日本女性科学者の会学術誌
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11 巻 , 1 号
選択された号の論文の8件中1~8を表示しています
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総説
  • 高橋 まさえ
    原稿種別: 総説
    11 巻 (2010) 1 号 p. 4-12
    公開日: 2011/09/21
    ジャーナル フリー
    本総説では、高機能性ケイ素π電子ナノ材料の厳密に本来のπ電子をもつ基本単位の構築に関する我々の第一原理計算による研究を紹介する。ケイ素は炭素と同族であるが、不飽和ケイ素化合物の構造は不飽和炭素化合物と異なりいわゆる非古典的であることが知られている。即ち、ケイ素二重結合および三重結合化合物はトランス折れ曲がり構造をしており、ケイ素六員環は椅子型構造をしている。我々は、最近、従来のアルキル基、アリール基などの置換基のかわりに電子を使うことで、直線型D∞h対称性ケイ素三重化合物やD6h対称性ケイ素六員環など厳密に本来のπ電子をもつ基本単位を理論的に設計することに成功した。主に我々の発見をまとめるとともに、ケイ素π電子系の古典的構造を実現するための鍵となる点について議論する。
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  • 吉田 麻衣子, JT-60チーム
    原稿種別: 総説
    11 巻 (2010) 1 号 p. 13-18
    公開日: 2011/09/21
    ジャーナル フリー
    核融合反応によるエネルギーを効率よく得るには、高性能のプラズマ(プラズマの密度と温度、プラズマの安定性、プラズマエネルギーの閉じ込め性能、プラズマ純度が高い状態)の生成と維持が必要である。我々が扱うプラズマはドーナツ型をしており、接線方向に数百km/s の早さで回転している。近年、このプラズマの回転が上記の高性能プラズマの実現に、重要な役割を担っていることが分かってきた。しかし、プラズマ回転の空間構造(分布)は、様々な物理機構(過程)からが決まってくる複雑さのゆえ、核融合研究の長年の課題であった。本研究では、独自の摂動輸送実験と解析手法を用いることで、その一つ一つの過程を切り分けて特性を調べるアプローチをとった。このアプローチにより、高速イオンの損失に伴うプラズマ回転の駆動機構、プラズマ回転速度と密度の積である運動量の輸送(拡散項と対流項)、プラズマが自ら回る自発回転について、個々の特性とプラズマ回転の空間構造(分布)に与える影響を明らかにした。
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  • 山口(藤田) 陽子, 高崎(松本) 綾乃, 酒井 恵子, 湯浅 徳行
    原稿種別: 総説
    11 巻 (2010) 1 号 p. 19-28
    公開日: 2011/09/21
    ジャーナル フリー
    近年、実験科学分野で、様々なタンパク質の同定や相互作用の解明に、各種の抗体が活用されてきた。また、分子標的治療薬としてこれまで数々の抗体医薬が開発されてきている。糖鎖は、種の間でも保存されているために抗原性が低く、親和性の高い有用な抗体の取得が極めて困難であった。筆者らは、この困難を克服するために、ファージディスプレイ法により生体外でヒト型の糖鎖特異的抗体の産生を試みた。これまでに得られていないマンノース非還元末端結合性抗体及びがん抗原結合性抗体などを取得し、糖鎖特異的抗体として親和性が高いなどの結果を得た。ファージディスプレイ法は、抗体遺伝子を取得でき、その改変が容易であるという利点があるが、有用な抗体の作製には、遺伝子から抗体タンパク質の発現・精製・解析をすることが必須である。この抗体タンパク質の発現・精製過程で明らかになった、糖鎖特異的であるがために起こるとも言える問題点を含め、研究全般の概説をする。
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  • 馬越 芳子, 秦 珠子, 木原(山本) 眞実, 永易 健一, 田中 稔久, 馬越 淳
    原稿種別: 総説
    11 巻 (2010) 1 号 p. 29-43
    公開日: 2011/09/21
    ジャーナル フリー
    生物が作る生体高分子は、多量の化石燃料を必要とせずに、太陽エネルギー、水、酸素、炭酸ガスや金属イオンを酵素の低いエネルギーの作用で作られる。地球温暖化を防ぐために、カイコが繊維を作る方法を学び、低エネルギーでの高分子合成と繊維形成を構築することが必要である。カイコは紡糸口から、数十種の紡糸方法が精密に制御された超ハイテク技術でスーパー繊維を作っている。乾式・複合・液晶・倦縮・多孔質・高速・ゲル-ゾル転移・イオン制御・自力・自動制御・傾斜紡糸、ゾーン延伸、二酸化炭素固定、低エネルギー紡糸などの幾つもの紡糸方法が巧みに組みあわさり、フィブロイン分子を精密に自動制御配向させながらシルクを作っている。これは合成繊維が数種の方法で、高いエネルギーを用いるのに反し、生物は非常に合理的な、巧妙な方法で、タンパク質をうまく制御しながらエネルギーの消費の少ない方法で糸を作っている。生物の紡糸工場の低エネルギー技術を工業的に取り入れた新たな超合成繊維を作る基礎資料となる。さらに、カイコが糸を形成する際、TCAサイクルを用い、大気中の二酸化炭素を糸の中のアミノ酸、グリシン、アラニン、セリン、アスパラギン酸に取り込むことを、世界で初めて明らかにした。
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  • 稲田 明理
    原稿種別: 総説
    11 巻 (2010) 1 号 p. 44-50
