Skin Cancer
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第35回日本皮膚悪性腫瘍学会
招待講演
教育講演
シンポジウム
一般演題
  • 髙橋 沙希, 和田 秀文, 山川 浩平, 石川 秀幸, 福澤 理映, 池田 信昭, 金岡 美和, 加藤 生真, 奥寺 康司, 相原 道子
    2019 年 34 巻 2 号 p. 144-148
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/10/31
    ジャーナル 認証あり

    症例81歳,男性。初診1ヵ月半前に左耳前部に紫赤色の結節が出現。その後,週単位で急速に増大し前医を受診。生検のHE染色で真皮に胞巣状の構造を示し,大小不同の異型細胞の増殖を認め,免疫染色でMelan A,HMB 45,S100などのメラノサイト系マーカーがいずれも陽性を示した。悪性黒色腫の診断で加療目的に当科受診。

    初診時,左耳前部に15×20 mm,高さ20 mmの紅色ドーム状腫瘤を認めたが,手術までの3週間弱の経過で腫瘤は50×40 mm,高さ30 mmまで急速に増大。切除マージン10 mmを取り拡大切除。術後のHE染色では前医検体の細胞とは異なった弱好酸性細胞質をもつ上皮様腫瘍細胞が増生し,免疫染色ではメラノサイト系マーカーがいずれも陰性となった。経過からは脱分化したと考え,急速な増大もその影響と考えた。メラノサイト系マーカーが陰性を示し,細胞構築の変化がみられた皮膚原発悪性黒色腫の報告は稀で,文献的考察を含めて報告する。

  • 北村 佳美, 大狩 慶治, 田浦 麻衣子, 金久 史尚, 浅井 純, 竹中 秀也, 加藤 則人
    2019 年 34 巻 2 号 p. 149-154
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/10/31
    ジャーナル 認証あり

    79歳,女性。約2年前より右頬部に色素斑が出現し,結節を伴うようになった。約1年前に前医で脂漏性角化症として凍結療法を施行された。3ヵ月前より増大してきたため,生検が施行された。病理組織にて,角層に錯角化・過角化がみられ,腫瘍細胞が表皮から真皮にかけて増殖・浸潤しており有棘細胞癌が考えられたが,腫瘍細胞がS100,HMB45,melan Aで陽性を示し,偽上皮腫性過形成を伴った悪性黒色腫と診断された。初診時,右頬部に1.5×1.2 cm大の角化性結節および周囲に5 mm幅までの色素斑を認めた。1 cmマージンで切除し,全層植皮術,センチネルリンパ節生検を施行した。病期はpT4bN0M0 stage IICであった。術後2年7ヵ月現在再発・転移なく経過している。本症例では,著明な角化を伴うだけでなく,大部分が無色素であったため,有棘細胞癌との鑑別が問題となったが,免疫染色が診断に有用であった。

  • 服部 有希, 松山 かなこ, 田中 秀和, 木村 真樹, 清島 真理子
    2019 年 34 巻 2 号 p. 155-159
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/10/31
    ジャーナル 認証あり

    71歳,男性。右下腿の長径13 cmの巨大腫瘤を主訴に受診。単純CTで右鼠径部,外腸骨領域に複数の腫大したリンパ節がみられ,生検の結果,有棘細胞癌(SCC)T3N2M0 Stage IVと診断。原発腫瘍が大きく,リンパ節転移を伴う高リスク症例であることから,外科的切除の適応と考え,切断を勧めたが,患者の下腿温存の希望が強く,シスプラチン+アドリアマイシンの併用(CA)療法と原発腫瘍への放射線照射(KORTUC治療)を行った。また悪臭と浸出液のコントロールを目的にMohsペースト外用療法を併用した。腫瘤は徐々に平坦化し,増加していた血中SCC抗原値も低下した。CA療法3クール施行後,右鼠径部と外腸骨領域のリンパ節郭清術を行い,原発腫瘍より再度生検を行った。リンパ節,原発腫瘍ともに腫瘍細胞はみられなかった。外科的切除術が難しいSCC症例では,CA療法と放射線療法の併用は有効な治療法となり得ると考えられた。

  • 川口 亜美, 山本 有紀, 西口 麻奈, 濱本 千晶, 奥平 尚子, 藤本 正数, 村田 晋一, 神人 正寿
    2019 年 34 巻 2 号 p. 160-164
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/10/31
    ジャーナル 認証あり

    症例は77歳,男性。約1年半前から左下腿に皮疹があり近医にてステロイド外用するも改善しなかった。びらん,痂皮,紅色結節を伴う紅色局面よりBowen病が疑われたため,一部結節を含めて皮膚生検を施行。有棘細胞癌が疑われ当科紹介となった。当科初診時,左下腿に約4 cm大の境界明瞭な紅斑局面を認め,中央にびらん,結節を伴っていた。切除術を施行し,病理組織学的に紅色局面部はBowen病,結節部はMerkel細胞癌と有棘細胞癌の両者が存在すると考えられ,Bowen病の中に生じたMerkel細胞癌と診断した。Merkel細胞癌は表皮由来の他の皮膚悪性腫瘍との合併例が知られており,病理組織学的に考察を加え報告する。

