曝放射線の増加とともにがんのリスクが上昇するということである。良く知られている白血病のリスクの他に肺がん,乳がん,胃がん,甲状腺がんなどの固形がんのリスクも上昇している。原爆被爆者の子どもについての遺伝的影響は,これまでのところ,どの指標でみても有意な影響は観察されていない。胎内被爆者の調査から,小頭症,精神遅滞の頻度が被曝放射線とともに増加していることが観察されている。これらの研究結果は,原爆被爆者の健康保持のみならず,放射線防護基準の設定等にも役立っている。

  • 荒谷 美智
    2000 年 1 巻 1 号 p. 7-10
    発行日: 2001/03/31
    公開日: 2023/03/25
    ジャーナル フリー

    原子力政策における安全性は本質的には技術的な問題である。しかしながら一般人の立場からは,誰を信頼したらいいのか,という問いに帰着する。この問いに対する答えが多くの組織による種々の普及活動である。ここでは九つの組織が概観され,議論される。概して各々の活動の真の意図は,私達を信じて下さい,という無言の要請にある。問題を理解する能力および伝えるための表現力を強化する真撃で弛みない勉強が,人々のための安全性のへの細いが確実な道であるように思われる。

  • 板倉 明子, 土佐 正弘
    2000 年 1 巻 1 号 p. 11-14
    発行日: 2001/03/31
    公開日: 2023/03/25
    ジャーナル フリー

    半導体の加工プロセスなどには,高真空,超高真空の作業環境が必要とされ,そのために真空容器を長時間真空排気する,容器全体の加熱脱ガスを行うなどの作業が必要になってくる。チッ化硼素(以下 BN)処理を施したステンレス鋼は大気曝露した際の酸素,炭素などの吸着が少なく,また真空排気時の脱離が速いことなどから,真空容器材に適していると考えられてきた。近年,原子分子を扱う表面の研究が盛んに行われ,そのために求められる真空環境も10-10 Paなどの,極高真空領域になってきている。極高真空環境での主な残留ガスは,大気や低真空時とは異なり,水素である。水素は吸着していたものの脱離の他,容器材に含有されたものが主な放出源となっている。BN処理ステンレス鋼の水素に対する性質,特に,水素透過に及ぼす影響を測定し,この処理方法が水素の吸着量を押さえるだけで無く,背面からの透過量をー桁以上低減させることを発見した。また,処理膜の膜厚が低減効果に影響しないことから,処理膜上での水素の透過は表面反応が律則になっていると考えられる。BN処理については,ステンレス鋼表面にステンレスとBNを共蒸着し,熱処理を行ってBNを偏析させるという方法で行った。この方法でステンレス鋼表面は,C軸は移行した6方晶BNであることが分かっている。

  • 井口 てる子
    2000 年 1 巻 1 号 p. 15-17
    発行日: 2001/03/31
    公開日: 2023/03/25
    ジャーナル フリー

    BASEVICH et al. (1998)によれば,実験室での酸素分子と窒素分子との化学反応に置いて生じる燃焼エネルギーは43kcal/molである。この系については,エネルギーの点においてエントロビー増大に結び付けることができる。この報告ではザルツマン法簡易測定装置(天谷法)を用いたNO2大気中濃度の24時間測定の時間平均値を東京都内500mメッシュ大気汚染測定グループ(行政からの多少の援助をうけている)の測定活動から得ることができる。このデータのバラツキは10%であることが確かめられている。更に同じ東京都内の1km - 5kmの狭領域の中で数年について平均してみると,(1)夏よりも冬,(2)東京都内メイン産業道路の西側より東側のデータ平均値が僅かではあるが,高くなっている傾向が確かめられた。この現象は,NO2の拡散速度は,情報あるいは東西南北に向かって拡散を期待したいところであるが,24時間以内では素早く進むことなく,地表に留まっていることを表しているといえる。これらのことから類推して,自動車排気ガスNO2とともに排出されるSPM(suspended particulate materials)の拡散速度はNO2同様に緩慢であると言える。このSPMについては著者が100kv投下型電子顕微鏡で撮影したが,径が約50nmの超微粒子から成り立っていることが分かった。すなわちSPMの表面積が大きい。よく言われているように,NO2分子がSPMの表面に付着している可能性が強い。

  • 山本 真紀
    2000 年 1 巻 1 号 p. 18-21
    発行日: 2001/03/31
    公開日: 2023/03/25
    ジャーナル フリー

