Skin Cancer
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29 巻 , 1 号
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一般演題
第29回日本皮膚悪性腫瘍学会
  • 水柿 典子, 筬井 泰江, 加藤 潤史, 肥田 時征, 澄川 靖之, 米田 明弘, 小野 一郎, 山下 利春
    2014 年 29 巻 1 号 p. 12-17
    発行日: 2014年
    公開日: 2014/09/10
    ジャーナル 認証あり
    2001年から2012年までの12年間に当科を受診し病理組織学的に診断した乳房外Paget病47例について検討した。男女比は2.3:1で初診時平均年齢は74歳であった。部位は外陰部が39例,肛囲が6例,腋窩と外陰部併発が2例であった。病期分類は皮膚悪性腫瘍取扱い規約に準じて行い,病期ⅠAは22例,病期ⅠBは3例,病期Ⅱは8例,病期Ⅲは7例,病期Ⅳは2例であった。局所再発は47例中6例に生じ,再発までの期間は8ヵ月~21年10ヵ月で平均119.7ヵ月であった。遠隔転移は47例中5例に認め,転移までの期間は9~50ヵ月と局所再発に比べ短かった。遠隔転移を来した5例中血清CEA値が高値だった3例は全て腫瘍死しており,血清CEA値は病勢と予後を反映すると考えられた。
  • 持田 耕介, 天野 正宏, 成田 幸代, 佛坂 正幸, 瀬戸山 充
    2014 年 29 巻 1 号 p. 18-23
    発行日: 2014年
    公開日: 2014/09/10
    ジャーナル 認証あり
    64歳,男性。20歳代から臀部皮膚より排膿あり,40歳代から紅色腫瘤を自覚していた。初診約1ヵ月前から左臀部腫瘤が急速に増大し近医より紹介された。左臀部に皮下硬結を触れ,色素沈着を伴う小豆大から母指頭大の紅色腫瘤が多発,最も大きな腫瘤は9×7×3cm大であった。生検で臀部慢性膿皮症に生じた有棘細胞癌(以下,SCC)と診断した。画像診断で肛門括約筋および大殿筋への浸潤が疑われ,左鼠径および左外腸骨リンパ節の腫大を認めた。左鼠径リンパ節生検にて転移を確認した。患者が人工肛門造設術を拒否したこと,臀部慢性膿皮症に生じたSCCは予後不良であることを考慮し,肛門を温存した術式を選択した。術後に化学放射線療法施行,X線で総線量60Gy照射,CDDP 70mg/m2および5-FU700mg/m2を投与した。術後1年10ヵ月目に左外腸骨リンパ節転移を生じ,化学放射線療法追加し経過観察中である。臀部慢性膿皮症は早期切除し,予後不良であるSCCへの進展を防ぐべきである。
  • 川﨑 雅人, 黒川 正人, 日下 淳子, 瀧本 浩樹, 桂 良輔, 西尾 祐美, 塚本 吉胤
    2014 年 29 巻 1 号 p. 24-28
    発行日: 2014年
    公開日: 2014/09/10
    ジャーナル 認証あり
    56歳,男性。約20年前より両側臀部膿皮症を認め,寛解と増悪を繰り返していた。右臀部中央にカリフラワー様腫瘤を認めたため,生検を行った結果,有棘細胞癌であった。全身検索で遠隔転移は認めなかった。手術で右鼠径部のセンチネルリンパ節生検,膿皮症および有棘細胞癌の切除を行い,皮膚欠損部には人工真皮を貼付した。病理組織の結果,リンパ節転移はなく,病期分類はpT3N0M0 Stage IIIと診断した。永久組織標本で腫瘍残存のないことを確認し,皮膚欠損部に対し縫縮およびメッシュ植皮術を行った。手術で腫瘍が完全切除できたため,予防的リンパ節郭清,化学療法,放射線療法は行わなかった。術後1年で局所再発,転移は認めていない。臀部膿皮症から発生した有棘細胞癌は予後が悪いとされている。臀部膿皮症が長期間経過すると有棘細胞癌が発生することを念頭に置き,早期に根治的手術療法を行うべきである。
  • 佐藤 愛, 高村 直子, 猪原 康司, 大和 義幸, 磯野 伸雄, 千葉 由幸
    2014 年 29 巻 1 号 p. 29-32
    発行日: 2014年
    公開日: 2014/09/10
    ジャーナル 認証あり