  • 西原 克彦, 白石 研, 難波 千佳, 武藤 潤, 村上 達郎, 森 秀樹, 佐山 浩二
    2019 年 34 巻 2 号 p. 165-169
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/10/31
    ジャーナル 認証あり

    75歳,男性。陰茎癌術後,陰囊にリンパ浮腫を認めていた。陰囊の腫脹,外尿道口周囲の硬結を主訴に当科紹介受診。初診時,陰囊表面には出血および紫斑を混じていた。硬結部の病理組織は,angiosarcomaの所見であった。治療は放射線療法を選択し,計45 Gy照射後,陰囊の潰瘍,紫斑は完全に消退した。Angiosarcomaは体中どこにでも生じうるが,外陰部に発生したangiosarcomaは報告例が少なく極めて稀である。陰囊に発生した誘因として,術後リンパ浮腫を生じていたことからStewart-Treves症候群として発症した可能性と,転倒後に陰囊の腫脹,硬結を生じていたことから外傷を契機に発症した可能性が考えられた。

  • 中西 麻理, 小森 敏史, 浅井 純, 加藤 則人
    2019 年 34 巻 2 号 p. 170-175
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/10/31
    ジャーナル 認証あり

    75歳,女性。初診の約20年前より右腰部に皮下結節が出現し,経過観察していた。2年前から増大し,前医でMRIを撮影され悪性軟部腫瘍が疑われたため当科へ紹介された。初診時,右腰部に11 cmの皮下腫瘤と皮膚の紫斑を認めた。皮膚生検を施行し,病理組織所見で真皮から皮下脂肪織に異型な腫瘍細胞の不規則な増殖と,分岐した血管の増生を認めた。免疫染色ではSTAT6,Bcl-2が陽性で,CD34は一部で陽性だった。これらより孤在性線維性腫瘍と診断し,腫瘍辺縁から1.5 cm離して腫瘍を切除し,人工真皮を貼付した。病理組織学的に断端が陰性であることを確認し,全層植皮術を施行した。孤在性線維性腫瘍は稀な間葉系腫瘍で,悪性度はintermediate(rarely metastasizing)とされる。本症例のサイズはこれまでの皮膚,皮下原発例の報告の中で最大だった。

  • 佐藤 友利, 丹治 峻之, 三浦 慎平, 中川 倫代, 角田 加奈子, 大西 正純, 馬場 由香, 前田 文彦, 天野 博雄
    2019 年 34 巻 2 号 p. 176-181
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/10/31
    ジャーナル 認証あり

    69歳,女性。下腹部に紅色皮疹が出現し,徐々に拡大したため当科を受診した。

    当科初診時,90×50 mmの鱗屑を付す境界不明瞭な紅斑局面がみられた。

    病理組織学的検査で表皮内にパジェット細胞があり,乳房外パジェット病と診断した。2cmマージンで拡大切除し,分層植皮を行った。外陰部,腋窩,肛囲などの乳房外パジェット病の好発部位以外に生じた報告例は,自験例を含め48例あった。それらはアポクリン腺が存在している部位や副乳が発達している部位に生じるとされている。アポクリン腺が存在するとされる頭頸部,胸腹部での発症が多く,乳房外パジェット病とアポクリン腺との関連が示唆された。一方,副乳の好発部位とされる腋窩前膨隆部に生じた例はわずかであり関連性は薄いと考えた。

  • 梶原 一亨, 浦田 和美, 田中 憲一郎, 坂元 亮子, 大塚 紗希, 金澤 早織, 井上 久仁子, 尹 浩信
    2019 年 34 巻 2 号 p. 182-185
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/10/31
    ジャーナル 認証あり

    58歳,女性。10年前に乳房外Paget病に対して切除術を施行した。根治術10年後に当院再診,PET/CTにて多発リンパ節転移および多発骨転移を認めた。1st lineとしてS-1/ドセタキセル療法を行い,15ヵ月間奏功した。以降,ゲムシタビン,エトポシド,タモキシフェンによる加療を行ったが効果を認めなかった。免疫染色にてホルモン受容体陽性HER2陰性且つCDK4陽性であったため,CDK4/6阻害剤であるパルボシクリブ投与行うもPDであった。再発27ヵ月後に死亡した。今後,CDK4/6阻害剤による治療などを含めて,切除不能乳房外Paget病に関する新たな治療法が必要である。

  • 水田 栄樹, 並川 健二郎, 奥村 真央, 筒井 啓太, 名嘉真 健太, 陣内 駿一, 武藤 雄介, 中野 英司, 高橋 聡, 山﨑 直也
    2019 年 34 巻 2 号 p. 186-191
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/10/31
    ジャーナル 認証あり