    植物DNAファイバーの標本に対して蛍光in situハイブリダイゼーション(FISH)法による高解像度マッピングを行った。タルホコムギのDNAファイバー上へ18S・5.8S・26SリボソームRNA遺伝子(rDNA)をプローブとしたFISHを行ったところ,同遺伝子領域の連続したシグナルを最長2.0Mbまで追跡することができた.5SrDNAのプローブを用いた場合は,300kb~1200kbの範囲で連続または不連続なシグナルのクラスターが見られた。またライムギのDNAファイバー上ヘライムギに存在するω―セカリン遺伝子の領域(sec, 1)の検出を行った。その結果,遺伝子コード領域とプロモーター領域のセットが約140kbの範囲におよそ15コピー縦列して存在していることが分かった。更にタルホコムギのライブラリーに由来するλファージやバクテリア人工染色体(BAC)などの巨大クローンをプローブとして用い,タルホコムギのDNAファイバー上へこれらクローンを検出することにも成功した。

  • 矢後 素子, 佐藤 仁
    2000 年 1 巻 1 号 p. 22-26
    発行日: 2001/03/31
    公開日: 2023/03/25
    ジャーナル フリー

    昆虫では,外皮クチクラや卵殻,ゴキブリ・カマキリの卵嚢,野蚕の繭などの保護性構造物は,形成直後は白く柔らかいが,徐々に着色しながら丈夫な構造に変化する。この現象は硬化と呼ばれており,硬化に際して,構造物の主成分であるタンパク質間にフェノール化合物による架橋構造が形成される。その形成方法には2種類あり,フェノール化合物のベンゼン環を介して架橋する場合(キノンタンニング)と,側鎖を介して架橋する場合(β硬化とキノンメチド硬化)とがある。今回,クローパー害虫のウリハムシモドキ卵殻の硬化機構を調べたところ,卵殻加水分解物中に架橋物質と考えられるフェノール化合物を同定した。それらは,3,4-ジヒドロキシフェニル酢酸のベンゼン環に,含硫アミノ酸の一種,システインが1分子あるいは2分子結合した化合物だった。一方,成虫の体内には,雌にのみ,3,4-ジヒドロキシフェニル酢酸が存在した。従って,ウリハムシモドキ卵殻では,3,4-ジヒドロキシフェニル酢酸を硬化剤とするキノンタンニング硬化が起こっていることが示唆された。

  • Mary Becker, 馬越 芳子, 酒井 哲也
    2000 年 1 巻 1 号 p. 27-29
    発行日: 2001/03/31
    公開日: 2023/03/25
    ジャーナル フリー

    17点の近世(70-200年以上前)着物裏地の劣化度を物理化学的に評価した。強伸度試験・アミノ酸分析・フラウンホーファ回析により検討した。この光回折像には,絹織物に照射されたレーザ一光で織物構造特性;織物の規則性や織り糸の痩せ・弛緩等の表面官能情報を距離統計量として計測している。これらの物理的・化学的・光学的評価は,絹織物の劣化について同じ順位の結果を導いていた。

  • 山田 知子, 小川 悦代
    2000 年 1 巻 1 号 p. 30-32
    発行日: 2001/03/31
    公開日: 2023/03/25
    ジャーナル フリー

    微生物生成多糖ジェランガム水溶液のゲル化メカニズムとその食品への応用について研究した。ジェランガム水溶液は温度の低下にともないゲル化するが,そのゲル化性は食塩や庶糖の添加により促進される。ジェランガムは現在ゼリー類やジャム類,フィリング等として,多くの食品へ応用されており,さらに最近マイクロゲル用いた新しい利用法も開発されている。

  • 鈴木 益子
    2000 年 1 巻 1 号 p. 33-36
    発行日: 2001/03/31
    公開日: 2023/03/25
    ジャーナル フリー

    本論文はキチン質の有効利用を目的とした研究のうち,医学への応用について,即ち,キチン繊維の外科材料への応用,次に著者らの水溶性キトオリゴ糖であるN-アセチルキトヘキサオース(NACOS-6)の免疫賦活活性について,更にキトサンの薬物遺伝子,経口ワクチン送達剤の応用例について紹介した。

  • 大住 伴子, 黒木 賀代子
    2000 年 1 巻 1 号 p. 37-40
    発行日: 2001/03/31
    公開日: 2023/03/25
    ジャーナル フリー

    ユージノールは医薬品,化粧品,食品などに広く含まれているチョウジ油の主成分で,多くの歯科用薬剤に配合されている.このユージノールのアレルギー反応を,モルモットとマウスを用いて検討した結果,ズダンIよりアレルギー反応は弱いが,歯科用薬剤に配合されているユージノールによって,アレルギー性接触皮膚炎が発症する可能性が示唆された.さらにマウスを用い,ユージノールのアレルギー反応の感作誘導期と感作誘発期におけるヘルパーT細胞,補助シグナル分子であるB7-1および,B7-2の動態を,間接酵素抗体法を用いて免疫組織化学的に検討した.その結果,ユージノールのアレルギー性接触皮膚炎発症には,Th1細胞の関与が示唆された.また,B7-2はアレルギー反応の初期に,B7-1はアレルギー反応の遅い時期に補助シグナル分子として,ユージノールのアレルギー発症に関与することが明らかになった.

