Skin Cancer

皮膚腫瘍とパピローマウイルス感染

中島孝

1989 年 4 巻 2 号 p. 283-291
発行日: 1989/12/20
公開日: 2010/08/05

DOIhttps://doi.org/10.5227/skincancer.4.283

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無侵襲皮膚病理組織学へのアプローチ

三木吉治, 村上信司, 宮内俊次

1989 年 4 巻 2 号 p. 292-296
発行日: 1989/12/20
公開日: 2010/08/05

DOIhttps://doi.org/10.5227/skincancer.4.292

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25, 40および60MH_zの高周波超音波プローブと周波数可変の発振回路を試作し, 正常および病的皮膚, 可視粘膜の超音波断層像を求めた。ついで, 病変部を切除してふたたび超音波断層像をもとめ, これらを病理組織学的所見と対比検討した。
その結果, 角層の厚い手のひら, 足のうらの皮膚での角層・マルピギー層境界, 表皮・真皮間境界, 頭髪ないしうぶ毛の毛包, 毛髪の断面像の描出に成功した。さらに表在性上皮性腫瘍や嚢腫, 炎症性細胞浸潤, 浮腫などの超音波所見と病理組織学的所見との対比を行い, また, 悪性黒色腫の組織学的浸潤度の生体計測への応用を試みた。本装置の開発により無侵襲皮膚病理組織学への第一歩が拓かれたと考えられる。

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癌転移における免疫療法の役割

佐治重豊

1989 年 4 巻 2 号 p. 297-312
発行日: 1989/12/20
公開日: 2010/08/05

DOIhttps://doi.org/10.5227/skincancer.4.297

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日本におけるBRMの現況―特にインターフェロンについて―

石原和之

1989 年 4 巻 2 号 p. 313-321
発行日: 1989/12/20
公開日: 2010/08/05

DOIhttps://doi.org/10.5227/skincancer.4.313

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皮膚悪性腫瘍に適用されたインターフェロン (IFN) は16に及び,その中β型がメラノーマの局所投与 (腫瘍内投与) に認可された。現在, 認可の可能性のあるものとして菌状息肉症の全身投与と局所投与がある。その他, 表皮内癌 (主にボーエン病) やページェット病にも感受性が高いが有用性となると問題がある。何れにせよ, IFNは局所投与では優れた効果を示し, 全身投与では菌状息肉症に有用性が観察された。

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Interleukin-2 (IL-2) の抗腫瘍効果について

溝口昌子, 呉貴郷, 奥野哲郎, 川口新暉, 川口早苗, 茂木祥子, 長山深雪, 古沢修一

1989 年 4 巻 2 号 p. 322-331
発行日: 1989/12/20
公開日: 2010/08/05

DOIhttps://doi.org/10.5227/skincancer.4.322

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rIL-2による抗腫瘍効果を自験6例及び報告例の治療成績とin vitroの成績から検討した。3例の爪甲下悪性黒色腫をLAK細胞とrIL-2の併用で治療した。全身に転移のあった1例で肝転移巣の一時的縮小と機能改善をみた。1例の有棘細胞癌の腋窩転移巣にrIL-2の局所投与を行い無効であった。1例のCTCLに本剤の全身投与を行い有効 (PR) であった。CTCLの治験報告は全身投与9例中3例, 局所投与16例中9例が有効であった。1例の悪性血管内皮細胞腫に本剤の全身投与を行い有効であった。これまで自験例を含めて4例の本症に本剤が投与されており全て有効であった。In vitroではrIL-2は本腫瘍に対する直接傷害作用はなく, 免疫機序による抗腫瘍効果と考えられた。

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Randomized controlled study of BCG (enteric-coated capsule) in the treatment of stage Ib and II malignant melanoma

S. Ikeda, T. Suzuki, K. Nagayo, K. Ishihara, T. Sawada

1989 年 4 巻 2 号 p. 332-340
発行日: 1989/12/20
公開日: 2010/08/05

DOIhttps://doi.org/10.5227/skincancer.4.332

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In a randomized controlled study of BCG in the treatment of stage Ib and II malignant melanoma, both the disease-free survival rate and the survival rate in the BCG treated group were significantly higher than those in the control group. The survival rate in the stage Ib patients of the BCG-treated group are significantly higher than the control group. The survival rates in patients aged less than 60 were significantly higher in the BCG treated group than in the control group. The survival rates in male patients were significantly higher than in the control group.

