皮膚の科学
Online ISSN : 1883-9614
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6 巻 , 3 号
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研究
  • 西井 貴美子, 笹川 征雄, 平山 公三, 山田 秀和, 北村 公一, 酒谷 省子, 櫻井 真也, 寺尾 祐一, 土居 敏明, 原田 正, ...
    2007 年 6 巻 3 号 p. 235-241
    発行日: 2007年
    公開日: 2010/12/06
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    近年,サンバーン,サンタン,光老化皮膚,皮膚癌,免疫力低下など紫外線によっておこる皮膚疾患の予防の重要性が叫ばれているにもかかわらず,プールでの水泳授業時のサンスクリーン剤使用を禁止している学校が少なくない。文部科学省は使用制限をしていないが,自由に使用できる学校と禁止している学校があるのが現状である。今回,大阪皮膚科医会では適切な健康管理が教育の現場でおこなわれるようにするため,大阪府下の学校にアンケート調査を実施し使用状況を把握し,更に指導すべき立場にある医師の意識調査をおこなった。その結果,両者の意識に明らかな差を認めた。
症例
  • 村上 順子, 中田 土起丈, 秋山 正基, 飯島 正文, 肥後 尚孝
    2007 年 6 巻 3 号 p. 242-245
    発行日: 2007年
    公開日: 2010/12/06
    ジャーナル 認証あり
    28歳,女性。右上肢の帯状疱疹に罹患,近医でアンダーム®軟膏を処方されて,初診33日前から3日間外用した。初診12~11日前にも同剤を外用したところ,10日前にそう痒感を伴う皮疹が出現した。近医を受診してプレドニゾロン20mg/日,抗ヒスタミン剤,リンデロンVG®軟膏などを処方されたが,皮疹はさらに拡大したため,当科を紹介された。初診時,両乳房下部,腹部,背部,左上肢に暗紅色の浮腫性紅斑を認め,高度のそう痒感,局所熱感を伴っていた。症状軽快後,アンダーム®軟膏の希釈系列を作製してパッチテストを施行したところ,50倍に希釈しても陽性反応が出現した。
  • 中東 恭子, 谷岡 未樹, 神戸 直智, 宇谷 厚志, 宮地 良樹
    2007 年 6 巻 3 号 p. 246-249
    発行日: 2007年
    公開日: 2010/12/06
    ジャーナル 認証あり
    76歳男性。胃癌による胃切除,アルコール依存症の既往がある。3ヵ月前から体幹を中心にそう痒を伴う類円形で,厚い鱗屑・痂皮を有する紅斑が多発し,環状を呈する皮疹も混じていた。同時に爪甲の変形白濁,舌萎縮,口角炎,外陰部のびらん,腎機能の悪化,急激な体重減少,下肢と陰嚢の浮腫,貧血がみられた。組織検査では,表皮上層の変性像,角層下膿疱,真皮上層の強い浮腫,好中球主体の細胞浸潤を示した。壊死性遊走性紅斑を疑い原因検索を行ったところ,低蛋白血症,低亜鉛血症,グルカゴン軽度高値が認められた。治療としてアミノ酸製剤を投与したところ急速に皮疹は軽快した。亜鉛欠乏を伴っていたため亜鉛欠乏性皮膚炎との鑑別を要した。
  • 平田 結衣, 幾井 宣行, 森脇 真一, 橋本 隆, 清金 公裕
    2007 年 6 巻 3 号 p. 250-254
    発行日: 2007年
    公開日: 2010/12/06
