Skin Cancer
Online ISSN : 1884-3549
Print ISSN : 0915-3535
ISSN-L : 0915-3535
29 巻, 3 号
選択された号の論文の17件中1~17を表示しています
第30回日本皮膚悪性腫瘍学会
シンポジウム1
若手ワークショップ
ランチョンセミナー2
  • 山本 明史
    2015 年 29 巻 3 号 p. 251-257
    発行日: 2015年
    公開日: 2015/05/01
    ジャーナル 認証あり
    メラノーマの術後補助療法について,高いエビデンスをもった治療法はまだないが,本邦において行われているフェロン維持療法の有用性について,2005年1月から約5年間にわたり,全国多施設(15施設)共同研究により前向きコホートスタディを施行し,その予後について2012年末日をもって締切り統計学的解析を行ったので,その結果を報告する。本研究はランダム化試験ではなく,患者の選択による試験のため,バイアスがかかる恐れは否めないが,とくに病期III症例において,フェロン維持療法施行群が未施行群に比し,RSF・OSともに統計学的に有意に高かった。
CPC2-2
  • 沼田 茂樹, 岩田 洋平, 岡本 昌隆, 山本 幸也, 稲熊 容子, 溝口 良順, 松永 佳世子
    2015 年 29 巻 3 号 p. 258-263
    発行日: 2015年
    公開日: 2015/05/01
    ジャーナル 認証あり
    62歳,男性。初診の6ヵ月前から躯幹・四肢に環状の紅斑を生じた。皮膚生検でCD8陽性異型リンパ球が血管周囲および表皮内へ密に浸潤する像を認め,CD8陽性皮膚T細胞性リンパ腫が疑われ当科へ紹介された。初診時,全身に多発する環状の紅斑と紅色腫瘤を認めた。末梢血に異型細胞はなく,PET-CTを含む画像検査では,皮膚に多発する腫瘤への集積像を認めたが,他に異常集積は認めなかった。受診後より皮疹が急速に増悪し,末梢性T細胞リンパ腫,非特定としてCHOP療法を開始した。その後,追加の精査にて浸潤細胞はCD56陽性,EBER-ISH陽性であり,Southern blot hybridization法でTCR遺伝子再構成検査も陰性であることが判明し,皮膚原発節外性NK/T細胞リンパ腫と診断した。CHOP療法は無効でSMILE療法に変更し,2コースで完全寛解を得た。CD8陽性末梢性T細胞リンパ腫との鑑別が重要と考え報告した。
一般演題
  • 三井田 博, 大久保 由華, 竹久保 賢
    2015 年 29 巻 3 号 p. 264-269
    発行日: 2015年
    公開日: 2015/05/01
    ジャーナル 認証あり
    80歳,女性。左下肢の慢性リンパ浮腫上に水疱様丘疹が出現した。抗ウイルス剤の内服を行ったが無効であった。徐々に丘疹は増加し,紅斑,びらんも伴うようになり,対側の胸腹部にも同様の丘疹,紅斑が拡大した。胸腹部の皮疹より皮膚生検をしたところ,いずれも表皮内から真皮上中層にかけて核異型を有する腫瘍胞巣を多数認め,免疫組織化学染色所見から扁平上皮由来の癌が疑われた。上下部内視鏡は施行できなかったが頸胸腹骨盤部CTで原発巣と考えられるものは確認できなかった。腫瘍マーカーのCA125とProGRPが高値であり,原発巣を推測することも困難であったため原発不明癌によるzosteriform cutaneous metastasisと診断した。慢性リンパ浮腫上に帯状疱疹様の皮疹をみた際には炎症性疾患だけでなく腫瘍性疾患も念頭において生検すべきと思われた。
  • 稲葉 豊, 三木田 直哉, 古川 福実, 中村 靖司, 山本 有紀
