Skin Cancer
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39 巻, 2 号
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第40回日本皮膚悪性腫瘍学会
特別講演
特別企画
教育講演
シンポジウム
一般演題
  • 吉村 亜紀, 冨尾 颯生, 藤本 萌, 藤森 なぎさ, 小澤 健太郎, 猿喰 浩子
    2024 年39 巻2 号 p. 145-151
    発行日: 2024年
    公開日: 2024/10/31
    ジャーナル 認証あり

    69歳,男性。初診2年前より頭部に黒色斑が出現し,近医皮膚科にて経過観察されていた。同部位に腫瘤を形成し,出血を繰り返したため,前医を受診した。皮膚生検にて悪性黒色腫と診断され,当科を紹介された。画像検査で脳転移,肺転移を認め,Stage Ⅳの悪性黒色腫と診断した。すでに神経症状が出現しており,姑息的に原発巣と転移性脳腫瘍を切除した。BRAF変異は陰性であり,術後ニボルマブ単剤療法を開始したところ,肺転移巣は縮小し,部分奏効と判断した。本人希望もあり,1年後から投与間隔を延長し,約3年後に計46回でニボルマブを中止した。中止から2年経過した現在も肺転移巣の増大や新たな転移なく経過している。免疫チェックポイント阻害薬(ICI)によって,悪性黒色腫の全生存期間は有意に延長しているが,治療期間については定まったものはない。ICIの投与期間について,若干の文献的考察を加えて報告する。

  • 吉田 諭, 八束 和樹, 桑折 信重, 西原 克彦, 武藤 潤, 長谷部 晋士, 薬師神 芳洋, 白石 研, 藤澤 康弘
    2024 年39 巻2 号 p. 152-156
    発行日: 2024年
    公開日: 2024/10/31
    ジャーナル 認証あり

    65歳,女性。生下時より左下腿に褐色斑あり。初診7ヵ月前より褐色斑内に腫瘤が出現した。前医で腫瘤が切除され,悪性黒色腫と診断された。当院受診後のCTで左鼠径部,外腸骨動脈周囲,総腸骨動脈周囲のリンパ節腫大あり。BRAF-V600変異(class Ⅰ変異;V600E,V600K)はなく,ニボルマブ(480 mg/Q4w)を開始した。しかし初回投与後に免疫関連有害事象を生じ,本人がニボルマブの継続を拒否した。原発巣の切除検体によるがん遺伝子パネル検査を行ったところNRAS-Q61K変異があり,MEK阻害剤が有効である可能性が指摘された。そこで当院の未承認新規医薬品等評価部の承認を得たうえで,病院の基準外医療費よりビニメチニブを購入して投与を開始した。合計12週間投与後,一部の転移リンパ節が縮小した。未承認薬/適応外薬を使用する際の問題点,当院におけるがん遺伝子パネル検査の状況を含め報告する。

  • 崔 灵壽, 後藤 寛之, 小林 あい子, 平田 央, 小澤 俊幸, 鶴田 大輔
    2024 年39 巻2 号 p. 157-162
    発行日: 2024年
    公開日: 2024/10/31
    ジャーナル 認証あり

    症例は46歳,男性。当院初診より10年以上前から臀部・会陰部・大腿部の化膿性汗腺炎に罹患していた。初診時,左臀部中心に化膿性汗腺炎と考えられる瘻孔を伴う皮下膿瘍を認め,会陰部・肛門部に5 cm大の潰瘍を伴う肉芽様の腫瘤を認めた。会陰部の腫瘤は病理組織学的検査で有棘細胞癌と診断した。会陰部の腫瘍を含めて臀部の化膿性汗腺炎病変部を全切除し,皮弁形成術・分層植皮術で再建した。有棘細胞癌の水平・垂直断端は陰性であった。初回手術3年半後,会陰部に中央潰瘍を伴う乳頭腫状の腫瘍を認めた。病理組織学的検査にて有棘細胞癌と診断し,再発と判断した。

    骨盤底筋の一部を含んだ腫瘍切除を行い,分層植皮術で再建した。化膿性汗腺炎から生じる有棘細胞癌は病変が大きいことも多く,再発に注意が必要である。本症例は術後3年以上経過して再発しており,文献的考察を加えて報告する。

  • 加倉井 真主, 本田 理恵, 三島 英行, 伊藤 周作
    2024 年39 巻2 号 p. 163-168
    発行日: 2024年
    公開日: 2024/10/31
    ジャーナル 認証あり