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    77歳,男性。4年前に尋常性乾癬と診断され近医にて加療中であった。経過は良好であったが,2006年1月より全身に紅斑,水疱が出現したため当科を受診した。病理組織学的に表皮下水疱を認め,蛍光抗体直接法で表皮基底膜部にIgGの線状沈着がみられた。蛍光抗体間接法でIgG抗表皮基底膜部抗体が陽性で,1M生理食塩水剥離皮膚では真皮側に反応した。抗p200類天疱瘡が強く疑われたが,免疫ブロット法,ELISA法ではBP180,BP230,p200いずれも陰性であった。ステロイド内服,血漿交換により完全に皮疹は消退した。ステロイド減量時に乾癬様皮疹の再燃がみられたが,シクロスポリン内服への変更により皮疹は改善した。
  • 北村 華奈, 新関 寛徳, 古林 郁乃, 福本 隆也, 浅田 秀夫, 宮川 幸子, 村上 伸介, 玉置 伸二, 木村 弘
    2007 年 6 巻 3 号 p. 255-260
    発行日: 2007年
    公開日: 2010/12/06
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    52歳男性。2003年1月,間質性肺炎の精査目的にて近医より当院第2内科を紹介され受診。血液検査にて抗SS-A抗体陽性を認め,Sjögren症候群 (Sjögren’s syndrome, SjS)を疑われ,当科を紹介された。両頬部に淡紅色紅斑,両肘頭に褐色調の角化を伴う紅斑,両手指MP関節背側と基節部屈側に浮腫性暗紫紅色の紅斑,全指爪郭の腫脹,毛細血管の拡張も認めた。口唇生検を含む諸検査の結果,SjSの診断基準を満たした。聴診上両下肺野に捻髪音を聴取し,胸部CTでは両下肺野はスリガラス状を呈していた。筋力低下を認めず,筋原性酵素の上昇は軽度であることより,二次性SjSおよび間質性肺炎(IP)を伴ったamyopathic dermatomyositisと診断した。プレドニゾロン内服とステロイドホルモン剤外用により皮疹及びIPは改善した。
    2003年のSontheimerとMiyagawaの集計以降の本邦報告例を新たに集計したところ,シクロスポリンなどの併用により救命しえた症例の報告は増加したものの,依然として治療にまったく反応しない症例は5例であった。
  • 照屋 美貴, 山本 雄一, 平良 清人, 具志 真希子, 安里 豊, 米須 麻美, 半仁田 優子, 上里 博
    2007 年 6 巻 3 号 p. 261-267
    発行日: 2007年
    公開日: 2010/12/06
    ジャーナル 認証あり
    71歳女性。初診7年前より顔面に紅斑局面が出現した。病理組織学的に抗酸菌陰性の非乾酪性類上皮細胞性肉芽腫を認めた。胸部CT上でリンパ節の腫大,ツベルクリン反応陰性,血清中アンギオテンシン変換酵素の上昇から皮膚サルコイドーシスと診断した。1984年から2005年までの琉球大学皮膚科で診断したサルコイドーシス患者について集計した。当科を受診した患者数は28例であり,そのうち皮膚病変を有する患者数は27例であった。年齢は37才から86才(平均年齢60.3才)で,男5例,女23例であった。受診時の罹患部位は皮膚16例(57.1%),眼(ぶどう膜炎)5例(17.5%),肺3例(10.7%),神経(顔面神経麻痺)2例(7.1%),その他肝臓と心臓が各々1例であった。
  • 加賀 麻弥, 志村 英恵, 岩原 邦夫
    2007 年 6 巻 3 号 p. 268-270
    発行日: 2007年
    公開日: 2010/12/06
    ジャーナル 認証あり
    35歳女。20年来の左耳後部腫瘤。初診の数日前より腫脹,粉瘤を疑い切開したところ内容物に毛髪を認めた。切除時,10×20mmの骨膜と癒着のない嚢腫が存在。病理組織像で嚢腫壁に皮脂腺・毛包を認めDermoid Cystと診断した。術後4ヵ月経過しているが再発を認めない。自験例での発症部位は比較的稀であるため,文献的な考察を加えて報告する。
  • 村江 美保, 爲政 大幾, 堀尾 武
    2007 年 6 巻 3 号 p. 271-274
