皮膚の科学
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7 巻 , 3 号
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カラーライブラリー
症例
  • 小林 めぐみ, 早出 恵里, 高橋 栄里, 助川 のぞみ, 鐵田 ゆう子, 清 佳浩
    2008 年 7 巻 3 号 p. 307-311
    発行日: 2008年
    公開日: 2010/12/06
    ジャーナル 認証あり
    気管支原性嚢胞は縦隔,及び肺実質内にみられることが多く,皮膚内や皮下に存在することは稀である。今回,我々は皮内気管支原性嚢胞の1例を経験したので報告する。症例は47歳女性。45歳時に右前頚部の隆起に気付き,徐々に増大してきたため当科受診。右胸鎖乳突筋前縁に直径2cm大の結節を認めた。粉瘤の臨床診断の下に,局所麻酔下に摘出術を施行。病理組織学的に単房性の嚢胞からなり,嚢胞壁は線毛円柱上皮で構成されており,平滑筋,腺組織,軟骨成分は認めなかった。臨床所見,病理組織所見から本症を皮内気管支原性嚢胞と診断した。本症の本邦での報告は我々が知り得た限りでは49例で,大部分は小児期までに発症しており,成人発症例は自験例を含めて3例と極めて稀であった。
  • 東 順子, 八十嶋 仁
    2008 年 7 巻 3 号 p. 312-316
    発行日: 2008年
    公開日: 2010/12/06
    ジャーナル 認証あり
    78歳,男性。高血圧性心疾患,心房細動,視床出血,脳梗塞,慢性腎不全の治療中に発症したフロセミドによる水疱性類天疱瘡型薬疹の1例を報告した。フロセミド内服開始から,5ヶ月半後薬疹を疑い薬剤を中止した。中止時フロセミドによるDLST126%(陰性),抗上皮基底膜抗体(IFA)5,120倍であった。内服中止1.5ヶ月後には,皮疹は軽快した。腎不全の状態が悪化した為,フロセミド(20mg)2錠を再投与したが,内服開始10日後には紅斑,水疱が多発した為,薬疹と診断した。内服中止後皮疹の再発は認められなかった。
  • 田口 久美子, 尾藤 利憲, 錦織 千佳子
    2008 年 7 巻 3 号 p. 317-321
    発行日: 2008年
    公開日: 2010/12/06
    ジャーナル 認証あり
    線状IgA水疱性皮膚症の誘因の一つとして海外ではバンコマイシンなど薬剤の関与が数多く報告されている。今回,73歳男性の術後の創部MRSA感染に対し,塩酸バンコマイシン投与中に生じた線状IgA水疱性皮膚症の1例を経験した。塩酸バンコマイシン誘発の線状IgA水疱性皮膚症の本邦報告例はまだ少ないが,今後は増加する可能性が考えられる。文献的考察を加え報告する。
  • 米田 雅子, 遠藤 由紀子, 森脇 真一, 大場 創介, 清金 公裕
    2008 年 7 巻 3 号 p. 322-326
    発行日: 2008年
    公開日: 2010/12/06
    ジャーナル 認証あり
    23歳,女性。2006年2月,右上腕伸側にそう痒を伴う虫刺され様の皮疹が出現した。同月妊娠,妊娠経過中皮疹が徐々に増大してきたため当科を受診した。初診時,右上腕伸側に長径63mm,短径61mm,高さ33mm,淡赤色で,一部に痂皮を伴う弾性硬で下床とは可動性の有茎性腫瘤が存在した。病理組織学的所見では真皮下層から皮下組織にかけて島状に腫瘍胞巣を認め,腫瘍は好塩基細胞,移行細胞,陰影細胞からなり,一部に石灰化を伴っていた。以上より本症例を巨大化した毛母腫と診断した。本症例における毛母腫の巨大化には性ホルモンの関与などが推測された。
  • 東 禹彦, 井上 千津子
    2008 年 7 巻 3 号 p. 327-330
    発行日: 2008年
    公開日: 2010/12/06
    ジャーナル 認証あり
    44歳,女性。初診は平成17年8月14日。約5ヶ月前から右拇指に爪甲剥離と疼痛を生じた。抜爪し,腫瘍を切除した。組織学的には個細胞角化が多く,基底層は保たれ,悪性像は認めず,爪甲下のケラトアカントーマと診断した。術後1年半後の現在,再発はなく,爪甲もほぼ正常に再生している。
  • 下浦 真一, 中野 英司, 藤原 進, 高井 利浩, 村田 洋三, 熊野 公子
    2008 年 7 巻 3 号 p. 331-336
    発行日: 2008年
    公開日: 2010/12/06
    ジャーナル 認証あり