    2015 年 29 巻 3 号 p. 270-274
    発行日: 2015年
    公開日: 2015/05/01
    ジャーナル 認証あり
    患者は81歳,男性。主訴は左陰囊腫瘍。現病歴は2013年1月頃より左陰囊に腫瘤を認めていた。徐々に大きくなってきたため,2013年10月近医受診し,精査,加療目的に2013年11月に和医大皮膚科を紹介となった。左陰囊に径3 cm大の有茎性の桑実状赤色腫瘤を認め,周囲に境界明瞭な紅斑を認めた。病理組織学的には,腫瘤は真皮乳頭部に泡沫細胞が集簇し,その周辺の表皮内にPaget細胞の増殖を認めた。外陰部Paget病にverruciform xanthomaが合併したと考えられた。 腫瘤を含めて,紅斑より1 cmマージンをとり,肉様膜上で全切除し,縫合した。断端は陰性で,Paget細胞は腫瘍の基部まで存在していた。 外陰部Paget病にverruciform xanthomaが合併した症例は我々が調べえた限りでは他に2例の報告がある。今回我々はこのような稀な症例を経験したのでその概要を報告する。またhuman papilloma virus(HPV)の免疫染色を行ったが陰性であり,HPVは病因的には直接的関連はないと思われた。
  • 岩下 宣彦, 藤田 ゆかり, 渡辺 大輔, 北村 淳子
    2015 年 29 巻 3 号 p. 275-279
    発行日: 2015年
    公開日: 2015/05/01
    ジャーナル 認証あり
    乳頭に生じるBCCは稀ではあるが,これまでに本邦においても幾つか報告例があり男女比は2:1で男性に多いとされている。BCCの治療の第一選択は手術療法であり,通常辺縁より5mm離して切除される。乳頭部BCCの報告例では局所の単純切除を施行している場合が多いが,大部分の例で乳頭の形態変形・乳管機能低下は避けられない。今回,我々は32歳女性患者の左乳頭外側に発症したBCCを経験した。妊娠可能年齢であり出産後の授乳も考慮し,辺縁約3mmマージンにて切除し欠損部に乳輪部より菱形皮弁を作成し乳頭再建を施行した。病理的に深部への浸潤像は認められず,腫瘍断端は側方・深部とも陰性であった。乳頭側面に生じたBCCに対して乳輪部からの菱形皮弁での再建は,手技も簡便であり乳頭の形態変形を起こさずに乳頭再建が可能であり,有効な手法と思われた。
  • 甲斐 宜貴, 後藤 真由子, 吉河 康二, 加藤 愛子, 波多野 豊, 藤原 作平
    2015 年 29 巻 3 号 p. 280-284
    発行日: 2015年
    公開日: 2015/05/01
    ジャーナル 認証あり
    症例,89歳,女性。初診の約8ヵ月前に鼻部の腫瘍を自覚。その後,比較的急速に増大し当科紹介受診となった。初診時,鼻部に潰瘍を伴う可動性不良な腫瘍と左側頸部に小鶏卵大の腫瘤を認めた。頸部エコーでは内部が液体状の不規則な形の囊胞様構造を呈し,内腔では島状に血流を認めた。鼻部腫瘍切除術および左側頸部腫瘍の穿刺吸引細胞診を施行した。病理組織所見では,豊富な泡沫状胞体を有する異型細胞が索状構造をとりながら浸潤性に増殖しており,脂腺癌と診断した。細胞診では,泡沫状胞体を有する異型細胞が小さな集塊を形成しており,脂腺癌の転移巣と診断した。頸部郭清の同意が得られず,頸部に放射線治療(X線,60 Gy)を施行した。頸部転移巣が囊胞構造を呈するのは,原発巣が甲状腺乳頭癌,次いで鼻腔,口腔から咽喉頭の扁平上皮癌が多いとされており,脂腺癌の転移巣の囊胞性変化は稀な症例と考えられる。
  • 本間 由希子, 平澤 祐輔, 石井 智子, 池田 志斈, 赤池 慶裕, 末原 義之, 高木 辰哉, 金子 和夫, 荒川 敦, 斉藤 剛