  • 水村 和枝
    2000 年 1 巻 1 号 p. 41-44
    発行日: 2001/03/31
    公開日: 2023/03/25
    ジャーナル フリー

    外的環境や生体内部の侵害的な変化を検出する侵害受容器は、侵害的環境・刺激の存在を警告し、損傷から守る生体の警告信号防御系として個体の生存にとって必須である。この受容器の活動は炎症部位に生じる変化、特に炎症メディエーターや交感神経活動によって感作される。これが火傷をした後は風呂に入っても痛い、といった痛覚過敏が起こる神経機構のひとつである。このレビューの前半では、内臓のポリモーダル受容器(侵害受容器の一つ)の炎症メディエーター(ブラジキニン、プロスタグランジンやヒスタミン)による感作を総説した。プラジキニンはそれ自身でもポリモーダル受容器に興奮を引き起こすが、より低い濃度で熱反応を感作する。ともにB2受容体と介する効果である。プロスタグランジンE2はそれ自身はポリモーダル受容器に興奮を引き起こすことはまれであるが、プラジキニン反応を増強し、熱反応は100倍高い濃度で増強する。ブラジキニン反応の増強はEP3受容体を介し、熱反応の増強はEP2受容体を介して生じていることが明らかになった。ヒスタミンはそれ自身で興奮を起こし熱反応も増強し、関わる受容体H1であることが明らかにされた。交感神経興奮(またはノルアドレナリン)も感作を起こすものの一つであるが、後半ではこれが気象変化による疼痛増悪の機構にかかわっていることを、行動実験の結果から示した。神経を絞扼した慢性疼痛モデルラットを低圧(大気圧から20mmHgの低下)や低温(15℃)にさらしたときに疼痛反応が増悪されることを示し、また低圧の効果は交感神経切除により消失することから、交感神経活動が重要な役割を担っていることを示した。神経損傷動物では交感神経活動がポリモーダル受容器に興奮を引き起こし、また感作することが知られているので、おそらく低圧によって交感神経が興奮し、それがポリモーダル受容器の興奮を引き起こし、感作したのであろうと考えられ。先進工業国では家庭にも職場にも空調が広く普及し、外界との聞に大きな温度差を生み出している。特に工場では材料や機械のための空調がされ、これらが新たに痛みの発生源となり、また慢性の痛みを有する入にとっては痛みを増悪する原因となっている。環境変化による痛みの増悪する機構を明らかにすることは、慢性痛に悩む人々に新たな救いをもたらすと考えられる。

  • 斎尾 恭子
    2000 年 1 巻 1 号 p. 45-47
    発行日: 2001/03/31
    公開日: 2023/03/25
    ジャーナル フリー

    食料を生産地から消費に至る過程で考えるフードシステムは,女性の活動と密接に関係している。社会経済的状況の急速な変化にともない,食品工業,外食産業が著しく発展した。そしてホームミールリプレースメント,すなわち,家庭での調理の大半を食品産業に肩代わりさせる傾向が進んでいる。日本型食生活は多様な食材料を消費することにより,平均的にはバランスのとれた栄養価を摂取している。そのため,世界で最も長寿であることが国際的に注目を浴びている。しかしながら,その食生活は崩れかかっていて,若い世代において特に著しい。また,上記のような風潮は産業および一般廃棄物の急激な増加を招いている。このような状況の中で,個々の女性が適正な食生活を維持し,廃棄物の処理にカを注ぐこと,そして更にまた,自らの考えと主張を通して環境と調和したフードシステムの分野に参加することが重要であると考える。

  • 桑原 雅子
    2000 年 1 巻 1 号 p. 48-52
    発行日: 2001/03/31
    公開日: 2023/03/25
    ジャーナル フリー