    50代,女性。13年前に左側乳癌で左乳房全摘術を施行された。3年前より左胸部に皮疹を認め,乳腺外科より生検を依頼され当科を受診した。左胸の創部上に4×3 cm,中央が褐色でやや陥凹した硬い黄白色の扁平結節があり,その周囲にも1 cm大までの中央陥凹した黄白色の硬い結節を4ヵ所認めた。ダーモスコピーではatypical pigment networkやblue-whitish veils,dots/globules,arborizing vessels,辺縁にleaf-like structuresと黄白色無構造領域を認めた。結節中央の病理像は真皮から皮下組織に乳癌の腫瘍細胞が胞巣状に浸潤し,真皮上層の胞巣内ではメラノサイトが増加し,胞巣近傍の間質では多数のメラノファージを認めた。真皮には毛細血管拡張や著明な間質増生も認めた。黒褐色を呈する乳癌では,ダーモスコピー所見が基底細胞癌や悪性黒色腫と類似することがある。

  • 加世田 千夏, 向井 慶, 田中 隆光, 林 耕太郎, 石川 武子, 鎌田 昌洋, 大島 康利, 笹島 ゆう子, 岡田 知善, 多田 弥生
    2024 年39 巻2 号 p. 169-173
    発行日: 2024年
    公開日: 2024/10/31
    ジャーナル 認証あり

    症例は72歳,男性。3ヵ月前より左臀部の自覚症状を伴わない結節に気付いた。その後変化なく,近医で切除され,メルケル細胞癌が疑われ当科を紹介された。切除前の現症は,左臀部に小豆大の皮内結節があり,表面の変化はない。鼠径リンパ節は触知せず。血清のNSEは8.7 ng/mLと正常,PET-CTで転移所見なし。組織は真皮内に腫瘍塊があり,類円形から不規則な索状の胞巣を形成し増殖し,胞巣間には線維性間質が介在していた。腫瘍細胞は小型で類円形の細胞で,細胞質に乏しく,やや大小不同の異型の核を有し,核分裂像もわずかに認めた。腫瘍細胞はCK20で核の辺縁がドット状に陽性を示し,CAM5.2,Synaptophysin,Chromogranin A,CD56が陽性であった。左鼠径のセンチネルリンパ節生検で腫瘍細胞は検出されず,術後,放射線療法を原発と所属リンパ節領域に60 Gy施行した。4年間,再発転移はない。メルケル細胞癌が臀部に発症することは稀であり,臀部のメルケル細胞癌の特徴をまとめた。

  • 佐藤 もも, 結城 明彦, 武居 いづみ, 斎藤 勇輝, 阿部 理一郎
    2024 年39 巻2 号 p. 174-179
    発行日: 2024年
    公開日: 2024/10/31
    ジャーナル 認証あり

    70歳,男性。当科初診2年前に,左上腕に紅色結節を生じ,生検でMerkel cell carcinoma(MCC)(Merkel cell polyomavirus陽性)と診断した。生検後3週で自然消退した。拡大切除とセンチネルリンパ節生検を施行し腫瘍細胞の残存はなかった。CTで遠隔転移はなく,病期はT2N0M0 stage ⅡA(AJCC8版)であった。関節リウマチに対しPSL 10 mg内服中で免疫抑制のリスク因子があったため術後補助放射線療法を勧めたが拒否された。術後1年7ヵ月で小腸転移,腹膜播種を来し,アベルマブを2コース投与後するも改善なく永眠された。MCCは高頻度に再発転移を来す悪性疾患だが稀に自然消退する。原発巣の自然消退例の予後は一般に良好とされるものの,自験例は原発巣が自然消退した後に急速に他臓器転移が進行した。自然消退後に術後放射線療法を行った症例でも再発転移を来した報告もあり,MCCの自然消退後の管理については,逐次治療の有無に関わらず慎重な経過観察が重要と思われる。

第39回日本皮膚悪性腫瘍学会
  • 逢坂 萌, 吉谷 州太, 大塚 俊宏, 福永 淳, 森脇 真一
    2024 年39 巻2 号 p. 180-185
    発行日: 2024年
    公開日: 2024/10/31
    ジャーナル 認証あり

    74歳,男性。5ヵ月前より肛門付近の小腫瘤を自覚していた。当院初診時,肛門近傍,右外側に小豆大の半球状に隆起した病変を認め,弾性やや軟,可動性は良好であった。中央は淡褐色調であり,粉瘤,皮膚線維腫,皮膚付属器腫瘍などを鑑別疾患に考え皮膚生検を施行した。病理組織学的に,一部で毛包と連続性を持ち真皮から皮下脂肪織にかけて増殖する腫瘍を認めた。腫瘍は大小の胞巣を形成しており,一部で角質を有する囊胞を形成していた。胞巣内外にはムチン沈着がみられ,胞巣周囲に裂隙形成がみられた。腫瘍細胞は胞巣辺縁で柵状に配列する傾向がみられた。免疫染色にて腫瘍細胞はBer-EP4(+),EMA(-),CK20(-)であった。これらの結果から基底細胞癌(basal cell carcinoma;BCC)と診断し全切除術を施行した。本症例は皮膚腫瘤の外観や肛門近傍に存在したことから初診時においてBCCを疑うことが困難であった。また過去の報告でも肛門周囲に発生するBCC自体も稀であるため,今回,文献的考察を含めて報告する。