    発行日: 2007年
    公開日: 2010/12/06
    ジャーナル 認証あり
    24歳,女性。初診1ヵ月前より右臀部に淡青緑色に透見される拇指頭大の皮下腫瘤を触知したため受診した。切除した際,リンパ液様の内容液が流出した。病理組織像にて線毛を有する一層の立方状上皮で囲まれた嚢胞を真皮中下層に認めcutaneous ciliated cystと診断した。cutaneous ciliated cystは非常にまれな疾患で,本邦でも数例の報告があるのみである。その成因として,Müller管の迷入説または汗腺起源説が提唱されている。自験例は免疫組織学的にCEA,S-100陰性,エストロゲン,プロゲステロンレセプター陽性でありMüller管由来説を示唆する症例と考えられた。
  • 内田 敦子, 山本 崇, 梅田 二郎, 土居 敏明
    2007 年 6 巻 3 号 p. 275-279
    発行日: 2007年
    公開日: 2010/12/06
    ジャーナル 認証あり
    66歳,男性。約3年前より陰嚢右側に半球状の正常皮膚色,弾性硬の腫瘤があり,自発痛,圧痛を伴っていた。病理組織学的所見では,紡錘形の腫瘍細胞より構成され,免疫組織化学的にはα-SMA陽性であり,単発性陰部平滑筋腫と診断した。これまでの本邦報告例では,その7割が左側に発症しており,右側に生じた例は少ない。
  • 渡部 昌利, 吉田 有紀, 前川 直輝, 國行 秀一, 鈴木 伸典
    2007 年 6 巻 3 号 p. 280-283
    発行日: 2007年
    公開日: 2010/12/06
    ジャーナル 認証あり
    症例は19歳の女性。約2年前,左足底部の2個の皮下結節に気付いた。初診時,病変部はわずかに隆起し弾性硬であった。診断と治療を兼ねて局所麻酔下に結節の摘出を行った。病理組織学的に腫瘍は拡張した多数の静脈性の血管腔よりなり,その内部に器質化血栓が見られた。血栓に近接して1層の内皮細胞に覆われた乳頭状構造が認められた。以上の所見よりvenous hemangioma with thrombosisに併発したintravascular papillary endothelial hyperplasia(IPEH)と診断した。IPEHの成因に関して,血栓の器質化が関与する可能性が示唆された。
  • 松尾 智央, 堀尾 武
    2007 年 6 巻 3 号 p. 284-287
    発行日: 2007年
    公開日: 2010/12/06
    ジャーナル 認証あり
    28歳女性(娘),54歳女性(母)に同時期より体幹を中心に自覚症状のない毛包一致性の鮮紅色丘疹が出現し,一部膿疱化するとともに拡大した。3人家族であり,入浴時に母娘は同じスポンジを使用していたが,息子は浴槽に入らずシャワーのみでスポンジは使用していなかった。臨床症状と問診から緑膿菌性毛包炎を疑い,レボフロキサシン内服,ゲンタシン軟膏塗布にて治療を開始した。1週間後には症状が著明に改善した。また,細菌培養の結果,娘の膿疱から緑膿菌のみが検出され,診断が裏付けられた。治療とスポンジの使用中止により2週間後には略治状態となった。本症の皮膚科領域からの報告はきわめて稀である。
  • 黄原 久美子, 野田 智子, 池田 佳弘
    2007 年 6 巻 3 号 p. 288-291
    発行日: 2007年
    公開日: 2010/12/06
    ジャーナル 認証あり
    51歳,男性。右手を壁でこすり,約二週間後に同部位に紅色結節が出現したため,平成17年8月31日当科を受診した。右手母指MP関節部に23×20mmの表面粗造で,鱗屑を付着する紅色結節を認めた。素手で熱帯魚の水槽の手入れを頻繁にしていることより,皮膚非結核性抗酸菌症,スポロトリコーシスなどを疑い皮膚生検を施行した。HE染色にて多核巨細胞浸潤を伴う類上皮肉芽腫を認めた。小川培地を用い25℃で培養し,3週間後にコロニーを認めたため,DNA-DNA hybridization法を施行しMycobacterium marinumが同定された。7週間の塩酸ミノサイクリン200mg/日内服にて軽快した。
