非固着性ガーゼは様々な種類のものがあるが,おもにその使用目的はガーゼ交換の際の出血や疼痛緩和,および組織損傷の軽減である。今回我々は非固着性創傷被覆・保護材(ウルゴチュール
®,日東メディカル株式会社,大阪,日本)を糖尿病性潰瘍や下腿潰瘍,悪性腫瘍などに使用し,疼痛緩和,上皮化や浸出液の二次ドレッシング材への吸収などにつき良好な経過を得た。また,皮膚欠損創20例に対するメッシュスキングラフトなどの植皮術を行う際に植皮の母床および植皮片とガーゼとの固着を防ぐ目的で非固着性創傷被覆・保護材(ウルゴチュール
®)を使用したところ,生着率は75%から100%であった。全例に植皮前後で創部培養検査を行い,細菌叢の検索を行ったがウルゴチュール使用後の創部において菌が検出された症例のほとんどが常在菌であり,非固着性創傷被覆・保護材(ウルゴチュール
®)使用下において,感染リスクの上昇は示唆されなかった。(皮膚の科学,15: 101-106, 2016)
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