Skin Cancer
Online ISSN : 1884-3549
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22 巻, 2 号
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  • 高木 恵美子, 西口 健, 時女 和也, 波部 幸司, 袴田 新, 磯田 憲一, 水谷 仁
    2007 年 22 巻 2 号 p. 96-100
    発行日: 2007/11/30
    公開日: 2010/08/05
    ジャーナル フリー
    67歳男性。27年前, 左大腿部に熱湯にて熱傷を受傷し保存的に治療。2001年同部に色素沈着と疼痛出現。その半年後, 同部の浮腫が出現し色素沈着拡大。2003年8月, 当科を受診。入院時, 左大腿は浮腫があり手拳大の熱傷瘢痕を中心に褐色の紅斑が広がる。皮膚生検にて異型性の強い腫瘍細胞が管腔を形成しつつ増殖しており, 出血像を認めた。免疫染色にて腫瘍細胞はFVIIIおよびCD34陽性で血管肉腫と診断。電子線照射とDocetaxel投与の併用で紅斑および浮腫は軽快し, 部分緩解を得た。Docetaxelの継続投与を行い, 腫瘍の拡大や遠隔転移は認めなかった。
  • 中藤 奈美, 高沢 裕子, 古賀 弘志, 林 宏一, 河内 繁雄, 高田 実, 斎田 俊明, 浅野 功治, 福島 万奈
    2007 年 22 巻 2 号 p. 101-104
    発行日: 2007/11/30
    公開日: 2010/08/05
    ジャーナル フリー
    78歳女。初診の約1年前, 上背正中部に母指頭大の紅色結節があるのに気付いた。徐々に増大してきたため近医を経て当科を受診した。当科初診時, 同部に38.6×29.6mm大の辺縁やや不整で左右非対称性, 弾性硬淡紅色~淡紅褐色で軽度隆起する結節を認めた。被覆皮膚とは癒着し, 下床とは可動性のある皮内から皮下にかけての結節で, 表面は多少凹凸不整であった。組織学的には真皮浅層から皮下脂肪織にかけて, 類上皮細胞様~紡錘形状の多形性を示す腫瘍細胞が微細な膠原線維の増生を伴って疎に増殖していた。病変内には巣状のリンパ球浸潤が認められた。免疫染色にて腫瘍細胞はS-100とビメンチンが陽性で, CD34, α-SMA, デスミン, neurofilament, CK22, MART-1, HMB45は陰性であった。電顕的に腫瘍細胞内にメラノソームは検出できなかった。以上より, desmoplastic melanomaと診断し, 経過観察中である。
  • 田中 了, 藤原 愉高, 藤本 亘
    2007 年 22 巻 2 号 p. 105-110
    発行日: 2007/11/30
    公開日: 2010/08/05
    ジャーナル フリー
    poroid hidradenomaは管腔様構造への分化傾向が顕著なporoid cellの増殖を特徴とする比較的稀なporoid cell neoplasmである。60歳代, 女性の左頭頂部に10年前から徐々に増大してきた直径3cm大, 淡紅色のドーム状腫瘤で一部潰瘍化し, 滲出液や膿を伴った本症を報告する。臨床的に悪性を疑うも全摘標本における病理組織検査所見ではcysticな部位とsolidな部位が混在する全体的に境界明瞭な腫瘍であり悪性所見は認めなかった。solidな部位は円形の核と少ない細胞質からなるporoid cellと, 大型の核と好酸性の豊富な胞体をもつcuticular cellで構成され, 一部にはclear cellと呼ぶべき胞体の明るい細胞からなる部位もみられ, 大小の管腔様構造を認めたことより, poroid hidradenomaと診断した。免疫組織化学的所見では腫瘍細胞においてCK14, p53が80%以上の細胞で陽性。CK7, EMAが一部の細胞で陽性, CEAは陰性であった。エックリン真皮内汗管への分化を示唆する所見と考えられた。