    2015 年 29 巻 3 号 p. 285-288
    発行日: 2015年
    公開日: 2015/05/01
    ジャーナル 認証あり
    38歳,女性。約1年前より右大腿内側部の皮下腫瘤を自覚,徐々に増大傾向であったため,平成25年8月に当科外来初診。右大腿内側部に約30 mm大の比較的境界明瞭,弾性軟の皮下腫瘤がみられた。平成25年12月,局所麻酔下で皮下腫瘍摘出術施行。術中,境界明瞭な暗赤色に透見される,被膜を有する多房性皮下腫瘤がみられた。病理組織像は,大部分は内腔に粘液を溜める粘液状腫瘍で,紡錘形から星芒状の腫瘍細胞が粘液基質と癒合状の毛細血管を伴いながら増殖。大小の空胞状胞体を有する脂肪芽細胞が多数混在していた。粘液型脂肪肉腫の診断。整形外科にて平成26年2月,前回手術痕より2 cm離して皮膚を切除。深部は内転筋とハムストリングの筋膜をつけて切除。術後7ヵ月経過時点で,再発・転移の所見はない。2000年から2013年の粘液脂肪肉腫の本邦報告例をまとめ考察を加えた。
  • 宮川 史, 氷室 佑季子, 小川 浩平, 桑原 理充, 小林 信彦, 浅田 秀夫
    2015 年 29 巻 3 号 p. 289-292
    発行日: 2015年
    公開日: 2015/05/01
    ジャーナル 認証あり
    Follicular SCC(FSCC)は毛包上皮から発生するSCCで,あまり広く知られてはいない。皮膚SCCの稀な一亜型と考えられており,毛包上部(漏斗部)より発生し通常のSCCの組織像を示す。毛包分化はない。今回我々はFSCCの1例を経験したので報告する。症例:67歳,女性。2ヵ月前より鼻尖部に弾性硬の大豆大の赤色結節を認めたため受診した。皮膚生検にてSCCの所見が得られた。リンパ節転移,遠隔転移の所見はなかったため,腫瘍の拡大切除術を施行した。手術標本の病理組織所見では,毛包漏斗部から連続して真皮深層にかけて,異型な角化細胞が胞巣をつくって浸潤性に増殖していた。腫瘍細胞は大小様々で,細かい腫瘍胞巣の浸潤性増殖が深部にまで及んでおり,一部は軟骨直上まで達していた。脈管浸潤像,神経浸潤像は確認できず,切除断端は陰性であった。以上よりfollicular SCCと診断した。術後10ヵ月経過した現在再発転移はみられない。
  • 廣瀬 千治, 宮川 史, 飯田 秀之, 小川 浩平, 桑原 理充, 小林 信彦, 浅田 秀夫
    2015 年 29 巻 3 号 p. 293-297
    発行日: 2015年
    公開日: 2015/05/01
    ジャーナル 認証あり
    72歳,女性。右乳癌(T2N0M0)に対し,乳房温存術,右腋窩リンパ節隔清および術後放射線療法(50Gy/25回)を施行し寛解した。乳癌発症から9年後に,右乳房にびらんを伴う発赤が出現し,皮膚生検で血管肉腫に合致する所見が得られた。放射線誘発の血管肉腫と考えられたため,当科紹介受診となった。当科初診時,右乳房に小豆大から胡桃大の暗紫色調の結節を認め,その周囲に不整形の紫斑を伴っていた。MRIでは,筋層浸潤は認めなかった。パクリタキセルweekly療法を開始するとともに,右乳房の病変から5cmのマージンを確保し,深さは大胸筋で切除,背部,臀部から分層植皮術を施行した。手術標本では,真皮から皮下にかけて異型な血管内皮細胞が密に増殖していたが筋層への浸潤は認めず側方断端は陰性であった。乳癌の再発像は確認できなかった。術後パクリタキセルweekly療法を再開し,7クールを終了しているが,術後17ヵ月の現在再発転移を認めていない。放射線誘発の血管肉腫に対しては積極的な広範囲切除と化学療法の併用は有用であると考える。
  • 志賀 久里子, 成田 智彦, 大磯 直毅, 川田 暁