    日本では科学技術者に占める女性のシェアは,現在もたかだか10%に過ぎない。なぜこのように女性の進出がおくれたのか,その原因を明らかにすることが,この小論の目的である。通常,遅滞の原因は,封建遺制,儒教の影響などわが国固有の歴史と文化に帰せられる。しかし,主要な理由は遠い過去にあるのではなく,第2次世界大戦後,とりわけ経済の高度成長期にあらたに形成された社会・経済システムとそのなかで強化された「科学技術は男の領域」という思想にあると著者は主張する。第2次大戦後,日本の女性労働には異なる二つのステージが存在した。第1ステージは,1950年代後半から1970年代はじめまでの重工業化社会の完成期における専業主婦化の進行であり,「男は仕事に,女は家庭に」という家族の価値が強調された。次のステージ,1970年代から80年代にかけてのハイテク産業の興隆期には既婚女性の職場進出が顕著になった。両ステージの妥協の結果が,いわゆるM字型曲磁の女性就業構造である。このようなパターンの定着は,仕事の継続が必須である女性研究者のキャリア形成にとって大きなプル要因であった。また,第2ステージは,社会における科学技術のウエイトがこれまでになく増した時代であり,80年代には「科学技術創造立国」が国是となった。そのなかで,もともと科学と科学コミュニティがもっていたマスキュリニティな性格が強化され,「科学技術に女性は不適」という神話が,若い女性を科学技術から遠ざけた。女性の高等教育進学率は―貫して増加してきたが,専攻分野の偏りは先進国のなかでもとくに著しい。ここでは,典型的な例として物理学における女性の問題,物理教育のジエンター・バイアスについて考察する。

  • 演中 すみ子, 山口 陽子, 大島 美恵子
    2000 年 1 巻 1 号 p. 53-56
    発行日: 2001/03/31
    公開日: 2023/03/25
    ジャーナル フリー

    医学部において女子学生と女性教官の占める推移について調べた。日本の過去20年間とアメリカの過去10年聞について調べ,比較検討した。学生については1987年の日本の女子学生数は19.7%であり,1988年のアメリカにおいては33.4%であった。10年間の聞に医学部女子学生数は増加し,1997年の日本では30.3%,アメリカでは42.6%であった。同様に女性教官数も増加の傾向にあった。特にアメリカにおいて顕著であり,すべての職位において40%の培加を示した。しかしながら女性教授の増加は鈍く女性講師は33.5%を占めているのに対し教授は10.4%にとどまっている。一方,日本の女性教官数はアメリカに比較して著しく少なく総教官数でも9.4%,女性教授はわずか2.8%にすぎなった。このことは女子医学生は順調に増加しているにもかかわらず,スタッフとしての女性の進出は著しく低いことを示している。

  • 吉祥 瑞枝
    2000 年 1 巻 1 号 p. 57-60
    発行日: 2001/03/31
    公開日: 2023/03/25
    ジャーナル フリー

    日本の中等教育,中学及び高校(12-18才)における青少年の理科クラブ活動,課外活動の研究作品である,日本学生科学賞の1957年から1996年,過去40年間3,151点を分析した。

    研究参加作品のうち女子の割合は40年間で2.5倍である。女子学生の割合36%と積極的な科学研究取り組みがみられる。とくにこの10年は女子中学生の科学研究の取り組みの増加が著しい。

    科学研究作品の科目の割合は中学,高校ともに生物が半分を占め,残りを化学,地学と物理でわかちあっている。この傾向は過去40年間変わっていない。高校で女子学生は化学40%,生物30%,地学22%,物理8%。中学女子学生も化学28%,生物27%,物理22%,地学14%となっている。女子学生は研究課題として化学,生物を選んでいる。さらに,生物の中では中高校とも女子学生は課題に植物を,男子学生はより動物を選ぶ傾向がある。

  • 笹川 澄子
    2000 年 1 巻 1 号 p. 61-64
    発行日: 2001/03/31
    公開日: 2023/03/25
    ジャーナル フリー

    本論文では,初期放射能研究の初期に活躍したカナダ女性核科学者ハリエット・ブルックスの伝記を紹介し,女性科学者とマタイ効果について述べる。ハリエット・ブルックスが生きた19世紀と20世紀の狭間という時代における初期核科学研究のエポックを述べ,人文社会科学的な課題にも言及する。

功労賞・奨励賞
NEWS I
NEWS II
NEWS III-1 / III-2
  • 吉祥 瑞枝, 数野 美つ子
    2000 年 1 巻 1 号 p. N3-N6
    発行日: 2001/03/31
    公開日: 2023/03/25
    ジャーナル フリー

    欧州委員会は女性の科学研究への参画を推進するため,2つの目標を設定した。第一は各EU加盟国で女性の科学への参画に関する議論を喚起するとともに,経験を交流すること。第二に,第五次総合研究開発計画など,EU資金による研究プロジェクトにおける女性の参加を促がすことである。特に,マリー・キュリー奨学金においては女性科学者の割合が40%となることを目指している。

    新世紀にむけて,女性と科学研究の新たな局面の展開が期待されている。なお,15ヶ国における科学分野で活躍する女性の統計数字をうることは容易でないと報告されている。EU加盟15ヶ国の現状を簡単に紹介

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