  • 岩田 洋平, 臼田 俊和, 飯島 亜由子, 村瀬 由美, 東谷 薫, 村上 榮, 原 一夫
    2007 年 22 巻 2 号 p. 111-115
    発行日: 2007/11/30
    公開日: 2010/08/05
    ジャーナル フリー
    症例は58歳男性。既往歴に慢性B型肝炎あり。1996年頃から右臀部に小結節が出現し2003年頃から急速に増大して出血, 疼痛を伴うようになったため, 2005年3月15日当院を受診した。初診時, 右臀部にドーム状に隆起する14×13×6cm大の骨様硬の巨大腫瘤を認め, 中央は自潰していた。病理組織所見では, 腫瘍はbasaloid cell, shadow cell, およびsquamoid cellで構成されており, 大小不同で不整形な腫瘍巣の集合が不規則に間質内に浸潤していた。basaloid cellには核異型があり, 核分裂像も多く認められた。以上の臨床, 病理組織所見よりpilomatrix carcinomaと診断した。現在術後約2年3ヵ月経過し, 再発転移は認められていない。
  • 西川 深雪, 谷岡 未樹, 藤川 沙恵子, 松村 由美, 桜井 孝規, 是枝 哲, 宮地 良樹
    2007 年 22 巻 2 号 p. 116-119
    発行日: 2007/11/30
    公開日: 2010/08/05
    ジャーナル フリー
    76歳男性。40年前からあった下腿の皮膚腫瘍が次第に増大してきたため受診した。初診時, 右下腿前面に直径3cm, 表面に血痂・落屑を伴うドーム状隆起性皮膚腫瘍を認めた。下床との可動は良好であった。生検の病理組織像では, 真皮内に毛芽細胞様細胞の増生から構成される腫瘍が認められた。著しい細胞異型がみられないこと, 腫瘍と表皮の間に連続性がないこと, 毛球を模倣する構造がみられること, 裂隙は間質内にありFibroepithelial unitが存在すること, などの所見からTrichoblastomaと診断した。術中所見は, 境界明瞭で表皮嚢腫のように鈍的剥離で核出可能であった。しかし, 全摘標本の病理組織像の一部には, 腫瘍細胞の壊死, リンパ球浸潤および, 間質と細胞巣の間にクレフトが認められ, BCCにみられる所見に合致していた。腫瘍の大部分は皮膚生検時と同様の組織像であり, 緩徐な臨床経過と術中所見を併せてTrichoblastomaと診断した。BCCに類似した組織像は皮膚生検部の瘢痕周囲にみられたため, 皮膚生検により修飾されたのかもしれない。追加切除は行わなかった。術後1年9ヵ月経過したが, 再発はない。
  • 平田 結衣, 清原 忠彦, 東 耕一郎, 伊木 まり子, 森脇 真一, 清金 公裕
    2007 年 22 巻 2 号 p. 120-124
    発行日: 2007/11/30
    公開日: 2010/08/05
    ジャーナル フリー
    光線力学療法 (photodynamic therapy; PDT) は皮膚科領域において表在性皮膚悪性腫瘍に対する治療例が数多く報告され, すでにその有用性は確立されている。しかし, 光源として頻用されているエキシマダイレーザー (浜松ホトニクス) は高価かつ広いスペースが必要とされるため本邦では現在20数ヵ所に導入されているのみである。今回我々は表在性皮膚悪性腫瘍に対し, 比較的安価で移動も容易である直線偏光近赤外線治療器スーパーライザーTM (東京医研) を用いた5-aminolevulinic acid (ALA) 外用PDTを試みた。日光角化症患者6例, ボーエン病患者4例において, ほぼ全例に満足すべき効果を得た。ALA外用PDTは高齢者にも少ない肉体的負担で施行できる表在性皮膚悪性腫瘍に対する有効な治療法の一つであり, スーパーライザーTMを光源とすることで一般のクリニックでも試みても良い方法となる可能性が示唆された。
  • 土山 健一郎, 奥野 公成, 角田 孝彦
    2007 年 22 巻 2 号 p. 125-129