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BRM―基礎医学の立場から―

徳永徹

1989 年 4 巻 2 号 p. 341-348
発行日: 1989/12/20
公開日: 2010/08/05

DOIhttps://doi.org/10.5227/skincancer.4.341

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本稿は, 第4回皮膚悪性腫瘍学会総会シンポジウム「BRMの現状と展望」において, 5名の演者の先生方が臨床の立場から種々のBRMについて紹介されたことを受けて, 基礎の立場から総説的に行った報告の概要である。その内容の要点は以下の如くである。
I. BRMの定義と背景
II. サイトカインについて
(1) 一般的な性質, (2) サイトカインの作用する場の問題, (3) サイトカインの調節因子
III. 合成BRM―BCG, 核酸製剤を中心に
IV. 自然界由来物質―BCG核酸製剤を中心に
V. おわりに―BRMの基礎研究

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メラノーマの予後因子

石原和之, 池田重雄, 広根孝衛, 石橋康正, 荒尾龍喜, 斉田俊行, 森俊二, 森嶋隆文, 内山光明

1989 年 4 巻 2 号 p. 349-361
発行日: 1989/12/20
公開日: 2010/08/05

DOIhttps://doi.org/10.5227/skincancer.4.349

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本邦で予後因子調査を多施設で行うことはほとんどないようである。今回, 厚生省メラノーマ研究班 (がん研究助成金による) の構成施設により予後因子を細目に分けて集計, 解析した。その特徴はTNM分類を基本とし, これに従来, 検討しなかった臨床症状, 例えば斑状, 扁平状, 腫瘤状に加え, ビラン, 潰瘍を形成した場合の予後の変動などについても記載した。また, 小切除 (全切除) , 部分切除と再切除までの期間別による予後, あるいはstageと所属リンパ節廓清の有用性の問題, 切除範囲の大きさと予後などについても解析を試みた。調査施設は9施設, 集計数は649例である。

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進行期悪性黒色腫に対するCisplatin+Dacarbazine+Vindesine療法の効果

山崎直也, 佐々木英也, 早坂健一, 石原和之

1989 年 4 巻 2 号 p. 362-366
発行日: 1989/12/20
公開日: 2010/08/05

DOIhttps://doi.org/10.5227/skincancer.4.362

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DAV療法が無効であった悪性黒色腫のstage III, IV症例7例に対し, cisplatin, dacarbazine, vindesineによるcombination chemotherapyを施行したところ, stage IVの4例中1例にpartial response (PR) が認められた。stage IIIの3例については全例術後のadjuvant chemotherapyとして行い, 現在2例がdisease freeである。

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皮膚悪性腫瘍に対する遺伝子組換え型ヒトインターロイキン2 (rIL-2: TGP-3) の臨床第2相試験

池田重雄, 石原和之

1989 年 4 巻 2 号 p. 367-387
発行日: 1989/12/20
公開日: 2010/08/05

DOIhttps://doi.org/10.5227/skincancer.4.367

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皮膚悪性腫瘍に対する遺伝子組換え型ヒトインターロイキン-2 (rIL-2: TGP-3) の臨床第2相試験を全国31施設で実施した。
悪性血管内皮細胞腫, 悪性黒色腫, 皮膚悪性リンパ腫, 表皮内癌 (乳房外Paget病, ボウエン病, 日光角化症) など計131例 (うち適格例113例) が検討され, 94例が完全例として有効性検討の対象となった。
癌種別には, 悪性血管内皮細胞腫で全身投与および局所投与により評価例16例中7例のCRまたはPR例が認められ, 奏効率は44%であった。一方, 皮膚悪性リンパ腫, ボウエン病, 日光角化症においても, 腫瘍内または腫瘍周縁部への投与により有効性が認められた。
自他覚的副作用として発熱, 食欲不振, また, 臨床検査値異常として好酸球増多, 白血球数増加, 好中球減少, GOT・GPT上昇などが認められたが, ほとんどが可逆性のものであった。
TGP-3は既存のいずれの治療法によってもほとんど治療効果が期待できない悪性血管内皮細胞腫に対し, 優れた臨床効果を示しかつ耐容可能である有用な治療薬と考えられた。

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ヌードマウス可移植性ヒト悪性黒色腫 (SK-14株) に対するrecombinantヒトTNF (PT-050) の抗腫瘍効果

石原和之, 小出勉, 小松輝夫

1989 年 4 巻 2 号 p. 388-396
発行日: 1989/12/20
公開日: 2010/08/05

DOIhttps://doi.org/10.5227/skincancer.4.388

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ヌードマウスに移植したヒト悪性黒色腫(SK-14株)に対するrecombinantヒトTNF (rTNF: PT-050) の抗腫瘍効果を検討した。移植腫瘍の成長を確認後, 種々の濃度のrTNFを隔日6回静脈内あるいは腫瘍内に投与し, 投与終了後10日目に腫瘍増殖抑制効果を判定した。
その結果, いずれの投与においても溶媒対照群と比較し腫瘍増殖抑制効果が観察された。また, 腫瘍部位の病理組織学的所見では出血像および腫瘍細胞の壊死像がいずれの投与法でも認められた。

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担癌患者に発生した帯状庖疹に対するアシクロビル(ゾビラックス)の治験