    近年,ニボルマブ・イピリムマブ併用療法が悪性黒色腫に対する承認を受け,免疫チェックポイント阻害薬単剤よりも高い奏効率を示している。しかしながら,重篤な免疫関連有害事象(immuno−related adverse event:irAE)の頻度も高く,特に下垂体炎は単剤より併用療法での発症率が高いとされている。我々はニボルマブ・イピリムマブ併用療法後の下垂体炎について検討した。悪性黒色腫に対するニボルマブ・イピリムマブ併用療法による下垂体炎と確定診断した症例は3例であった。ニボルマブ・イピリムマブ併用療法を行った24例の内,15例(62.5%)でCommon Terminology Criteria for Adverse Events v5.0(CTCAE)grade 3以上のirAEを認めた。内訳は肝障害6例,間質性肺炎1例,下痢・腸炎4例,下垂体炎(非典型例を含め)5例,1型糖尿病1例,CPK上昇1例,脳炎1例であり,(非典型例を除く)下垂体炎は12.5%を占めた。発症時期は投与開始から10~11週後であった。初発症状は抗CTLA−4単剤では半数以上が頭痛であったのに対し,3例中2例が倦怠感であった。また,free T3,T4を含む甲状腺機能低下症の合併がイピリムマブ単剤による下垂体炎よりも多かった。ニボルマブ・イピリムマブ併用療法では下垂体炎の発症率が高く,十分な注意が必要である。文献的考案を加え,報告する。

  • 赤川 舞, 松山 かなこ, 今井 健二, 清水 雅仁, 酒々井 夏子, 清島 真理子
    2019 年 34 巻 2 号 p. 192-197
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/10/31
    ジャーナル 認証あり

    75歳,女性。外尿道口原発の悪性黒色腫(MM)(T4bN0M0 stage IIc)に対し近医で膀胱全摘,回腸導管造設および骨盤内リンパ節廓清術を受けた。2年後,CT上で右肺上葉の小結節が見つかり胸腔鏡下右肺上葉部分切除術を受けた。病理所見からMMの肺転移と診断。術後補助療法としてニボルマブ(NIV)3 mg/kgが投与され翌日より発熱と軽度の肝障害がみられた。11日目には黄疸,Grade 3の高ビリルビン血症,Grade 2の肝逸脱酵素上昇を呈した。NIVによる肝障害としてメチルプレドニゾロン(mPSL)80 mg/日を開始。肝機能は改善したがステロイド減量に伴い肝障害の再燃を繰り返した。103日目よりアザチオプリン(AZP)100 mg/日を追加したところ肝機能は正常化した。9ヵ月経過した現在PSL 25 mg/日とAZPを継続中。MMの再発,転移はない。NIV単回投与により早期に重篤な肝障害を引き起こし再燃を繰り返したが,AZPが有効であった稀な症例であり,文献的考察を加えて報告する。

第34回日本皮膚悪性腫瘍学会
一般演題
  • 藤森 なぎさ, 小林 佑佳, 東郷 さやか, 加賀野井 朱里, 小澤 健太郎, 爲政 大幾
    2019 年 34 巻 2 号 p. 198-202
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/10/31
    ジャーナル 認証あり

    64歳,女性。外陰粘膜悪性黒色腫,多発肝転移,骨転移に対してニボルマブを導入し,計13回投与後にピロリ除菌のため,ランソプラゾール,アモキシシリン,クラリスロマイシンを7日間内服投与した。内服終了3日後から融合傾向を示す紅斑が全身に出現した。軽度の結膜充血と口唇の痂皮を認め,多形紅斑型薬疹と診断し,プレドニゾロンの内服により皮疹は消褪した。その後,肝転移の増悪のためイピリムマブに変更したが,2回投与後に肝障害や間質性肺炎を発症した。発熱に対して,シプロフロキサシンを投与したところ,全身に播種状紅斑が生じた。2度の皮疹はいずれも新たな薬剤追加後に出現したことから,これらの薬剤による薬疹が疑われた。本例では免疫チェックポイント阻害薬投与中に2度にわたってGrade3の薬疹が生じたが,いずれも速やかな治療介入により,原疾患に対する治療を継続し得た。

投稿論文
  • 大倉 正寛, 加藤 雪彦, 青木 昂平, 吉澤 直樹, 梅林 芳弘
    2019 年 34 巻 2 号 p. 203-207
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/10/31
    ジャーナル 認証あり

    62歳,女性。4歳時に手関節部に熱傷を受傷した。2ヵ月前から,同部の瘢痕上にびらんが出現し,難治であった。皮膚生検で有棘細胞癌と診断した。瘢痕を含めて,下床は手根屈筋腱が露出する深さまで広く切除した。グリコサミノグリカン含有人工真皮(Integra)で一時的に被覆し,3週間後に分層植皮術を施行した。術後2年経過した現在,再発・転移の徴候はない。植皮部は指でつまめるほどの柔軟性や弾力性を保ち,関節可動域制限を認めない。グリコサミノグリカン含有人工真皮により構築される真皮様組織は通常の人工真皮と比べて炎症反応が抑えられ,マトリックスの架橋構造が厚いコラーゲン層を形成するため瘢痕生成が抑えられ,移植皮膚は弾力性と柔軟性に富む。

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