    発行日: 2007/11/30
    公開日: 2010/08/05
    ジャーナル フリー
    症例は74歳, 男性。初診の半年前から左殿部に赤色腫瘤が生じた。局所麻酔下に腫瘍辺縁から1cm離して紡錘形に切除を施行した。組織像は, 真皮内に類上皮細胞様細胞からなる腫瘍塊を認め, 一部の腫瘍細胞で細胞内管腔形成を認めた。核異型や核分裂像は乏しく, 免疫染色ではCD34と第VIII因子関連抗原で陽性であった。以上の所見よりEpitheolioid Hemangioendotheliomaと診断した。診断後に1cmの範囲で拡大切除術を施行した。術後半年が経過したが, 再発や転移は認めていない。
  • 鈴木 智子, 岩田 浩明, 雄山 瑞栄, 神谷 秀喜, 市来 善郎, 北島 康雄
    2007 年 22 巻 2 号 p. 130-135
    発行日: 2007/11/30
    公開日: 2010/08/05
    ジャーナル フリー
    当科で10年間 (1997~2006年) に経験した血管肉腫7症例をまとめ, 治療の変遷を検討した。
    年齢は66歳~93歳 (平均81歳) , 男6例, 女1例であった。原発部位は頭頂部が4例, 前額部1例, 頬部2例であった。以前の治療は紅色局面ないし結節から2~3cm離して切除し, 電子線やIL-2の併用を行っていた。ここ2年間の症例は可及的な切除 (植皮や皮弁は選択しない) , タキソイド系抗腫瘍剤, 電子線の併用を当科の3原則として行っている。
    治療開始後の生存期間は3ヵ月~2年 (平均11ヵ月) で, 4例が肺転移による呼吸不全で死亡している。経過観察期間が短く予後の評価にはいたっていない。今後の症例の集積のうえ, 治療指針の見直しが待たれる。
  • 浅井 かなこ, 平光 裕子, 米田 和史, 名倉 一夫, 山田 鉄也, 吉田 めぐみ
    2007 年 22 巻 2 号 p. 136-139
    発行日: 2007/11/30
    公開日: 2010/08/05
    ジャーナル フリー
    内臓悪性腫瘍の皮膚転移は比較的稀であり, 中でも臍への転移はSister Mary Joseph'snoduleとして知られており予後不良の徴候とされる。
    症例は79歳女性。平成17年3月から臍部に黒褐色の腫瘤を自覚していた。同時期より右下腹部痛があり精査目的で同年5月当院消化器内科入院。腹部CTにて膵体尾部に65×36mmの腫瘤像, 腹膜播種像, 採血にてCA19-9, DUPAN-2の著明な上昇を認め, 膵体尾部癌と診断。膀部の結節につき主治医より当科紹介され, 生検にて真皮内に中分化型の腺癌を確認した。膵体尾部癌の膀転移, すなわちSister Mary Joseph's noduleと診断した。
    積極的な治療は施行せず, 対処療法に終始した。腫瘤発生から6ヵ月後に永眠された。
  • 齋藤 典子, 堤田 新, 古川 洋志, 南本 俊之, 山本 有平
    2007 年 22 巻 2 号 p. 140-144
    発行日: 2007/11/30
    公開日: 2010/08/05
    ジャーナル フリー
    72歳女性。2001年1月頃, 左膝前面に皮下腫瘤が出現し徐々に増大した。2002年6月, 疼痛を伴ってきたため前医を受診した。生検により平滑筋肉腫の診断で, 同年7月に当科を受診した。初診時, 左膝前面に50mm×50mm, 弾性硬, 下床と癒着する皮下腫瘍を認めた。治療は拡大切除と下腿穿通枝皮弁による再建, 膝靭帯再建, 鼠径リンパ節生検を行った。病理組織学的診断は未分化肉腫でリンパ節に悪性所見を認めず, 術後補助療法は行わなかった。術後3ヵ月で左鼠径リンパ節転移と左大腿皮下転移を認め, 左鼠径リンパ節郭清と左大腿部拡大切除を行うとともに, 補助療法として放射線を照射した。その後, 感受性試験を基にした化学療法を行ったが, 左外腸骨リンパ節転移, 後腹膜腔・骨盤内再発を認め, 2005年2月に永眠された。