    2015 年 29 巻 3 号 p. 298-302
    発行日: 2015年
    公開日: 2015/05/01
    ジャーナル 認証あり
    2004年1月から2013年12月までの10年間に当科で経験した頭部血管肉腫15例をまとめ臨床的に検討した。性別はすべて男性で,初診時平均年齢は74.1歳であった。症状発現から受診までの平均期間は2.4ヵ月であり,2例に外傷の既往があった。詳細な経過が不明の2例を除いた12例で局所再発や転移を認めた。2003年度北里大学病院皮膚科治療方針によるステージングではステージIaが7例,Ibが7例,IIIが1例であった。全15症例のうち転院などで転機不明な5例を除いた10例では,死亡例は7例,生存例は3例で,5年生存率は10%であった。治療は全例で,骨膜を含め腫瘍の切除を施行した。術後放射線療法を施行した症例は12例,免疫療法施行例は10例で,特記すべき副作用はなかった。化学療法としてはパクリタキセルの投与を3例,ドセタキセルの投与を2例施行した。当教室での5年生存率は10%であり,本邦他施設の統計と比較するとほぼ同様であった。長期生存した4例を検討すると,局所再発は予後に関係なく,初診時のステージがIaであること,遠隔転移がないまたは転移が骨やリンパ節であった場合に長期生存が期待できると考えられた。
  • 宿輪 哲生, 石川 博士
    2015 年 29 巻 3 号 p. 303-308
    発行日: 2015年
    公開日: 2015/05/01
    ジャーナル 認証あり
    90歳,男性。2009年右側頭部に紅色腫瘤が出現,増大し当科を受診した。2013年4月入院時,右側頭部に長径30 mmのドーム状に隆起する紅色腫瘤と,右頸部リンパ節腫大を認めた。組織学的に皮膚腫瘤は皮下に紡錘形から類円形の核をもつ異型細胞が密に増殖して大きな腫瘍塊を形成し,一部で細いスリット状の裂隙がみられ,中に赤血球を充填し,免疫組織化学で腫瘍細胞はCD31,Vimentin陽性であった。リンパ節も皮膚腫瘤と同様の組織像を認めた。また,血清HCV抗原およびPIVKA-IIの著明な上昇,腹部CTで肝S4領域に径5cmの単発性腫瘤を指摘され,造影CTにおいて動脈相で高吸収,平衡相で造影剤のwash outを認め,肝細胞癌と診断された。4月に皮膚腫瘤の拡大切除および植皮術,5月に右頸部リンパ節郭清術を施行されたが,肝腫瘍の増大,胸部CTで肺に多発性結節を認め,2014年2月に永眠された。
  • 土井 直孝, 三木田 直哉, 古川 福実, 山本 有紀
    2015 年 29 巻 3 号 p. 309-312
    発行日: 2015年
    公開日: 2015/05/01
    ジャーナル 認証あり
    2001年ごろから右手掌に黒色斑が出現していた。2004年10月に精査のため当院を受診した。3 mm大の辺縁不整な黒色斑であり,精査のため4 mmパンチで切除生検され,病理組織診でbasal pigmentationの診断で治療終了となっていた。切除部は肉眼的には病変は消失し瘢痕となっていた。しかし,5年後に瘢痕から色素性病変が出現し当科受診となった。2013年11月に生検施行し,悪性黒色腫と診断され同年11月,腫瘍の切除術とセンチネルリンパ節生検を行った。2004年時の切除標本を確認したところ汗管開口部直下に異型性のあるメラノサイトの散在を認め,悪性黒色腫の初期病変であったと考えられる。
  • 飯野 志郎, 丸田 直樹, 高嶋 渉, 長谷川 稔, 峯岸 芳樹, 中井 國博, 清原 隆宏
    2015 年 29 巻 3 号 p. 313-317
    発行日: 2015年
    公開日: 2015/05/01
