日本女性科学者の会学術誌
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最新号
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原著論文
  • 塩満 典子, 本間 美和子, 山田 惠子, 清水 美穂, 跡見 順子
    2022 年 22 巻 p. 86-106
    発行日: 2022年
    公開日: 2022/07/01
    ジャーナル フリー

    「第2次男女共同参画基本計画」(2005年12月閣議決定)では、科学技術分野は新たな取組が必要な分野として位置づけられ、女性研究者の採用の促進を図るための数値目標(目安:自然科学系全体として25%)が初めて設定された。これを受け、2006年度以降、女性研究者活躍促進のための施策が予算化された。しかし、我が国の研究者全体に占める女性比率は17.5%(2021年3月末現在)であり、国際的に見て極めて低い。また、上位職階では女性比率は更に減少する。この状況認識を背景に、一般社団法人日本女性科学者の会(SJWS)は、2021年9月26日に「女性科学者への期待なぜ女性科学者が増えないか」をテーマにシンポジウムを行い、提言を取りまとめた。本稿では、同年10月にSJWSが取りまとめた提言及びその基となったパネルディスカッションの内容の解説、並びに2005年3月に行われた提言内容との比較分析を行い、学術団体として行う提言活動の意義と今後の課題について考察する。

総説
  • 近藤 科江
    2022 年 22 巻 p. 1-4
    発行日: 2022年
    公開日: 2022/01/10
    ジャーナル フリー

    一般社団法人日本女性科学者の会(SJWS)は、1958年創立以来、国内の女性科学者の活躍推進やSTEM(科学・技術・工学・数学)教育の支援活動、男女共同参画ネットワーク構築のために数々の先駆け的な取り組み開始し、多くの女性研究者の環境改善・プロモーションに貢献してきました。それと並行して、国内外の志を同じくする団体と連携して国際的なネットワーク構築においても、日本を代表する活動を続けています。ここでは、これまでのSJWSの国際活動を振り返って、その功績を総括するとともに、現在SJWSが参画している国際的な団体と、その活動を通して実施している国際的な取り組みについて紹介します。

  • 木村 了, 沼澤 朋子
    2022 年 22 巻 p. 5-9
    発行日: 2022年
    公開日: 2022/01/10
    ジャーナル フリー

    「日本女性技術者科学者ネットワーク」は、日本と世界の女性技術者と科学者の交流、連携を支援するため組織化されたグローバルネットワークの日本登録団体である。その活動は国際会議に参加するだけでなく、日本開催の際には主催団体として対応し、日本の次世代女性技術者・科学者のキャリア育成や、女子中高校生たちへの理工系への進路選択の支援活動も行っている。本稿では、その成り立ち、およびこれまでの活動と現在の活動を紹介する。

  • 宮本 悦子, 今西 哲, 黄 麗娟
    2022 年 22 巻 p. 19-24
    発行日: 2022年
    公開日: 2022/01/10
    ジャーナル フリー

    がん遺伝子パネルの保険収載により、本格的にプレシジョン医療の時代が到来したが、有効な分子標的薬が存在しない変異は未だに数多く残されている。疾患関連タンパク質の75%程度は阻害剤の設計が困難なアンドラッガブルターゲットであると考えられている。アンドラッガブルターゲットを攻略できる戦略として、標的タンパク質を分解に導くタンパク質分解技術が注目されている。しかし、技術上の困難から、真にアンドラッガブルなタンパク質の分解には未だ成功していない。我々は、独自に開発したケミカルノックダウン技術CANDDYを用いて、代表的なアンドラッガブルターゲットKRAS変異体の分解に成功した。本稿では、KRAS分解剤を例に、CANDDYを用いた新しい創薬戦略を紹介したい。

  • 取井 猛流, 木下 菜月, 浦野 諒人, 三好 大輔, 川内 敬子
    2022 年 22 巻 p. 25-35
    発行日: 2022年
    公開日: 2022/01/10
    ジャーナル フリー