    74歳女性。小児期から上背部に小さな淡褐色皮疹が1個あったとのことであるが詳細は不明である。数年前から次第に隆起してきたため紹介受診した。上背に11×13mm大の,褐色の境界明瞭な結節を1つ認める。それを取り囲んで半米粒大で褐色の小結節が集簇し,全体として,20×45mm大の局面を形成する。病理組織所見で,中央結節部は核の大小不同,核の不整配列,核分裂像,細胞間橋を認め,ボーエン病と診断。周囲の褐色丘疹・局面は脂漏性角化症と診断した。両者の境界部では腫瘍細胞は脂漏性角化症の病変内に胞巣を形成し,増殖している像を認め,全体として脂漏性角化症の構築の中に ボーエン病が浸潤していると考えた。
  • 照屋 操, 山本 雄一, 眞鳥 繁隆, 安里 豊, 平良 清人, 上里 博
    2008 年 7 巻 3 号 p. 337-342
    発行日: 2008年
    公開日: 2010/12/06
    ジャーナル 認証あり
    患者は12歳,女子。初診の約3ヵ月前に右第1趾爪甲下の小結節に気づいた。前医での単純X線像で右第1趾骨の異常を指摘された。初診で右第1趾爪甲下部に大豆大の,表面平滑な小結節がみられた。表面皮膚はわずかの鱗屑が付着し,爪甲の先端は腫瘍により上方に押し上げられていたが爪変形はなく,爪甲先端の一部は脱落していた。単純X線およびCT画像で,末節骨伸側中間部から外方に突出する斧状の骨陰影を認めた。爪下外骨腫と診断し,伝達麻酔下で右第1趾爪全抜爪後,腫瘍切除術を行った。病理組織像は,真皮中層から下層にかけて硝子軟骨組織から骨組織へと移行している部分がみられ,骨軟骨腫型の爪下外骨腫であった。
  • 中村 年伸, 村松 重典, 檜垣 淑子, 池田 志斈
    2008 年 7 巻 3 号 p. 343-346
    発行日: 2008年
    公開日: 2010/12/06
    ジャーナル 認証あり
    症例:75歳,男性。初診:平成17年6月8日。主訴:右臀部の痛みを伴う紅斑。6月1日より,右臀部の痛みを伴う紅斑出現。4日より尿閉,下肢運動障害出現。8日当科受診。尿閉および運動障害を合併した帯状疱疹の診断にて,同日入院。治療中に大腸癌が発見された。帯状疱疹患者をみた場合,重篤な合併症を見落とさないように注意をして治療を行う必要があり,内臓悪性腫瘍の発見の契機になることがあると,改めて気づかされた症例であった。
治療
  • 東 禹彦
    2008 年 7 巻 3 号 p. 347-353
    発行日: 2008年
    公開日: 2010/12/06
    ジャーナル 認証あり
    2004年4月からの3年間に東皮フ科医院を受診した爪甲鈎彎症患者は女性82名,男性6名であった。30歳代の女性が26名であった。爪甲を削って平坦化したのは6名で,QOLは改善した。4例の軽症例では絆創膏による牽引のみで治療したが,全例軽快あるいは治癒した。根治術としては抜爪数ヵ月後に末節骨を削って爪床を平坦化する手術を行い,爪床形成術後は絆創膏による牽引を行った。術後1年以上経過した症例は27例,35趾で,25趾では治癒あるいは略治となった。他の10趾では不成功となった。不成功の原因は,適応外の症例に行ったもの,途中で受診しなかったもの,絆創膏による牽引が不十分だったものなどである。爪甲鈎彎症は治療により正常化し得る疾患であることを強調したい。
使用試験
  • 谷岡 未樹, 相場 節也, 菊地 克子, 石川 治, 永井 弥生, 照井 正, 清水 秀直, 伊藤 正俊, 関東 裕美, 松永 佳世子, 矢 ...
    2008 年 7 巻 3 号 p. 354-363
    発行日: 2008年
    公開日: 2010/12/06
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    安全性を調べることを目的として,顔面に尋常性ざ瘡のある女性患者98例に対して,ざ瘡用医薬部外品2品(dプログラム薬用スポッツソリューションACケアカバー®,dプログラム薬用スポッツソリューションACケアクリア®)の4週間の使用試験を行った。ケアカバーの副作用発現率は5.2%,ケアクリアの副作用発現率は6.1%であり,症状はいずれも軽微であった。4週後の尋常性ざ瘡の面皰数および炎症性皮疹数は開始時に比べ有意に減少した。また被験者の自分の皮膚の満足度について,Visual Analog Scaleを用いて調べたところ,4週後で有意に満足度の上昇が認められた。以上の結果より,本試験試料は,女性の尋常性ざ瘡患者に使用しても,ざ瘡を悪化させることなく安全に使用できるだけでなく,患者の満足度も上昇させるといえる。
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