    症例1:64歳,男性。左臀部に,直径約80mm,カリフラワー状腫瘤。症例2:53歳,女性。右足底I~III趾基部に16×13mm,乳頭状・角化性腫瘤。いずれの症例も病理像で表皮の肥厚・乳頭状増殖,過角化・錯角化。細胞異型はごく軽度で,深部に侵入する傾向が目立ち,verrucous carcinomaと診断した。拡大切除術を施行,現在まで再発・転移はない。Verrucous carcinomaは臨床的に緩徐に増大し,カリフラワー状や疣状の外観を呈す。病理学的には表皮に著名な外方向性乳頭腫様増殖と異常角化を示す。細胞異型はごく軽度で,基底層は比較的よく保たれているが,真皮内への圧排増殖がある。治療は外科的切除の報告が多い。放射線療法に関してはanaplastic transformationによる全身転移の報告があるため慎重な判断が必要である。
  • 廣瀬 寮二, 武石 恵美子, 神尾 芳幸, 富村 沙織, 三根 義和
    2014 年 29 巻 1 号 p. 33-37
    発行日: 2014年
    公開日: 2014/09/10
    ジャーナル 認証あり
    日光角化症(AK)に対する治療は,液体窒素冷凍凝固術などの破壊的治療やイミキモドクリーム塗布といった非手術的方法が広く行われており,それらは病理標本の得られない治療法である。しかし,臨床症状のみでは有棘細胞癌(SCC)をAKと誤診し,治療してしまうことも考えられる。今回,AKの臨床症状による診断率の精度を調べたところ,臨床診断AKの235病変のうち,病理組織学的診断がAKであったのは171病変(72.8%)にすぎず,なかにはSCCが8病変(3.4%)含まれていた。AKとSCCの鑑別のため,両者を比較すると,罹病期間と腫瘍長径に差はなく,結節,角質増生,びらんがSCCに高率にみられた。したがって,これらの臨床症状を呈する場合,SCCを疑い生検することが,危険性を回避するためには必要であると考えた。
  • 大西 正純, 吉田 亜希, 前田 文彦, 高橋 和宏, 赤坂 俊英, 森 康記
    2014 年 29 巻 1 号 p. 38-42
    発行日: 2014年
    公開日: 2014/09/10
    ジャーナル 認証あり
    症例1:54歳,男性。初診の1年前より右臀部に紅色腫瘤が出現した。初診時,右鼠径リンパ節の著明な腫大もみられ,PET-CTでは肺転移,多発性のリンパ節転移を認めた。エクリン汗孔癌と診断し,原発巣を切除,右鼠径リンパ節郭清を姑息的に施行した。化学療法,放射線療法を行ったが,肺転移による呼吸不全により死亡した。
    症例2:47歳,男性。初診の数年前より左下腿に紅色腫瘤が出現し,エクリン汗孔癌と診断した。原発巣を切除し,左鼠径,骨盤リンパ節郭清を施行,術後化学療法,放射線療法を行ったが,肺転移による呼吸不全により死亡した。
    2例ともに病勢の進行とともにCYFRAの著明な上昇がみられた。免疫組織染色において腫瘍細胞に一致して,CK19が陽性であったことからCYFRAがエクリン汗孔癌の病勢を反映していた可能性が示唆された。
  • 木村 中, 髙橋 紀久子, 前田 拓, 伊藤 梨里, 池田 仁
    2014 年 29 巻 1 号 p. 43-47
    発行日: 2014年
    公開日: 2014/09/10
    ジャーナル 認証あり
    54歳,女性。初診の4~5年前に臍窩部に黒色斑が出現した。放置していたところ増大して滲出液が出てきた。初診時,臍窩部に12mmの黒褐色から暗紫色の斑を認めた。皮膚科でのダーモスコピー検査で基底細胞癌を疑われた。5mm離して切除し単純縫縮した。術後1年で再発を認めていない。当科では過去18年間で391例の基底細胞癌の手術症例があるが,臍部に生じていたものはなかった。過去に本邦で報告された臍部の基底細胞癌は自験例を含めて14例であった。男性7例,女性7例で平均年齢は66.4歳であった。臍部に発生する基底細胞癌は極めて珍しいものと思われ報告した。
  • 西尾 祐美, 黒川 正人, 日下 淳子, 川﨑 雅人, 瀧本 浩樹, 桂 良輔
    2014 年 29 巻 1 号 p. 48-52
    発行日: 2014年
    公開日: 2014/09/10
    ジャーナル 認証あり
    当院で2011年8月から2013年8月までの2年間に3例の脂肪肉腫を経験した。発生部位は大腿部が2例,鼠径部が1例であった。病理組織型は全て高分化型であった。治療に関しては外科的切除が第1選択であるが,辺縁切除術を1例,広範切除術を2例に行った。2002年の新WHO分類で,高分化型脂肪肉腫は良悪性中間的腫瘍に分類され,悪性の分類から除外された。そのため,治療について近年では切除縁を縮小する報告が増加している。また,高分化型脂肪肉腫は予後がよく,治療は外科的切除のみで経過観察されることも多いが当院では術後放射線照射を2例に行った。高分化型脂肪肉腫の手術の際の至適切除縁と術後放射線治療併用に関して,自験例をもとに検討した。
