Skin Cancer
Online ISSN : 1884-3549
Print ISSN : 0915-3535
ISSN-L : 0915-3535
最新号
選択された号の論文の8件中1~8を表示しています
第35回日本皮膚悪性腫瘍学会
一般演題
  • 宗盛 倫子, 森田 知世, 松原 大樹, 菅 崇暢, 田中 暁生, 河合 幹雄, 樽谷 貴之, 平川 治男, 秀 道広
    2020 年 35 巻 2 号 p. 35-40
    発行日: 2020年
    公開日: 2020/10/30
    ジャーナル 認証あり

    42歳,女性。右耳介後部腫瘤を主訴に前医耳鼻科を受診した。PET-CTで右頸部リンパ節に集積があり,リンパ節生検で悪性黒色腫と診断され,当科を紹介受診した。頭部,顔面,頸部に多数の褐色斑,小丘疹がみられた。最も原発巣として疑われた頭頂部の中央に丘疹を伴う茶褐色局面および5箇所の丘疹を摘出した。頭頂部病変の病理組織検査から良性の色素性母斑と考え,原発不明悪性黒色腫(melanoma of unknown primary origin:MUP)のリンパ節転移と診断し,右頸部リンパ節郭清術を行った。術後の上部消化管内視鏡検査で食道~十二指腸に数mm大の黒色斑が多数存在し,病理組織検査で悪性黒色腫の転移と診断した。BRAF遺伝子検査は2度実施したが,いずれも判定不能であった。術後に計2回ニボルマブ(2 mg/kg)投与を行ったが,その後肺,肝,骨への転移が判明した。術前のLDH値は194 U/Lであったが,術後16日目に523 U/L,2ヵ月目には3,641 U/Lに上昇した。その後も転移巣は増大し,術後85日目に多臓器不全で永眠した。MUPとしては転帰が急速であったことから,後に詳細に病理組織の再検討を行い,頭部病変を原発と考えた。表在拡大型黒色腫(superficial spreading melanoma:SSM)では一般にBRAF変異率は高いため,BRAF阻害剤による治療が奏効した可能性があるが,自験例ではメラニン量が多く,遺伝子診断を行えなかった。BRAF遺伝子検査における判定不能例の報告は稀であり,報告する。

  • 鈴木 里香, 白井 拓史, 佐野 佑, 中村 謙太, 三宅 知美, 木庭 幸子, 松本 和彦, 奥山 隆平
    2020 年 35 巻 2 号 p. 41-46
    発行日: 2020年
    公開日: 2020/10/30
    ジャーナル 認証あり

    86歳,男性。82歳時に前医で頭部の皮膚腫瘤を全切除生検され,隆起性皮膚線維肉腫と診断され,3 cmマージンで拡大切除を受けた。原発拡大切除から2年後に潰瘍が生じ,3年半後には潰瘍の辺縁に紅色隆起性病変が出現した。CTで病変部の頭蓋骨に破壊像がみられ,頭部MRIでは多発脳転移が認められた。腫瘤部の生検で,真皮~皮下に異型の強い紡錘形~類円形の細胞の密な増殖像があり,CD34陰性,Ki-67 30%陽性であった。COL1A1-PDGFB融合遺伝子が検出され,線維肉腫様変化を伴う隆起性皮膚線維肉腫の再発,脳転移と診断した。脳転移巣へはγナイフ治療を行い,再発巣に対しては70 Gy/35分割の放射線照射とイマチニブメシル酸塩の投与を実施した。再発巣,転移巣ともに縮小傾向であったが,イマチニブ開始17週後に体液貯留が生じ,同剤は中止した。活動性の低下も著しく,その後は緩和ケアへ移行した。

第34回日本皮膚悪性腫瘍学会
一般演題
  • 奥村 真央, 山田 元人, 森 章一郎, 伊藤 靖敏, 藤城 里香, 鈴木 教之
    2020 年 35 巻 2 号 p. 47-51
    発行日: 2020年
    公開日: 2020/10/30
    ジャーナル 認証あり

    51歳,女性。20年前から右外眼角部に硬結が出現した。4ヵ月前から硬結が拡大し,開瞼困難を自覚したため当科を受診した。病理組織学的検査で真皮全層から皮下組織に小型の腫瘍細胞の索状構造を伴う広範囲の浸潤を認めた。Syringomatoid carcinomaと診断し,水平マージン1 cm,深部マージンは骨上もしくは一部側頭筋を含めて切除,眼瞼は全層切除とした。再建は眼瞼粘膜には粘膜移植をし,欠損皮膚には正中前額皮弁,頬皮弁を行った。術後2年時点で明らかな転移・再発を認めていない。Syringomatoid carcinomaにより開瞼困難を来した報告は少ないが,本疾患は眼瞼にも生じる腫瘍であるため,本症例のような機能障害を来しうる。

第33回日本皮膚悪性腫瘍学会
一般演題
  • 沢田 広子, 小森 敏史, 浅井 純, 竹中 秀也, 加藤 則人
    2020 年 35 巻 2 号 p. 52-57
    発行日: 2020年
    公開日: 2020/10/30
    ジャーナル 認証あり