  • 古村 尚士, 上野 彩夏, 新原 寛之, 千貫 祐子, 高橋 勉, 荒木亜寿香 , 新野 大介, 太田 征孝, 山﨑 修
    2024 年39 巻2 号 p. 186-191
    発行日: 2024年
    公開日: 2024/11/01
    ジャーナル 認証あり

    75歳,女性,島根県出身。初診1ヵ月前に,前腕に瘙痒を伴う紅斑が出現し,徐々に多発した。近医でステロイド外用治療をされたが軽快せず,当科を紹介受診した。初診時,躯幹四肢に辺縁堤防状に隆起する環状の浸潤性の紅斑が散在し,環状肉芽腫様であった。皮膚病理組織では,紅斑部では一部表皮内にポートリエの微小膿瘍を認め,真皮に結節状にリンパ球様単核球と組織球を認めた。浸潤している細胞はCD3,CD4,CD25,CCR4陽性であり,CD7は発現低下していた。中央の退色部では,変性した膠原線維の周囲に組織球を認めた。血液検査では白血球11180/μL,異常リンパ球11.3%と上昇を認め,HTLV-1陽性であり成人T細胞白血病リンパ腫と診断した。初診1ヵ月後に異常リンパ球が急増し,CHOP療法2コース,モガムリズマブ併用CHOP療法4コース,モガムリズマブ単体投与を4コース施行しCRに至った。

  • 大草 康正, 田口 良吉, 福田 知雄
    2024 年39 巻2 号 p. 192-197
    発行日: 2024年
    公開日: 2024/11/01
    ジャーナル 認証あり

    Intravascular large B-cell lymphoma(以下IVLBCL)は,びまん性大細胞型B細胞リンパ腫の一亜型で,腫瘍細胞が血管内で選択的に増殖し,多様な症状を呈する疾患である。確定診断には,腫瘍細胞を病理組織で確認することが必須である。今回我々は,当科で施行したIVLBCL疑診33例の診断確定におけるランダム皮膚生検の有用性の検討を行った。その際,皮膚生検陰性の患者が最終的にIVLBCL以外の確定診断になったか否かに注目した。33例の生検結果は,5例が陽性でIVLBCLと確定診断がつき,1例の死亡例を除く27例が陰性で最終的に全例他疾患の確定診断がつけられた。この結果は,本検査陽性はIVLBCLの確定診断,陰性はIVLBCLの否定を示す極めて特異性の高い検査であることを示唆している。ランダム皮膚生検の有用性を高めるためには本検査の精度を上げる必要があり,そのポイントとして,採取部位は老人性血管腫などの皮疹部を優先,可能であれば3ヵ所以上を,深さは脂肪が十分含まれるように検体を取ることを推奨する。

投稿論文
  • 佐藤 順紀, 斎藤 昌美, 永峰 恵介, 加藤 美野里, 北村 成紀, 小山 明彦
    2024 年39 巻2 号 p. 198-203
    発行日: 2024年
    公開日: 2024/11/01
    ジャーナル 認証あり

    65歳,男性。40年ほど前から恥丘部に腫瘤を認めていたが放置していた。巨大化したため当科を受診した。恥丘部に長径97 mm×短径54 mm×厚さ25 mm大の無色素性の有茎性腫瘤を認めた。皮膚生検を行い基底細胞癌(以下BCC)と診断し,10 mmマージンで全切除して2期的に閉創した。臨床型として比較的稀なpolypoid BCCであり組織学的には微小結節型であった。BCCは一般的には顔面に好発し,黒褐色蝋様光沢を呈する結節であることが多い。有茎性や無色素性の臨床像をとることは稀であり,その場合は悪性を疑いにくい。診断の遅れや不適切な切除には注意が必要である。

  • 飯野 駿, 石井 暢明, 芹澤 直隆, 秋元 正宇
    2024 年39 巻2 号 p. 204-213
    発行日: 2024年
    公開日: 2024/11/01
    ジャーナル 認証あり

    32歳,男性。6歳時にFanconi貧血と診断された。今回8年間の経過中に鼠径部と季肋部,陰囊,後頭部上部,左後頭部の計5ヵ所に皮膚悪性腫瘍を認めた。腫瘍のそれぞれの大きさは長径4 mmから18 mmで外観は紅色病変や黒色病変,隆起や潰瘍を伴うものなど様々であった。それぞれの腫瘍に対して切除を行ったところ病理検査の結果は有棘細胞癌が3例,ボーエン病が2例であった。医中誌で渉猟しうる限りFanconi貧血と扁平上皮癌に関する報告は13報告17症例であったが,皮膚癌の合併の報告は自験例が初であったため若干の考察を加え報告する。

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