第28回日本皮膚悪性腫瘍学会
  • 小川 晴生, 田原 真也, 寺師 浩人
    2014 年 29 巻 1 号 p. 53-57
    発行日: 2014年
    公開日: 2014/09/10
    ジャーナル 認証あり
    卵巣原発の境界悪性腫瘍は,良性腫瘍と悪性腫瘍の中間的な組織像,増殖能を示し,予後の良い疾患とされている。しかし,腹腔内播種,腹膜偽粘液腫を生じる場合,治療に難渋し不幸な転帰をとることも少なくない。
    我々は卵巣境界悪性腫瘍の摘出術後生じた腹壁の境界悪性腫瘍の治療を経験した。術前のMRIでは腫瘍は腹壁に限局し腹腔内に腫瘤を認めなかった。腫瘍マーカーの上昇も認めなかったため,腫瘍は腹壁に限局するものと考え,摘出手術を施行した。術中所見では腹腔内に広範囲の播種を認めたため,腹壁腫瘍のみを摘出し手術を終了した。
    本疾患は婦人科領域の疾患であるが,腹壁に生じた場合には,切除,再建に関して皮膚軟部腫瘍を扱う医師が治療を行う可能性がある。術前の画像検査で腹腔内に腫瘤を認めず,腫瘍マーカーの異常も認めない場合,腹膜偽粘液腫を生じていても予測することは難しい。
  • 会沢 敦子, 株本 武範, 折目 真理, 浅野 幸恵, 松山 麻子, 藤原 浩, 伊藤 雅章, 三井田 博
    2014 年 29 巻 1 号 p. 58-62
    発行日: 2014年
    公開日: 2014/09/10
    ジャーナル 認証あり
    56歳,女性。両親はいとこ婚。生下時より毛髪と虹彩の色素異常,弱視があった。2011年1月頃より左大腿に易出血性の紅色結節が出現した。前医で切除生検された病理組織では,びらん表面から真皮中層に,HMB45,melanA,S100蛋白,Fontana-Masson染色で陽性となる異型なメラノサイトが増殖しており,悪性黒色腫(MM)と診断され,同年4月に当科を紹介受診した。拡大切除術,分層植皮術を施行し,センチネルリンパ節生検は陰性であった。pT3bN0M0 stage ⅡBと診断し,術後インターフェロン局注療法を行っている。眼皮膚型白皮症(OCA)については遺伝子検索を施行し,Ⅰ型と診断した。OCAと有棘細胞癌や基底細胞癌を含む皮膚悪性腫瘍の合併は多く報告されているが,MMとの合併は少ない。
第27回日本皮膚悪性腫瘍学会
  • 飯岡 弘至, 桑原 理充, 福本 隆也, 浅田 秀夫, 笠井 孝彦
    2014 年 29 巻 1 号 p. 63-67
    発行日: 2014年
    公開日: 2014/09/10
    ジャーナル 認証あり
    類血管腫性線維性組織球腫は,小児や若年成人の四肢や体幹,頭頸部の皮下に発生する稀な軟部組織腫瘍である。過去には悪性線維性組織球腫の一型とされていたが,再発および転移が極めて少なく,現在では分化未定の良悪性中間腫瘍に分類されている。本腫瘍の発生には,染色体の相互転座により形成される特異的な融合遺伝子が深く関与している。
    症例は8歳女児。初診2年前より右肩に米粒大の皮下結節を自覚し,徐々に増大してきたとのことで当科を受診した。病理組織検査に加えERSW1分離プローブを用いたfluorescenece in situ hybridizaion法による融合遺伝子の解析を行いAFHと確定診断した。現在切除後5年経過するが再発,転移は認めていない。
投稿論文
  • 有馬 豪, 小林 尚美, 内海 俊明, 松永 佳世子
    2014 年 29 巻 1 号 p. 68-74
    発行日: 2014年
    公開日: 2014/09/10
    ジャーナル 認証あり
    近年,手術困難な悪性腫瘍に対する患者のquality of life(QOL)向上という緩和治療目的でMohsの変法が施行されている。しかし,Mohsの変法のデメリットとしてpasteによる疼痛と,正常皮膚へ付着すると潰瘍を形成することがあげられる。2010年より我々はMohs pasteの塗布時間を1時間以内に短縮し,乳癌皮膚浸潤の2症例に対しMohsの変法を施行した。2症例ともに疼痛に耐えることができ患者のQOLを改善できた。また,2012年より亜鉛華デンプン外用療法を乳癌皮膚浸潤の3症例に施行した。3症例ともに疼痛がなく,正常皮膚にも障害を起こすことなく患者のQOLを改善できた。Mohsの変法だけでなく,亜鉛華デンプン外用療法も患者のQOL改善に寄与しうると考えた。
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