治療
  • 中村 敏明, 東山 真里, 荻堂 優子, 細原 圭子, 伊藤 往子, 田中 まり, 横見 明典, 辻 真紀
    2007 年 6 巻 3 号 p. 292-299
    発行日: 2007年
    公開日: 2010/12/06
    ジャーナル 認証あり
    尋常性乾癬患者51名に対して,入院での寛解導入,外来での維持療法を目的としてPUVA-bath療法を一貫して行い,その臨床効果について解析した。入院でPUVA-bath療法を施行した51名のうち,30名は退院後1年間外来で経過観察を行った。全例で外用療法を併用した。入院中の平均照射回数は13.4回,平均照射量は11.1J/cm2であった。51人中21人の患者でエトレチナート(5~30mg/日)を併用した。入院中のPUVA-bath単独群とエトレチナート併用群の有効性は著効と有効をあわせて92%であった。退院後の外来経過観察中に7人(23%)の患者で再燃を認めた。退院後の外来でのPUVA-bath療法の一ヵ月あたりの照射回数は,退院6ヵ月後(平均1.98回/月)よりも12ヵ月後(平均1.68回/月)で減少していた。またシクロスポリン治療からPUVA-bath療法への切り替え症例においても良好な結果を得た。全例において副作用は認めなかった。以上よりPUVA-bath療法単独もしくはエトレチナートとの併用療法は中等症以上の尋常性乾癬の寛解導入療法かつ維持療法として有用であると考えられる。
使用試験
  • 佐藤 紀子, 豊島 泰生, 高木 豊, 小川 朗子, 大河内 亨子, 菊地 克子, 熊坂 久美子, 西條 忍, 細川 倫子, 渡部 光子, ...
    2007 年 6 巻 3 号 p. 300-308
    発行日: 2007年
    公開日: 2010/12/06
    ジャーナル 認証あり
    “ナプキンかぶれ”に悩む成人女性16例を対象に,従来のナプキンに比較して皮膚の膨潤と物理刺激を低減化したナプキン「ロリエF®花王株式会社製」の実使用試験を実施した。試験期間は2回の月経期間とし,1回目の月経期には被験者が普段使用しているナプキンを,2回目の月経期にはロリエF®を使用させた。各々の月経終了時と非月経期に,ナプキン接触部の皮膚所見観察と自覚症状の問診を行なうことから,ロリエF®の皮膚に対する影響を解析した。被験者には,試験期間中に日誌を記入させ,使用感に関するアンケートも実施した。これらの検討からロリエF®の,紅斑・丘疹等の皮膚所見と自覚症状を著明に減らす効果が示唆され,有用性が確認された。
  • 近藤 慈夫, 岡田 裕子, 富田 靖
    2007 年 6 巻 3 号 p. 309-315
    発行日: 2007年
    公開日: 2010/12/06
    ジャーナル 認証あり
    しみ・そばかすに対するトラネキサム酸配合乳液の外用による有用性を肝斑25例,雀卵斑8例に5週から18週間使用させて調べた。最終観察時では,肝斑に対しては20例(80%),雀卵斑に対しては6例(75%)に良好な成績が得られた。また,副作用は認められず,トラネキサム酸の安全度に問題はなかった。皮膚所見の推移をみると,肝斑では8週以内に試験乳液の効果が認められ,雀卵斑では12週以内に試験乳液の効果が約6割の患者に認められたことから,少なくとも2ヵ月以上の外用が効果発現に必要であると考えられた。以上の結果から,トラネキサム酸配合剤乳液は美白機能を有する薬用化粧品として有用であると考えられた。
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