1) ハロゲン化フェノール類 (以下HPと略す) による光接触皮膚炎患者は, 昭和49年から昭和51年まで減少傾向にあり, 昭和51年度は0であったが, 昭和52年度は3例をみた。2) Bithionol (以下BTと略す) は昭和52年度も市販されていた。3) Chlorhexidine HCI (以下CHと略す) の市場占有率は昭和48年以後急激に上昇し, 昭和52年度はPHの約半数を占めた。種々の基剤および誘導体を用いて検討したが, 光接触感作および接触感作ともにみられなかった。4) IrgasanCF
3(以下IRG. CF
3と略す), 3, 4, 4'-Trichlorocarbanilide (以下TCCと略す) およびPentachlorophenol (以下PCPと略す), は, それ自身光感作性は極めて低く, また光交叉反応 (以下PCRと略す) の率も低かった。5) BTおよび3' 4', 5-Tribromosalicylanilide, 3, 5-Dibromosalicylanilide, 4', 5-Dibromosalicyianilide群 (3者を一括してBSA群と略す) および3, 3', 4', 5-Tetrachlorosalicylanilide, 3, 4', 5-Trichlorosalicylanilide, 3', 4'-Dichlorosalicylanilide, 2', 5, -Dichlorosa-Iicylanilide群 (3者を一括してCSA群と略す) は他のHPとの間にPCRの率は高い。6) Hexachlomphene (以下HEXと略す), 2, 4, 6-Trichlompheno1 (以下TICPと略す) およびCSA群にはそれ自身にだけ光パッチテスト (以下PPTと略す) 陽性を示し, 他のHPと反応しなかった例がある。すなわちHEXにも光感作性がある。またCSA群は日本では使われていない物質であるので英国からか侵入していた可能性がある。TCPによる光感作もその経路が不明である。
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