日本女性科学者の会学術誌
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12 巻 , 1 号
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総説
  • 杉浦 美羽
    原稿種別: 総説
    12 巻 (2012) 1 号 p. 1-10
    公開日: 2012/07/03
    ジャーナル フリー
    植物やラン藻の光合成電子伝達系による太陽光エネルギーの化学エネルギーへの変換、および、それに伴う水の酸化は非常に効率的であり、これらの機構を分子レベルで理解することは、昨今、深刻な問題となっている環境とエネルギー問題の解決を考える上で非常に重要である。しかし、分子レベルでの光合成機構に関しては、未だ不明な点が多く、特に、電子伝達系の電子を取り出すための水の酸化反応、および、電子伝達に関わるコファクターの酸化還元電位と周辺の分子構造との関係については未だ不明な点が多い。本総説では、特に、光合成によるエネルギー変換の初発反応を担う光化学系IIに焦点をあて、現在までに明らかにされてきた水の酸化機構および光合成電子伝達について解説し、更に、光化学系IIを利用したエネルギー創製へ向けた応用研究について紹介する。
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  • 長瀬 美樹
    原稿種別: 総説
    12 巻 (2012) 1 号 p. 11-21
    公開日: 2012/07/03
    ジャーナル フリー
    アルドステロン/鉱質コルチコイド受容体(MR)系は、従来腎遠位ネフロンでのNa再吸収を司り、生体の体液量・電解質バランス・血圧のホメオスタシス維持に関与すると考えられてきたが、近年その臓器障害作用が注目されている。筆者らは、アルドステロン/MR系の過剰活性化がメタボリックシンドロームに伴う腎障害の病態に関与するか否かを検討した。メタボリックシンドロームを呈する高血圧ラットSHR肥満ラットでは肥満のない高血圧ラットSHRと比べ、早期より足細胞障害、蛋白尿が認められた。本ラットでは血中アルドステロン濃度が高く、腎でのアルドステロン/MRカスケードの賦活化が足細胞障害や蛋白尿に寄与していた。また本モデルのアルドステロン過剰には脂肪細胞由来因子の関与が示唆された。さらに肥満に塩分過剰摂取が加わると、血中アルドステロン濃度は低下するもののMR活性化は増強し、心・腎臓器障害は著しく悪化した。こうした臓器障害に対してMR拮抗薬が有効であった。一方、血中アルドステロン濃度が高くない状況でもMR活性化が臓器障害を惹起しうる。このようなアルドステロン非依存的な新たなMR活性化因子として、筆者らは低分子量G蛋白Rac1を同定した。腎臓特異的にRac1が活性化されるRhoGDI α KOマウスはアルブミン尿、足細胞障害、糸球体硬化を発症し、これらはRac阻害薬により改善するが、Rac1によるMR活性化が本モデルの腎障害に深く関与することが示された。この”Rac1によるMR活性化”は、メタボリックシンドロームやアンジオテンシンII・食塩による腎障害、Dahl食塩感受性高血圧、酸化ストレスによる心障害にも関わっていた。以上、メタボリックシンドロームでは心・腎障害が進展しやすく、その過程にアルドステロン依存性経路ないしRac1を介するようなアルドステロン非依存性経路によるMR活性化が重要な役割を担うものと考えられた。今後、メタボリックシンドロームの心腎合併症に対する新たな治療薬として、MR拮抗薬やRac阻害薬のようなMR活性制御薬の開発が期待され、また大規模臨床試験での長期予後改善効果の実証が待たれる。
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  • 大和田 操, 北川 照男
    原稿種別: 総説
    12 巻 (2012) 1 号 p. 22-31
    公開日: 2012/07/03
    ジャーナル フリー
    以前は、小児に見られる糖尿病は急激に発症する1型糖尿病(インスリン依存型糖尿病、IDDM)であると考えられてきたが、日本では1970年代、小中学生、即ち学童の尿糖検査による糖尿病集団検診が行われるようになり、成人期の疾患と考えられていた2型糖尿病(インスリン非依存型糖尿病、NIDDM)が少なくないことが明らかにされた。1型糖尿病の発生頻度が著しく低いわが国では、一般のみでなく、医療従事者の知識が乏しく、小児1型糖尿病の長期予後は、欧米に比べて極めて悪かったが、1980年代に入ると、小児糖尿病の国際研究が開始され、現在では、その予後が改善されてきた。一方、わが国からの報告以後、欧米においても小児2型糖尿病について関心が持たれるようになった。本稿では、これまでの40年間における、我が国の小児糖尿病臨床研究について概説したい。
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原著論文
  • 阿部 美紀子, 大嶋 恵理子, 酒井 祥太, 平林 義雄, 土田 哲也, 濱中 すみ子
    原稿種別: 原著論文
    12 巻 (2012) 1 号 p. 32-43
    公開日: 2012/07/03
    [早期公開] 公開日: 2012/02/28
    ジャーナル フリー
    毛は皮膚の付属器で、生涯を通して成長と退縮を繰り返す。近年、毛周期の研究が急速に進展し、毛形成に関与する多くの細胞系やシグナル伝達系が明らかになってきた。毛形成と毛周期に脂質の関与が示唆される報告があいついでいる。特に、スフィンゴ脂質は細胞膜の主成分であり、シグナル伝達分子であることから関心が持たれているが、毛の生化学的分析はなされていない。
    今回、我々は、スフィンゴ脂質を中心としたマウス毛の脂質分析を行った。マウス毛にはセラミド、グルコシルセラミド、スフィンゴミエリンが存在していた。毛セラミドにはジヒドロスフィンゴシンを持つ分子が多く、表皮バリアの必須分子であるアシルセラミドは認められなかった。毛セラミドの主要分子は炭素鎖20の飽和脂肪酸ジヒドロスフィンゴシンであった。グルコシルセラミドには炭素鎖18の飽和および不飽和脂肪酸を含む分子が多く、長鎖アルファヒドロキシ脂肪酸も認められたが、毛幹ではヒドロキシ脂肪酸を含む分子が少なかった。アシルグルコシルセラミドは殆ど認められなかった。セラミドとグルコシルセラミドが毛包と毛幹のいずれにも存在するのに対し、毛幹にスフィンゴミエリンは殆ど認められなかった。スフィンゴミエリンの脂肪酸は炭素鎖16、18および24の飽和脂肪酸が主成分で、少量の炭素鎖16アルファヒドロキシ脂肪酸も含まれていた。
    毛におけるセラミドとグルコシルセラミドおよびスフィンゴミエリンは、代謝過程も機能も異なっていると考えられる。
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私の歩んだ研究生活
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