  • 澤田 昌樹, 笹田 佳江, 藤田 直昭, 山田 元人
    2007 年 22 巻 2 号 p. 145-148
    発行日: 2007/11/30
    公開日: 2010/08/05
    ジャーナル フリー
    今回我々は脂腺癌の1例を経験した。患者は66歳男性。平成12年6月に鼻部に小結節が出現。徐々に拡大し, 7月頃より急速に拡大し揖指頭大になった。8月に近医受診し, 生検にて脂腺癌と診断。9月1日に皮膚悪性腫瘍摘出術と皮弁形成術を施行した。断端陽性であり9月20日に追加切除を行った。以後外来フォローされていたが, 平成17年5月に同部位に結節出現。生検にて脂腺癌再発と診断。結節は鼻腔内にも突出しており鼻腔はほぼ閉塞していた。当院紹介となり平成17年6月15日に皮膚悪性腫瘍摘出術, センチネルリンパ節生検を行った。断端陽性であり, 6月30日に追加切除を行った。また術後radiation60Gy照射した。平成18年6月に胸部CTにて肺転移を認め, 平成18年9月より化学療法 (CDDP 15mg/m2/day, day1-5+5-FU800mg/m2/day, day1-5, lcourse) を5course施行している。
  • 嶋岡 弥生, 堀江 正樹, 鈴木 利宏, 濱崎 洋一郎, 籏持 淳, 山崎 雙次
    2007 年 22 巻 2 号 p. 149-151
    発行日: 2007/11/30
    公開日: 2010/08/05
    ジャーナル フリー
    74歳男性。約8年前恥骨部に腫瘤が出現。平成15年1月頃より急激に増大したため近医受診, 精査・加療目的に当科入院。恥骨部に15×15×8mmの淡紅色, 表面乳頭腫状, 弾性硬の腫瘤を認め両鼠径リンパ節を触知した。同年6月16日拡大切除術, 植皮術および両鼠径リンパ節郭清術施行。病理組織像, 免疫染色および全身検索の結果からClassic type of eccrine adenocarcinomaと診断。術後1年6ヵ月, 左外腸骨リンパ節に転移がみられたため, 放射線療法をtotal 50Gy施行し, その後Tamoxifen (20mg/day) の内服を開始した。CT上, 腫大したリンパ節の縮小がみられた。自験例は放射線療法後ホルモン療法を開始し, 両者の併用療法によってPRが得られたと考えられた。
  • 石原 剛, 増口 信一, 尹 浩信
    2007 年 22 巻 2 号 p. 152-156
    発行日: 2007/11/30
    公開日: 2010/08/05
    ジャーナル フリー
    縮小所属リンパ節郭清術の手技的な面からの可能性について述べる。方法は, SPECT/CT法および色素法を併用してSLNの輸入・輸出リンパ管を同定する。さらにSLNの輸出リンパ管に連続する2次リンパ節群を同定し, これらを一塊として切除する。SLNに転移陽性であっても2次リンパ節に転移を認めなければ, それ以上の郭清術は省略する。69歳男性の右項部の悪性黒色腫 (SLN転移陽性) で同法を行った。2年経過時点で再発, 転移を認めていない。縮小リンパ節郭清術は, 理論上および手技的にも可能であるが, 適応の決定については今後慎重に検討する必要があろう。
  • 苅谷 清徳, 渡辺 正一, 山本 あい, 久野 治人, 加藤 裕史, 馬場 二三八, 高橋 智, 千葉 高司, 森田 明理
    2007 年 22 巻 2 号 p. 157-161
    発行日: 2007/11/30
    公開日: 2010/08/05
    ジャーナル フリー