    70歳,男性。17歳時に両下腿に熱傷を受傷し,保存的に治療された。51歳時に当科で右足背外側の熱傷瘢痕部に生じた有棘細胞癌に対し,皮膚悪性腫瘍切除術,分層植皮術,右鼠径リンパ節郭清術および術後化学療法を施行された。66歳頃から右足背の植皮部辺縁にびらんが出現し,当科へ再度受診した。皮膚生検にて有棘細胞癌と診断し,腫瘍切除術および全層植皮術を施行した。術後1ヵ月の再診時に右足内踝の熱傷瘢痕内に角化性病変を生じた。腫瘍切除術および全層植皮術を施行し,表皮内悪性黒色腫の診断であった。表皮内悪性黒色腫の術後2年3ヵ月で前回手術部位の近傍に皮膚潰瘍が出現した。腫瘍切除術および全層植皮術を施行し,悪性黒色腫Stage Ⅱa(pT2bN0M0)と診断した。

    熱傷瘢痕は悪性腫瘍の発生母地となるが,悪性黒色腫が発生するのは稀である。長年にわたり複数回皮膚悪性腫瘍が発生する場合もあり,注意深い経過観察が必要である。

投稿論文
  • 林 大輔, 楠谷 尚, 中原 寛和, 大澤 政彦, 加茂 理英, 鶴田 大輔
    2020 年 35 巻 2 号 p. 58-64
    発行日: 2020年
    公開日: 2020/10/30
    ジャーナル 認証あり

    症例:77歳,女性。現病歴:初診1ヵ月前から左頬粘膜に違和感が出現した。その後,頬部に皮膚結節が出現し急速に増大したため当科を受診した。初診時,左頬部に13 cmの表面がカリフラワー状の腫瘤があり,壊死組織,悪臭を伴っていた。口腔内に頬部と連続する結節があり,中央には皮膚口腔瘻が存在した。また開口障害があった。皮膚病変の生検を行い扁平上皮癌と診断した。CT,MRI,FDG-PETで周囲筋組織への浸潤,左顎下部,両側頸部のリンパ節転移を認めたが,遠隔転移は認めなかった。皮膚原発か口腔原発かの判断が困難であったため,口腔扁平上皮癌に準じてcetuximab併用放射線療法を行い,腫瘍は著明に縮小し瘻孔も閉鎖した。その後,リンパ節病変の残存が疑われたためテガフール・ギメラシル・オテラシルカリウム配合錠を半年間内服した。治療開始後4年1ヵ月経過するも再発はない。治療開始時には周囲組織浸潤や瘻孔による口腔機能障害があったが,治療奏効により機能回復した。

  • 清水 健司, 徳力 俊治, 足立 靖, 後藤 啓介, 高井 利浩
    2020 年 35 巻 2 号 p. 65-70
    発行日: 2020年
    公開日: 2020/10/30
    ジャーナル 認証あり

    9歳,男児。当科初診より1年前に右下腿皮膚に黒色斑が出現した。徐々に増大したため半年後皮膚科を受診。右下腿前面に10×7 mmの黒色結節を指摘された。パンチ生検でSpitz母斑疑いと診断されたが,その後半年間で約4 mmの腫瘍増大を認めたため,当科に紹介受診となった。当科初診時,右下腿前面に14×11 mmの境界明瞭,隆起性で,一部に紅色を呈する黒褐色斑を認めた。5 mmのマージンを設けて全切除生検を行ったところ,当院での初期病理診断は悪性黒色腫であったが,複数の施設にコンサルトを行い,atypical Spitz tumor(AST)として治療を行った。センチネルリンパ節生検は陰性であり,初診時から2年9ヵ月後の現在再発は認めず経過観察を行っている。ASTの診断には組織学的所見に加えて免疫染色や遺伝子変異の所見も有効である。治療方針については現在も議論の余地があり,センチネルリンパ節生検の必要性を含め今後の検討が望まれる。

  • 市來 尚久, 丹羽 宏文, 松山 かなこ, 板津 隆晃, 中山 則之, 清島 真理子
    2020 年 35 巻 2 号 p. 71-75
    発行日: 2020年
    公開日: 2020/10/30
    ジャーナル 認証あり

    74歳,男性。初診の4年前に右陰囊の紅斑に気付き,その後拡大したため受診。両側陰囊と恥丘に紅斑があり,生検で乳房外Paget病(EMPD)と診断し切除術を施行。手術の4年半後に右鼠径リンパ節が腫大したためリンパ節郭清術を行った。さらに右外腸骨~総腸骨域にもリンパ節腫脹がみられ,放射線治療を施行しPRであった。追加の治療を希望しなかったため,その後は近医で経過観察となった。初診から8年半後に左鎖骨上,後横隔膜脚,腹部傍大動脈リンパ節腫大のため受診。その1ヵ月後,右下肢の脱力としびれに気付いた。EMPDの単発性脳転移が考えられ,切除術と術後照射を行った。その後脳転移巣が増加し全脳照射を施行。しかし意識レベルが低下し,追加治療は希望されず緩和治療目的で転院となった。EMPDの脳転移の報告は少なく,特に自験例はリンパ節転移以外には主要臓器に転移がなく脳転移を生じた稀な症例と考えられた。

feedback
Top