    公開日: 2011/09/21
    ジャーナル フリー
    最近の研究で、一旦糖尿病を発症し、罹病期間が長期化する程、β細胞数は減少することが分かってきた。したがって、β細胞を新生・増加させ、根本的な治療へとつながる基礎研究が重要であると考えられる。本総説では、β細胞の新生と著者らの研究成果を解説する。著者らは「β細胞に新生して増殖する能力がある」ことを証明するため、成体マウスのβ細胞を高濃度のストレプトゾトシン投与によりほぼ完全に破壊した後、血糖値を正常化して、膵臓内のβ細胞の複製・新生を検討した。血糖値の正常化には、1日に2回のインスリンデテミル(持続型ヒトインスリンアナログ)注射と膵島移植を用いた。結果、インスリンデテミル注射は高血糖を効率的に改善することができ血糖管理には有効であったが、β細胞の新生や増加、膵島形態の回復は見られなかった。対照的に、膵島移植により高血糖が改善した群では、β細胞数と膵島数が増加し、膵島組織が大幅に回復していた。この膵島組織回復には新生と複製の両方が関わっていた。β細胞に対するインスリンデテミルの効果は膵島移植とは大きく異なっており、膵島移植はβ細胞の新生と複製を誘発する引き金となる可能性がある。
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  • 稲田 扇
    原稿種別: 総説
    11 巻 (2010) 1 号 p. 51-56
    公開日: 2011/09/21
    ジャーナル フリー
    2型糖尿病患者の1人あたり年間外来医療費及び1回あたり外来医療費は、合併症なし130,473 ± 104,147 (Mean ± SD) 円及び13,046 ± 7,568円、合併症1種類151,431 ± 130,529円及び16,206 ± 10,777円、2種類240,088 ± 148,022円及び18,357 ± 10,409円、3種類263,150 ± 141,754円及び23,739 ± 11,068円、4種類355,343 ± 177,080円及び30,822 ± 16,148円である。透析患者の1人あたり1ヶ月医療費は428,609 ± 40,876円である。Quality Of Life (KDQOL-SF :腎疾患特異的尺度+包括的尺度) の総合評価は、糖尿病ではない透析患者 (透析非糖尿病患者) 63.94 ± 15.96点、糖尿病の透析患者 (透析糖尿病患者) 47.32 ± 17.39点である。透析糖尿病患者と透析をしていない糖尿病患者 (非透析糖尿病患者) の両者を併せてSF36 (包括的尺度) のスコアを合併症別にみると、合併症なし73.09 ± 9.57点、合併症1種類67.71 ± 8.33点、2種類60.17 ± 8.61点、3種類37.94 ± 9.24点、4種類36.42 ± 14.52点と合併症数が増えるにつれてスコアが低くなる。KDQOL-SFでは、罹病期間が短い透析糖尿病患者の方が透析非糖尿病患者よりすべての項目においてスコアが低いことから、糖尿病をもつ患者が透析を導入した場合、QOLへの悪影響がより大きいといえる。つまり、短期間でQOLを急激に下げ、医療費を一気に押し上げる透析に至らせないように糖尿病患者の教育指導を強化することが重要なポイントである。QOLや医療費削減には、近年、政府が力を入れている糖尿病の1次予防だけでなく、2次・3次予防も共に進めていくことが必要である。
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原著論文
  • 河西 亜希子
    原稿種別: 原著論文
    11 巻 (2010) 1 号 p. 57-64
    公開日: 2011/09/21
    ジャーナル フリー
    これまで、生物を構成するアミノ酸はL-体が主体であると考えられてきた。しかし近年、L-アミノ酸の光学異性体であるD-アミノ酸の生体内での機能が明らかになりつつある。本研究では、加齢とともに発症リスクの高まるアルツハイマー病に注目し、アルツハイマー病関連タンパク質に含有されるD-アミノ酸の加齢に伴う量の変化を解析した。実験にはアルツハイマー病のモデル動物である老化促進モデル動物SAMP8系統(SAMP8)を用いた。加齢の進んだSAMP8大脳から抽出したアルツハイマー病関連タンパク質のうち、タンパク質脱リン酸化酵素であるPP1CにおいてD-アスパラギン酸とD-セリンの量が増加していることが明らかになった。PP1Cはアルツハイマー病の原因分子のひとつであるTauの脱リン酸化作用を持つことから、D-アミノ酸含有PP1Cの生理活性低下と、アルツハイマー病との間に何らかの関連性があることが示唆された。
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短報
  • 大浦 麻絵, 森 満, 和泉 比佐子, 鷲尾 昌一
    原稿種別: 短報
    11 巻 (2010) 1 号 p. 65-68
    公開日: 2011/09/21
    ジャーナル フリー
    本研究では在宅要介護高齢者の入院・入所のリスク要因を検討した。追跡研究は札幌市内の7訪問看護ステーションで実施した。2008年10月に、86組からインフォームドコンセントが得られた。その内、15人の要介護高齢者は64歳以下であったので除外し、解析は71組で行った。2名が追跡期間中に死亡したが、在宅介護は成功したと考えて解析に含めた。追跡は6か月行い、郵送法で家族介護者から介護状況を確認した。女性介護者は男性介護者に比べ入院・入所のリスクは低かった(HR=0.17, 95%CI=(0.04, 0.80))。本追跡研究は現在も継続しているので、将来の追跡結果も報告したい。
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