    ジャーナル 認証あり
    62歳,男性。左母趾尖端部に爪甲色素線条と連続した赤黒色腫瘤があった。腫瘤は徐々に増大し出血を伴ってきた。爪甲の破壊はなかった。腫瘤部の切除生検により悪性黒色腫と診断した。CT,PETで遠隔転移はなく,爪母を含めた拡大切除およびセンチネルリンパ節生検を施行した。鼠径リンパ節に被膜外浸潤を伴う転移を確認し,鼠径および骨盤内郭清を施行した。術後DTIC単独投与,IFNβ局注を3クール施行した。郭清から4ヵ月後,全身転移をきたし,現在weekly DOCを施行中である。本症例は趾尖部に腫瘤があり,その腫瘤が爪甲色素線条と連続する特異な臨床像を呈しており,その病態について考察した。また,本症例のように鼠径リンパ節の転移巣が被膜外浸潤している場合,骨盤内転移や潜在的な遠隔転移の可能性にも留意する必要があると考えた。
第29回日本皮膚悪性腫瘍学会
一般演題
  • 松三 友子, 山崎 修, 瀧口 徹也, 山口 麻里, 加持 達弥, 大塚 正樹, 岩月 啓氏, 浅越 健治
    2015 年 29 巻 3 号 p. 318-322
    発行日: 2015年
    公開日: 2015/05/01
    ジャーナル 認証あり
    66歳,女性。約1年前に肛囲に瘙痒と疼痛を伴う紅斑が出現し,徐々に拡大した。初診時,外陰部から肛門周囲に紅斑,色素脱失斑あり。リンパ節腫脹や隣接臓器に病変はなく,遠隔転移はなし。皮膚生検にて乳房外Paget病と診断した。2000年,広範切除術,分層植皮術を施行した。真皮内への浸潤はなし。外側の一部と肛門側断端は陽性だったが,追加手術は拒否された。2004年,前回の植皮部に再発病変が確認され,拡大切除術,直腸切除術,人工肛門造設術を施行した。組織学的にはin situ病変のみで,断端は陰性だった。2012年,植皮部の境界部に紅斑が出現した。植皮部,外側ともに表皮内のみにPaget細胞を認めた。センチネルリンパ節は陰性だった。現在のところ再発,転移はない。植皮部に局所再発した乳房外Paget病の報告は自験例を含めて7例の報告があり,in situ病変のみからの再発は4例あり,植皮との境界に生じた例は自験例のみだった。
  • 瀧口 徹也, 山崎 修, 牧野 麻貴, Tatsuya KAJI, 佐伯 恭昌, 藤井 伸治, 濱田 和俊, 岩月 啓氏
    2015 年 29 巻 3 号 p. 323-327
    発行日: 2015年
    公開日: 2015/05/01
    ジャーナル 認証あり
    35歳,男性。2012年3月より前頭部に紅斑が出現し,その後結節病変が徐々に隆起し周囲に紫斑が拡大した。近医での生検にて血管肉腫と診断され,5月に当院紹介受診。前頭部に暗紫色の囊腫状結節を認め,周囲に出血斑を伴っていた。6月より電子線照射とweeklyパクリタキセル療法4コース,monthlyパクリタキセル療法3コース施行。2013年1月に血小板14000/μLと急激な減少のため,入院した。抗血小板抗体陰性,PA-IgG陽性,ヘリコバクター・ピロリIgG陽性。DICの所見は認めなかった。骨髄生検では巨核球十分,腫瘍の浸潤も認めなかった。ITPが疑われ,血小板輸血を施行し,免疫グロブリン大量療法とプレドニゾロン(PSL)を開始した。入院後のCT,MRIで両側耳下腺,胸椎,右寛骨,肺転移を認め,緩和目的に骨転移に対してX線治療した。その後,血小板は上昇したためPSLを漸減し,3月よりweeklyドセタキセル療法を開始した。しかし転移は徐々に進行し,血小板は再度減少した。10月肺転移による呼吸不全のため永眠された。臨床経過からは血小板減少は転移の進行による腫瘍内での血小板消費と考えた。
feedback
Top