    77歳女性。2005年7月頃から左上腕に小結節が出現, 7月29日近医受診し, 増大するため11月28日生検した。病理でメルケル細胞癌 (疑) のため12月9日蒲郡市民病院を紹介受診し, 12月16日当科紹介された。初診時左上腕内側に1.5cm大の赤色結節あり。腋窩・肘窩リンパ節腫大なし。切除・植皮とRI法および色素法併用での腋窩センチネルリンパ節生検施行した。原発部は小型の異型な円形細胞からなり, CK20 (+) , chromogranin A (+) でメルケル細胞癌と診断した。腋窩センチネルリンパ節内にCK20 (+) , chromogranin A (+) 細胞が数個の集団として孤立性に散在したため, リンパ節微小転移と診断した。腋窩リンパ節郭清のみ施行した。その後, 再発・転移を繰り返し, 切除と広範囲放射線照射するも, 治療に抵抗性である。初回切除後の放射線補助照射の必要性について考察した。
  • 渋谷 佳直, 荒川 智佳子, 水谷 陽子, 清島 真理子
    2007 年 22 巻 2 号 p. 162-165
    発行日: 2007/11/30
    公開日: 2010/08/05
    ジャーナル フリー
    83歳男性, 68歳頃より体幹に掻痒を伴う紅斑が出現。74歳時に当科初診。全身に掻痒を伴う紅斑と半米粒大から小豆大の淡紅色および褐色の丘疹が多発した。病理組織所見では真皮浅層から深層に大型で多型性を示す異型リンパ球が多数みられた。免疫染色でCD30, CD4陽性。画像による全身検索で明らかな転移は認めず。以上よりprimary cutaneous CD30陽性T-cell lymphoproliferative disordersと診断した。治療はPUVAおよびインターフェロン-γは著効を示さず, 患者が高齢でしかも外来治療を希望したことから, 76歳時より少量のエトポシド療法を開始。投与量は50mg/日を連日21日間内服し, 骨髄抑制の回復や病状を検討しながら約1~6週間の休薬期間をおいて繰り返した。皮疹の新生はあるが内服により速やかに消退。自覚症状も改善され現在まで他臓器浸潤を認めない。以上の所見から少量エトポシド療法は高齢者の本症において有効な治療法の一つと考えられた。
  • 伊藤 康裕, 土井 春樹, 辻 ひとみ, 飯塚 一
    2007 年 22 巻 2 号 p. 166-169
    発行日: 2007/11/30
    公開日: 2010/08/05
    ジャーナル フリー
    62歳, 女性。20歳時に右乳癌にて右乳房切除術および術後放射線治療を受けていた。約5年前から放射線照射部位である右鎖骨上に結節が出現し, 徐々に増大してきた。平成17年4月頃から腫瘤は急激に増大し, 右腕の腫脹, 麻痺を認めたため近医外科を受診し, 当科を紹介され入院した。右肩から胸部にかけて, 17×12cm大の不整型で, 辺縁が堤防状, カリフラワー状に隆起し, 中央に黄色の壊死物質が付着した潰瘍を伴う巨大腫瘤を認めた。全身CTでは右腋窩リンパ節転移を認めたが, 内臓への転移はなかった。MRIでは, 腫瘍は右胸鎖乳突筋および前斜角筋に浸潤し, また右内頸静脈および右鎖骨下静脈にも浸潤, 閉塞していた。手術, 放射線治療の適応はなく, 化学療法CDDP+ADR療法を2クール施行した。化学療法で腫瘍は縮小を認めたが, 深部の浸潤には変化はなかった。初診から8ヵ月後, 局所からの大量出血で永眠された。
  • 安田 聖人, 古川 洋志, 関堂 充, 山尾 健, 高見 麻衣子, 山本 有平
    2007 年 22 巻 2 号 p. 170-173
    発行日: 2007/11/30
    公開日: 2010/08/05
    ジャーナル フリー
    足底荷重部の再建には内側足底皮弁が最も使用されている。しかし広範な再建や前足部には同皮弁が使用できず再建に苦慮する場合が多い。今回我々は広範な前足部荷重部欠損に対し遊離前外側大腿皮弁を用いて良好な結果を得たので, 若干の文献的考察を加え報告する。
    症例は64歳男性, 幼少時の熱傷により足趾全欠損, 前足部から土踏まずにかけて熱傷瘢痕があった。数年前より潰瘍形成し, 難治性となったため生検したところ, 有棘細胞癌の診断を得た。
    瘢痕と骨を含め拡大切除を施行。皮膚欠損は5×6cmとなった。病理にて切除marginを確認したのちに左遊離前外側大腿皮弁による再建を行った。7×15cmの皮弁は完全生着し, 術後6ヵ月現在, 潰瘍形成は認めない。