    分子生物学の研究が飛躍的に進歩し、分子標的薬の開発や治癒が困難であった様々な疾患に対する治療法が確立されてきた。一方で、標的タンパク質を同定できたとしてもタンパク質の構造上の特徴などから、標的とすることが難しいケースも依然として多い。そこで注目されているのが核酸を狙った分子標的薬である。特に、核酸の代表的非標準構造であるグアニン四重らせん構造(G-quadruplex: G4)を標的とした薬剤の探索が進められ、新たながん治療法への応用が期待されている。本総説では、G4が標的分子として注目されている理由、そして光増感能を持つG4リガンドのがん光線力学療法への応用について我々の研究を中心に紹介する。

  • 武 洲
    2022 年 22 巻 p. 36-41
    発行日: 2022年
    公開日: 2022/01/10
    ジャーナル フリー

    高齢人口の急増に伴い、世界の認知症人数は20年以内に1億6千万を超えると推測されており、認知症の7割を占めるアルツハイマー型認知症(Alzheimer’s disease, AD)の9割は加齢に伴い発症している。AD脳の病態にはアミロイドβ(Aβ)蓄積と凝集による老人班形成、Tau蛋白質過剰リン酸化による神経原線維変性およびミクログリア活性化による脳内炎症がある。一方、リウマチ関節炎などでみられる全身炎症は脳内炎症を誘発し、AD発症とその進行を促す。歯周病病原菌P.gingivalisの成分がAD剖検脳に検出されることから歯周病がAD増悪因子として注目されている。私たちは独自に構築した解析手法を用いて、長年歯周病のAD誘発と病態への関与解明に取り込んでいる。本稿ではADにおける全身炎症の関わりを概説するともに、これまで明らかにした歯周病のADへの関与メカニズムを解説する。

  • 有澤 美枝子
    2022 年 22 巻 p. 69-79
    発行日: 2022年
    公開日: 2022/01/10
    ジャーナル フリー

    高度で精密な生物機能の発現と調節の観点から、酸素・窒素と似て非なるイオウ・リンなどの第3周期以降の重ヘテロ元素を含む有機重ヘテロ元素化合物の触媒合成を基盤とした新しい化学領域を開拓した。安価なイオウ単体の直接利用法・塩基を使わない省エネルギー反応・可逆反応による有機重ヘテロ元素化合物の合成などの新しい合成方法論を提供した。加えて、一般に有機溶媒中で行われる遷移金属触媒反応を水中均一系で実施して、合成ペプチド・タンパク質の触媒的な化学修飾に展開した。これらの知見を基に酵素やタンパク質の動的挙動に着目して、生体親和性が高く柔軟な構造として2種の異なる複素環を1または3原子のヘテロ原子リンカーで連結した「非対称ビス複素環構造」を分子設計して、 in vivo で活性を有する新しい医農薬剤の開発研究を実施した。このような医農薬剤開発のアプローチは世界的に見て例がなく先導的である。

随想
報告
  • 板倉 明子
    2022 年 22 巻 p. 15-18
    発行日: 2022年
    公開日: 2022/01/10
    ジャーナル フリー

    国際純粋・応用物理学連合・女性物理学国際会議(IUPAP ICWIP)はIUPAPのワーキンググループWG5として活動しているWomen in Physicsが開催する3年に1回の国際会議である。日本には一般社団法人日本物理学会と、公益社団法人応用物理学会の二つの物理学系の学会があるため、双方が連携する日物応物連絡会として第7回IUPAP-ICWIPに参加し、女性物理学者の環境について発表したので報告する。

  • 野呂 知加子, 服部 梓, 板倉 明子
    2022 年 22 巻 p. 56-58
    発行日: 2022年
    公開日: 2022/01/10
    ジャーナル フリー

    女子中高生夏の学校(夏学)2021は、NPO法人女子中高生理工系キャリアパスプロジェクト(GSTEM-CPP)の主催、男女共同参画学協会連絡会の協力により、Zoomを使ったオンライン開催で8月8日(日)と9日(月)の2日間で行われた。全国から127名の女子中高生が参加し、26名の女子大学生および大学院生スタッフ(TA)、200名以上の理工系分野の協力学会、大学、高校および企業から派遣された実行委員、プログラム運営スタッフの協力のもとで、2日間のプログラムがとり行われた。日本女性科学者の会(SJWS)は、企画・運営、および進学&キャリア情報カフェ、実験とポスター・キャリア相談に参加し、多くの女子中高生と交流して、理系キャリアや科学の面白さを伝えた。

開催報告
コラム
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