石原和之, 山崎直也, 佐々木英也

1989 年 4 巻 2 号 p. 397-407
発行日: 1989/12/20
公開日: 2010/08/05

DOIhttps://doi.org/10.5227/skincancer.4.397

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担癌患者に発生した帯状疱疹に対し, 従来, 1日3回, 8時間毎にアシクロビル (ゾビラックス) を投与して優れた成績が報告されているが, 今回, 我々は主に外来患者を対象として1日1回500mgを投与し, その効果を検討した。対象とした患者の大多数が放射線療法, 抗がん剤などの投与に関連して発生したもので免疫能の低下が予想され, 一般の帯状疱疹より難治性と考えられた。しかし, 全体的に発赤, 水疱形成ならびに疼痛などの症状を抑制し, 緩解を早めたと考えられた。
効果判定は投与2週目に行い, 著明に改善したもの11例, 改善したもの9例, やや改善したもの4例であった。副作用は特に認められなかった。

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播種状表在性光線性汗孔角化症に合併した表皮内癌の2例

赤坂俊英, 森康記, 松田真弓, 昆宰市

1989 年 4 巻 2 号 p. 408-412
発行日: 1989/12/20
公開日: 2010/08/05

DOIhttps://doi.org/10.5227/skincancer.4.408

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播種状表在性光線性汗孔角化症 (DSAP) に併発した多発性の表皮内癌の2例を報告した。第1例は66歳男性で両手背にBowen病を生じ, 第2例は81歳男性で両手背, 頭部に光線角化症を多発して認め, 両者ともに表皮内癌の周囲に多数のDSAPを散在していた。DSAPは巨大汗孔角化症や局面型汗孔角化症とともに皮膚癌の発症母地であり, さらに日光による発癌を呈しやすい病態であると考えた。

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多発性扁平上皮癌を伴った砒素角化症の1例

岩崎和美, 三原基之, 島雄周平

1989 年 4 巻 2 号 p. 413-416
発行日: 1989/12/20
公開日: 2010/08/05

DOIhttps://doi.org/10.5227/skincancer.4.413

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59歳の男性。砒酸鉛摂取の既往あり。掌蹠に角化性疣状結節が散在。左外足縁と右肘部に潰瘍を伴う結節を認めた。組織学的所見より砒素角化症と多発性扁平上皮癌と診断したが扁平上皮癌にmicrovilliを有するintracellular canaliculiとtrichilemmal Keratinization様所見が認められた。各々, 汗腺と毛包への分化を示す所見と考え砒素癌の成因について考察した。

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防衛医大皮膚科におけるBowen病19例の統計的観察

仲田龍一, 大畑弘幸, 高橋洋文, 川田暁, 比留間政太郎, 石橋明, 久木田淳

1989 年 4 巻 2 号 p. 417-420
発行日: 1989/12/20
公開日: 2010/08/05

DOIhttps://doi.org/10.5227/skincancer.4.417

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昭和58年1月より昭和63年12月までの6年間に当教室で経験したBowen病19例について報告した。性別は男10例, 女9例, 発症年齢は42歳から91歳までで, 50歳以上の症例が19例中17例を占めた。多発例は2例に, 内臓悪性腫瘍の合併は1例に認めた。またDAKOB580を用いHuman papilloma virusの検索を行い1例で陽性所見を得た。

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悪性黒色腫を疑わせた基底細胞腫の1例

山本俊幸, 山口潤, 儘田晃, 近藤靖児, 梅田整

1989 年 4 巻 2 号 p. 421-423
発行日: 1989/12/20
公開日: 2010/08/05

DOIhttps://doi.org/10.5227/skincancer.4.421

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54歳, 男性の顔面右内眼角部に生じた基底細胞腫の1例を報告した。1年前より急激に増大傾向の出現した黒色結節で, 臨床像, 経過より悪性黒色腫の可能性も十分に考えられ, 臨床診断に苦しむ症例であった。色素沈着性基底細胞腫と結節型悪性黒色腫の臨床的鑑別の難しさを痛感し, あわせて若干の検討を試みた。

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慢性骨髄性白血病にて骨髄移植後に多発したKeratoacanthomaについて

古川雅祥, 濱田稔夫, 柴田弘俊, 正岡徹

1989 年 4 巻 2 号 p. 424-426
発行日: 1989/12/20
公開日: 2010/08/05

DOIhttps://doi.org/10.5227/skincancer.4.424

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36歳, 女性の, 慢性骨髄性白血病にて骨髄移植施行後に連続して発症したKeratoacanthomaの1例を報告した。Keratoacanthomaの病因については, 多くの因子の関与が推測されているが, いまだはっきりしておらず, 我々の症例の様に骨髄移植後に免疫抑制剤を使用してきた免疫抑制状態に至って発症した事は免疫抑制状態もKeratoacanthomaの発生の1つの因子になる事が推測された。

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Lentigo malignaの2例

軽部幸子, 鈴木正, 田嶋公子, 池田重雄

1989 年 4 巻 2 号 p. 427-430
発行日: 1989/12/20
公開日: 2010/08/05

DOIhttps://doi.org/10.5227/skincancer.4.427

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Lentigo malignaの2例について免疫組織学的検査を行い, S-100蛋白は異型メラノサイトの線状増殖部で陰性, 胞巣形成部で弱陽性であり, ビメンチンは両者とも陽性であった。S-100蛋白と悪性度との間に何らかの相関の可能性も示唆され, さらに症例を重ねて検討する必要があると思われる。

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