    前外側大腿皮弁は, 強靭な大腿筋膜を利用できること, 神経を含めた知覚皮弁も可能なことなどから様々な部位の再建に用いられており, 足底荷重部の再建としても有用な方法であった。
  • 水本 一生, 辻野 佳夫, 松阪 由紀, 古村 南夫, 森田 栄伸
    2007 年 22 巻 2 号 p. 174-177
    発行日: 2007/11/30
    公開日: 2010/08/05
    ジャーナル フリー
    84歳, 男性。陰嚢悪性黒色腫, 左鼠径リンパ節転移に対して, 拡大切除, 右鼠径センチネルリンパ節生検および左鼠径骨盤リンパ節郭清を施行した。皮膚切開はLazy S in cisionに準じ, 腹壁は外腹斜筋腱膜の走行に沿って開き, 内腹斜筋・腹横筋を縦切開し, 腹膜外経路で後腹膜腔に到達した。鼠径靭帯を切除することなく鼠径・骨盤リンパ節を一塊に摘出した。骨盤リンパ節郭清は施設により様々な手術手技で行われているが, 手術法の統一がみられていない。手術方法および手技につき, 若干の文献的考察を加えて報告する。
  • 坂本 久美子, 岡田 知善, 青木 重威, 原 弘之, 照井 正, 佐々木 健司, 磯野 伸雄, 生沼 利倫
    2007 年 22 巻 2 号 p. 178-182
    発行日: 2007/11/30
    公開日: 2010/08/05
    ジャーナル フリー
    患者は45歳女性。20年前にHodgkin病と診断され, 右側頸部に高エネルギーX線計50Gyの放射線療法をうけている。初診時, 右側頸部に硬結を触知し, 皮膚生検を行ったが明らかな異型細胞はなく, 放射線皮膚炎と診断した。しかし, 次第に陥凹性病変となり, 悪性化が懸念されたため全切除した。病理組織学的に, 類円形の異型細胞が大小様々な裂隙を形成し, 腫瘍細胞は免疫染色で抗CD34抗体およびD2-40抗体に陽性であり, 放射線照射後に発生した血管肉腫と診断した。治療は, 拡大切除の後, ドセタキセルのlow dose weekly therapyを継続し, 術後1年3ヵ月後の現在も局所再発・転移はない。
    放射線照射後に発生した血管肉腫について放射線治療の原疾患, 照射した総線量および血管肉腫発生までの潜伏期間について過去の既報告例と比較検討した。
  • 長谷 哲男, 高野 藍子, 蒲原 毅, 和田 秀文, 池澤 善郎
    2007 年 22 巻 2 号 p. 183-189
    発行日: 2007/11/30
    公開日: 2010/08/05
    ジャーナル フリー
    プロトコール1 (P1) : 12例のMF扁平浸潤期に外用PUVAとIFNγの併用療法を行った。プロトコール2 (P2) : 4例のMF扁平浸潤期と6例のMF紅斑期に内服PUVAあるいは内服PUVAとIFNγの併用療法を行った。P1では12例中7例に完全緩解 (CR) が得られた。部分緩解 (PR) は5例であった。CR7例中4例に再燃がみられた。平均CR期間は22.9ヵ月であった。P2ではMF扁平浸潤期4例中3例でCRが得られ, 1例はPRであった。CR3例中2例は再発した。平均CR期間19.3ヵ月であった。MF紅斑期では6例中6例ともCRが得られた。そのうち1例に再発がみられた。平均CR期間は49.5ヵ月であった。Kaplan-Meier法による平均CR期間はP1とP2MF紅斑期間で有意差 (log-rank検定, p<0.05) が認められた。内服PUVA療法はMF紅斑期には極めて効果的であった。
  • 熊切 正信, 野島 孝之, 清原 祥夫, 高田 実, 藤原 浩, 毛利 忍
    2007 年 22 巻 2 号 p. 190-193
    発行日: 2007/11/30
    公開日: 2010/08/05
    ジャーナル フリー
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